こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第36回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
今回の録音はこちらからどうぞ↓
(回線の調子が悪かったので5回に分かれてしまいました…)
今回のテーマは「ドラッグストアに置いてあるもの」でした。
メニューはこちら↓
まずは@zuratomo4
Tranexamic Acid for Adults with Melasma: A Systematic Review and Meta-Analysis
Biomed Res Int . 2018 Nov 6;2018:1683414.
- PMID: 30533427
肝斑がどういった疾患なのかが理解できていなかった私ではありますが…
よろしければこちらの「トランシーノ」のサイトをご参考に。
さてこのうちの「トランシーノⅡ」にも含まれているトラネキサム酸の有効性を検討したのが今回の論文です。
結果としては、トラネキサム酸の使用にて評価項目である重症度指数(mMASI)がSMDとして有意に改善しておりました。
しかしこのメタ解析にはRCT、観察研究、詳細対照研究が含まれており、また内服、外用、注射の試験が含まれていて、かなりごちゃ混ぜになっている印象です。
観察研究は過大評価される可能性があるので混ぜ込まれている時は注意が必要ですね。
まあでも全体としてトラネキサム酸が効果的な報告が多いので、それなりに効果はあるのかなという印象です。
値段はそんなに高くないようなので、お悩みの方は一度試してみてもいいのかなと思います。
【付録】
MASIスコアを測定するアプリ↓
次は@リンコ
J Gastroenterol Hepatol . 2012 May;27(5):888-92.
- PMID: 22098133
先日、身内がピロリ除菌をしたのですが、診察時に担当医師より「LG21がピロリ除菌に有効だから一緒に摂取するといいですよ。」と言われたようです。
ということで、どの程度効果があるのかを調べてみようと思ったところ、今回の論文がヒットしました。
ピロリ陽性患者を対象に、ラベプラゾールベースの3剤併用レジメンに1日2回のLG21を併用したところ、3剤併用レジメン単独よりも除菌成功率が有意に高くなりました。
また、CAMの感受性の有無における除菌成功率も検討されており、特にCAM耐性菌では有意差はつかなかったもののLG21併用群で大幅に除菌率が改善されておりました。
もしかしたら下痢も予防できるのかなと思ったのですが、下痢の発現はLG21併用群6例、3剤併用レジメン単独群4例と差はなかったようです。
悪い影響はなさそうなので、試してみる価値は十分にあるのかなと思います。
ただ今回のレジメンでは除菌3週間前から除菌終了までLG21を併用しており、実臨床ではそこまでするのはかなりハードルが高いのではないかと思いました。
ドリンクタイプも普通のヨーグルトタイプも1本130円程度で発売されているようなので、4週間だったら7000円程度の負担になりますね。
現在多くで使用されているボノプラザンを用いたレジメンでは効果はかなり高いですので、個人的には、2次除菌で効果があるのであれば積極的に使っていきたいなという印象です。
結局、ピロリ除菌の1週間の間はLG21を1日1個併用し、ピロリ除菌は成功したようです。
効果があったかどうかは果たして…
ちなみにLG21(OLL2716)をpubmedで検索すると「Helicobacter pylori非感染者の機能性ディスペプシアに対する改善効果」も検討されているようです。
同じヨーグルトでもR-1は免疫関連への効果を検証していますし、種類によって違いがあるようで大変興味深いです。
今後の研究に期待したいです。
次は@にいやん
Lancet Neurol . 2012 Oct;11(10):851-9.
- PMID: 22959217
こちらはイチョウ葉のアルツハイマー型認知症に対する予防効果を検討したRCTです。
「自身の記憶への不満を報告した患者」が対象となっているのはなかなかおもしろいなと。
結果として、5年間の追跡にてアルツハイマー型認知症の発症予防効果は認められませんでした。
またイチョウ葉は血小板凝集抑制効果があることが分かっておりますが、脳卒中のリスクには影響がなかったようです。
他の研究もチラッと読んでみましたが、アルツハイマー型認知症の発症予防効果はあまり期待できないかなという印象です。
次は@程々な薬剤師
Chin J Dent Res . 2016;19(3):159-64.
PMID: 27622219
こちらはn-3系脂肪酸(100mg×3回/日)の口内炎への有効性をプラセボと比較検討したRCTです。
結果としては、半年間の服用にてn-3系脂肪酸群で口内炎のサイズがプラセボ群と比較して小さくなったようです。
また他のアウトカムとしては、痛みや刺激のスコア、口内炎の数にも有効だったようです。
(zuratomo先生によると、口内炎のサイズと数がメインのアウトカムのようです。)
口内炎なのに半年間という期間がよく分かりませんでしたが…(平均かな?)
有効な可能性は十分にありそうですし、悩んでいる方は試してみてもいいのかなとは思います。
魚を食べてもいいかもですね。
次は@猫になりたい薬剤師
Clin Exp Pharmacol Physiol . 2004 Sep;31(9):614-9.
PMID: 15479169
こちらは防風通聖散の耐糖能異常を有する肥満女性への影響を検討したRCTです。
私も気になってはいたのですが、エビデンスは知らなかったので興味深く聞かせていただきました。
アブストのみしか見られない論文だったため、結果の詳細が分からなかったようですが、体重や腹部内臓脂肪、血清インスリン濃度等に効果的だったようです。
どの程度の効果があるのかが分からないのは残念ですが、副次的な項目も含めて効果が期待できるようです。
なお、以下の論文ではプラセボ群に比べて0.7kgの体重減少効果が認められております。微妙…
(アブストをまとめたPDFのみしか見つかりませんでした…)
最後は@たけちゃん
Andrologia . 2009 Apr;41(2):95-9.
- PMID: 19260845
こちらはマカのEDへの影響を検討したRCTです。
結果は、12週後の国際勃起機能指数(IIEF-5)や心理学的・身体的・社会的パフォーマンスで改善が認められました。
IIEF-5は25点満点ですので、1点改善したところで実際の満足度にどこまで影響するのかは疑問ではありますが…
プラセボ効果も得られるかもしれませんし、困ったときは頼ってもいいのかなと思いますが、日本で発売されているマカは400mg/日で発売されているものがほとんどのようで、この論文の2400mg/日と比べると少ないことに注意が必要です。
国際勃起機能指数(IIEF-5)を用いたセルフチェックは以下でどうぞ!
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は8/18(水)22時より、「フリーテーマ」にて配信する予定です。
よろしければご視聴くださいませ!