こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第29回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
今回の録音はコチラからどうぞ↓
※回線の調子が悪く6回に分かれてしまいました。。。
今回のテーマは「フリーテーマ」でした。
今回のメニューはこちら
まずは@にいやん
J Nutr . 2020 Mar 1;150(3):599-605.
- PMID: 31825069
納豆の摂取と骨折の関連を調査した前向きコホート研究です。
この研究では、週に納豆を1パック未満の群と比較して7パック以上の摂取で骨粗鬆症性骨折が有意に減少しておりました。
ビタミンK摂取の影響かもしれませんし、にいやんは、納豆を摂取する人はそもそも健康に意識が高い人が多く骨折しにくいのではないかというコメントもしてました。
たしかにそれはありそうですね。
ちなみに、にいやんは第6回で「ワルファリンとDOACの骨折リスクの比較」、第12回で「経口VKの骨折予防効果」の論文を取り上げてますね。好きですね(笑)
次は@猫になりたい薬剤師
Adv Ther . 2020 May;37(5):2356-2372.
- PMID: 32297280
こちらはRA患者に対するJAK阻害薬の効果を評価したネットワークメタ解析です。
結果としては、併用でも単剤でもウバタシチニブがより効果的だったようです。
ただ、第3相試験のみが対象となっていたため解析に含まれた試験が少なく、閉じた環もほとんどなかったようで、ネットワークメタ解析としては不十分だったのかもしれません。
head to headの試験がしにくくなっているので、今後はこのような研究が増えてくるのかもしれません。
次は@zuratomo4
JAMA . 2020 Dec 8;324(22):2292-2300.
- PMID: 33180097
こちらはフルボキサミンのCOVID-19患者への重症化予防効果を検討したRCT(フェーズⅡ)です。
結果はフルボキサミン群にて臨床的悪化が減少しております。
ただ、問題点としては脱落群が比較的多くその取扱いが不透明なこと、その脱落者のワーストケースシナリオで結果が逆転することをzuratomo先生が上げております。
びっくりしましたが、論文を読む限りでは期待できそうではありますが…
SSRIなので、慎重に使い所ではあります。薬効から考えると全員に適応するのはなかなか難しいと思いますので。
今後さらなる研究の結果を待ちたいと思います。
次は@リンコ
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine
N Engl J Med . 2020 Dec 10.
- PMID: 33301246
-
(※一部スライドを修正しました)
ファイザー社製のCovid-19ワクチンの第3相の論文です。
結果はみなさんご存知の通り、2回目の投与7日目以降での有効率が95%でした。
追跡期間の中央値は2か月くらいでした。
すごいですよね、ほんと。
もう少し詳しくみていくと、1回目投与後からの有効率は82%で、1回目の投与12日後から差が付き始めておりました。
副反応はワクチン群で多いようですが、重篤な有害事象は両群で差がなかったです。
感想としては、十分に期待できるのではないかと思います。長期的な副反応がまだ分からないのが気がかりではありますが。海外で先行して投与されているのでその状況も参考にしながらというところですが、多少のリスクは背負わないといけないのかなとは思います。
あとは、効果の持続期間がどのくらいになるのか。
ワクチン接種が始まることは楽しみでもあり、不安でもあり。
今後出てくるであろう、他のワクチンにも期待しております。
ワクチンの力を借りて、一日でも早く収束してほしいですね。
次は@程々な薬剤師
BMJ Qual Saf . 2020 Apr;29(4):286-295.
- PMID: 31732700
こちらはイギリスでの薬局の服薬フォローアップのアドヒアランスへの影響を検討した論文です。
結果は、10週の追跡ではフォローアップ群で有意にアドヒアランスの改善が認められましたが、26週後では有意な傾向はみられたものの有意差がつきませんでした。
フォローアップがあることで少しはアドヒアランスの改善につながるのかなという印象です。
また、費用効果分析も行われたようで、そちらはdominantということで効果が認められなかったようです。ここまではなかなか難しいですよね…
今後、日本でも服薬フォローアップが積極的に行われていくと思いますが、こういった研究報告がなされることを楽しみにしております!
最後は@たけちゃん
Positive Correlation between Left Hemisphere Lesion and Erectile Dysfunction in Post-Stroke Patients
Open Access Maced J Med Sci . 2019 Feb 13;7(3):363-368.
- PMID: 30834002
今回のたけちゃんは…
脳卒中による勃起障害における右半球病変と左半球病変の影響を検討した研究です。
結果としては副交感神経支配である左半球病変ではEDになりやすく、右半球病変ではEDになりにくいようでした。病態生理と繋がってるんですね。
また、合算すると脳卒中の半分で勃起不全が現れるようです。
原因によって勃起不全治療薬の効果に違いとかあるのかな…と、ちょっと疑問に思いました。
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は1/20(水)の22時00分から、「パーキンソン」をテーマにて行う予定です。
よろしければご視聴くださいませ!