リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2020.12)(薬は「飲む」のか「飲んでもらう」のか「飲ませる」のか問題)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

 

気づけば大晦日です。

今年を振り返ると…何もなかったですね。

来年は振り返って良かったと思える年にしたいなと。

 

 

さて、本題へ。

ちょっと最近モヤモヤした症例が続きましたので。

 
 
薬は「飲む」のか、「飲んでもらう」のか、「飲ませる」のかという問題です。
極論を言えばそれは個人の自由ですので、どれでもいいし、「飲まない」という選択肢も大いにありだと思います。
でもまあ医療を受けてしまうとそれはなかなか難しいというか。
こちらとしても何かしないといけない、という気持ちになってしまうので。
 
 
特に私は高齢患者を中心にみていると、モヤモヤすることがよくあります。
 
 
簡単に紹介すると以下の3症例です。
 
・超高齢者における生活習慣病の治療開始
→しかも、服薬指導をすると「飲まない!いらない!」。それでいいんじゃないかなと。今まで自分の好きなように生きてきたのに、ここにきて管理されるのってどうなんだろうかと思いました。

 

 ・元気な超高齢者の残薬山盛り問題
これが見つかったことで、服薬を「医療者の管理下」におく必要はあるのかなと。飲んでも飲まなくてもどちらでもよさそうな薬ばかりでしたし。そうじゃないかもしれませんが。
ただ、服薬管理ができていない=何らかの形で生活に支障を来たしている可能性はあるので、介護保険を申請したり、関わってもらう必要はあるかもしれないです。

 

・とにかくたくさん薬を飲んでいる!
「先生、薬多いから減らしませんか?」っていう超ザックリな処方提案をしました。「飲まされている」感が満載だったので…。最近は10剤くらいになればちょっと強引にでも薬を減らす提案をしてますね。

 

 
本来、治療には能動的であってほしいものです。
まあでもそれはなかなか難しいもので。
最初は能動的なのかもしれませんが、いつの間にか受動的に。
服薬に介助が必要となると、薬を「飲まされる」ようになるんですよね。
 
たしかこんなことが「中動態の世界」に書いてありましたっけ。
読み返そうと思ったけど、もう本棚にはなかった…
 
もちろん、服薬の支援をするのも私たちの仕事ではありますが、、、
これはまあ患者さんの状態や考え方、ご家族の考え方などを考慮して、ということになりますが。
そりゃまあ飲んだ方が明らかにメリットが高ければ何としてでも飲んで欲しいですし、飲んでもらえるように努力はします。
ただ、そうじゃない薬は…
最近は年下の医者が増えたので、「この薬いりますか?」とか平気で言うようになりましたね(笑)
 
 
あと、医師や薬剤師は服薬の現場を見た方がいいですね。(といっても私もあまり見てないんですが…)
看護師や介護士と患者が服薬で格闘をしてたり…ごはんにふりかけられて謎の食事が出来上がっていたり…
そこまでして、薬は「飲ませない」といけないものなのか、と。
すごいモヤモヤしますし、それをきっかけで処方提案したこともありました。
 
 
てことで、今回の日ごろのモヤモヤを言葉にしてみましたが伝わりましたかね?
言語化が難しかったです。
 
 
 
 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!