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リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2015.5)(薬剤と運転と服薬アドヒアランスと薬剤師)

先日、医学会総会に参加して参りまして、その内容はこちらでまとめましたが、
ランチョンセミナーの部分だけを今回は別でまとめていきます。
まさかのランチョンセミナーが一番勉強になり、いろいろ考えることが出来ましたので。
ちなみに商品名は全く出てこなかった(それどころか薬品名は一つも出なかったです)ので、中立的な立場でのお話でした。
演題名は「自動車運転を考慮した療養指導-適切な薬剤の選択-」、
演者は一杉正仁先生(滋賀医科大学社会医学講座 法医学部門)でした。

以前は保険薬局に勤めておりまして、薬剤の副作用による運転への影響についてはかなり気を使っておりました。
何か起こった時には責任問題にもなりかねませんので。自分を守るという意味合いが比較的強かったです。
添付文書上に運転注意の記載のある薬剤については注意するよう指導する、そしてその内容を薬歴に記載しておく。
最低限これだけはやっていました。
ただ…運転禁止の薬剤が処方されることもあったのですが、明らかに車を運転する患者さんもいらっしゃいました。
チャンピックスとかはそうでしたね。中年の男性に処方されることが多かったように思いますが、田舎でしたし、その方たちに運転をしないように伝えたところで…
難しかったですね、そういったあたりは。

直接眠気が誘発される薬剤以外にも、間接的に眠気、ふらつきが誘発される薬剤もたくさん存在します。
降圧薬や糖尿病薬などです。
降圧薬では低血圧が、糖尿病薬では低血糖が起こり得ます。
忘れてしまいがちですが、注意が必要ですね。
低血糖による事故は去年の夏に発生したのが記憶に新しいですね。
御堂筋暴走、会社員を逮捕 低血糖症の危険運転致傷容疑
低血糖と運転に関してはこんな記事を見つけました
「1型糖尿病患者は低血糖を起こしやすい-欧米5か国の共同研究で判明

多分講演のスライドにあった論文がこれだとは思うのですが…。ご参考に。

去年、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」 が施行されましたね。
種々の薬剤や疾患についても明記されているので、しっかり頭に入れておかなければなりませんね。

これも講演スライドの中にあったのですが、こんな報告があります。
我が国のナショナルレセプトデタベースが示した運転等禁止・注意医薬品の使用実態
まあ、当然といえば当然の結果ですが、大変興味深いです。
できればもう少し詳しく、薬効別や薬剤別のデータも見てみたいです。

副作用による事故とは別に、疾患の発作が事故につながる事例も多く報告されています。
今回出てきた事例は虚血性心疾患の事例でした。
バスの運転手が…なんていう事例は時々耳にしますね。
また、てんかん発作による事故の事例も、痛ましい事故がありましたね。

「運転するなら、しっかり疾患をコントロールする!」
今回の講演を聞き、これが非常に重要なことだと気づかされました。
そして、ここには薬剤師が積極的に関わっていかなくてはならないと感じました。
てんかん患者への運転免許証の交付の是非については考えたことがありましたが、服薬アドヒアランスと運転という視点ではあまり考えたことがありませんでした。
でも、これは非常に重要な視点ですよね。

事故を起こすという事は、それに巻き込まれる人がいるということです。
こういった発作を起こす可能性のある疾患を抱えている患者が、そこまで意識できているか。
おそらくあまりできていないのではないかと思います。
車は時に凶器になり、悲惨な事故が起こり得ます。
薬剤師として、服薬アドヒアランスの維持を支援することで発作を抑え、事故が防止できるかもしれない、という視点も重要だという事に気づきました。

運転という観点からは、目の見え方の確認も必要ですね。緑内障白内障は薬剤師も関われると思います。糖尿病も関係あるかもしれませんね。
それぞれ治療薬が処方されていたら、目の見え方の状況、運転の状況を確認し、追跡していくことも重要に思います。
私の祖父は、目が見えなくなってきたたからという事で運転免許を手放しました。賢明な判断だと思います。

そして、忘れてはならないのが認知症
少し前に、認知症患者からの運転免許証の返納の是非の議論がありましたが…
「認知症と診断したら、運転免許証返納の説明を」
「どうなる?高齢者の運転免許」
うちのような田舎の高齢化の進む町では非常に頭の痛い問題です。
田舎だとたくさんの高齢者が運転をしているのは事実です。
田舎だけではないかもしれませんが…

個人的には、返納すべきだと思います。
やはり、誰かを巻き込んでしまう可能性があるからです。
返納してから不便にならないように、介護・福祉サービスを充実させることも重要になってくると思います。

今回の講演では、運転可否の判断材料として「ドライビングシュミレーター」が出てきました。(講演では認知症患者における運転の可否の判断で出てきたわけではなかったと記憶しています。)
認知症だけに限らず、高齢者の免許更新の際には取り入れてほしいと思いました。
全然知らなかったのですが、今も高齢者の免許更新の際には様々な試験がなされているんですね。
「高齢者講習70歳から74歳までの方の免許更新」
「講習予備検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新)」
認知機能を確認するような試験も含まれていますね。
ただ、3年に1回の更新はやや長いように思います。

3年もあれば認知症は十分に進行しますからね。
煩雑になるかもしれませんが、1年に1回でもいいのかな、と個人的には思います。

副作用への注意喚起だけでなく、服薬コンプライアンスの維持、疾患のコントロール状況の確認。
薬剤師が積極的に関わることで、不幸な事故を未然に防ぐことができるかもしれません。
今回はいい視点に気づくことが出来ました。

やっぱり外に出て勉強することは大切ですね!

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