リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

個人的に気になった最新論文約30選の要約(2021.7)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

その月に気になった最新論文30本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!

論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。

日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。

癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。

 

【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。

それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。

 

今回は2021年7月分を。50取り上げております。

 

 

 

☆抗糖尿病薬

①「2型糖尿病患者を対象としたGIPおよびGLP-1受容体作動薬tirzepatideの有効性および安全性を検討したRCT。週1回投与のtirzepatide(5mg(n=121)、10mg(n=121)、15mg(n=121))、またはプラセボ(n=115)に割り付け(n=478;平均HbA1c 7.9%;平均年齢54.1歳;女性48%;平均糖尿病罹患期間4.7年)。40週時点での平均HbA1cは、ベースラインからtirzepatide5mgで1.87%、10mgで1.89%、15mgで2.07%減少したのに対し、プラセボでは0.04%の増加となり、プラセボに対する推定治療効果差はそれぞれ-1.91%、-1.93%、-2.11%となった(いずれもp<0.0001)。HbA1cの目標値7.0%未満(87~92% vs 20%)および6.5%以下(81~86% vs 10%)、5.7%未満(31~52% vs 1%)が達成した。tirzepatideは用量依存的に7.0~9.5kgの体重減少をもたらした。tirzepatideで最も頻度の高かった有害事象は、軽度から中等度の一過性の胃腸障害で、吐き気(12~18% vs 6%)、下痢(12~14% vs 8%)、嘔吐(2~6% vs 2%)などであった。Tirzepatideでは、臨床的に重要な(54mg/dL未満)低血糖や重度の低血糖は報告されなかった。」

Efficacy and safety of a novel dual GIP and GLP-1 receptor agonist tirzepatide in patients with type 2 diabetes (SURPASS-1): a double-blind, randomised, phase 3 trial

Lancet . 2021 Jul 10;398(10295):143-155.

PMID: 34186022

【アブストのみ】

 

②「tirzepatideとセマグルチドの有効性と安全性を比較した非盲検RCT。1879名の患者を1:1:1:1の割合で、tirzepatide 5mg、10mg、15mg群と、セマグルチド1mg群に割り付け(ベースライン時の平均HbA1c8.28%;平均年齢56.6歳;平均体重93.7kg)。HbA1c値のベースラインからの推定平均変化量は、tirzepatide 5 mg、10 mg、15 mgでそれぞれ-2.01%、-2.24%、-2.30%、セマグルチドでは-1.86%であった。5mg、10mg、15mgのtirzepatide群とセマグルチド群の推定差は、それぞれ-0.15%(95%CI:-0.28 to -0.03)、-0.39%(95%CI:-0.51 to -0.26)、-0.45%(95%CI:-0.57 to -0.32)であった。体重の減少は、セマグルチドよりもtirzepatideのほうが大きかった(最小二乗平均推定治療差 -1.9 kg、-3.6 kg、-5.5 kg、それぞれ;すべての比較において P<0.001)。最も多かった有害事象は消化器系で、主に軽度から中等度の重症度であった(悪心:17~22%、18%;下痢:13~16%、12%;嘔吐:6~10%、8%)。また、tirzepatideの投与を受けた患者のうち低血糖(血糖値54mg/dL未満)が0.6%、0.2%、1.7%で報告され、セマグルチド群では0.4%であった。」

Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes

N Engl J Med . 2021 Aug 5;385(6):503-515.

PMID: 34170647

【アブストのみ】

 

③「ナーシングホーム居住者の重度の有害血糖イベント、心血管イベントおよび死亡に対するDPP4IとSU薬の影響を検討した後ろ向きコホート研究(n=2,016;平均年齢81歳;女性72%)。SU薬新規使用者と比較して、DPP4I薬新規使用者は重度低血糖イベントの1年間の発生率が低かったが(HR 0.57;95%CI:0.34-0.94)、重度高血糖イベント(HR 0. 94;95%CI:0.52-1.72)、AMI(HR 0.76;95%CI:0.44-1.30)、HF(HR 1.01;95%CI:0.79-1.30)、MACE+HF(HR 0.90;95%CI:0.72-1.12)、および死亡(HR 0.97;95%CI:0.86-1.10)の発生率は統計的に同等であった。」

Comparative safety of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors and sulfonylureas among frail older adults

J Am Geriatr Soc . 2021 Jul 21.

PMID: 34291453

【フリー】

 

④「2型糖尿病患者における8種類のGLP-1RAの有効性と安全性を比較したネットワークメタ解析(n=11,126;平均年齢56.7歳)。体重減少は、albiglutide 30mg QWを除くすべてのGLP-1RAがプラセボよりも有効であった(体重減少:標準化平均差(SMD) -0.26 kg;95 %CI: -1.10 to 0.59 kg)。安全性に関して、経口セマグルチド14mgQD、セマグルチド1mgQW、リラグルチド1.8mgQD、エクセナチド2ugBIDは有害事象による脱落のリスクが増加した。またGLP-1RAは、アルビグルチド30mgQWとセマグルチド14mgQDの経口投与を除き、プラセボに比べて低血糖の発生率が高かった。」

Comparative efficacy and safety of 8 GLP-1RAs in patients with type 2 diabetes: A network meta-analysis

Diabetes Res Clin Pract . 2021 Jul;177:108904.

PMID: 34102249

【アブストのみ】

 

⑤「日本糖尿病臨床データ管理研究会によるDM薬の処方量の経時的変化。2002年と2019年のOAD使用率を比較すると、SU薬は44.5%から23.2%に減少し、BG薬は19.3%から50.3%に増加。DPP4iは2019年に56.9%に増加。SGLT2iは、2019年に23.6%に増加。2019年に最も使用されたOADはDPP4iであった。BMIが30kg/m2を超えると、BGとSGLT2iの使用が増え、SU薬とDPP4iの使用が減った。」

Current status of oral antidiabetic agent prescribing patterns based on the body mass index for Japanese type 2 diabetes mellitus patients and yearly changes in diabetologists' prescribing patterns from 2002 to 2019 (JDDM61)

J Diabetes Investig . 2021 Jun 30.

PMID: 34191401

【フリー】

 

⑥「リアルタイムCGM導入によるDM患者への影響を検討した後ろ向きコホート研究。リアルタイムCGM開始者(n=3806;平均年齢42.4歳;女性51%;1型91%;2型9%)、非開始者(n=37,947;平均年齢63.4歳;女性49%;1型6%2型94%)であった。平均HbA1cは、リアルタイムCGM開始者では8.17%から7.76%に、非開始者では8.28%から8.19%に低下した(調整後の差引推定値 -0.40%;95%CI:-0.48% to -0.32%)。低血糖の発生率は、リアルタイムCGMの開始者では5.1%から3.0%に減少し、非開始者では1.9%から2.3%に増加した(差引推定値 -2.7%;95%CI:-4.4% to -1.1%)。また、HbA1cが7%未満の患者の割合(差引推定値 9.6%;95%CI:7.1%~12.2%)、8%未満の患者の割合(差引推定値 13.1%;95%CI:10.2%~16.1%)、9%以上(差引推定値 -7.1%;95%CI:-9.5% to -4.6%)、外来受診回数(差引推定値 -0.4;95%CI:-0.6 to -0.2)および電話受診回数(差引推定値 1.1;95%CI:0.8~1.4)にも、統計的に有意な差が見られた。」

Association of Real-time Continuous Glucose Monitoring With Glycemic Control and Acute Metabolic Events Among Patients With Insulin-Treated Diabetes

JAMA . 2021 Jun 8;325(22):2273-2284.

PMID: 34077502

【アブストのみ】

 

⑦「SGLT2阻害薬を処方された9964人と、新たにメトホルミンを処方された9964人のPSマッチングにて両剤の有効性と安全性を検討したコホート研究(平均年齢54歳;女性52%;追跡期間:メトホルミン213日,SGLT2阻害薬147日)。主要アウトカムである心不全、心筋梗塞、脳卒中の複合は、SGLT2阻害剤群7.2件/1,000人年で発生したのに対し、メトホルミン群8.5件/1,000人年で発生した(HR 0.82;95%CI:0.58-1.15)。長い追跡期間(約600日)の解析でも同様の結果(HR 0.87;95%CI:0.69-1.09)が観察された。性器感染症(HR 2.28;95%CI:1.87-2.78)および糖尿病性ケトアシドーシス(HR 1.58;95%CI:0.92-2.70)の発生率は、メトホルミンと比較してSGLT2阻害剤を処方された患者で高かったが、急性腎障害(HR 0.94;95%CI:0.60-1.47)および低血糖(HR 0.83;95%CI:0.48-1.42)の発生率は差がなかった。」

Comparative effectiveness and safety of sodium-glucose cotransporter-2 inhibitors versus metformin in patients with type 2 diabetes: An observational study using data from routine care

Diabetes Obes Metab . 2021 Jun 24.

PMID: 34169619

【アブストのみ】

 

 

☆抗凝固/抗血小板薬

⑧「二次虚血性脳卒中予防のためのDAPTとSAPTの有益性とリスクを検討したメタ解析(治療期間(短期間:≦90日、長期間:>90日))。短期間の3RCTのメタ解析では、DAPTはSAPTと比較して虚血性脳卒中の再発の90日後のリスクが低かった(RR 0.68;95%CI:0.55-0.83);I2=37.1%)。短期間治療の試験では、DAPTによる大出血の有意な増加は認められなかった(RR 1.88;95%CI:0.93-3.83;I2=8.9%)。長期治療の2RCTのメタ解析(平均治療期間18~40ヵ月)では、DAPTは虚血性脳卒中の再発を有意に減少させなかったが(RR 0.89;95%CI:0.79-1.02;I2=1.4%)、大出血のリスクが高くなった(RR 2.42;95%CI:1.37-4.30;I2=75.5%)。」

Benefits and Risks of Dual Versus Single Antiplatelet Therapy for Secondary Stroke Prevention: A Systematic Review for the 2021 Guideline for the Prevention of Stroke in Patients With Stroke and Transient Ischemic Attack

Stroke . 2021 Jul;52(7):e468-e479.

PMID: 34024115

【フリー】

 

⑨「1~3か月のDAPT(アスピリン+P2Y12阻害剤)後にP2Y12阻害薬を単独投与する方法と12か月のDAPTを行う方法でのアウトカムを比較したRCTのメタ解析(n=18,046;5試験)。1~3ヵ月間のDAPT後にP2Y12阻害剤単独投与群では、大出血(1.42% vs 2.53%;OR 0.53;95%CI 0.42-0.67、I2=0%)および全死亡(1.00% vs 1.42%;OR 0.71;95%CI:0.53-0.95;I2=0%)は、12ヵ月間のDAPTと比較して有意に低かったが、MACE(2.66% vs 3.11%;OR 0.86;95%CI:0.71-1.03;I2=0%)は同等であった。」

Meta-Analysis of Duration of Dual Antiplatelet Therapy in Acute Coronary Syndrome Treated With Coronary Stenting

Am J Cardiol . 2021 Jul 15;151:25-29.

PMID: 34049672

【アブストのみ】

 

⑩「軽度の虚血性脳卒中または高リスクの一過性脳虚血発作患者において、P2Y12阻害薬(クロピドグレル/チカグレロル)とアスピリンによるDAPTとアスピリン単独療法(SAPT)の有効性と安全性を明らかにしたRCTのメタ解析(4試験;n=21,493)。症状発現後24時間以内に開始されたDAPT療法は、脳卒中の再発リスクを24%減少させた(RR 0.76;95%CI:0.68-0.83;I2=0%)が、全死亡(RR 1.30;95%CI:0.90-1.89;I2=0%)、心血管死亡(RR 1.34;95%CI:0.56-3.17;I2=0%)、軽度の出血(RR 1.25;95%CI:0.37-4.29;I2=94%)、心筋梗塞(RR 1.45;95%CI:0.62-3.39;I2=0%)に差はなかった。しかし、DAPTは重度または中等度の出血のリスク増加と関連していた(RR 2.17;95%CI:1.16-4.08; I2=41%)。」

P2Y12 Inhibitors Plus Aspirin Versus Aspirin Alone in Patients With Minor Stroke or High-Risk Transient Ischemic Attack

Stroke . 2021 Jul;52(7):2250-2257.

PMID: 34039032

【アブストのみ】

 

⑪「下肢血行再建術(LER)後の末梢動脈疾患(PAD)患者におけるリバーロキサバンの有効性を、リバーロキサバン2.5 mg 1日2回+アスピリンまたはアスピリン単独に割り付けて検討したRCT。主要評価項目(急性四肢虚血、血管が原因の大切断、心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死のいずれかのイベントが初めて発生するまでの時間)1,614件、その他の血管イベント3,100件を含む初回およびその後の血管イベントの合計は4,714件であった。リバーロキサバンは、主要評価項目(HR 0.86;95%CI:0.75~0.98)と血管イベントの合計(HR 0.86;95%CI:0.79~0.95)を減少させた。リバーロキサバンにより、3年間で参加者100人あたり推定4.4件の主要イベントと12.5件の血管イベントが回避された。」

Total Ischemic Event Reduction With Rivaroxaban After Peripheral Arterial Revascularization in the VOYAGER PAD Trial

J Am Coll Cardiol . 2021 Jul 27;78(4):317-326.

PMID: 34010631

【フリー】

 

⑫「慢性冠動脈疾患(CAD)または末梢動脈疾患(PAD)患者において、リバーロキサバン2.5mg 1日2回(n=9,152)とアスピリン100mg 1日1回の併用療法とアスピリン100mg 1日1回(n=9,126)との全死亡率および原因別死亡率への影響を検討したRCT(追跡期間の中央値23ヵ月)。併用療法群3.4%とアスピリン単独群4.1%の患者が死亡した(HR 0.82;95%CI:0.71-0.96)。アスピリン群と比較して、併用療法群はCV死亡を減少させたが(1.7% vs 2.2%;HR 0.78;95%CI:0.64-0.96)、CV以外の死亡は減少しなかった。」

Mortality Benefit of Rivaroxaban Plus Aspirin in Patients With Chronic Coronary or Peripheral Artery Disease

J Am Coll Cardiol . 2021 Jul 6;78(1):14-23.

PMID: 34210409

【アブストのみ】

 

⑬「PCI治療を受けたACS患者に対するticagrelorとprasugrelの安全性と有効性を評価したRCT(チカグレロル群n=1,676;男性78.9%;平均年齢64.4歳、プラスグレル群n=1,701;男性78.8%;平均年齢64.7歳)。主要評価項目(12ヵ月後の全死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合)が発生したのは、チカグレロル群9.8%、プラスグレル群7.1%であった(HR 1.41;95%CI:1.11~1.78)。心筋梗塞は、チカグロール群5.3%、プラスグレル群3.8%に発生した(HR 1.67;95%CI:1.19-2.34)。安全性のエンドポイントであるBARCタイプ3~5の出血は、チカグレロル群5.3%、プラスグレル群4.9%に発生した(HR 1.10;95%CI:0.81~1.50)。」

Ticagrelor or Prasugrel for Patients With Acute Coronary Syndrome Treated With Percutaneous Coronary Intervention: A Prespecified Subgroup Analysis of a Randomized Clinical Trial

JAMA Cardiol . 2021 Jun 30;e212228.

PMID: 34190967

【アブストのみ】

 

⑭「中等度の虚血性脳卒中(米国国立衛生研究所の脳卒中スケール[NIHSS]スコアが4~5)患者におけるチカグレロルとアスピリンの有効性と安全性を、重度ではない脳卒中患者(NIHSSスコアが0~3)とで比較した、THALES試験の探索的解析。症状発現後24時間以内にチカグレロル(1日目に180mgのローディング用量、その後2~30日目に90mgを1日2回投与)またはプラセボを投与。すべての患者は、1日目にアスピリン300~325mg、2~30日目にアスピリン75~100mgを1日2回投与され、さらに30日間患者を観察した。合計で3312名(平均年齢64.5歳;女性39.0%)が中等度の脳卒中、6671名(平均年齢64.8歳;女性37.7%)が軽度の脳卒中であった。中等度の脳卒中患者における主要評価項目(脳卒中または 30 日以内の死亡)の発生率は、チカグレロル群7.6%、プラセボ群9.1%(HR 0.84;95%CI:0.66-1.06)、重症度の低い脳卒中患者における主要評価項目のイベント発生率は、チカグレロ群4.7%、プラセボ群が5.7%であった(HR 0.82;95%CI:0.66-1.01)(相互作用のP=0.88)。重度の出血は、中等度の脳卒中患者ではチカグレロル群0.5%、プラセボ群0.2%に発生したのに対し、重度ではない脳卒中患者ではそれぞれ0.5%、0.1%に発生した(交互作用のP=0.26)。」

Efficacy and Safety of Ticagrelor and Aspirin in Patients With Moderate Ischemic Stroke: An Exploratory Analysis of the THALES Randomized Clinical Trial

JAMA Neurol . 2021 Jul 9.

PMID: 34244703

【フリー】

 

⑮「AFへのOAC中止の影響を検討した観察研究。OACの中止は、7日以上連続して治療を中止した場合とした(n=23,882;中止後の追跡期間の中央値511日)。投与を中止した患者13.0%は、OACの再開の有無にかかわらず中止しなかった患者に比べて、全死亡(HR 1.62;95%CI:1.25~2.09)、脳卒中/全身性塞栓症(SE)(HR 2.21;95%CI:1.42~3.44)、心筋梗塞(MI)(HR 1.85;95%CI:1.09~3.13)のリスクが高かった。この中止後の転帰のリスクの高さは、ビタミンK拮抗薬(VKA)とDOACで治療を受けた患者で同じだった(相互作用範囲のp=0.145-0.778)。」

Risks associated with discontinuation of oral anticoagulation in newly diagnosed patients with atrial fibrillation: Results from the GARFIELD-AF Registry

J Thromb Haemost . 2021 Jun 1.

PMID: 34060704

【フリー】

 

 

☆循環器関連(抗凝固/抗血小板薬以外)

⑯「HFおよびCOPD患者の臨床的特徴と長期転帰を、使用したβ遮断薬の種類(心臓選択性β遮断薬n=149、非心臓選択性β遮断薬n=124、β遮断薬なしn=139)で比較。心拍数はβ遮断薬なしのグループの方がβ遮断薬ありのグループよりも高く、転帰も悪かった。2年間の全死亡率は、非心臓選択性β遮断薬群がβ遮断薬なしの群よりも有意に低かった。さらに心血管死亡率は、非心臓選択的β遮断薬群では、調整前(HR 0.36;95%CI:0.18-0.73)と調整後(HR 0.37;95%CI:0.19-0.73)で有意に低下したが、心臓選択的β遮断薬群では低下しなかった。」

Impact of beta-blocker use on the long-term outcomes of heart failure patients with chronic obstructive pulmonary disease

ESC Heart Fail . 2021 Jun 29.

PMID: 34189870

【フリー】

 

⑰「心血管疾患の一次予防におけるスタチン系薬剤と有害事象との関連性を評価したRCTのメタ解析(n=120,456;62試験;平均追跡期間3.9年)。1年間の治療を受けた患者1万人当たりのイベント数の絶対リスク差も同定。スタチンは、自己申告による筋肉症状(OR 1.06;95%CI:1.01~1.13;絶対リスク差15;95%CI:1~29;21試験)、肝機能障害(OR 1.33;95%CI:1.12~1.58;絶対リスク差 8;95%CI:3~14;21試験)、腎不全(OR 1.14;95%CI:1.01~1.28;絶対的リスク差 12;95%CI1~24;8試験)、白内障などの目に関する症状(OR 1.23;95%CI:1.04~1.47;絶対的リスク差 14;95%CI:2~29;6試験)のリスク増加と関連していたが、臨床的に確認された筋肉障害や糖尿病とは関連していなかった。リスクの増加は、主要な心血管イベントのリスクの減少を上回るものではなかった。」

Associations between statins and adverse events in primary prevention of cardiovascular disease: systematic review with pairwise, network, and dose-response meta-analyses

BMJ . 2021 Jul 14;374:n1537.

PMID: 34261627

【フリー】

 

⑱「eGFR≧60(n=7,768)、60>eGFR≧45かつ60未満(n=3,176)、eGFR<45(n=1,164)に分類し、ピタバスタチン4mg(高用量)または1mg(低用量)の治療に無作為に割り付けた、REAL-CAD試験のサブ解析。高用量群と低用量群の6ヵ月後のLDL-C低下の大きさは、すべてのeGFRカテゴリーで同等であった。観察期間の中央値3.9年の間に、eGFR≧60の患者では、高用量群が低用量群に比べて心血管イベントを有意に減少させたが(HR 0.73;95%CI:0.58-0.91)、60>eGFR≧45の患者(HR 0.85;95%CI:0.63-1.14)、またはeGFR<45の患者(HR 0.90;95%CI:0.62-1.33)では、有意ではなかった。」

Relation of renal function to mid-term prognosis of stable angina patients with high- or low-dose pitavastatin treatment: REAL-CAD substudy

Am Heart J . 2021 Jun 24;240:89-100.

PMID: 34174217

【アブストのみ】

 

⑲「心筋梗塞(AMI)後1年の生存者におけるβ遮断薬の有効性を用量別に評価したコホート研究。β遮断薬の投与状況が判明した3004名の患者で、心筋梗塞後1年の時点でのβ遮断薬の使用有無と投与量を解析。投与量は、β遮断薬を使用しない場合と、RCTで使用された目標投与量の0%以上12.5%未満、12.5%以上25%未満、25%以上50%未満、50%以上に分類された。年齢は63~64歳で、約3分の2が男性、観察期間の中央値は1.05年。β遮断薬の投与は非投与と比較して、生存率の改善と関連しなかった。投与量別に解析すると、傾向スコア解析では、β遮断薬を投与しない群(HR 1.997;95%CI:1.118~3.568)、0%以上12. 5%未満投与群(HR 1.817;95%CI:1.094-3.016)、25%以上50%未満投与群(HR 1.764;95%CI:1.105-2.815)は、12.5%以上25%未満投与群と比較して死亡率が高かった。フルドーズ投与群の死亡率に差はなかった(HR 1.196;95%CI:0.687-2.083)。」

One-Year Landmark Analysis of the Effect of Beta-Blocker Dose on Survival After Acute Myocardial Infarction

J Am Heart Assoc . 2021 Jul 20;10(14):e019017.

PMID: 34227397

【フリー】

 

⑳「高血圧症の第一選択治療におけるACE阻害剤とARBの有効性と安全性を検討した8つのデータベースによるコホート研究。8つのデータベースで、ACE阻害薬で治療を開始した患者2,297,881人とARBで治療を開始した患者673,938人を確認した。主要評価項目である急性心筋梗塞(ACEI vs ARBのHR 1.11;95%CI:0.95-1.32)、心不全(HR 1.03;95%CI:0.87-1.24)、脳卒中(HR 1.07;95%CI:0.91-1.27)、複合心血管イベント(HR 1.06;95%CI:0.90-1.25)のいずれにおいても、統計学的に有意な差は認められなかった。副次評価項目および安全性評価項目では、ARBを投与された患者は血管浮腫、咳、膵炎、GI出血のリスクが有意に低かった。」

Comparative First-Line Effectiveness and Safety of ACE (Angiotensin-Converting Enzyme) Inhibitors and Angiotensin Receptor Blockers: A Multinational Cohort Study

Hypertension . 2021 Sep;78(3):591-603.

PMID: 34304580

【アブストのみ】

 

㉑「ダパグリフロジン10mg1日1回またはプラセボを標準治療に追加し、HFrEF患者におけるダパグリフロジンの長期的な治療効果を検討した、DAPA-HF試験の探索的研究(n=4,744;女性23.4%;平均年齢66.3歳)。主要複合エンドポイントイベント(心不全による初回入院、点滴治療を必要とする心不全緊急受診、または心血管死までの期間であった)の65歳での無イベント生存期間を外挿すると、プラセボでは6.2年、ダパグリフロジンでは8.3年となり、無イベント生存期間は2.1年延長した(95%CI:0.8~3.3年)。全死亡を考慮すると、65歳の平均余命はプラセボが9.1年、ダパグリフロジンが10.8年であり、ダパグリフロジンでは1.7年(95%CI:0.1~3.3)の生存期間の延長が認められた。」

Extrapolating Long-term Event-Free and Overall Survival With Dapagliflozin in Patients With Heart Failure and Reduced Ejection Fraction: An Exploratory Analysis of a Phase 3 Randomized Clinical Trial

JAMA Cardiol . 2021 Jul 28.

PMID: 34319398

【アブストのみ】

 

 

☆抗菌薬/感染症関連

㉒「医療従事者のコミュニケーションとHPVワクチンの接種との関連性を検討した研究のメタ解析(59試験;n=265,083)。医療機関からの推奨を受けることは,HPV ワクチンの接種率が高いことと関連していた(OR 10.1;95%CI:7.6~13.4)。HPVワクチンの接種率は、医療機関からの推奨がない患者では24%、推奨がある患者では60%であった。推奨は男性でも女性でも、患者の年齢が異なっていても、また時間が経過していても同様に有効であった。医療従事者による推奨は、HPVワクチンのシリーズ完了率とフォロースルー率の向上にも関連していた。医療従事者による話し合いも、同様にHPVワクチン接種の開始率と関連していた(OR 12.4; 95%CI:6.3-24.3)。」

Provider communication and HPV vaccine uptake: A meta-analysis and systematic review

Prev Med . 2021 Jul;148:106554.

PMID: 33857561

【アブストのみ】

 

㉓「マクロライド系抗生物質の使用が耳鳴りや難聴と関連しているかどうかを調査するために行われた横断的(n=4,286)および縦断的(n=636)な解析。マクロライド系薬剤の使用歴は、耳鳴り有病の可能性が高いことと関連していた(OR 1.25;95%CI:1.07-1.46)。この関連性は、累積投与量が14 DDD以上の参加者と、中・長時間作用型マクロライドの使用者でより顕著であり、両方の場合は耳鳴り発生のリスクが2倍以上になることがわかった。マクロライド系薬と難聴との一般的な関連性は認められなかったが、ごく最近の使用者(3週間以内)では、聴力閾値が境界線上で有意に高くなることが認められた。」

Macrolide-associated ototoxicity: a cross-sectional and longitudinal study to assess the association of macrolide use with tinnitus and hearing loss

J Antimicrob Chemother . 2021 Jul 27;dkab232.

PMID: 34312676

【フリー】

 

㉔「ESBL産生腸内細菌科(ESBL-PE)による尿路感染症(UTI)の治療において、非カルバペネム系β-ラクタム/β-ラクタマーゼ阻害薬(BLBLI)とカルバペネム系薬の有効性を比較するために実施されたメタ分析(n=1,612;3件のRCTと7件のコホート研究)。BLBLIとカルバペネム系薬の間には、臨床的成功率(RR 0.99;P=0.71)、臨床的/微生物学的成功率(RR 0.97;P=0.46)、死亡率(RR 0.63;P=0.22)に統計的な有意差はなかった。」

Non-carbapenem β-lactam/β-lactamase inhibitors versus carbapenems for urinary tract infections caused by extended-spectrum β-lactamase-producing Enterobacteriaceae: a systematic review

Int J Antimicrob Agents . 2021 Jul 30;106410.

PMID: 34339776

【アブストのみ】

 

㉕「症候性UTIと推定される発熱男性にCPFXまたはTMP/SMXを投与した二重盲検RCT。治療中の7日間は処方された抗生物質を継続し、8~14日目は抗生物質の継続(n=136)またはプラセボ(n=136)に割り付けられた(n=272;年齢の中央値69歳)。254名が治療後の主要解析対象となった。症状の消失は、7日間投与群93.1%に対して14日間投与群90.2%であった(差 2.9%;片側97.5%CI:-5.2%~∞)。副次的な解析では、症状の消失は7日間投与群91.9%と14日間投与群90.4%であった(差 1.5%;片側97.5%:-5.8% to ∞)。尿路結石症状の再発は7日間投与群9.9%と 14日間投与群の12.9%で発生した(差 -3.0%;95%CI: -10.8%~6.2%)。有害事象は7 日間投与群20.6% vs 14日間投与群24.3%で発生した。」

Effect of 7 vs 14 Days of Antibiotic Therapy on Resolution of Symptoms Among Afebrile Men With Urinary Tract Infection: A Randomized Clinical Trial

JAMA . 2021 Jul 27;326(4):324-331.

PMID: 34313686

【アブストのみ】

 

㉖「認知症高齢者の尿路感染症(UTI)および下気道感染症(LRI)の管理を改善するための多要素介入の有効性を検証。介護施設の開業医(医師、医師助手、看護師、看護師)を対象とした介入内容は、対面式セミナー、オンラインコース、管理アルゴリズム(ポスター、ポケットカード)、コミュニケーションのヒント(ポケットカード)、抗菌薬の処方に関するフィードバックレポートなど。主要アウトカムは、1 人年あたりの UTI または LRI が疑われる場合の抗菌薬治療コースであった。介入群は199名の入居者(平均年齢87.7歳;女性81.9%)、対照群は227名(平均年齢85.3歳;女性83.7%)であった。介入群と対照群を比較すると、1人年あたりのUTIまたはLRIが疑われる患者の抗菌薬投与コースは有意な減少はしなかった(調整後の限界率差 -0.27;95%CI:-0.71~0.17)。最小限の基準を満たさない場合に開始された抗菌薬、膀胱カテーテル挿入、静脈採血、転院などの副次的な結果には、両群間で有意な差はなかった。胸部X線撮影の使用は、介入群で有意に低かった(調整済み限界率差 -0.56;95%CI:-1.10 to -0.03)。」

The Trial to Reduce Antimicrobial Use in Nursing Home Residents With Alzheimer Disease and Other Dementias (TRAIN-AD): A Cluster Randomized Clinical Trial

JAMA Intern Med . 2021 Jul 12;e213098.

PMID: 34251396

【アブストのみ】

 

㉗「介護施設スタッフのUTIに関する知識とコミュニケーションスキルを向上させるオーダーメイドの介入が、UTIに対する抗生物質の処方に影響を与えるかどうかを調査した22の老人ホーム(n=1,470;11施設が介入を受け(n=765)、11施設が対照群(n=705))を対象にしたクラスターランダム化試験。入居者1人当たりのUTIに対する抗生物質の処方数は、介入群では134件/84,035日、対照群では228件/77,817日であった。UTIに対する抗生物質の投与を受ける率比(RR)は、非調整モデルでは0.51(95%CI:0.37-0.71)、調整モデルでは0.42(95%CI:0.31-0.57)であった。1475人の居住者のうち28.5%が入院した。全原因による入院のリスク(調整モデルRR 1.28;95%CI:0.95-1.74)、全原因による死亡率(調整モデルRR 0.91;95%CI:0.62-1.33)に有意差はなかった。」

Effectiveness of a tailored intervention to reduce antibiotics for urinary tract infections in nursing home residents: a cluster, randomised controlled trial

Lancet Infect Dis . 2021 Jul 22;S1473-3099(21)00001-3.

PMID: 34303417

【アブストのみ】

 

㉘「COVID-19に感染して入院した人を対象に、レムデシビル治療と生存期間および在院日数との関連を検討した後ろ向きコホート研究(レムデシビル治療を開始した患者と、レムデシビル治療を開始しなかった対照患者の傾向スコアマッチング)。2,344人、1172組のマッチドコホートを解析(平均年齢66.6歳 vs 67.5歳;男性93.9% vs 93.9%;デキサメタゾンの使用47.7% vs 47.7%;ICU入院20.7% vs 19.1%;機械的換気の使用5.9% vs 3.8%)。レムデシビルの投与は30日死亡率とは関連しなかった(12.2% vs 10.6%;ログランクP=0.26;調整後HR 1.06;95%CI:0.83-1.36)。また、レムデシビルの投与開始時にデキサメタゾンの投与を受けている人と受けていない人で結果は同様であった(デキサメタゾン投与者:調整後HR 0.93;95%CI:0.64-1.35、非投与者:調整後HR 1.19;95%CI:0.84-1.69)。さらに、レムデシビルの投与を受けた患者は、マッチさせた対照群と比較して退院までの期間の中央値が長かった(6日 vs 3日;P < 0.001)。」

Association of Remdesivir Treatment With Survival and Length of Hospital Stay Among US Veterans Hospitalized With COVID-19

JAMA Netw Open . 2021 Jul 1;4(7):e2114741.

PMID: 34264329

【フリー】

 

㉙「1.2gのAZM単回経口投与群(n=171)と、マッチングプラセボ投与群(n=92)に2対1で無作為に割り付け、有効性と安全性を検討したRCT(年齢中央値43歳;女性66%)。14日目の時点で、症状のない参加者の割合に有意な差はなかった(AZM50% vs プラセボ50%;有病率の差 0%;95%CI:-14% to 15%)。事前に規定された23の副次的な臨床エンドポイントのうち、18項目では有意差が認められなかった。21日目までに入院した被験者は、AZM群5人、プラセボ群0人だった(有病率の差 4%;95%CI:-1% to 9%)。」

Effect of Oral Azithromycin vs Placebo on COVID-19 Symptoms in Outpatients With SARS-CoV-2 Infection: A Randomized Clinical Trial

JAMA . 2021 Aug 10;326(6):490-498.

PMID: 34269813

【フリー】

 

㉚「重症COVID-19で入院中の患者を対象に、抗インターロイキン-1β抗体であるカナキヌマブの有効性を評価したRCT。患者をカナキヌマブ(n=227;体重40~60kgで450mg、60~80kgで600mg、>80kgで750mg)またはプラセボ(n=227)の単回静脈内投与に割り付け(n=454;年齢の中央値59歳;女性41.2%)。3~29日目に侵襲的機械換気(IMV)を必要とせずに生存したのは、カナキヌマブ群88.8%、プラセボ群85.7%で、率の差は3.1%(95%CI:-3.1~9.3%)、オッズ比は1.39(95%CI:0.76~2.54)であった。COVID-19 に関連した死亡は、カナキヌマブ群4.9%、プラセボ群7.2%に発生し、その割合の差は -2.3%(95%CI:-6.7%~2.2%)、オッズ比は 0.67(95%CI:0.30~1.50)であった。」

Effect of Canakinumab vs Placebo on Survival Without Invasive Mechanical Ventilation in Patients Hospitalized With Severe COVID-19: A Randomized Clinical Trial

JAMA . 2021 Jul 20;326(3):230-239.

PMID: 34283183

【フリー】

 

㉛「重症化のリスクが高い、軽度または中等度のCovid-19患者に対し、感染の検査診断後3日以内に中和モノクローナル抗体合剤(bamlanivimab 2800 mg と etesevimab 2800 mg の併用投与)またはプラセボのいずれかを単回静脈内投与するよう無作為に割り付け、プラセボ群と比較して主要評価項目である29 日目までのCovid-19関連の入院または全死亡への影響を検討したRCT(n=1,035;平均年齢は53.8歳;女性52.0%)。主要アウトカムは、プラセボ群7.0%に対し、Bamlanivimab/Etesevimab群2.1%であった(絶対リスク差 -4.8%;95%CI:-7.4 to -2.3;相対リスク差 70%;P<0.001)。Bamlanivimab/Etesevimab群では死亡例はなく、プラセボ群では10例の死亡例があり、そのうち9例が治験責任医師により Covid-19 関連死と認定された。」

Bamlanivimab plus Etesevimab in Mild or Moderate Covid-19

N Engl J Med . 2021 Jul 14;NEJMoa2102685.

PMID: 34260849

【フリー】

 

㉜「65歳以上または併存疾患(免疫力低下、心臓病、高血圧、喘息または肺疾患、糖尿病、軽度の肝機能障害、脳卒中または神経学的問題、自己申告の肥満または体格指数35kg/m2以上)を有する50歳以上の高齢者で、COVID-19が疑われるか、または地域でSARS-CoV-2感染のPCR検査が陽性で、体調不良(14日以下)の患者を対象に、通常のケアのみ、通常のケアとドキシサイクリンの経口投与(1日目に200mg、その後6日間は1日1回100mg)、通常のケアとその他の介入に割り付けられたRCT(通常ケア+ドキシサイクリン群n=780、通常ケアのみ群n=948、通常ケア+その他の介入群n=780)。通常ケア+ドキシサイクリン群と通常ケアのみ群に無作為に割り付けられた1792名の参加者の平均年齢は61.1歳、女性55.7%。主要解析モデルでは、自己申告による最初の回復までの期間(中央値)について、通常のケア+ドキシサイクリン群と通常のケアのみの群との間に差があるという証拠はほとんどなかった(9.6日(95%ベイズ信頼区間(BCI) 8.3~11.0日) vs 10.1日(95%BCI:8.7~11.7日);HR 1.04(95%BCI 0.93~1.17))。自己申告による最初の回復までの期間(中央値)の推定利益は0.5日(95%BCI:-0.99 to 2.04)であり、臨床的に意味のある利益(1.5日以上と定義)の確率は0.10であった。COVID-19に関連した入院または死亡は、通常ケア+ドキシサイクリン群で粗率5.3%、通常ケアのみ群で4.5%に発生し(推定絶対割合差-0.5%;95%BCI:-2.6~1.4)、死亡は通常ケア+ドキシサイクリン群で0.6%、通常ケアのみ群で0.2%であった。」

Doxycycline for community treatment of suspected COVID-19 in people at high risk of adverse outcomes in the UK (PRINCIPLE): a randomised, controlled, open-label, adaptive platform trial

Lancet Respir Med . 2021 Jul 27;S2213-2600(21)00310-6.

PMID: 34329624

【フリー】

 

㉝「COVID-19 で入院し、ICUに入室したあるいは凝固障害が認められた成人を対象に、標準的な予防投与量のエノキサパリンを投与する群と、体重にて調整を行った中間投与量のエノキサパリンを投与する群に割り付けたRCT(n=176;女性44%)。30日後の全死亡率は中間用量群15%、標準予防用量群21%であった(OR 0.66;95%CI:0.30-1.45)。未調整のCox比例ハザードモデルでは、中用量と標準用量のエノキサパリンの間に死亡率の有意差は認められなかった(HR 0.67;95%CI:0.33~1.37)。動脈または静脈血栓症は、中間用量群 13%と標準予防用量群9%に発生し、大出血は各群2%に発生した。」

Standard prophylactic versus intermediate dose enoxaparin in adults with severe COVID-19: A multi-center, open-label, randomized controlled trial

J Thromb Haemost . 2021 Jul 8.

PMID: 34236768

【フリー】

 

㉞「イベルメクチン投与が初期のCOVID-19患者の入院を予防できるかどうかを検討したRCT。イベルメクチン(n=250)またはプラセボ(n=251)の両群に割り付け、患者の体重に応じて投与量をずらし、2日間投与(平均年齢42歳;症状発現から組み入れまでの期間の中央値は4日)。主要評価項目である入院は、イベルメクチン群5.6%、プラセボ群8.4%(OR 0.65;95%CI:0.32-1.31)。入院までの期間は、各群間で統計的な差はなかった。試験登録から侵襲的機械的人工呼吸支援(MVS)までの平均期間はイベルメクチン群5.25日、プラセボ群10日であった(p=0.019)。」

Ivermectin to prevent hospitalizations in patients with COVID-19 (IVERCOR-COVID19) a randomized, double-blind, placebo-controlled trial

BMC Infect Dis . 2021 Jul 2;21(1):635.

PMID: 34215210

【フリー】

 

㉟「アジスロマイシンが軽度から中等度のCOVID-19患者の入院を減らすのに有効かどうかを評価した非盲検化RCT。アジスロマイシン(500mgを1日1回、14日間経口投与)(n=145)と標準治療または標準治療のみ(n=147)に割り付け(n=292;平均年齢45.9歳)。アジスロマイシン群10%、標準治療群12%に主要評価項目である無作為化から28日間までの全死亡または入院が発生した(調整後OR 0.91;95%CI:0.43-1.92)。」

Azithromycin versus standard care in patients with mild-to-moderate COVID-19 (ATOMIC2): an open-label, randomised trial

Lancet Respir Med . 2021 Jul 9;S2213-2600(21)00263-0.

PMID: 34252378

【フリー】

 

㊱「中等症から重症のCOVID-19患者の治療に対するファビピラビルとヒドロキシクロロキンの併用療法の効果を評価した非盲検化RCT。標準治療群(対照群)(n=129)と、標準治療にファビピラビルとヒドロキシクロロキンを加えた群(n=125)に割り付け(n=254;平均年齢52歳;女性41%)。臨床的改善までの期間は両群間で有意差はなく、中央値で治療群は9日、対照群は7日であった(HR 0.845;95%CI:0.617-1.157)。28日後の死亡率は、治療群7.63% vs 対照群10.32%で有意な差はなかった。有害事象としては、治療群では頭痛、ALTの上昇、QTc間隔の延長が多くみられた。」

Favipiravir and Hydroxychloroquine Combination Therapy in Patients with Moderate to Severe COVID-19 (FACCT Trial): An Open-Label, Multicenter, Randomized, Controlled Trial

Infect Dis Ther . 2021 Jul 28;1-17.

PMID: 34319552

【フリー】

 

㊲「COVID-19と糖尿病を合併した患者におけるインスリン治療の転帰への影響を検討した研究のメタ解析(18試験;n=12,277)。インスリン治療は、死亡リスク(OR 2.10;95%CI;1.51-2.93)およびCOVID-19の重症/重篤な合併症の発生率(OR 2.56;95%CI:1.18-5.55)の増加と有意に関連していた。」

Insulin Treatment May Increase Adverse Outcomes in Patients With COVID-19 and Diabetes: A Systematic Review and Meta-Analysis

Front Endocrinol (Lausanne) . 2021 Jul 22;12:696087.

PMID: 34367067

【フリー】

 

㊳「テストネガティブケースコントロールデザインを用いて、COVID-19δ変異株またはα変異株による症候性COVID-19に対するワクチン接種の効果を推定。ワクチン(BNT162b2またはChAdOx1 nCoV-19)を1回接種した後の効果は、α変異株(48.7%;95%CI:45.5~51.7)よりもδ変異株(30.7%;95%CI:25.2~35.7)の方が明らかに低く、この結果は両ワクチンで同様であった。BNT162b2ワクチンでは、2回接種時の有効性はα変異株で93.7%(95%CI:91.6~95.3)、δ変異株で88.0%(95%CI:85.3~90.1)であった。ChAdOx1 nCoV-19ワクチンでは、2回接種の有効性はα変異株で74.5%(95%CI:68.4~79.4)、δ変異株で67.0%(95%CI:61.3~71.8)であった。」

Effectiveness of Covid-19 Vaccines against the B.1.617.2 (Delta) Variant

N Engl J Med . 2021 Aug 12;385(7):585-594.

PMID: 34289274

【フリー】

 

㊴「COVID-19の不活化ワクチンであるCoronaVacの有効性と安全性を検討した二重盲検RCT。参加者は、0日目と14日目にワクチンまたはプラセボのいずれかを筋肉内に投与された。有効性の主要評価項目は、 2回目の投与から少なくとも14日後にPCRで確認された症候性COVID-19を予防することであった。 ITT群は10,214名(ワクチン群n=6,646名、プラセボ群n=3,568)、per protocol群は10,029名(n=6,559、n=3,470)で、ワクチンまたはプラセボを2回投与した。中央値43日の追跡期間中に、2回目の投与から14日以上経過した段階で、PCRで確認された症候性COVID-19がワクチン群31.7例/1,000人年、プラセボ群192.3例/1,000人年の報告があり、ワクチンの有効性は83.5%(95%CI:65.4-92.1)であった。有害事象の発生頻度はワクチン群18.9%、プラセボ群16.9%であり(p=0.0108)、死亡例やグレード4の有害事象はなかった。最も多かった全身性有害事象は倦怠感であった(ワクチン群8.2%、プラセボ群7.0%)。また、局所的な有害事象としては注射部位の痛みが最も多く見られた(ワクチン群2.4%、プラセボ群1.1%)。」

Efficacy and safety of an inactivated whole-virion SARS-CoV-2 vaccine (CoronaVac): interim results of a double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trial in Turkey

Lancet . 2021 Jul 17;398(10296):213-222.

PMID: 34246358

【フリー】

 

㊵「妊娠中の女性におけるBNT162b2 mRNAワクチンの接種とSARS-CoV-2感染リスクとの関連を評価したイスラエルの後ろ向きコホート研究。ワクチン接種を受けた女性7530人と、マッチさせたワクチン未接種の女性7530人が含まれ、妊娠期間は第2期46%および第3期33%だった(平均年齢は31.1歳;主要アウトカムの追跡調査の中央値は37日)。SARS-CoV-2感染者はワクチン接種群で118人、非接種群で202人であった。感染した女性のうち症状があったのは、ワクチン接種群83.8%、ワクチン未接種群83.2%であった(P≧0.99)。28~70日のフォローアップ期間中の感染症は、ワクチン接種群10件、非接種群で46件であった。感染症のハザードは、ワクチン接種群と非接種群でそれぞれ 0.33%と 1.64%であり、絶対差は1.31%(95%CI:0.89%-1.74%)、調整後のハザード比は 0.22(95%CI:0.11-0.43)であった。」

Association Between BNT162b2 Vaccination and Incidence of SARS-CoV-2 Infection in Pregnant Women

JAMA . 2021 Aug 24;326(8):728-735.

PMID: 34251417

【フリー】

 

㊶「ファイザー・バイオンテックまたはモデナのワクチンに対して即時的なアレルギー反応((1)投与1回目から4時間以内の症状発現、(2)少なくとも1つのアレルギー症状、(3)クリニック内または遠隔評価によるアレルギー・免疫学相談への紹介)を起こした患者を対象とし、2回目の接種が安全に行えたかどうかを検討。が参加。評価されたmRNA COVID-19ワクチンの初回投与反応(n=189;平均年齢43歳;女性86%)のうち、130例(69%)がModerna社、59例(31%)がPfizer-BioNTech社に対するものであり、最も頻繁に報告された初回投与反応は、顔面紅潮または紅斑(28%)、めまいまたはふらつき(26%)、しびれ(24%)、喉の締め付け(22%)、じんましん(21%)、喘ぎまたは息切れ(21%)であった。32名(17%)がアナフィラキシー基準を満たした。合計159名(84%)の患者が2回目の投与を受け、2回目の投与前に抗ヒスタミン薬の前投薬を行ったのは30%であった。初回投与でアナフィラキシーを起こした19名を含む159名の患者全員が2回目の投与に耐えた。20%が2回目の投与に関連した即時的で潜在的なアレルギー症状を報告したが、その症状は自己限定的で軽度であり抗ヒスタミン薬のみで解決した。」

Safety Evaluation of the Second Dose of Messenger RNA COVID-19 Vaccines in Patients With Immediate Reactions to the First Dose

JAMA Intern Med . 2021 Jul 26;e213779.

PMID: 34309623

【フリー】

 

 

☆その他

㊷「急性呼吸困難症候群(ARDS)におけるコルチコステロイドの有効性と安全性に関するメタ解析。対象群と比較して、RCTにおける死亡率(RR 0.78;95%Cl:0.61~0.99)および機械的人工呼吸の期間(MD -4.75;95%CI:-7.63 to -1.88)の有意な減少が観察され、人工呼吸器を使用しない日数(MD 6.03;95%CI:3.59〜8.47)およびICUを使用しない日数(MD 8.04;95%CI:2.70〜13.38)が有意に増加した。」

Efficacy and safety of corticosteroids in acute respiratory distress syndrome: An overview of meta-analyses

Int J Clin Pract . 2021 Jul 26;e14645.

PMID: 34310805

【アブストのみ】

 

㊸「月経多量出血(HMB)を有する34歳以上の女性270名で、腔内病変はなく、将来の子供を希望していない患者を対象に、レボノルゲストレル子宮内システム(LNG-IUS)(n=132)から開始する戦略のコストと非劣性を、子宮内膜焼灼術(EA)(n=138)と比較して評価することを目的としたRCTおよび費用効果分析(n=270)。患者1人当たりの総費用は、LNG-IUS戦略では2,285ユーロ、EA戦略では3,465ユーロであった(差 1,180ユーロ)。24ヵ月後のPictorial Blood Assessment Chart(PBAC)スコアの平均値は、LNG-IUS群(n=115)が64.8、EA群(n=132)が14.2で、その差は50.5ポイント(95%CI:4.3-96.7)であった。また、PBACスコアが75点以下の女性は、LNG-IUS群では87%、EA群では94%であった(RR 0.93;95%CI:0.85-1.01)。ICERはPBACポイントあたり23ユーロ(95%CI:5-111ユーロ)であった。」

The levonorgestrel intrauterine system versus endometrial ablation for heavy menstrual bleeding: a cost-effectiveness analysis

BJOG . 2021 Jul 10.

PMID: 34245652

【フリー】

 

㊹「標準的なcytisine治療(25日;1.5mgのカプセルを1日6回服用し、25日間のコースで徐々に減量)が、標準的なバレニクリン治療(84日)と少なくとも同等の禁煙効果があるかどうかを検討した非盲検化RCT(n=1,452;平均年齢42.9歳;女性51.1%;76.3%が試験を完了)。6ヵ月間の継続的な禁煙率は、cytisine群で11.7%、バレニクリン群で13.3%であった(リスク差 -1.62%;片側97.5%CI:-5.02% to ∞)。自己申告による有害事象は、バレニクリン群(510名で1206 件)と比較して、cytisine群(482名で997件)では発生頻度が低く、発生率比は 0.88(95%CI:0.81~0.95)であった。」

Effect of Cytisine vs Varenicline on Smoking Cessation: A Randomized Clinical Trial

JAMA . 2021 Jul 6;326(1):56-64.

PMID: 34228066

【フリー】

 

㊺「アルコール依存症の人の禁煙に対する薬物療法の効果を検討したRCTのメタ解析(9試験;n=908)。メタアナリシスの結果、バレニクリンはプラセボ群と比較して短期的な禁煙に有意な効果を示した(OR 6.27;95%CI:2.49-15.78;3試験)。Naltrexoneは短期および長期の観察において禁煙に有意な効果を示さず(OR 0.99;95%CI:0.54-1.81;3試験)、トピラマートは有意な効果を示さなかった(OR 1.56;95%CI:0.67-3.46;2試験)。」

The effects of pharmacological interventions on smoking cessation in people with alcohol dependence: A systematic review and meta-analysis of nine randomized controlled trials

Int J Clin Pract . 2021 Jul 6;e14594.

PMID: 34228852

【アブストのみ】

 

㊻「ACEIとARBの2剤併用が、ACEIやARBの単剤療法よりも微小アルブミン尿を予防できるかどうかを評価した非盲検RCT。高正常アルブミン尿の2型糖尿病患者612名を対象に、同程度の血圧コントロール下でベナゼプリル(10 mg/日)とバルサルタン(160 mg/日)の併用療法が、ベナゼプリル(20 mg/日またはバルサルタン(320 mg/日)の単独療法よりも効果的に微量アルブミン尿を予防するかどうかを評価(追跡期間の中央値66か月)。併用療法群27.0%、ベナゼプリル群28.1%、バルサルタン群31.8%の患者が微量アルブミン尿に達した。加速時間モデルを用いて推定された加速因子は、ベナゼプリルが併用療法と比較して1.410(95%CI:0.806〜2.467)、ベナゼプリルがバルサルタンと比較して0.799(95%CI:0.422〜1.514)、バルサルタンが併用療法と比較して1.665(95%CI:1.007〜2.746)であり、全てで差はなかった。血圧コントロールは全グループで同等であり、併用療法群で高カリウム血症と低血圧がわずかに認められた。」

Preventing microalbuminuria with benazepril, valsartan, and benazepril-valsartan combination therapy in diabetic patients with high-normal albuminuria: A prospective, randomized, open-label, blinded endpoint (PROBE) study

PLoS Med . 2021 Jul 14;18(7):e1003691.

PMID: 34260595

【フリー】

 

㊼「腰痛に対する筋弛緩剤の有効性、忍容性、安全性を検討するRCTのメタ解析(n=6,505;31の試験)。アウトカムは、痛みの強さ(0~100点満点)、障害(0~100点満点)、忍容性(治療中に何らかの理由で薬剤を中止した場合)、安全性(有害事象、重篤な有害事象、有害事象により試験を中止した参加者数)などとした。急性腰痛については、2週間以内に非ベンゾジアゼピン系鎮痙薬は対照薬と比較して痛みの強さの軽減と関連していたが(平均差 -7.7;95%CI:-12.1 to -3.3)、障害の軽減とは関連していなかった(平均差 -3.3;95%CI:-7.3 to 0.7)。また、非ベンゾジアゼピン系鎮痙薬は、急性腰痛症に対して対照薬と比較して有害事象のリスクを増加させる可能性(RR 1.6;1.2~2.0)と忍容性には影響を与えない可能性(RR 0.8;95%CI:0.6~1.1)がそれぞれ示された。」

Efficacy, acceptability, and safety of muscle relaxants for adults with non-specific low back pain: systematic review and meta-analysis

BMJ . 2021 Jul 7;374:n1446.

PMID: 34233900

【フリー】

 

㊽「潰瘍性大腸炎患者におけるスピルリナの効果を検討したRCT。潰瘍性大腸炎患者80名を、1日1g(500mgカプセル2個)のスピルリナ(n=40)またはプラセボ(n=40)のいずれかに割り付け。スピルリナを摂取することで、睡眠障害が有意に減少したが(P=0.03)、睡眠の質スコアやその他の睡眠パラメータには、プラセボ群と比較して有意な変化は見られなかった(P > 0.05)。さらに、ストレススコアの有意な減少(P=0.04)とQOL(生活の質)の向上(P=0.03)が検出されたが、不安、抑うつ、疲労のスコアには有意な変化はなかった(P > 0.05)。」

The effects of spirulina (Arthrospira platensis) supplementation on anthropometric indices, blood pressure, sleep quality, mental health, fatigue status and quality of life in patients with ulcerative colitis: A randomised, double-blinded, placebo-controlled trial

Int J Clin Pract . 2021 Jun 9;e14472.

PMID: 34107141

【アブストのみ】

 

㊾「70歳以上の高齢者で、マルチモービディティ(3つ以上の慢性疾患)およびポリファーマシー(5つ以上の薬剤を長期間使用)を有する者を対象に、通常のケアまたは医師と薬剤師が共同で行う構造化された薬物療法最適化介入のいずれかに無作為に割り付けられたクラスターランダム化試験。高齢者の処方のスクリーニングツールと適切な治療を促すスクリーニングツール(STOPP/START)の基準を導入した臨床意思決定ソフトウェアシステムの支援を受けて、潜在的に不適切な処方を特定。2008人の高齢者(中央値9種類)が無作為に割り付けられ、54の介入クラスター(n=963)と56の対照(通常ケア)クラスター(n=1,045)となった。介入群では、参加者の86.1%が不適切な処方を受けており、各参加者のSTOPP/START推奨数は平均2.75(SD 2.24)であった。62.2%の参加者は、2ヵ月後に1つ以上の推奨事項が実行され、主に不適切な可能性のある薬剤の中止が行われた。介入群では、21.9%が薬物関連の初回入院を経験したのに対し、対照群では22.4%が経験した。競合イベントとして死亡を考慮したITT解析(n=375;18.7%)では、薬物関連の初回入院のハザード比は0.95(95%CI:0.77~1.17)であった。per protocol解析では、薬物関連の入院のハザード比は0.91(0.69~1.19)であった。」

Optimizing Therapy to Prevent Avoidable Hospital Admissions in Multimorbid Older Adults (OPERAM): cluster randomised controlled trial

BMJ . 2021 Jul 13;374:n1585.

PMID: 34257088

【フリー】

 

㊿「LAMAとLABAの両方を使用した場合の急性冠症候群(ACS)のリスクを、LAMAを使用した場合と比較して推定するために行われたネステッドケースコントロール研究。1490名のACS症例と13,550名の対照者をマッチング。LAMA単独使用と比較して、LAMA/LABAの使用はACSの有意に高いリスクと関連していた(調整OR 1.72;95%CI:1.28-2.31)。」

Dual versus single long-acting bronchodilator use could raise acute coronary syndrome risk by over 50%: A population-based nested case-control study

J Intern Med . 2021 Jul 21.

PMID: 34289189

【フリー】

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

 

 

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