第10回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
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今回も5人で1時間枠にて行いました。
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「フリーテーマ」でした!
では、論文の紹介を。
はじめは@zuratomo
Evaluation of pharmacoeconomic studies: utilization of a checklist.
Ann Pharmacother 1993;27:1126-33
PMID: 8219449
薬剤経済学ってのは比較的新しい学問なのかなと勝手に思ってましたが、比較的以前からあったことを知りました。
チェックリストに関しては、zuratomo先生が独自に作ってブログにて公開されておりますので、こちらもぜひ参考にされてください。
費用対効果の論文(Cost-Effectiveness Analysis=CEA)を読むとき用のチェックシートを作ってみた - 窓際さんのお勉強な日々
高額な薬剤が続々と承認されており、この分野は今後ますます注目されていくのかなと思っております。ですがなかなか勉強するのは難しい分野だと認識しております。私自身、ワークショップに出席したこともありますが、繰り返して学習しないとなかなか難しいですね。。。今回のキャスでいくつか本の紹介がありましたので、そちらを紹介しておきます。
〇「薬剤経済」わかりません! !【五十嵐中 (著), 佐條麻里 (著)】
〇臨床薬剤経済学【上塚 芳郎 (編), 井上 忠夫 (編)】
〇治療 2016年 04 月号 特集 医療経済学のススメ[雑誌]
それと、zuratomo先生が所属されておりますNPO法人AHEADMAPが6月に大阪にて薬剤経済に関連するワークショップを企画されておりますので、それも紹介しておきます。
次は@にいやん
Once-Daily Single-Inhaler Triple versus Dual Therapy in Patients with COPD.
N Engl J Med. 2018 May 3;378(18):1671-1680.
NEJM日本語アブストラクト→https://www.nejm.jp/abstract/vol378.p1671
PMID: 29668352
ちょうどエビテン当日の5/22に発売になった3剤合剤のテルリジー®の第3相試験にもなっている論文です。3剤併用の方がいずれの2剤よりもCOPDの症状悪化の頻度が少なくなったようです。絶対差は、vs FVでは0.16回/年、vs UVでは0.3回/年ということでそれなりに意味のある差がついているように感じました。
ICS使用による肺炎リスクの増加も認められるようですが、効果が十分上回る数字になっている気がします。
3剤vs2剤といえば、当初は3剤併用によるハードエンドポイントの改善が認められなかった覚えがあるので(PMID:25196117)、この結果には驚きました。メタ解析でも同様の結果が報告されているので、やはりステロイドは有効ということになるのでしょうか。
次は私@リンコ
Ramelteon for the treatment of insomnia in adults: a systematic review and meta-analysis.
Sleep Med. 2014 Apr;15(4):385-92.
PMID: 24656909
右上の表はラメルテオン(ロゼレム®)の第3相試験ですが、1週間後には有意差がみられているものの、2週間後には有意差がなくなっています。有意差があるといっても差は4分だけという…てことで、私はその効果を甚だ疑問視しておりまして…
そこでメタ解析を読んでみました。表に示したものは全て有意にラメルテオン群に効果が認められる結果となりました。PSG睡眠潜時は-13分ということでそれなりに効果がありそうな雰囲気もありますが、総睡眠時間はほとんど増えておらず…睡眠時間に関してはほとんど改善しなさそうです。
一方、せん妄への効果としては日本から興味深い2報が報告されており、その効果が期待されているところかと思います。
・Preventive effects of ramelteon on delirium: a randomized placebo-controlled trial.(JAMA Psychiatry. 2014 Apr;71(4):397-403.)(PMID: 24554232)
・Effect of Administration of Ramelteon, a Melatonin Receptor Agonist, on the Duration of Stay in the ICU: A Single-Center Randomized Placebo-Controled Trial.(Crit Care Med. 2018 Jul;46(7):1099-1105.)(PMID: 29595562)
次は@程々な薬剤師
PLoS One. 2013;8(4):e60443.
PMID: 23573257
このリスクに関して聞いたことはありましたが実際に論文を読んだことがなかったので勉強になりました。元喫煙もリスクのようですが禁煙群よりもオッズ比が小さくなっているので、禁煙による改善も期待できるのではないかと思います。
もし喫煙していて…という方がいらっしゃったら、こういったデータを示してあげるのもよいかと思います。
最後は@たけちゃん
Rehabilitation for intravaginal ejaculatory dysfunction with using a masturbation aid.
PLoS One. 2013;8(4):e60443.
PMID: 22876659
まずなによりもこのような論文があることに驚きました。
確かにこういった使い方もありなのかなと思いますし、実際に効果が得られているようですね。
その他、キャス中にTENGAについての様々な紹介がありましたので、それも共有しておきます。
〇MEN’S TRAINING CUP FINISH TRAINING(メンズトレーニングカップフィニッシュトレーニング)
そして何よりも盛り上がったのが、視聴者より提供された以下の資料。大変興味深かったです!
今回は以上になります。
次回は6/19(水)22時から、テーマは「高血圧」の予定です!よろしければご視聴ください!