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リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

私が大手調剤薬局を退職し、ド田舎の地元の病院に転職した理由 その7 完

この一年は本当にたくさんの出会いがあり、いろいろ悩みました。
そして、結局地元の病院に転職することに決めました。

その理由は、
「なぜ自分は山口にいるのか?」
「門前薬局というビジネス、処方箋通りに薬を渡す薬剤師って何なのだろう?」
ということの答えを見つけ、
自分なりに『医療の本質』が理解できたからだといえます。

私が考えるに、『医療の本質』とは『町づくり』だと思います。
最近地域医療という言葉をよく耳にします。
今年参加した多くの勉強会でも、しきりに地域医療についての話がされていました。

「なぜ今、地域医療なのか?」
先日、一橋大学の猪飼先生のお話を聞いてそれが分かりました。
地域医療の方が治療の質が高いから、だということです。

「では、なぜ地域医療の方が治療の質が高いのか?」
それは、他職種が連携することで、それぞれの専門分野での質が高まるからです。

日本在宅薬学会学術大会の豊田先生の発表の中にこういった言葉がありました。
「限界と適応」
それぞれの職種にはそれぞれ「適応」がありますが、一方で「限界」があります。
それを他職種が連携することでサポートしあい、よりよい医療ができるのだと思います。

ただ、この地域医療を考えたとき、果たして医療関係者だけで成り立つのかどうかという疑問が生まれました。
答えは「NO」です。
家族、知人、近所の方々、行政などなど、たくさんのサポートが必要です。
そういう意味で、私は『医療の本質』とは『町づくり』なのだと思います。

そして、その『町づくり』というのを考えたときに、自分は、薬剤師は、薬局は、どこで何をすべきかを考えました。

まず、「どこで」ということです。
選択肢に出てきたのは、社会人になってからずっといる山口、彼女のいる広島、
大学生活を過ごした大阪、そして地元の福井。
それとも全く知らない地域か。
でも『町づくり』をするとなると結果は必然でした。
今まで7年間山口にいましたが、根付けなかったです。
転勤が多かったこともあり、地域のコミュニティーにはなかなか入れなかったですし、
薬を渡すのも、どこの誰だか「知らない人」に渡していました。
川添先生に言われた「全ての患者さんを家族のように愛する」。
この気持ちになることはなかなかなれなかったです。
これは「知らない人」に薬を渡していたことが大きいと思います。
私が何か壁を作って知ろうとしなかっただけかもしれません。
地元だったら、この気持ちに少しでも近づけるのではないかと感じます。
少しでも知っている人なら、より親身になれるのではないかと。
町の住民ってだけで親近感が湧いてきます。
そう思うのも、私が育ったのが小さな町で、
町を歩けば知り合いに出会い、挨拶をするという習慣があったからだと思います。
そういった環境で『町づくり』をしたいと考えるようになりました。

もう一つ、前にも書いたように、地元は過疎が進み、廃れてきています。
「このままいくとどうなってしまうのか?」
正月に帰った時に本当に危機感が募りました。
高齢化が進み、医療者は少ない。
それならば、自分が少しでも『町づくり』に貢献したいと思うようになりました。

そして、「何をすべきか」。
病院薬剤師、門前薬局、ドラッグストア、行政。
色んな選択肢を考えました。
最初に考えたのは、自分で薬局をすること。それも「面」で。

なぜそう考えたかは、今の薬局のあり方に疑問があったからです。
昔ながらの誰でも気軽に入れない薬局は廃り、
処方箋を持った人しか入れないような門前薬局の台頭。
そして、処方箋通りに薬を渡す薬剤師。
町に出れば、薬やかスーパーなのか、よく分からない業態のドラッグストア。

セルフメディケーションが推進され、リフィル処方箋も見え隠れする。
ネット販売は今後ますます進展し、処方箋がネットの薬局で調剤される時代も来るだろう。
そして地域医療。
こういったことを考えると、いわゆる「まちの薬局」の再興が必要だと考えた。

ただ、そういった時代が来るにはもう少し時間がかかるし、
大学卒業後7年間山口にいたおかげで、地元の医療の現状が全く把握できていない、
それに経営的な知識も全くないので、これは諦めました。
今思えば、なんて浅はかなことを考えていたのかと思いますが(笑)

そして、この際、地元に貢献できるのなら何でもいいかな、と思うようになりました。
自分がまずしなければならないことは何か、まずそれを考えました。
それは地元でどのような医療が行われているのかを知ることでした。

小さい町なので、病院は1つ、診療所が2つ、調剤薬局は1つ、ドラッグストアは2つ。
この町の状況を知るには、この町の医療の中心である病院に勤めることが最適だと考えました。
幸い、空きがあり(というよりは常に空きがある…)、面接に合格することができました。
今病院には、私の高校の同級生が医師としていたり、
後輩が非常勤の医師として勤めていたりと、
なんだか面白そうな環境です。

母親も昔、臨床検査技師として働いていた病院で、
母親と父親が出会った場所(らしい)。
病院の老健には認知症の祖母が入所していて、
1年前に余命1カ月と言われ、その病院に入退院している祖父はまだ元気です。

そんな病院で勤めることができるのを嬉しく思います。

私の目標はあくまでも、町の医療に貢献し、『町づくり』をすること。
だから、数年後に薬局業界に戻ってくることも十分に考えられます。
そのときは、また温かく迎えてください。

長文になりましたが、読んでいただきありがとうございました。

私が大手調剤薬局を退職し、ド田舎の地元の病院に転職した理由 完

なお、今まで記載したことは私の主観ですのでございますので、誤解なきようお願い致します。
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