リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

個人的に気になった最新論文約30選の要約(2020.9)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

その月に気になった最新論文30本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!

論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。

日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。

癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。

 

【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。

それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。

 

今回は2020年9月分を。55取り上げております。

多かった…疲れた…

 

☆糖尿病関連

①「2型糖尿病患者の腎アウトカムSGLT2i( n=18,544)、GLP-1RA(n=23,711)、DPP-4i(n=39,399)、およびSU剤(n=134,904)の比較効果を検討した観察研究。米国退役軍人を最長3年間追跡し、eGFRの50%以上の低下、末期腎疾患(ESKD)、または全死因死亡の複合アウトカムのリスクを評価した。SU薬による治療群と比較して、SGLT2i(HR 0.68;95%CI:0.63-0.74)、GLP-1(HR 0.72;95%CI:0.67-0.77)、DPP-4(HR 0.90;95%CI:0.86-0.95)による治療は複合転帰のリスクが低かった。SGLT2i群とGLP-1群では統計学的に有意な差は認められなかったが(HR 0.95;95%CI:0.87-1.04)、DPP-4よりもSGLT2i(HR 0.76;95%CI:0.70-0.82)とGLP-1(HR 0.79;95%CI:0.74-0.85)の両群では複合アウトカムのリスクは低かった。eGFRカテゴリー別に解析した結果では、SU薬群と比較して、SGLT2i群およびGLP-1群では、すべてのeGFRカテゴリーにおいて複合転帰のリスクが低いことが示唆された。SGLT2i群とGLP-1群では、DPP-4群と比較して、eGFR60~90、45~60、<45 mL/min/1.73 m2で複合転帰のリスクが低下した。」

Comparative Effectiveness of SGLT2 Inhibitors, GLP-1 Receptor Agonists, DPP-4 Inhibitors, and Sulfonylureas on Risk of Kidney Outcomes: Emulation of a Target Trial Using Health Care Databases

Diabetes Care . 2020 Sep 16;dc201890.

PMID: 32938746

【フリー】

 

 

②「DECLARE-TIMI58試験の事後解析。2型糖尿病患者におけるダパグリフロジンとプラセボの心血管アウトカムの評価にベースライン糖尿病薬が影響したかどうかを検討。ベースラインでは、82.0%がメトホルミン、42.7%がSU剤、16.8%がDPP-4阻害薬、4.4%GLP-1RA)、40.9%がインスリンを使用していた。ダパグリフロジンは、プラセボと比較して心血管死(CVD)と心不全による入院(HHF)の複合アウトカムを減少させ、GLP-1RAをベースラインで使用していた患者ではより大きな効果が得られた(GLP-1 RA使用者と非使用者のHR;0.37(95%CI:0.18-0.78) vs 0.86(95%CI:0.75-0.98);Pinteraction=0.03)。主要心血管イベント(CVD、心筋梗塞または虚血性脳卒中)の全体HRは、ダパグリフロジン vs プラセボで0.93(95%CI:0.84-1.03)であり、ベースラインの糖尿病薬による影響は認められなかった(Pinteraction > .05)。腎アウトカムは、コホート全体ではダパグリフロジン vs プラセボで減少した(HR 0.53;95%CI:0.43-0.66)が、ベースラインの糖尿病薬による影響はなかった(Pinteraction > .05)。」

Cardiorenal outcomes with dapagliflozin by baseline glucose-lowering agents: Post hoc analyses from DECLARE-TIMI 58

Diabetes Obes Metab . 2020 Aug 26.

PMID: 32844557

【フリー】

 

 

③「SGLT2iとDPP4iの心血管イベントのリスクを比較したマルチデータベースの後ろ向き観察研究。SGLT2阻害薬とDPP-4阻害薬の新規使用者各209,867人をマッチングさせ、平均0.9年間追跡。DPP-4iと比較して、SGLT2iはMACEのリスクを減少させた(1000人年あたりの発症率 11.4 vs 16.5;HR 0.76;95%CI:0.69~0.84);心筋梗塞(5.1 vs 6.4;HR 0.82;95%CI:0.70~0.96)、心血管死(3.9 vs 7.7;HR 0.60;95%CI:0.54~0.67)、心不全(3.1 vs 7.7;HR 0.43;95%CI:0.37~0.51)、全死因死亡(8.7 vs 17.3;HR 0.60;95%CI:0.54~0.67)。虚血性脳卒中では有意差がなかった(2.6 vs 3.5;HR 0.85;95%CI:0.72~1.01)。MACEに対する有益性は、カナグリフロジン(HR 0.79;95%CI:0.66~0.94)、ダパグリフロジン(HR 0.73;95%CI:0.63~0.85)、エンパグリフロジン(HR 0.77;95%CI:0.68~0.87)で観察された。」

Sodium glucose cotransporter 2 inhibitors and risk of major adverse cardiovascular events: multi-database retrospective cohort study

BMJ . 2020 Sep 23;370:m3342.

PMID: 32967856

【フリー】

 

 

④「ダパグリフロジンの2型糖尿病を有するCKD患者(GFR 25~75 mL/分/1.73 m2かつ尿中アルブミン/クレアチニン比(mg/g クレアチニン) 200~5,000)への効果を検討したRCT。4,304例を,ダパグリフロジン(10mg1日1回)群(n=2,152)とプラセボ群(n=2,152)に無作為に割り付け。追跡期間中央値2.4年間に、主要転帰(推算GFRの50%以上の低下の持続、末期腎不全(ESKD)、腎臓または心血管系が原因の死亡の複合)はダパグリフロジン群9.2%とプラセボ群14.5%に発生した(HR 0.61;95%CI:0.51~0.72;NNT=19;95%CI:15~27)。推算GFRの50%以上の低下の持続、ESKD、腎臓が原因の死亡の複合のハザード比は0.56(95%CI:0.45~0.68)、心血管系が原因の死亡または心不全による入院の複合のハザード比は0.71(95%CI:0.55~0.92)であった。ダパグリフロジン群4.7%とプラセボ群の6.8%が死亡した(HR 0.69;95%CI:0.53~0.88)。ダパグリフロジンの効果は2 型糖尿病を有する患者と有しない患者とで同程度であった。」

Dapagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease

N Engl J Med . 2020 Oct 8;383(15):1436-1446.

PMID: 32970396

【アブストのみ】

 

 

⑤「2型糖尿病と動脈硬化性心血管系疾患を有する患者を対象に、SGLT-2阻害薬であるErtugliflozin 5mgまたは15mg、またはプラセボを1日1回投与するよう無作為に割り付け、心血管系への影響を検討したRCT。合計8246人の患者が無作為化を受け、平均3.5年間追跡された。Ertugliflozinまたはプラセボを少なくとも1回投与された8238人の患者のうち、Ertugliflozin群では5493人中11.9%に、プラセボ群では2745人中11.9%に主要心血管系有害事象が発生した(HR 0.97;95.6%CI:0.85~1.11)。心血管系死または心不全による入院は、Ertugliflozin群で8.1%、プラセボ群で9.1%に発生した(HR 0.88;95.8%CI:0.75~1.03)。心血管死のハザード比は0.92(95.8%CI:0.77~1.11)、腎原因による死亡、腎代替療法による死亡、血清クレアチニン値の倍増の複合のハザード比は0.81(95.8%CI:0.63~1.04)であった。切断例はプラセボ投与群1.6%と比較して、Ertugliflozin 5mg群2.0%,15mg群2.1%であった。」

Cardiovascular Outcomes with Ertugliflozin in Type 2 Diabetes

N Engl J Med . 2020 Oct 8;383(15):1425-1435.

PMID: 32966714

【アブストのみ】

 

 

⑥「SGLT-2阻害薬の下肢切断リスクを評価したRCTのメタ解析(6研究,n=51,713)。858人が切断手術を必要とした。切断手術の発生率は、SGLT-2 阻害薬群で2.0%、対照群で1.3%と有意差はなかった(RR 1.24;95CI:0.96~1.60;I2=67.5%)。」

Sodium-glucose co-transporter-2 inhibitors and major adverse limb events: A trial-level meta-analysis including 51 713 individuals

Diabetes Obes Metab . 2020 Aug 3.

PMID: 32744411

【アブストのみ】

 

 

⑦「心血管・腎疾患(CVRD)の既往歴のない2型糖尿病患者において、SGLT2iとDPP4iの新規使用と、心血管疾患、心不全(HF)または慢性腎臓病(CKD)のリスクを比較したコホート研究。SGLT2i または DPP4i の CVRD なしの新規使用者1,006,577例を、傾向スコアにて 1:1 にマッチングさせ、各群の105,130人(平均年齢56歳)、総追跡期間は187,955人年であった。SGLT2iは心腎疾患(HR 0.56;95%CI:0.42~0.74)、HF(HR 0.71;95%CI:0.59~0.86)、CKD(HR 0.44;95%CI:0.28~0.69)、全死亡(HR 0.67;95%CI:0.59~0.77)、心血管死亡率(HR 0.61;95%CI:0.44~0.85)のリスク低下と関連していた。脳卒中(HR 0.87;95%CI:0.69~1.09)、MI(HR 0.94;95%CI:0.80~1.11)では差は認められなかった。」

Lower cardiorenal risk with sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors versus dipeptidyl peptidase-4 inhibitors in patients with type 2 diabetes without cardiovascular and renal diseases: A large multinational observational study

Diabetes Obes Metab . 2020 Sep 7.

PMID: 32893440

【フリー】

 

 

⑧「ダパグリフロジン10mg/日の貧血への効果を検討したRCTのメタ解析(14試験;n=5,235)。ベースラインにて2型DM患者の13%,慢性腎臓病患者(eGFR<60mL/min/1.73m2)の28%に貧血が認められた。ヘモグロビンは少なくとも8週目まで継続的に増加し、ダパグリフロジン投与群では24週の追跡期間中も持続していた。ベースライン時に貧血を呈していた患者の52%(プラセボ:26%)で貧血を改善した。新規発症貧血の発生率は、ダパグリフロジン投与群(2.3%)とプラセボ投与群(6.5%)で低かった。」

Correction of anemia by dapagliflozin in patients with type 2 diabetes

J Diabetes Complications . 2020 Sep 5;107729.

PMID: 32948397

【アブストのみ】

 

 

⑨「カナグリフロジンまたはGLP-1RAを新たに処方された患者(n=31,840)を、傾向スコアにて1:1にマッチングさせ、1群は心血管系疾患を発症していない65歳未満の患者、2群は心血管系疾患を発症している65歳未満の患者、3群は心血管系疾患を発症していない65歳以上の患者、4群は心血管系疾患を発症している65歳以上の患者に分け、下肢切断率について1000人年当たりのハザード比および率差を算出した。カナグリフロジンを投与された成人の切断の1000人年当たりのハザード比と率の差は、各群でGLP-1RAと比較して以下の通りであった。第1群-HR 1.09;95%CI:0.83~1.43;率差 0.12;95%CI:-0.31~0.55)、2群-HR 1.18;95%CI:0.86~1.62;率差 1.06;95%CI:-1.77~3.89)、3群-HR 1.30;95%CI:0.52~3.26;率差 0.47;95%CI:-0.73~1.67)、4群-HR 1.73;95%CI:1.30~2.29;率差 3.66;95%CI:1.74~5.59。」

Risk of amputation with canagliflozin across categories of age and cardiovascular risk in three US nationwide databases: cohort study

BMJ . 2020 Aug 25;370:m2812.

PMID: 32843476

【フリー】

 

 

⑩「糖尿病の有無にかかわらず、SGLT2阻害薬がHFrEF患者の心血管系アウトカムに及ぼす影響を評価したRCTのメタ解析(2試験;n=8,474人)。全死亡(HR 0.87;95%CI:0.77-0.98)および心血管死(HR 0.86;95%CI:0.76-0.98)は減少した。SGLT2阻害は、心血管死または心不全による初回入院の複合リスクの減少(HR 0.74;95%CI:0.68~0.82)、心不全による再入院または心血管死の複合リスクの減少(HR 0.75;95%CI:0.68~0.84)、また複合腎エンドポイントのリスクも減少した(HR 0.62;95%CI:0.43-0.90)。」

SGLT2 inhibitors in patients with heart failure with reduced ejection fraction: a meta-analysis of the EMPEROR-Reduced and DAPA-HF trials

Lancet . 2020 Sep 19;396(10254):819-829.

PMID: 32877652

【フリー】

 

 

⑪「糖尿病の服薬アドヒアランスに対する薬剤師による動機づけ面接(MI)介入の影響を評価した介入研究。研究期間は6ヵ月間であった。MIの訓練を受けた薬剤師が、服薬アドヒアランスの障壁や課題に対処するために、MIをベースとした半構造化会話ツールを用いて3回の対面式介入を行った。プロトコルを完了した36人において、自己申告による糖尿病薬の服薬アドヒアランスは介入後に統計学的に有意な改善を示した(P=0.010)。拡張期血圧の変化は統計学的に有意であった(P=0.034)が、HbA1c、収縮期血圧の変化は統計学的に有意ではなかった。」

Pharmacist-led motivational interviewing for diabetes medication adherence in a worksite wellness program

J Am Pharm Assoc (2003) . 2020 Aug 21;S1544-3191(20)30350-2.

PMID: 32839137

【アブストのみ】

 

 

☆感染症関連

⑫「インフルエンザまたはインフルエンザ肺炎で入院した40歳以上の患者(n=7,747;年齢の中央値71歳)におけるNSAIDの使用(入院前60日以内)と有害転帰との関連を検討したコホート内症例対象研究。6.7%が NSAIDs に曝露されており、非対照コホートではNSAIDs を使用した20.0%と,NSAIDs を使用しなかった13.3%がICUに入院した。入院後30日以内の死亡については、NSAIDsを使用した患者7.1%、使用しなかった患者7.8%であった。現在のNSAID使用は集中治療室入院と関連していた(RR 1.51;95%CI:1.26~1.81;RD 6.7%;95%CI:3.2%~10.3%)が、NSAID使用は死亡とは関連していなかった(RR 0.91;95%CI:0.66~1.26;RD:-0.7%;95%CI:-3.0%~1.6%)。マッチ後の解析では、集中治療室入院(RR 1.25;95%CI:0.95~1.63;RD 4.0%;95%CI:-0.6%~8.7%)および死亡(RR 1.03;95%CI:0.66~1.60;RD 0.2%;95%CI:-2.9%~3.3%)となり、有意差はなかった。関連は、NSAIDsを長期間使用した患者でより顕著であった(ICU入院-RR 1.90;95%CI:1.19~3.06;RD 13.4%;95%CI:4.0%~22.8%)。」

Association of Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug Use and Adverse Outcomes Among Patients Hospitalized With Influenza

JAMA Netw Open . 2020 Jul 1;3(7):e2013880.

PMID: 32609352

【フリー】

 

 

⑭「妊娠中のインフルエンザワクチン曝露が自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスク増加と関連しているかを検討した人口ベースのコホート研究。39,726人の乳児がH1N1ワクチンの胎内接種を受け(妊娠初期の3か月:13,845人)、29,293人の乳児が未接種であった。平均6.7年間の追跡期間中、ワクチン接種児1.0%と非接種児1.1%でASDと診断された。調整解析では、H1N1ワクチン接種への出生前の曝露は、ASD(aHR 0.95;95%CI:0.81~1.12)または自閉症障害(AD)(aHR 0.96:95%CI:0.80~1.16)の後の診断は関連していなかった。非被爆児と被爆児の6年間の標準化累積罹患率差は、ASDでは0.04%(95%CI:-0.09%~0.17%)、ADでは0.02%(95%CI:-0.09%~0.14%)であった。解析を妊娠初期3か月のワクチン接種に限定しても、リスク推定値に影響はなかった(ASD-aHR 0.92;95%CI:0.74~1.16、AD-aHR 0.91;95%CI:0.70~1.18)。」

Maternal Influenza A(H1N1) Immunization During Pregnancy and Risk for Autism Spectrum Disorder in Offspring : A Cohort Study

Ann Intern Med . 2020 Sep 1.

PMID: 32866418

【アブストのみ】

 

 

⑮「インフルエンザウイルス感染が確認された入院患者を対象に、入院後48時間以内にオセルタミビルを投与した場合と投与しなかった場合の治療効果を比較した後ろ向きコホート研究。合計390人の患者がこの研究に含まれ、80%が併存疾患を有していた。30日死亡率、および複合エンドポイントである30日死亡率または入院後48時間以上の集中治療室入院は、それぞれ9%(P=0.04)および11%(P=0.02)減少した。入院期間と院内死亡率はいずれも減少傾向を示した。症状発症から治療開始までの期間の中央値は3日であった。」

Effectiveness of oseltamivir in reduction of complications and 30-day mortality in severe seasonal influenza infection

Int J Antimicrob Agents . 2020 Sep 6;106155.

PMID: 32898685

【フリー】

 

 

⑯「感染症に関連した大動脈瘤または大動脈解離(AA/AD)のリスクを推定し、同じ種類の感染症を持つ患者において、フルオロキノロン系抗生物質と他の抗生物質とのAA/ADのリスクを比較することを目的とした人口ベースの症例対象研究(1:10)にマッチング。AA/AD発症前60日以内の感染症および抗生物質使用が曝露因子。合計28,948例と289,480例の対照群が含まれた(男性71.37%;平均年齢67.41歳)。いずれかの感染症に対するAA/ADの調整済みORは1.73(95%CI:1.66~1.81)であった。敗血症(OR 3.16;95%CI:2.63~3.78)および腹腔内感染(OR 2.99;95%CI:2.45~3.65)が最も高いリスク上昇を示した。フルオロキノロン系薬剤は、SBT/CVAまたはSBT/ABPC(OR 1.01;95%CI:0.82-1.24)、または拡張スペクトルセファロスポリン系薬剤(2-3世代?)(OR 0.88;95%CI:0.70-1.11)と比較しても、AA/ADリスクの増加とは関連していなかった。」

Association of Infections and Use of Fluoroquinolones With the Risk of Aortic Aneurysm or Aortic Dissection

JAMA Intern Med . 2020 Sep 8;e204192.

PMID: 32897358

【フリー】

 

 

⑰「21,608人の血流感染症患者を対象に感受性試験耐性の薬剤の経験的使用による治療への影響を調査した、米国の131の病院の電子カルテデータを用いた後ろ向きコホート研究。最初の血液培養採取日に経験的抗生物質療法を受けており、19%が耐性の経験的抗生物質療法を受けていた。耐性の経験的抗生物質療法は死亡リスクの増加と独立して関連していた(aHR 1.46;95%CI:1.28~1.66)が、この関係は耐性菌、敗血症または敗血症性ショックの有無に影響されなかった。抗生物質耐性種への感染は、不適切な経験的治療を受けることを強く予測した(aHR 9.09;95%CI:7.68~10.76)。不適切な経験的抗生物質治療とそれに伴う死亡のほとんどは、黄色ブドウ球菌またはEnterobacteralesによる血流感染症の患者で発生した。」

Inappropriate empirical antibiotic therapy for bloodstream infections based on discordant in-vitro susceptibilities: a retrospective cohort analysis of prevalence, predictors, and mortality risk in US hospitals

Lancet Infect Dis . 2020 Sep 8;S1473-3099(20)30477-1.

PMID: 32916100

【アブストのみ】

 

 

⑱「市中肺炎治療において入院後4時間以内の抗菌薬投与と30日死亡率、72時間以内の安定性、30日再入院、退院までの時間の関連を検討したコホート研究。2264人の患者が含まれ、12.1%は入院後30日以内に死亡し、56.4%は72時間以内に生存し安定しており、14.8%は生存して退院して30日以内に再入院した。入院期間の中央値は5日間であった。すべてのモデルにおいて、入院後 4 時間以内の抗生物質投与はアウトカムに有意な影響を与えなかった。30日死亡率、72時間以内の安定性、および30日再入院に関する多変量モデルから導き出された調整オッズ比は、1.01(95%CI:0.76-1.33)、0.88(95%CI:0.74-1.05)、および1.05(95%CI:0.82-1.34)であった。」

Time to antibiotic administration and patient outcomes in community-acquired pneumonia: results from a prospective cohort study

Clin Microbiol Infect . 2020 Sep 5;S1198-743X(20)30520-6.

PMID: 32896655

【アブストのみ】

 

 

⑲「重症細菌感染症患者における適切な抗菌薬治療の遅れが臨床転帰に与える影響を検討した37試験のメタ解析。死亡率は、遅延のない適切な治療を受けた患者の方が、遅延を経験した患者に比べて有意に低かった(OR 0.57;95%CI:0.45-0.72)。死亡率は、20~30日後(OR 0.57;95%CI:0.43~0.76)、ICU滞在中(OR 0.47;95%CI:0.27~0.80)、または菌血症患者の死亡率(OR 0.54;95%CI:0.40~0.75)においても、遅延なし群の方が遅延あり群に比べて低かった。」

A Systematic Review of the Effect of Delayed Appropriate Antibiotic Treatment on the Outcomes of Patients With Severe Bacterial Infections

Chest . 2020 Sep;158(3):929-938.

PMID: 32446623

【フリー】

 

 

⑳「T/PおよびTEIC単独療法と、T/PとTEICの併用療法が腎機能低下と関連しているかどうかを検討した後ろ向きコホート研究。全4202例のうち、75.9%がT/P、18.8%がTEIC、5.3%がT/P+TEICを投与された。治療開始後48~72時間におけるAKIの発生率は、T/Pで5.4%、TEICで3.4%、T/P+TEICで11.7%であった(P<0.001)。48~72時間後の平均血清クレアチニンは、T/P+TEIC群でベースラインと比較してわずかに高く(+1.61%;95%CI: -2.25~5.70)、腎機能のわずかな低下を示し、T/Pでは(-1.98%;95%CI:-2.73~-1.22)、TEICでは(-8.01%;95%CI:-9.54~-6.45)低下していた。」

Nephrotoxicity of concomitant piperacillin/tazobactam and teicoplanin compared with monotherapy

J Antimicrob Chemother . 2020 Sep 18;dkaa385.

PMID: 32944771

【アブストのみ】

 

 

㉑「薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの手引き発行の発行による6歳以上の急性呼吸器感染症(ARTI)および胃腸炎に対する抗生物質使用量の削減に影響を与えたかどうかを検討した後ろ向き観察研究。調査期間中のARTI患者数は13,177,735人,胃腸炎患者数は300,565人であった。ARTI患者では、2年間の研究期間中に抗生物質使用量の有意な減少傾向がみられた(差 -0.06%/週;95%CI:-0.07%~-0.04%)。しかし、発行前と発行後では、抗生物質使用量の傾向に有意な変化は見られなかった(差 -0.01%/週;95%CI:-0.10%~0.07%)。同様に、胃腸炎患者では、発行前と発行後の抗生物質使用の傾向に有意な変化は見られなかった(傾向差 -0.02%/週;95%CI:-0.04%~0.01%)。広範囲の抗生物質使用に関する解析でも同様の関連が観察された。」

Impact of national guidelines for antimicrobial stewardship to reduce antibiotic use in upper respiratory tract infection and gastroenteritis

Infect Control Hosp Epidemiol . 2020 Sep 22;1-7.

PMID: 32959738

【アブストのみ】

 

 

㉒「4価ヒトパピローマウイルスワクチン接種と、慢性疲労症候群、複合性局所疼痛症候群、体位性頻脈症候群などの自律神経機能障害を伴う症候群との関連を評価した自己対照ケースシリーズ。2007年から16年の間にデンマーク生まれの10歳から44歳までの女性1,375,737人のコホートを使用し、10,581,902人年の追跡調査期間中に、自律神経機能障害症候群を有する女性869人(慢性疲労症候群136人、複合性局所疼痛症候群535人、体位性頻脈症候群198人)を同定。4価ヒトパピローマウイルスワクチン接種は、接種後365日のリスク期間における自律神経機能障害を有するすべての症候群の複合転帰率(RR 0.99;95%CI:0.74-1.32)、任意の個別の症候群(慢性疲労症候群(RR 0.38;95%CI:0.13~1.09)、複合性局所疼痛症候群(RR 1.31;95%CI:0.91~1.90)、または体位性頻脈症候群(RR 0.86;95%CI:0.48~1.54)の割合を統計学的に有意に増加させなかった。」

Association between quadrivalent human papillomavirus vaccination and selected syndromes with autonomic dysfunction in Danish females: population based, self-controlled, case series analysis

BMJ . 2020 Sep 2;370:m2930.

PMID: 32878745

【フリー】

 

 

㉓「CDI発生率と各種抗菌薬の適用密度を、多変量線形回帰を用いて分析。CeftriaxoneはCDI発症の唯一の独立した予測因子であった(R=0.673;95%CI:0.411-0.935;SEM 0.102). 他の抗生物質(特にフルオロキノロン、全セファロスポリン、カルバペネム、チゲサイクリン、およびクリンダマイシン)、抗生物質の総消費量、およびPPIの適用密度、平均CMI、平均LOS、および患者の平均年齢は有意な影響を及ぼさなかった。」

Switching From Ceftriaxone to Cefotaxime Significantly Contributes to Reducing the Burden of Clostridioides difficile infections

Open Forum Infect Dis . 2020 Aug 23;7(9):ofaa312.

PMID: 33005693

【フリー】

 

 

☆抗凝固薬関連

㉔「低用量アスピリンによるがん発現、死亡への影響を検討したRCT(ASPREE試験の事後解析)。心血管疾患、認知症、身体障害のない70歳以上のオーストラリアおよび米国の地域居住者19,114人がランダム化。追跡期間の中央値4.7年。がんイベントはアスピリン群で981件、プラセボ群で952件発生。全がん発現(HR 1.04;95%CI:0.95~1.14)、血液がん(HR 0.98;95%CI:0.73~1.30)、またはすべての固形がん(HR 1.05;95%CI:0.95~1.15)について、群間に統計学的に有意な差は認められなかった。しかし、アスピリンは、転移がん(HR 1.19;95%CI:1.00~1.43)または診断時のステージ4(HR 1.22;95%CI:1.02~1.45)のリスクの増加、およびステージ3(HR 2.11;95%CI:1.03~4.33)または4(HR 1.31;95%CI:1.04~1.64)で出現したがんの死亡リスクの増加と関連していた。」

Effect of aspirin on cancer incidence and mortality in older adults

J Natl Cancer Inst . 2020 Aug 11;djaa114.

PMID: 32778876

【フリー】

 

 

㉕「70歳以上の高齢者を対象に実施されたアスピリン対プラセボの一次予防試験「ASPirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)」、n=19,114)のサブ解析。追跡期間中央値4.7年(88,389人年)の間に、上部消化管出血はアスピリン群89例 vs プラセボ群48例(HR 1.87;95%CI:1.32~2.66)、下部消化管出血は73例 vs 54例(HR 1.36;95%CI:0.96~1.94)であり、全体的に出血イベントが60%増加したことを反映していた。プラセボ群では2件の致死的出血があった。多変量解析では、年齢、喫煙、高血圧、慢性腎臓病、肥満が出血リスクを増加させることが示された。」

Major GI bleeding in older persons using aspirin: incidence and risk factors in the ASPREE randomised controlled trial

Gut . 2020 Aug 3;gutjnl-2020-321585.

PMID: 32747412

【アブストのみ】

 

 

㉖「健康な高齢者の敗血症に伴う死亡に対するアスピリンの効果を検討した、ASPREE(地域居住高齢者を対象とした低用量アスピリン[100mg/日]とプラセボを比較した無作為化比較一次予防試験)のサブ解析。70歳以上の16703人が登録され、中央値で4.6年の追跡調査が行われた。49.8%の参加者がアスピリン投与群に、50.2%がプラセボ投与群に割り付けられた。203例の死亡は敗血症に関連していると考えられたが、敗血症に関連した死亡率は両群でほぼ同程度であった(アスピリン vs プラセボ(HR 1.08;95%CI:0.82~1.43)。」

Effect of aspirin on deaths associated with sepsis in healthy older people (ANTISEPSIS): a randomised, double-blind, placebo-controlled primary prevention trial

Lancet Respir Med . 2020 Sep 17;S2213-2600(20)30411-2.

PMID: 32950072

【アブストのみ】

 

 

㉗「消化管出血(GIB)後のDOACの再開に関連する転帰を検討した後ろ向き観察研究。解析対象となった患者は57人であり、37人の患者でDOACが7日以上中断され、18人の患者が7日以内にDOAを再開、2人の患者がワルファリンに切り替えた。GIBの再発率は、DOAC中止継続群で2.5%、DOAC再開群で5.6%であった(P=0.83)。退院後12ヵ月以内の死亡率は、DOAC中止継続群10.8%とDOAC再開群22.2%で発生した(P=0.28)。」

Outcomes Associated With Resuming Direct Oral Anticoagulant Therapy Following Admission for a Gastrointestinal Bleed

Ann Pharmacother . 2020 Oct;54(10):975-980.

PMID: 32141301

【アブストのみ】

 

 

㉘「ステント留置を受けた非弁膜性心房細動(NVAF)患者におけるOAC使用と安全性の転帰(特に出血)を検討した後ろ向きコホート研究。5,695人の患者が対象となり、DOACを3530人が、ビタミンK拮抗薬(VKA)を2165人が投与された。主要アウトカムイベント(臨床的関連出血/100人年)の発生率はDOAC群で6.05、VKA群で8.42であり、DOAC群では有意でない21%のリスク低下がみられた。また、DOAC群ではVKA群と比較して、輸血を必要とする出血、頭蓋内出血、下部消化管出血のリスクがそれぞれ24%、24%、34%低下したが有意ではなかった。多変量解析では,高齢者や低体重で腎機能に異常のある患者では,出血リスクが有意に高かった.」

Bleeding risks associated with anticoagulant therapies after percutaneous coronary intervention in Japanese patients with ischemic heart disease complicated by atrial fibrillation: A comparative study

J Cardiol . 2020 Sep 14;S0914-5087(20)30293-8.

PMID: 32943280

【フリー】

 

 

㉙「リバロキサバンとアスピリンの消化管出血(GIB)リスクを比較した人口ベースのコホート研究(香港のCDARS、英国のTHINの2つのコホートを使用した別々の研究)。CDARSには29,213例の患者が含まれ、リバーロキサバン(n=1,052)、アスピリン(n=28,161)であった。100人年あたりのGIBイベント発生率は、2.6(リバロキサバン)と3.0(アスピリン)であり、GIBリスクに差は認められなかった(HR 1.04:95%CI=0.76-1.42)が、用量段階別解析ではHR 1.21;95%CI:0.84-1.74(20 mg/日)、HR 0.80;95%CI:0.44-1.45(≤15 mg/日)。THINでは,11,549人の患者が含まれ,リバロキサバン(n=3496)、アスピリン(n=8053)であった。その結果、100人年あたりの粗GIB発症率は2.4(リバロキサバン)と1.3(アスピリン)であり、全体的にはGIBリスクに差は認められなかったが(HR 1.40;95%CI:1.00~1.98)、低用量リバロキサバン≦15mg/日(HR 1.00;95%CI:0.56~1.30)、20mg/日(HR 1.57;95%CI:1.08~2.29)とアスピリンの間ではGIBリスクの増加が認められた。」

Gastrointestinal bleeding risk with rivaroxaban vs aspirin in atrial fibrillation: A multinational study

Pharmacoepidemiol Drug Saf . 2020 Sep 16.

PMID: 32936997

【フリー】

 

 

㉚「ARISTOLE試験の事後解析。試験期間中またはフォローアップ期間中に試験薬を永久的に中止した患者について評価。合計22.4%の患者が、無作為化後中央値7.3カ月で試験薬を中止した。中止患者は女性である可能性が高く、心血管疾患、糖尿病、腎障害、貧血の有病率が高かった。ワルファリンに無作為化された患者では,アピキサバンよりも早期の永久的な中止が多かった(23.4% vs 21.4%)。中止理由として最も多かったのは、患者からの要望(46.1%)と有害事象(34.9%)であり、治療群間に有意差はなかった。早期永久中止後30日以内の全死因死亡,血栓塞栓症,心筋梗塞,大出血の臨床イベントの累積発生率は,それぞれ5.8%,2.6%,0.9%,3.0%であり、治療群間で有意差は認められなかった。」

Premature permanent discontinuation of apixaban or warfarin in patients with atrial fibrillation

Heart . 2020 Sep 16;heartjnl-2020-317229.

PMID: 32938772

【アブストのみ】

 

 

㉛「DDIの可能性がある薬剤とDOACを同時に処方した場合の出血リスクを評価した観察研究。新たにDOACを投与された心AFまたはVTE患者115,362人(年齢中央値73歳、心房細動81.9%)が対象。DOAC処方により発生した出血は、全出血7001件(6.1%)、大出血2283件(2.0%)であった。多重ロジスティック回帰分析に基づき、CHA2DS2-VAScスコアおよびCharlson Comorbidity Index(CCI)とは独立して、DDIの数は出血イベントと有意に関連していた。全出血と大出血に関連するDDI 薬の曝露率はそれぞれ56.7%と66.1%であった。DDI薬は全出血でも大出血でも同様の分布を示し、NSAIDs、抗血小板薬、ジルチアゼム、アミオダロンが頻繁に処方されていた。」

The increased risk of bleeding due to drug-drug interactions in patients administered direct oral anticoagulants

Thromb Res . 2020 Aug 3;195:243-249.

PMID: 32823239

【アブストのみ】

 

 

㉜「PCI後1~3ヵ月のアスピリン中止とP2Y12阻害薬SAPTの継続を、DAPTと比較して検討したRCTのメタアナリシス解析(5試験;n=32,145(安定した冠動脈疾患43.8%,急性冠症候群56.1%);追跡期間 PCI後12~15ヵ月)。P2Y12阻害薬は16.5%でクロピドグレル、83.5%でプラスグレルまたはチカグレロールだった。合計で820例がprimary bleedingを経験し、937例がMACEを経験した。PCI後1~3ヵ月間のアスピリン治療の中止は、二重抗血小板療法と比較して大出血のリスクを40%減少させた(1.97% vs 3.13%;HR 0.60;95%CI:0.45-0.79)、MACE(2.73% vs 3.11%;HR 0.88;95%CI:0.77-1.02)、心筋梗塞(1.08% vs 1.27%;HR 0.85;95%CI:0.69-1.0)、死亡(1.25% vs 1.47%;HR 0.85;95%CI 0.70-1.03)のリスクの増加は認められなかった。急性冠症候群のためにPCIを受けた患者では、1~3ヵ月後にアスピリンを中止することで出血が50%減少し(1.78% vs 3.58%;HR 0.50;95%CI:0.41~0.61)、MACEのリスクは増加しなかった(2.51% vs 2.98%;HR 0.85;95%CI:0.70~1.03)。」

The Safety and Efficacy of Aspirin Discontinuation on a Background of a P2Y 12 Inhibitor in Patients After Percutaneous Coronary Intervention: A Systematic Review and Meta-Analysis

Circulation . 2020 Aug 11;142(6):538-545.

PMID: 32551860

【アブストのみ】

 

 

㉝「EPAとDHAサプリメントの心血管疾患(CVD)予防効果と投与量の影響を検討した40件のRCT(n=135,267)のメタ解析。サプリメントはMI(RR 0.87;95%CI:0.80-0.96;NNT=272)、心臓動脈疾患(CHD)イベント(RR 0.90;95%CI:0.84-0.97;NNT=192)、致死的MI(RR 0.65;95%CI:0.46-0.91;NNT=128)、CHD死亡率(RR 0.91;95%CI:0.85-0.98;NNT=431)のリスクを有意に減少させたが、CVDイベントを減らさなかった(RR 0.95;95%CI:0.90-1.00)。CVDイベントやMIへの効果は用量依存性であった。」

Effect of Omega-3 Dosage on Cardiovascular Outcomes: An Updated Meta-Analysis and Meta-Regression of Interventional Trials

Mayo Clin Proc . 2020 Sep 17;S0025-6196(20)30985-X.

PMID: 32951855

【フリー】

 

 

☆その他

㉞「腎機能障害(60mL/min未満)を有する患者(n=113)の高カルシウム血症治療におけるパミドロネート静注(n=55)とゾレドロン酸静注(n=58)の安全性と有効性を検討した後ろ向き観察研究。主要エンドポイントである全グレードのSCr上昇は24.8%の患者で発生し、グレード3/4のSCr上昇はパミドロネート群10.9%とゾレドロン酸群1.7%にみられた。グレード1およびグレード2の低カルシウム血症を発症した患者はそれぞれ約16%および14%であり、顎骨壊死の症例はなかった。」

Safety of Intravenous Bisphosphonates for the Treatment of Hypercalcemia in Patients With Preexisting Renal Dysfunction

Ann Pharmacother . 2020 Aug 27;1060028020953501.

PMID: 32847379

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32847379/

【アブストのみ】

 

 

㉟「ICUにて標準治療の補助として経口α1アドレナリン作動薬であるミドドリンを投与することで、血管抑制剤の静脈内投与が必要とされる期間が短縮されるかどうかを検討したRCT。132人が割り付けられた。昇圧剤中止までの時間は、ミドドリン群とプラセボ群で差はなかった(中央値 23.5 vs 22.5時間;差 1時間;95%CI:- 10.4~12.3時間)。徐脈はミドドリン投与後に多く発生した(7.6% vs 0%;p=0.02)。」

Effect of midodrine versus placebo on time to vasopressor discontinuation in patients with persistent hypotension in the intensive care unit (MIDAS): an international randomised clinical trial

Intensive Care Med . 2020 Oct;46(10):1884-1893.

PMID: 32885276

【アブストのみ】

 

 

㊱「大規模開腹手術前の術前通院時に貧血と診断された成人の参加者(n=487)を対象とし、手術の10~42日前の鉄剤の静脈内投与(n=244)またはプラセボ投与(n=243)を行い、輸血または死亡のリスクを検討したRCT。静脈鉄はカルボキシマルトース鉄 1000 mg を 100 mL の通常の生理食塩水で単回投与し、プラセボは 100 mL の通常の生理食塩水に 15 分間かけて点滴で投与した。死亡または輸血の複合アウトカムはプラセボ群28%、鉄剤静注群29%で発生した(リスク比 1.03;95%CI:0.78~1.37)。輸血はプラセボ群で111例、鉄剤静注群で105例であった(率比 0.98;95%CI:0.68~1.43)。」

Preoperative intravenous iron to treat anaemia before major abdominal surgery (PREVENTT): a randomised, double-blind, controlled trial

Lancet . 2020 Sep 4;S0140-6736(20)31539-7.

PMID: 32896294

【フリー】

 

 

㊲「院外の医療システム専門薬局(HSSP)と院内の専門薬局で調剤された抗がん剤の患者のアドヒアランス率を比較することを目的とした後ろ向き観察研究。MPRとPDCのデータが完全に記録されている患者204人とTTTのデータが記録されている患者164人が分析に含まれた。主要アウトカムはmedication possession ratio (MPR)であり、副次的アウトカムには、proportion of days covered (PDC)とtime to treatment (TTT)が含まれていました。患者がHSSPと外部薬局を利用した場合の平均MPRおよび平均PDCには、群間で有意な差が認められた(それぞれ1.00 vs 0.75 [P < 0.001]、0.95 vs 0.7 [P < 0.001])。薬局タイプ(P = 0.024)および腫瘍タイプ(P = 0.048)はTTTと有意に関連していた。」

Comparison of rates of adherence to oral chemotherapy medications filled through an internal health-system specialty pharmacy vs external specialty pharmacies

Am J Health Syst Pharm . 2020 Jul 7;77(14):1118-1127.

PMID: 32537656

【アブストのみ】

 

 

㊳「退院時のRASiの有無により、AKI既往がRASiのAKIの再発リスクおよび死亡率の上昇と関連しているかどうかを検討した退役軍人の後ろ向きコホート研究。96,983人の患者のうち、40%が退院時にRASi投与を受けていた。RASiの使用を継続していた患者と比較して、使用を中止した患者ではAKIの12か月以内の再発リスクに差はなかったが、死亡リスクは有意に高かった(HR 1.33;95%CI:1.26~1.41)。RASiの使用を開始した患者としなかった患者では、RASiを継続して使用した群と比較して、AKIの再発リスクに差は認められなかった。」

Renin-angiotensin aldosterone inhibitor use at hospital discharge among patients with moderate to severe acute kidney injury and its association with recurrent acute kidney injury and mortality

Kidney Int . 2020 Sep 8;S0085-2538(20)31065-6.

PMID: 32916177

【アブストのみ】

 

 

㊴「血圧が上昇した18~45歳の成人の有害転帰を調査した研究のメタ解析(n=約450万,17の観察研究,平均追跡期間14.7年)。血圧が正常な若年成人は、最適血圧の人と比較して主要アウトカムである複合心血管イベントのリスクが高かった(RR 1.19;95%CI:1.08~1.31;リスク差 0.37;95%信頼区間0.16~0.61/1000人年)。血圧のカテゴリーと心血管イベントのリスク増加との間には、段階的で漸進的な関連が認められた(正常高血圧;RR 1.35;95%CI:1.22~1.49;ARR 0.69;95%CI:0.43~0.97/1000人年;グレード1の高血圧;RR 1.92;95%CI:1.68~2.19;ARR 1.81;95%CI:1.34~2.34;グレード2の高血圧;RR 3.15;95%CI:2.31~4.29;ARR 4.24;95%CI:2.58~6.48)。冠動脈性心疾患と脳卒中についても同様の結果が観察された。1つの心血管イベントを予防するために1年間に必要な治療数は、正常血圧群:2672人(95%CI:1639~6250人)、正常高血圧群:1450人(95%CI:1031~2326人)、グレード1の高血圧群:552人(95%CI:427~746人)、グレード2の高血圧群:236人(95%CI:154~388人)と推定された。」

Association between high blood pressure and long term cardiovascular events in young adults: systematic review and meta-analysis

BMJ . 2020 Sep 9;370:m3222.

PMID: 32907799

【フリー】

 

 

㊵「韓国の医療データベースを用いてドンペリドンとメトクロプラミドまたは不使用の心血管イベントリスクを比較したコホート内症例対照研究およびcase-time-control study。症例群と対照群を1:2でマッチングし、71,555人の症例と141,833人の対照患者を同定。症例対照研究では、ドンペリドンは非使用時と比較して心血管イベントのリスクが増加したが(OR 1.38;95%CI:1.28~1.47)、メトクロプラミドと比較してリスクは低下した(OR 0.64;95%CI:0.57~0.72)。case-time-control studyでは、非使用時と比較して同様のリスク上昇が認められたがRR 1.40;1.29-1.52)、メトクロプラミドと比較してリスクは低下した(RR 0.63;95%CI:0.54-0.72)。ドンペリドンに関連した心筋梗塞のリスクは、非使用時と比較して高かった(症例対照;RR 1.94;95%CI:1.33-2.83;case-time-control study;RR 1.91;95%CI:1.01-3.62)が、メトクロプラミドと比較してリスクの増加は認められなかった(症例対照;RR 0.60;95%CI:0.32-1.13;case-time-control study;RR 0.70;95%CI:0.25-1.98)。」

Association between domperidone use and adverse cardiovascular events: A nested case-control and case-time-control study

Pharmacoepidemiol Drug Saf . 2020 Sep 1.

PMID: 32869447

【アブストのみ】

 

 

㊶「便秘患者における種々のイベントリスクを検討した観察研究。便秘患者83,239人、便秘のない832,384人にマッチング(1:10)。便秘は静脈血栓塞栓症(aHR 2.04;95%CI:1.89~2.20)、心筋梗塞(aHR 1.24;95%CI:1.14~1.35)、虚血性脳卒中(aHR 1.50;95%CI:1.41~1.60)、出血性脳卒中(aHR 1.46;95%CI:1.26~1.69)、末梢動脈疾患(aHR 1.34;95%CI:1.20~1.50)、心房細動または心房粗動(aHR 1.27;95%CI:1.20~1.34)、心不全(aHR 1.52;95%CI:1.42~1.62)のリスク増加と関連していた。この関連は便秘診断後の最初の 1 年間に最も強く、下剤処方数の増加とともに強まった。」

Constipation and risk of cardiovascular diseases: a Danish population-based matched cohort study

BMJ Open . 2020 Sep 1;10(9):e037080.

PMID: 32873621

【フリー】

 

 

㊷「ステージ3bまたは4のCKDで血清リン酸塩が1.00mmol/L(3.10mg/dl)を超える患者278人(平均年齢63.1歳)を炭酸ランタン500mg(n=138)またはプラセボ(n=140)に無作為に割り付け1日3回96週間投与し、心血管系マーカーへの影響を評価したRCT。平均血清リン酸塩は1.25mmol/L(3.87mg/dl)、平均脈波伝播速度は10.8m/s、ベースライン時の腹部大動脈石灰化は81.3%であった。96週時点では、脈波伝播速度は群間で有意差はなく、腹部大動脈石灰化、血清リン酸塩、副甲状腺ホルモン、FGF23、24時間尿中リン酸塩にも有意差はなかった。重篤な有害事象は、ランタン群46%とプラセボ群47%で発生した。」

A Randomized Trial on the Effect of Phosphate Reduction on Vascular End Points in CKD (IMPROVE-CKD)

J Am Soc Nephrol . 2020 Sep 11;ASN.2020040411.

PMID: 32917784

【アブストのみ】

 

 

㊸「永久心房細動で左室駆出率が温存された安定した患者250例をスピロノラクトン25mg/日またはプラセボに無作為に割り付けた2重盲検RCT。スピロノラクトン群はプラセボ群と比較して2年後のピーク酸素消費量を改善しなかった(14.5(SD 5.1);調整後治療効果 -0.28;95%CI:-1.27~0.71)。6分歩行距離(調整後治療効果 -8.47m;95%CI:-31.9~14.9)、E/e'比(調整後治療効果 -0.68:95%CI:-1.52~0.17)には差はなかった。少なくとも1回の入院はスピロノラクトン群で15%、プラセボ群で23%の患者で発生した(P=0.15)。推定糸球体濾過率は、スピロノラクトン群で6mL/min減少し、対照群では1単位未満減少した(P<0.001)。収縮期血圧は、プラセボと比較してスピロノラクトン群で7.2mm Hg(95%CI:2.2~12.3)低下した(P=0.005)。」

Spironolactone in Atrial Fibrillation With Preserved Cardiac Fraction: The IMPRESS-AF Trial

J Am Heart Assoc . 2020 Sep 15;9(18):e016239.

PMID: 32909497

【フリー】

 

 

㊹「中等度から重度のCKD(eGFR15~45ml/min/1.73m2)と鉄欠乏症(トランスフェリン飽和度[TSAT]30%以下、フェリチン300ng/ml以下)を有する成人60人を、クエン酸第一鉄(2gを1日3回、n=30)または硫酸第一鉄(325mgを1日3回、n=30)に割り付け、有効性を比較したRCT。クエン酸第一鉄群では硫酸第一鉄群と比較してベースラインから12週目までのTSAT(群間平均変化率差8%;95%CI:1~15)およびフェリチン(群間平均変化率差37ng/ml;95%CI:10~64)の増加が大きかった。同様に、硫酸第一鉄と比較して、クエン酸第二鉄による治療では、ベースラインから12週目までのヘプチジンの増加が大きかった(群間差 69pg/ml;95%CI:8~130)。ヘモグロビン(0.3 g/dl;95%CI:-0.2~0.8)の平均変化量には群間差はなかった。」

Effect of Ferric Citrate versus Ferrous Sulfate on Iron and Phosphate Parameters in Patients with Iron Deficiency and CKD: A Randomized Trial

Clin J Am Soc Nephrol . 2020 Sep 7;15(9):1251-1258.

PMID: 32694162

【アブストのみ】

 

 

㊺「重症患者のストレス性潰瘍予防のためにPPIとH2RAを直接比較し、死亡率を検討したRCTのメタ解析。総患者数28,559例中、PPI群50.5%、H2RA群49.5%が割り付けられた。H2RA群と比較して、PPI群の死亡率の相対リスクは1.05(95%CI:1.00~1.10)であり、死亡率のリスク差はPPI群に曝露された患者1000人あたり9人の死亡が追加されると推定された(95%CI:0~18)(I2=0%)。」

Proton pump inhibitors vs. histamine-2 receptor antagonists likely increase mortality in critical care: an updated meta-analysis

Am J Med . 2020 Sep 12;S0002-9343(20)30776-2.

PMID: 32931766

【アブストのみ】

 

 

㊻「シタロプラムの治療が奏功せず、16項目のQuick Inventory of Depressive Symptomatology-Self-Rated(QIDS-SR₆)のスコアが11点以上の参加者が、徐放性bupropion、セルトラリン、徐放性ベンラファキシン(最長14週間)に割り付けられたRCT。438人の参加者の約80%が切り替え薬による6週間以上の治療を完了した。すべての治療法で同等の転帰が得られ、全体では、21%が寛解し、9%が寛解せずに反応し、58%が有意な有益性を示さなかった。奏効の半数と寛解の3分の2は治療6週間後に発生した。全体では33%が9週間以上の治療後に奏効した。2週目頃にQIDS-SR₆₁スコアがベースラインから20%以上低下した患者は、低下していない患者に比べて6倍以上の確率で反応または寛解した。」

What to Expect When Switching to a Second Antidepressant Medication Following an Ineffective Initial SSRI: A Report From the Randomized Clinical STAR*D Study

J Clin Psychiatry . 2020 Aug 11;81(5):19m12949.

PMID: 32780949

【アブストのみ】

 

 

㊼「乳がん生存の高齢者(乳がん治療を終了した66~90歳)における複数のオピオイド関連有害薬物イベントの発生率を調べ、がん治療終了後1年間のオピオイド使用に関連したこれらのイベントのリスクを推定するために行われた後ろ向きコホート研究。この研究に含まれた女性38,310人(平均年齢 74.3歳)のうち、1000人/日あたりの物質誤用に関連した薬物有害事象(オピオイド乱用、依存、または中毒)は0.010(95%CI:0.008-0.011、1000人/日あたりのオピオイド使用に関連したその他の薬物有害事象(消化器イベント、感染症、転倒・骨折、または心血管イベント)は0.237(95%CI:0.229-0.245)、1000人/日あたりの全原因入院は0.675(95%CI:0.662-0.689)であった。オピオイド使用は、物質誤用に関連する有害薬物イベント(aRR:14.62;95%CI:9.69-22.05)、オピオイド使用に関連するその他の有害薬物イベント(aRR 2.50;95%CI:2.11-2.96)、および全原因入院(aRR 2.77;95%CI:2.55-3.02)のリスクの増加と関連していた。用量別では、1日のオピオイド投与量が多い人は、オピオイド投与量が少ない人と比較してすべての試験結果のリスクが一貫して高かった。オピオイドに曝露していない日と比較して、現在のオピオイド使用が1日あたり50mg以上のモルヒネ相当量の人では、物質誤用に関連した有害薬物イベントのリスクが高く(aRR 3.40;95%CI:2.47-4.68)、モルヒネ相当量が1日あたり1-49mgの人でもリスクが高かった(aRR 2.29;95%CI:1.89-2.77)。」

Association of Current Opioid Use With Serious Adverse Events Among Older Adult Survivors of Breast Cancer

JAMA Netw Open . 2020 Sep 1;3(9):e2016858.

PMID: 32930779

【フリー】

 

 

㊽「ARBが心血管イベントのリスクを増加させるかどうかを検討したRCT45件(n=170,794)のメタ解析。ARBは全死亡(RR 1.00;95%CI:0.97-1.04)、心筋梗塞(RR 1.01;95%CI:0.96-1.06)、脳卒中(RR 0.92;95%CI:0.83-1.01)のリスクを増加させなかった。集団における喫煙者の割合が25%未満の場合(RR 0.91;95%CI:0.84-0.98)、女性の場合(RR 0.76;95%CI:0.68-0.84)、それぞれARBにより全死因死亡と脳卒中のリスクが低下した。」

Assessing the risk of angiotensin receptor blockers on major cardiovascular events: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

BMC Cardiovasc Disord . 2020 Apr 21;20(1):188.

PMID: 32316917

【アブストのみ】

 

 

㊾「COPDの急性増悪(AE)が心血管イベントの死亡率と関連しているかどうかを調査したコホート研究。指標となる心血管イベントの前の 1 年以内に,それぞれAMI4,356例,虚血性脳卒中6,655例,頭蓋内出血(ICH)1,727例の患者がAEのために入院しており,COPD患者でありながら AEのために入院していない患者が対照群となった。AEによる入院は、AMI(OR 1.33;95%CI:1.24~1.43)、虚血性脳卒中(OR 1.46;95%CI:1.36~1.56)、ICH(OR 1.19;95%CI:1.06~1.32)の90日死亡率と独立して関連していた。AEによる入院はAMI(HR 1.23;95%CI:1.19~1.27)、虚血性脳卒中(HR 1.29;95%CI:1.26~1.33)、ICH(HR 1.19;95%CI:1.13~1.26)の全死亡率と関連していた。さらに,対照群と比較して,AE による入院の頻度が高い患者では,AMI,虚血性脳卒中,ICH の 90 日死亡率と全死亡率のリスクが高いという有意な傾向が示された。」

Mortality of Cardiovascular Events in Patients With COPD and Preceding Hospitalization for Acute Exacerbation

Chest . 2020 Sep;158(3):973-985.

PMID: 32184108

【フリー】

 

 

㊿「CKD患者の血圧コントロールに対する薬剤師介入の有効性を評価し、在宅血圧テレモニタリングの有用性を評価することを目的とした6RCT(n=2,573)のメタ解析。(a)コントロールされていないHTNを有する成人患者を対象とした研究、(b)メタ解析に十分なデータを有する研究を包括基準とした。薬剤師による介入は、通常ケアと比較して有意に良好なBPコントロールをもたらした(OR 1.53;95%CI:1.15-2.04)。在宅ベースのBP遠隔モニタリングを用いた薬剤師介入は、コントロール/通常ケアと比較して有意に優れていた(OR 2.03;95%CI:1.49-2.77)のに対し、在宅ベースのBP遠隔モニタリングを用いない薬剤師介入は、コントロール/通常ケアと比較してBPコントロールを有意に改善しなかった(OR 1.30;95%CI:0.97-1.75)。」

Impact of pharmacist intervention for blood pressure control in patients with chronic kidney disease: A meta-analysis of randomized clinical trials

J Clin Pharm Ther . 2020 Sep 19.

PMID: 32949161

【アブストのみ】

 

 

51「高齢の入院患者239人を対象とした抗コリン薬の負担と口腔咽頭嚥下障害との関連を検討した後ろ向き観察研究。嚥下障害と診断された高齢患者の25.5%は、非嚥下障害患者に比べて依存性が高く、虚弱性であった。83.6%がACBスケールで3点以上得点し(オッズ比 4.46;95%CI:2.13~9.33)、嚥下障害と統計的に関連していた(p<0.001)。」

Association between anticholinergic burden and oropharyngeal dysphagia among hospitalized older adults

Aging Clin Exp Res . 2020 Sep 19.

PMID: 32949383

【アブストのみ】

 

 

52「糖尿病性腎症を有する高血圧患者におけるアルブミン尿の減少に対するカルシウム拮抗薬とRAS系阻害薬と比較して29のRCTのメタ解析。尿中アルブミン排泄量が30mg/日以上に相当する高血圧症および糖尿病の試験参加者2113人のデータを解析した。RAS系の阻害薬は、カルシウム拮抗薬よりもアルブミン尿の減少に効果的であった(標準化平均差 -0.442;95%CI:-0.660~-0.225)。この所見は、治療に対する血圧反応とは独立していた。」

The Effect of Calcium Channel Blockers on Moderate or Severe Albuminuria in Diabetic, Hypertensive Patients

Am J Med . 2020 Jul 6;S0002-9343(20)30541-6.

PMID: 32645341

【アブストのみ】

 

 

53「medicareとOptumの2つのデータベースコホートを使用し、安定したDMARD治療を受けているRA患者における低用量グルココルチコイドの長期使用(投与量:なし、5mg/日以下、5~10mg/日以上、10mg/日以上)による1年間の入院感染のリスクを評価した後ろ向きコホート研究。メディケアでは172,041人の患者で247,297件、Optumでは44,118人の患者で58,279件の入院が確認された。6ヵ月間のDMARDの安定した使用後、medicare患者の47.1%、optum患者の39.5%がグルココルチコイドを投与されていた。medicare患者における1年間の累積入院感染症発生率は、投与なし vs 5mg/日以下では8.6% vs 11.0%、5~10mg/日以上では14.4%、10mg/日以上では17.7%であった(いずれもP<0.001)。Optum患者における1年間の累積入院感染症発生率は、投与なし vs 5mg/日以下では4.0% vs 5.2%、5~10mg/日以上では8.1%、10mg/日以上では10.6%であった(すべてP<0.001)。」

Risk for Serious Infection With Low-Dose Glucocorticoids in Patients With Rheumatoid Arthritis : A Cohort Study

Ann Intern Med . 2020 Sep 22. doi: 10.7326/M20-1594.

PMID: 32956604

【アブストのみ】

 

 

54「血液透析患者の高カリウム血症の管理におけるシクロケイ酸ジルコニウムナトリウム(SZC)の効果を評価した二重盲検RCT(第3b相試験)(n=196;平均年齢58.1歳)。非透析日にプラセボ(n=99)またはSZC5g(n=97)を1日1回投与し、5g刻みで最大15gまで漸増した。SZC群の41.2%が主要エンドポイント(透析前の血清K値4.0~5.0mmol/L)を満たしたのに対しプラセボ群は1.0%(P<0.001)であった。治療期間中に血清K値を減少させるためのレスキュー療法が必要とされたのは、SZC群の2.1%、プラセボ群の5.1%であった。重篤な有害事象は、SZC群で7%、プラセボ群で8%に発現した。」

A Phase 3b, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of Sodium Zirconium Cyclosilicate for Reducing the Incidence of Predialysis Hyperkalemia

J Am Soc Nephrol . 2019 Sep;30(9):1723-1733.

PMID: 31201218

【フリー】

 

 

55「世界保健機関は急性下痢症を発症した小児に対して亜鉛20mg/日を10~14日間投与することを推奨しているが、先行試験ではこの用量で下痢は減少したが嘔吐は増加ており、急性下痢症を発症したインドとタンザニアの生後 6~59ヵ月の小児4,500例を、硫酸亜鉛を5mg、10mg,20mg のいずれかの用量で14日間投与する群に無作為に割り付けたRCT。下痢が5日を超えて持続した児の割合は、20mg群で6.5%、10mg群で7.7%、5mg群で7.2%であった。20mg群と10mg群の差は1.2%(98.75%CIの上限3.3)、20mg群と5mg群の差は0.7%(98.75%CIの上限2.8)であり、いずれも非劣性マージンである4%を下回った。下痢便の平均回数は20mg群で10.7回、10mg群で 10.9回,5mg群で10.8回であった。20mg群と10mg群の差は0.3回(98.75%CIの上限1.0)、20mg群と5mg群の差は0.1回(98.75%CIの上限0.8)であり、いずれも非劣性マージンである2回を下回った。投与後30分以内の嘔吐は20mg群で19.3%、10mg群で15.6%、5mg群で13.7%に発現し,10mg群のリスクは20mg群と比較して有意に低く(RR 0.81;97.5%CI:0.67~0.96)、5mg群のリスクも20mg群と比較して有意に低かった(RR 0.71;97.5% CI:0.59~0.86)。低用量は投与後30分を過ぎて発現した嘔吐が少ないこととも関連していた。」

Lower-Dose Zinc for Childhood Diarrhea - A Randomized, Multicenter Trial

N Engl J Med . 2020 Sep 24;383(13):1231-1241.

PMID: 32966722

【フリー】

 

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

 

 

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