リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2022.5)(1年間の新人教育振り返り)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

私の勤めております病院は薬剤師の正職員が2名体制なのですが、昨年度より私と新卒薬剤師の2名体制となりました。私の病院転職後8年目にして初めての新人育成であり、私自身としては約10年ぶりの新人育成となりました。

 

今回は教育面での1年を振り返ってみたいと思います。

なお、4か月時点で一度振り返っておりますので、よろしければこちらもあわせてお読みください。

 

最初の半年は何となく目標を立てながらやっていきました。

薬剤師が少人数ですので、早い段階でたくさんの種類の業務ができるよう計画しました。そうしないと私に業務の負担がかかり過ぎますので致しかたない部分もありました。計画は多少前後しましたが、概ね計画通りか、やや前倒しして進めることができました。

知識に関しては空いた時間に少しずつ教えていきました。

私の教育方針は以下の3つを特に意識してやってきました。

・もし辞めて転職したとしても、転職先で恥ずかしくないように

・今現在よりも少し難しい業務や課題を与える

・(小規模病院で症例数が限られているため)一症例を大切にし、できるだけ多くのことを学ぶ

 

半年過ぎれば複雑でない業務はできるようになりましたので、少しずつ難しい業務を与えるようにしました。過保護になり過ぎないように、かといって任せすぎないように心がけましたが、その具合が難しかったですね。

途中でスタッフの病欠があったり、コロナワクチンの対応があったりとややイレギュラーな一年になってしまったのは申し訳なかったのですが、その時々で順応し、うまくこなしてくれたので良かったです。

 

マンツーマンだったので、進捗状況を常にチェックできたのは良かったですね。うっとうしかったかもしれませんが。気になった症例や、覚えておかないといけないこと、調べておいてほしいことなどは逐一共有するようにしていました。あと、他職種からの質問もだいたい私のところに問い合わせが来るので、それも積極的に共有していました。

ファイルやインターネット上のページの共有にはCHATWORKを使い始めましたが、すごく便利でしたね。最初は印刷して渡してたんですが、紙ベースというのはやっぱり不便ですしね。

 

薬剤師数が少なく、常に様々な業務に対応しないといけないため、まとまった時間を確保することがあまりできなかったのが反省点ですね。そのせいで知識面の教育が十分できなかったと感じております。時間外にするのは良くないかなと思ったのですが、それでもやってあげたほうが良かったのかもしれませんね。

 

4か月の振り返りでも書いたのですが、私の不得意分野の十分な教育ができず、自動的に苦手分野になりかねないのには困りました。幸い、最近はすごく分かりやすい書籍があらゆる分野で発売されておりますので、最大限に活用しました。(参考になった書籍はこのブログの最後に貼っておきます。)

何人か薬剤師がいれば分野分けができるのですが、それができないのが小規模病院の辛いところですね。

 

3月には他職種との合同で1年の振り返りを発表する機会があったのですが、「施設間情報提供書」「腎機能に応じたバラシクロビルの用量調節」「PISCSを利用した相互作用の度合いの推測」について発表していました。いいポイントをついていたのではないでしょうか。

 

さて、すでに2年目が始まりましたが、2年目の育て方はもしかすると1年目より難しいかもしれないですね。1年目はとりあえず基本的な業務ができるようになればOKという感じでしたが、2年目以降はある程度目標を定めておかないとふらふらしてしまいそうな気がしています。1年目以上に自主性は必要になってくるかと思います。

委員会活動が始まりますので、一つはそれをきっかけに成長してほしいなと思います。

あらゆる業務に関して、失敗を気にせずチャレンジしてほしいですね。難解な業務や責任の伴う業務もどんどん任せていこうと思います。

 

去年は私の身動きが全く取れなかったのですが、今年は動けるようになると思いますので、いくつか施策を進めていきたいと思いますし、それを一緒にやっていけるといいですね。

あと、今年は薬学生の実習生がやってきます。他者を教育することが成長につながるのは間違いないですので、積極的に関わってもらおうと思っております。

 

今年1年が充実した年となるように、私に何ができるのか、その都度考えながら業務をしていきたいと思っております。

 

最後に、新人教育で特に参考になった書籍を5つ紹介しておきます。

抗菌薬の入門書としてはこちらがおススメですね。どうしても抗菌薬は取っつきにくいですが、こちらの書籍は岩田健太郎節で読みやすいのがその理由ですね。まずはこちらを繰り返し読むことで基本知識を身につけ、さらにいくつか書籍を読んで、実践して力をつけていってもらいたいです。

 

なかなか教育の時間が取れず、また何もかも一から教えるほどの教材も準備できませんので、薬剤師として知っておくべき一般的な知識はこちらの書籍を読んで、また辞書代わりにして身につけてもらいました。

 

添付文書上でCYPに関する相互作用が書いてあることはよくありますが、その程度がどのくらいなのかということは書いてないことが多いです。PISCSを使えばある程度推測することができますので、PISCSの入門書として使いました。

 

病院薬剤師向けの薬歴の本は少ないのですが、この書籍は丁寧に基礎から書かれており、アセスメントのポイントも参考になりました。「実践薬歴」も好きなのですが、薬局薬剤師とはアセスメントのポイントや指導内容が異なるので、病院薬歴向けの書籍を使うことをおススメします。

 

輸液の書籍はたくさん出ておりますが、基礎知識を身につけるにはこちらの書籍が個人的にはおススメです。輸液の知識だけでなく、電解質異常の対応についても十分すぎるほど学べるのもいいですね。

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

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