こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

2019年度薬剤耐性(AMR)対策推進月間その①:「薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム」の紹介

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さて、11月は「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」でございます。

今年は、「はたらく細胞」とのコラボですね。(「はたらく細胞」が何なのか分からないおっさんです。すみません。)

今年度もこの月間に合わせていくつかブログを書いていきたいと思います。

去年書いたブログ↓

 

今回は、10月7日に公開された「薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォーム」の紹介をしていきます。

本プラットフォームは、本邦においてワンヘルスアプローチに基づくAMR対策を推進するため、AMR対策に関連した、各分野における指標の動向を把握し総括的に提示することを目的として設置されたものであり、各分野における薬剤耐性菌の検出状況や抗微生物薬使用量だけでなく、AMR対策に影響を及ぼしうる、公衆衛生学的に重要な病原微生物の検出や予防への取り組み状況、AMRに対する意識調査等の既存のサーベイランスデータや研究データなどのうち、全国を代表するものも取り上げています。 本プラットフォームには我が国の施策の有効性の評価と今後の施策の検討に用いられるだけでなく、各分野の方々に利用され、多分野間の連携・協力を促進することが期待されています。加えて、本プラットフォームがAMR対策に関する研究の促進等に寄与することも期待されます。 本プラットフォームがワンヘルスアプローチに基づくAMR対策の推進の一助となれば幸いです。

☆薬剤耐性菌(ヒト)情報は、世界保健機関(WHO)が報告しているグローバル薬剤耐性サーベイランスシステム(GLASS)に準じた定義、抗菌薬使用量(ヒト)情報は、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて算出しているため、薬剤耐性(AMR)アクションプランの成果指標、薬剤耐性(AMR)ワンヘルス動向調査報告書の数値と、異なっている事にご留意下さい。

 (薬剤耐性(AMR)ワンヘルスプラットフォームホームページより引用)

プレスリリースはこちら↓

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このプラットフォームの特徴は、都道府県別での薬剤耐性菌や抗菌薬使用量の状況を全国や他の都道府県と比較しながら見ることができることかと思います。また、過去数年間の傾向を一目で見ることができるのもいいですね。

 

ではさっそく見ていきましょう。

こちらは「ヒト」における「薬剤耐性菌」の状況です。

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赤枠の部分にて「年」「菌種」「抗菌薬の種類」を選ぶことができます。

 

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また、その隣の「条件を絞り込む」にて「年齢」「検体」「院内・院外」「病床数」を絞り込むことができます。

 

それでは、今問題となっている大腸菌のLVFXに対する2018年の耐性率を見ていきます。

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全体としては34.9%が耐性となっており、都道府県別では23.9%から44.5%の範囲となっているようです。。

日本地図を見ると、都道府県別で差があり、耐性率が西高東低となっているのが見て取れます。

 

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「地域比較」を選択すると、このように県別の耐性率が見られます。

 

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「傾向」を選択すると、経年的な変化が見られます。見事な増加傾向…

これでもまだ、尿路感染症にLVFXを使いますか??

(こういったデータを活用することで、当院ではかなりのLVFXの処方が減少しました。)

 

こんな感じでたくさんのデータを見ることができますので、色々試していただければと思います。特に、自施設ではアンチバイオグラムを作成できないような施設や薬局薬剤師は参考にしていただいて、抗菌薬の適正使用につなげていただければと思います。

 

 

次は別の指標にて、「ヒト」における「抗菌薬」の使用量を見ていきます。

なお抗菌薬使用量は、人口1000人、1日あたりの各抗菌薬の使用量(力価)を、Defined Daily Dose(WHOによって定められたその抗菌薬が通常1日に使用される量の目安=DDD)で除した数値(DDDs per 1000 Inhabitants per day= DID)」で示されております。

 

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赤枠の部分にて「年」「全抗菌薬or静注or経口」「抗菌薬の種類」「年齢(条件を絞り込むにて)」を選ぶことができます。

これも西高東低に見えますね…

 

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「傾向」を見てみます。やや増加傾向なのが見て取れます。2016年までのデータですのでちょっと古いかもしれません。

ちなみに、販売量のデータでは、2017,18年にて減少傾向となっていることが報告されています。データベースが異なるので、同じ結果にならないのだとは思いますが。(以下に抗菌薬販売量の推移についての報告を貼っておきます。)

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ちょっと気になったので、何かと悪者扱いの経口3世代セフェムの処方傾向を見てみました。2016年では2015年と比較してようやく減少傾向となったようです。このまま減少傾向が続くのでしょうか?今後の推移に注目したいと思います。

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まだまだ紹介したいデータはありますが、このあたりにしておきます。

今回紹介した以外にも様々な解析がなされておりますので、1日中見てても飽きないくらいです。

ぜひぜひ色々なデータを参考にして、抗菌薬的背使用に繋げていっていただければと思います。