こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
先日、友人のるるーしゅ(@ph_lelouch)先生が以下のツイートをしておりました。
先日の「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」の資料から薬剤師の地域偏在について抜き出しました。
— るるーしゅ (@ph_lelouch) 2023年3月30日
なんで福井は薬局薬剤師足りていないんだろう?
現在および将来の各都道府県の薬剤師の偏在の状況公開!今いる地域は大丈夫? https://t.co/H26KClEM3m
ブログのリンクはこちらです。
私は福井県で働いておりますので、このご質問についてお答えしようと思い、いろいろと調べてみました。
まあ、るるーしゅ先生はこんなツイートしておきながら、福井県がどこにあるか知らないんですけどね。何年か前に教えたことあるんですけど、たぶん忘れていると思います。
詳しくはるるーしゅ先生のブログを見てもらえればいいと思いますが、先日、「第13回薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」が開かれ、「都道府県別薬剤師偏在指標」が報告されました。計算方法はよくわからなかったのですが、都道府県別として以下のような結果となり、福井県は偏在指標として全国値を下回り、「地域別薬剤師偏在指標」は全国で最下位でした。また、「地域別薬剤師偏在指標」の2035年における将来推計も最下位でした。
ではこの要因を3つの点から考えていきたいと思います。
①都道府県別人口10万人あたりの薬剤師数が全国で下から2番目!
福井県の対10万人あたりの薬剤師数は全国で沖縄に次ぐ下から2番目。ここ最近はずっと同じ傾向で、全国とは差が広がるばかりです。最下位の沖縄、下から3位の青森、全国平均での比較のグラフを作りました。(「医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省)より作成)
②医薬分業率が全国最下位だけど、現在絶賛上昇中!
福井県の医薬分業率が全国最下位を爆走中なのは有名な話ではありますが、現在かなり上昇傾向となってきております!以下のグラフをご確認ください。(「医薬分業進捗状況(保険調剤の動向)」(日本薬剤師会)より作成)
分業率が上昇してきていることが福井県の薬剤師不足に拍車をかけているのではないかと思います。まだ伸びしろがかなりありますので、将来的にも薬剤師の需要はまだまだ足りないということが予想されます。
※R2からR3にかけて全国平均が減少に転じているのは、新型コロナの流行で院内処方が増えたことが原因かなと考えております。
③薬学部がない!なのに北陸地区唯一の私大の国家試験合格率が…涙
福井県には国公立、私大の薬学部はいずれも存在しません。北陸地方(福井・石川・富山)には、国立大学の金沢大学、富山大学、私立大学の北陸大学に薬学部があります。しかし、唯一の私大の北陸大学の薬剤師国家試験の合格率がアレなんですよね。ここに載せるのは止めておきますが…福井県からもたくさん通っているんですけどね…大学が悪いのかそもそもの学生のレベルなのかは分かりませんが…改善を全力で期待しています!!
福井県の薬剤師事情を簡単にまとめました。書いていてなかなか辛かったです。
これらの理由が複合的に絡み合ってるのかなと感じました。分業率が低いから、薬剤師があまりいらなかった。薬剤師が少なくて、薬剤師という職業が身近ではなく、薬剤師を目指す人が少なかった。薬剤師が少ないから、分業が進まなかった。
ただ、福井県で薬剤師が少ないことは周知の事実でしたので、現在様々な対策がなされているところです。今回は、福井県薬剤師会での取り組み、奨学金返済対策の紹介をしていこうと思います。
〇福井県薬剤師会での取り組み
福井県では高校生を対象とした取り組みをいくつか行っております。
まず一つ目が「薬剤師職場体験会」です。
時期としては夏休みに、病院・薬局のいずれかを選んでいただき、半日程度の薬剤師体験をしてもらいます。当院でも受け入れを行っているのですが、調剤・鑑査などの薬剤師業務を体験してもらったり、薬剤師の職業紹介や受験・学生生活の話をしたりしています。
また、「高校生セミナー/薬学への招待」と題した、様々な職場(病院・薬局・メーカー・保健所)で働いている薬剤師から話を聞けたり、大学紹介を聞けたりするセミナーも毎年開催しております。コロナ禍前は集合形式でしたが、コロナ禍ではWEBでの開催になっております。今年からは集合が復活するかもしれません。
私は、集合形式だったときに嶺南地区からの送迎バスの添乗員をさせていただいておりました。集合形式が復活すれば、また貢献できる機会があるかもしれません。
さらに、私の住む町では医療介護職への早期暴露を目的に、中学2年生を対象とした「医療介護特別授業」を開催しており、薬剤師も毎年参加しております。
去年の様子は以下のブログにまとめております。
この他にも、各地域で中学生を対象とした職場体験の受け入れを行ったりしているようですね。
できるだけ早い段階で薬剤師という職業を知ってもらう取り組みは重要だと感じております。
〇奨学金返済対策
薬学部は学費が高く、また6年制ということで多額の奨学金を借りて通学している学生も少なくないと思います。私自身も学生時代には月に10万以上奨学金を借りておりまして、20年間の返済の真っ只中です。
福井県では、薬剤師だけでなく幅広い職種を対象とした県・市町村単位での返済対策も行われておりますので、紹介していきます。
まずは県での対策からです。
去年の案内になりますが、最近ずっと取り組まれているので今年もおそらく継続になるかとは思います。対象は広く、年20万円×5年の返済の補助が受けられるようです。ただ、人数が15人と少なめなので、応募しても漏れてしまうことがあるかもしれません。できれば「薬剤師用」の返済対策ができてほしいものです。
次は、私の住む町での奨学金返済対策です。
こちらは新卒のみでなく、既卒も対象となっております。最大200万円というのはすごく大きな金額ですね。私がこちらに戻ってきたときにはなかった制度なんですよね…羨ましい!「福井県U・Iターン奨学金返還支援制度」との併用は可能なようです。合計300万…すごい…
まとめ
今回は福井県の薬剤師の現状と薬剤師確保対策についてまとめました。
そう簡単には解決しそうにないなと改めて感じました。私としては常に念頭に置きながら、アピールできるチャンスがあれば積極的にアピールしていきたいなと考えております。
地域別で薬剤師の偏在状況が異なることもよく理解できました。福井には薬剤師の仕事が溢れていますので、都会での薬剤師生活に疲れたら、是非福井に来てもらいたいですね!
福井県の魅力も一緒にお伝えしたいところでしたが、私はよく分かってないので自分でググって下さい!!
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!