こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第13回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2019.8.21)(お題:眼科用薬)

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第13回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

昨年の8月から開始したので、今回は1周年記念でした!!

 

録音はコチラから↓

今回のテーマは「眼科用薬」でした。

あまり論文検索をしたことのない分野だったのでお題を探すのが大変でしたが、いろんな論文と出会い、すごく楽しく勉強ができました。エビテンでも幅広い分野の論文が取り上げられたので、たくさん勉強させていただきました!

 

メニューはコチラ

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今回は6名での配信となりました!

 

では、論文の紹介を。

まずは@にいやん

Latanoprost for open-angle glaucoma (UKGTS): a randomised, multicentre, placebo-controlled trial.

Lancet. 2015 Apr 4;385(9975):1295-304.

PMID: 25533656

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緑内障の臨床試験は眼圧の変化を主なアウトカムとした試験が多いようですが、こちらは視野悪化までの時間をアウトカムとしております。

結果としては、ラタノプロスト群の方が2年後の視野の悪化を有意に抑えることができており、NNTとしては10となりました。 比較的インパクトのある数字だとは思います。ファイザーの協賛があること、ラタノプロスト群の方が明らかに眼圧が下がっているためブラインドが見破られていた可能性があることは考慮しないといけないかと思います。

 

 

次は@zuratomo4

Suppression of presbyopia progression with pirenoxine eye drops: experiments on rats and non-blinded, randomized clinical trial of efficacy.

Sci Rep. 2017 Jul 28;7(1):6819.

PMID: 28754903

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この研究では、カリーユニとソフトサンティアの使用前後におけるジオプトリー(D:@リンコの項参照)の変化をメインのアウトカムとしていました。結果として6か月後の変化には有意差は見られませんでした。本文中には40代と50代に分けてのサブ解析の結果も取り上げられて(むしろこちらの方が大きく…)いますが、参加者が少なすぎるので、あくまで参考程度かと。

私もテーマとして白内障へのピレノキシンの効果を検討した論文を候補に挙げてたんですけど、全然なくてびっくりしました。なので、この論文は参加人数が少なめですが貴重な報告かと思います。現在もたくさんの方が使っているので、どのくらい効果的なのかを明らかにすべきだとは思いますが…結果が出ないことが見えているからしないのか…

 

 

次は@たけちゃん

Intraoperative floppy-iris syndrome associated with alpha1-adrenoreceptors: comparison of tamsulosin and alfuzosin.

J Cataract Refract Surg. 2007 Jul;33(7):1227-34.

PMID: 17586379

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たけちゃんのブログでのまとめ→8月エビテンのスライド ~タムスロシンは白内障手術の影響を及ぼしますか?~ - お薬のこと

比較的小規模な研究でしたが、タムスロシン群で圧倒的にIFIS(術中フロッピー虹彩症候群)の発現率が高かったようです。試験の規模は小さいですが、他の論文でも同様の結果が示されているようです。キャス中に教えていただきましたが、添付文書にも記載されているんですね。どうやら、市販後に発現が集積されたために追記されたようです。

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「ハルナール®D錠」添付文書より

また、精神科領域ではリスペリドンとの関連が知られているとの情報もありました。紹介された論文をいくつか列挙しておきます。

タムスロシンとアルフゾシンにおけるIFISの重症度の前向き比較(Ophthalmology. 2014 Apr;121(4):829-34.)(PMID:24314842)

高齢男性の白内障手術後の眼科有害事象とタムスロシンとの関連(JAMA. 2009 May 20;301(19):1991-6.)(PMID:19454637)

リスペリドン内服とIFISとの関連(Eur J Ophthalmol. 2011 Mar-Apr;21(2):210-1.)(PMID:20853271)

IFISのリスク因子のメタ解析(Ophthalmology. 2011 Apr;118(4):730-5.)(PMID:21168223)

 

今回のエビテンの文献探しにて、たけちゃんは食事との関連についても調べていたみたいです。そのブログも紹介しておきますね。

 

 

次は@リンコ

Efficacy Comparison of 16 Interventions for Myopia Control in Children: A Network Meta-analysis.

Ophthalmology. 2016 Apr;123(4):697-708.

PMID: 26826749

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 今回は小児の近視進行制御のための様々な介入についてのネットワークメタ解析を取り上げました。結果としては、アトロピン点眼が他の介入に比べて有効でしたし、効果はその濃度によらないことが示唆されました。ただ、他の論文((PMID:28494063)など)を参考にすると、高濃度では副作用として、特に羞明(まぶしさ)の頻度が高くなるようです。現在、アトロピン点眼は1%のみの発売ですが、比較的最近にアトロピン点眼の報告が続いているので、今後の展開が楽しみです。

私が眼科の門前で働いているときは、サンドールMY®(トロピカミド)が処方されており、効果が気になったのですが、本論文ではトロピカミドに関する記載がみられなかったので残念でした。

今回の文献を読んだことをきっかけにしていくつか関連論文を読んだのでそれをブログにまとめました。よろしければご参考にされてください。

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐1(種々の介入のメタ解析) - リンコ's ジャーナル

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐2(アトロピン点眼の有効性と安全性) - リンコ's ジャーナル

小児の近視進行抑制への介入もろもろ‐3(子供の屋外活動) - リンコ's ジャーナル

 

残りの2題は、新薬の登場があったりで話題の糖尿病性黄斑変性に関する論文です。

次は@程々な薬剤師

Cost-effectiveness of Aflibercept, Bevacizumab, and Ranibizumab for Diabetic Macular Edema Treatment: Analysis From the Diabetic Retinopathy Clinical Research Network Comparative Effectiveness Trial.

JAMA Ophthalmol. 2016 Aug 1;134(8):888-96.

PMID: 27280850 

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先月に引き続き、費用効果論文を取り上げられました。

結果としては、上記のスライドで示した生涯のICERに加えて、10年間のICERが報告されており、それぞれ$817,000、$287,000であり、基準となる$100,000と比較するとかなりの割高になるようです。次の論文でも同様のことが言えますが、コストはかなり高いようで、今後の課題となりそうです。

 

トリは、初めての参加となった@Vannyamoto

Aflibercept with adjuvant micropulsed yellow laser versus aflibercept monotherapy in diabetic macular edema.

Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2019 Jul;257(7):1373-1380.

PMID: 31127381 

 

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 こちらは、アイリーア®(アフリベルセプト)とそれにマイクロパルスレーザーを併用した場合のアイリーアの使用回数を検討したもの。結果としては、併用にてアイリーアの使用回数の減少が認められました。マイクロパルスレーザーは1,2回で済むようですので、直接その費用を比較しただけでも、費用はかなり安くはなりそうです。アウトカム設定が妥当なのかどうかはよく分からないのですが、有害事象や効果もほとんど変わらないことから、積極的に取り入れてもいいように思います。

根本先生ご自身のブログでの解説→糖尿病性黄斑浮腫にはアイリーア®️単独とマイクロパルスイエローレーザー併用はどちらが良さそうですか?(RCT; Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2019) | Re: 論文至上主義をゼロから考える薬局

 

 

今回は以上になります。

次回は9/18(水)の22時から「フリーテーマ」で行う予定です。

よろしければご視聴くださいませ!

また、参加の希望がございましたらご連絡ください♪