バタバタしていたら、しばらく更新できていませんでした。
また少しずつ書いていきます。
来たる10/11(日・祝)に、介護試験専門員(ケアマネージャー(通称:ケアマネ))実務研修受講試験を受験してきました。
受験の動機は色々あるのですが、一番大きなものは、もし自分が今後薬局を始めることになったら、介護の相談を気軽にしてもらったり、実際に自分がケアマネになって薬だけでなく介護等にも関わっていきたい、と思ったからでした。(現実問題、このまま病院薬剤師を続けていくことが濃厚ですが…)
二つ目は介護関連の知識をつけたいというものでした。今や薬剤師は薬だけを見ていればいい時代ではありません。特に要支援・要介護の方々に関しては、普段の生活の様子などを知らないとしっかりとした服薬指導ができないと思うのです。せっかく情報収集をしてもその介護の仕組みが分かっていなかったらあまり意味がありません。そして、そういったことを理解することで、新たな処方提案ができることもあると思います。
三つ目は、私の住む町の地域包括ケアに薬剤師の姿があまり見えないことです。これは私にも落ち度があるのですが、薬剤師が少ない事やあまり薬局・病院の外に出て行っていないことが大きな理由だと思います。医療・介護他職種の方と話をしていても薬剤師のことを理解してもらえていないと感じることも多くありました。なので、ケアマネになって他職種の方(特にケアマネ)と接する機会を増やして、薬剤師アピールをすれば、薬剤師のことを少しでも理解して頂けるのではないかと思いました。
基本的に不純な動機ですみません。。。
実は昨年も受験しようと思っていたのですが、ギリギリになって実務経験証明書が必要だと知り、前の会社に依頼しなければならず、間に合わなかったので断念しておりました。てことで、今年は早々に書類を作成し、申し込みをしました。
受験勉強は8月中旬から始めました(なめてましたから…)。勉強を始めてみると思ってたよりも幅広い知識が必要で、自分の知らないことが多く、難しかったです。
一番難しかったのは、介護関連の施設の違いを覚えることです。ほんと、苦労しましたし、結局細かいところは覚えきれませんでした。
あとは種々の制度ですね。なかなか頭に入っていかなかったです…
参考書はユーキャンの4冊を使いました。
2015年版 U-CANのケアマネジャー速習レッスン (ユーキャンの資格試験シリーズ)
2015年版 U-CANのケアマネジャーまとめてすっきり!よくでるテーマ88 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
2015年版 U-CANのケアマネジャーこれだけ! 一問一答&要点まとめ (ユーキャンの資格試験シリーズ)
2015年版 U-CANのケアマネジャー過去問題集 (ユーキャンの資格試験シリーズ)
よくまとまっていたと思いますし、もう少し読み込めていればよかったのですが。概ねこの参考書の中から出題されていたと思います。
結果発表は12/10ですが、おそらく不合格かと思います。
結果はともあれ、最初のきっかけでもあった介護関連の知識をつけたいというのは概ね達成できたと思います。
制度のことも、施設のことも、そして他職種のこともよく理解できました。ただ、知識をつけただけですので、実際に現場で働いてみないと実際のところはよくわからないという印象です。
また、テキストには認知症という言葉があちこちで出てきました。認知症というのが介護の世界で大変大きな問題になっていることを理解できました。
電子カルテに書いてある介護関連の事柄の意味が理解できるようになったことも、受験して良かったことの一つです。訪問介護、訪問看護、訪問入浴、介護認定調査、主治医意見書などなど、以前は意味が全く分かりませんでしたが、それが理解できるようになったので、その患者さんの状態がより理解できるようになりました。
様々な問題が出題されましたが、薬剤についての問題も出題されておりますので、いくつかご紹介しておきます。
問29薬剤について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 服薬が困難な場合には、貼付剤など他の剤型の薬剤の使用も考慮する。
2 腎機能が低下している場合には、血中濃度が下がるため、抗菌薬を使用するときは、適宜増量する。
3 BPSD(認知症の行動・心理症状)がある場合には、漢方薬は使用しない。
4 飲み忘れを防止するには、「お薬カレンダー」などを利用する。
5 降圧剤を内服中の高齢者は、薬の作用により転倒しやすい。
深く考えると適切ではない問題もあるかもしれませんが、そこはあくまでケアマネの試験ですので、深く考えずに、、、
お薬カレンダーが出てきたのはこの試験ならではかなと思いましたし、ちょっと嬉しかったです。
ちょっとびっくりした問題では、
問41 バイタルサインについて、より適切なものはどれか。
2 悪性症候群は、パーキンソン病薬の内服を開始したときに出現する。
忘れかけていたので一瞬考えましたが、何とか思い出せました。
こんなことまでも覚えないといけないのか、と。その前に覚えてほしいことがもっとあるような。。。
薬に関することは、テキストを見ていても主作用よりも副作用関連のことが多かったですね。
これで、ケアマネさんの薬の知識がどのくらいかという事が理解できたので、ケアマネさん等へ向けた研修会なんかもできればいいかな、と。(ケアマネになってできると一番良かったのですが…)
テキストを見ていて、薬剤師関連のことで一つ気になったことがあります。それは訪問介護の生活援助についてです。
「訪問介護は、身体の介護に関する身体介護と家事の援助を行う生活援助に大別される。
身体介護:食事・排泄・入浴の介助、身体の清拭・洗髪・整容、衣類着脱の介助、移乗・移動介助等
生活援助:一般的な調理・配下膳、衣類の洗濯・補修、住居の掃除・整理整頓、買い物、薬の受け取り等」
この生活介助の中の「薬の受け取り」についてです。
以前保険薬局に勤めている時、訪問介護員の方が利用者の薬の受け取りに来られることが度々ありました。
ただいつも、「詳しいことは分からないので…」と言われていました。
確認すべきことが全く確認できませんでした。
薬の受け取りというのは責任が重いものだと思います。
当たり前ですが保険薬局では種々の確認を行う必要があります。
中には注意して服用しなければならない薬剤もありますので、その注意点が適切に伝えられなかったり、経過が分からなかったりというのは問題ではないかと思うのです。
後で電話して確認したり、ケアアネや病院と連携して確認するということも可能だとは思いますが、やはりお渡しするときに確認すべきじゃないのかと。むしろ在宅患者として家までもっていけばよかったのかもしれませんが。(その変はお金のこととかも絡んでくるので、なかなか難しい部分ですが。)
私としてはからすると、できればこの制度は変更して欲しく思います。ある意味買い物と一緒の扱いですからね。ケアマネさんや看護師さん、患者さんや薬のことが分っている介護士さんなどが取りに来ていただけるとよいのではないかと。
てことで、来年また頑張ろうと思います。
ただ、こういった国家試験関連の合格者数は制限がありますので、私のような中途半端な者が受かってもな…と思ったりもします。どうせ受かったのであれば、ある程度はしっかりその仕事をしなければいけませんよね。
今後、薬剤師が地域包括ケアの場で生きていくにはこういった知識は必要不可欠だと思います。例え受からなくても得られるものは大きいと思いますので、一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
2015.12.31 追記
ケアマネ試験合格しておりました!
まずは3月までの研修を頑張ります!