リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第48回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2022.8.24)(テーマ:費用効果分析)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

第49回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

 

気づけば4周年となりました。

いつもサポートしていただきありがとうございます。

 

 

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今回の録音はこちらからどうぞ↓

 

今回のテーマは「費用効果分析」でした。

※いつものやり方を変更して、費用効果分析論文を1本みんなで読んでみることにしました。

 

今回のメニューはこちら

Cost-Effectiveness of long-term tolvaptan administration for chronic heart failure treatment in Japan

J Cardiol . 2022 Mar;79(3):408-416.

PMID: 34799217

 

 

批判的吟味を進めるためのワークシートとしては、以下のzuratomo先生作成のワークシートを使いました(かなり前に作ったものらしいので、少し修正が必要なようですが)

このワークシートをもとに批判的吟味をしていきます。

 

まずはPECOから。

費用効果分析なので一つのモデルケースが想定されているのですが、今回は75歳の慢性心不全患者を想定して、長期間のトルバプタン投与とフロセミド投与でのICERが比較されております。

 

ここがすごく大事ですね。分析期間は長期投与を想定しているので妥当かなとは思いますが、死亡まで追ってもよいのかなとも思いました。

コストに関してはトルバプタンの薬価が大きいですね。12月は心不全の適応のあるジェネリックが出ますので、そうなると今回の論文の評価も変わりそうです。

モデルに関してはマルコフモデルを使用されています。ただこれがちょっと雑なような気がして。このモデルでは、心不全が4段階に分かれていて、すべての患者は、最初にCHF1の状態に割り当てられ、入院のたびに心不全の段階が上がり4回目の入院で死亡となっておりますが、これが妥当なのかどうか。特に参照している論文の記載はなさそうです。

トルバプタンとフロセミドとの有効性の比較は、RCTのメタ解析が今回の解析用になされていて、Appendixに載っています。トルバプタンvsフロセミドのRCTに関してはEVEREST試験がありますが、海外での試験ということで、国内のRCTのメタ解析がなされていると思います。

↓メタ解析の詳細

 

さて、結果です。

メインの解析である、トルバプタンvsフロセミドの結果は、トルバプタン群の方がコストが高く、QALYは低下したため、Dominatedとなりました。

またもう一つ解析がなされており、トルバプタンと高用量フロセミドとの比較では、トルバプタン群の方がコストは高いもののQALYは高く、ICERは328万となり、閾値である500万より安くなっているので優位となりました。ただ、なんとか差のつく場所を探した感があるので、あまり気にしなくていい結果な気がします。COIも見え隠れする解析な気もします。

トルネード図やICER Scattered Plotも検討されておりますが、メインの解析はどうにもならなさそうです。

なかなか悩ましい結果となりました。薬価の高い薬であるので、長期投与する場合は使いどころを十分に吟味する必要がありそうです。

 

参考:「薬剤経済」わかりません!

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

次回は9/21(水)22時より、「フリーテーマ」にて配信する予定です。

よろしければご視聴くださいませ!

 

 

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