こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
その月に気になった最新論文30本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!
論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。
日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。
癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。
【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。
それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。
今回は2020年12月分を。47件取り上げております。
☆糖尿病薬
①「慢性腎臓病患者の糖尿病の有無による腎・心血管アウトカム、死亡率へダパグリフロジンの影響を検討したRCT(DAPA-CKD)のサブ解析(n=4,304;ダパグリフロジン群:n=2,152、プラセボ群:n=2,152;糖尿病患者:68%;追跡期間の中央値:2.4年)。ダパグリフロジンの投与により主要複合アウトカム(eGFRの50%以上の低下、末期腎疾患、または腎臓関連または心血管系の死亡)は、2型糖尿病患者でHR 0.64(95%CI:0.52-0.79)、非糖尿病患者でHR 0.50(95%CI:0.35-0.72、相互作用p=0.24)と一貫して減少した。心血管死または心不全による入院(0.70;95%CI:0.53-0.92 vs 0.79;95%CI:0.40-1.55;相互作用p=0.78)、および全死亡(0.74;95%CI:0.56-0.98 vs 0.52;95%CI:0.29-0.93;相互作用p=0.25)も同様であった。主要転帰に対するダパグリフロジンの腎症の原因別での効果は、糖尿病性腎症患者(n=2,510;HR 0.63;95%CI:0.51~0.78)、糸球体腎症(n=695;HR 0.43;95%CI:0.26~0.71)、虚血性または高血圧性の慢性腎臓病(n=687;HR 0.75;95%CI:0.44~1.26)、およびその他または原因不明の慢性腎臓病(n=412;HR 0.58;95%CI:0.29~1.19;相互作用p=0.53)であった。」
Lancet Diabetes Endocrinol . 2021 Jan;9(1):22-31.
PMID: 33338413
【アブストのみ】
②「ダパグリフロジンの2型糖尿病発症予防効果を検討したDAPA-HF研究の探索的解析。糖尿病の既往のないHFrEF患者2,605人(ベースラインの平均HbA1c:5.8%)を、ダパグリフロジン10mg/日(n=1,298)またはプラセボ(n=1,307)に割り付けたRCT。ベースライン時の平均HbA1cは5.8%であった。追跡期間中央値18ヵ月では、ダパグリフロジン群4.9%、プラセボ群7.1%が2型糖尿病を発症した(HR 0.68;95%CI:0.50~0.94)。2型糖尿病を発症した参加者の95%以上がベースライン時に糖尿病予備軍(HbA1c 5.7~6.4%)であった。」
Diabetes Care . 2021 Feb;44(2):586-594.
PMID: 33355302
【フリー】
③「2型糖尿病の有無にかかわらずDPP-4i、GLP-1RA、SGLT2iのAKIリスクを比較した研究のネットワークメタ解析(2型DMのみ:18試験;n=156,690、2型DM以外も含む:2試験)。2型DMのみの解析では、合計2051件のAKIが発生し、SGLT2iはプラセボと比較してAKIのリスクが低い(OR 0.76;95%CI:0.66~0.88)が、DPP-4iとGLP-1RAの両方は差がなかった。SGLT2iは、GLP-1RA(OR 0.79;95%CI:0.65~0.97)およびDPP-4i(OR 0.68;95%CI:0.54~0.86)と比較して、AKIのリスク低下と有意に関連していた。」
Network Meta-Analysis of Novel Glucose-Lowering Drugs on Risk of Acute Kidney Injury
PMID: 33376101
【アブストのみ】
④「CAROLINA試験の参加者を対象に、リナグリプチンとグリメピリドの心血管イベントのリスクを検討したRCTのサブ解析(n=6,033;65歳未満:50.7%、65~74歳:35.3%、75歳以上:14.0%;追跡期間の中央値:6.3年)。主要エンドポイント(MACE:心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合)はリナグリプチンとグリメピリドの間でHR 0.98(95%CI:0.84、1.14)だったが、年齢群間で差はなかった(相互作用P>0.05)。治療群間では、中等度から重度の低血糖はリナグリプチンで顕著に減少した(HR 0.18;95%CI:0.15~0.21)が、年齢群間では差はなかった(P=0.23)。平均体重はリナグリプチンとグリメピリドの比較で-1.54kg(95%CI:-1.80 to -1.28)だった。リナグリプチンでは転倒や骨折の発生が有意に少なかった。」
Diabetes Obes Metab . 2021 Feb;23(2):569-580.
PMID: 33185002
【フリー】
⑤「CKDステージ3~4におけるメトホルミンの心血管系および腎への安全性を検討したRCTの事後解析のメタ解析(2試験)。メトホルミン使用者と非メトホルミン使用者をマッチングさせた1745組の参加者において、メトホルミンの使用はMACE(HR 0.91;95%CI:0.76-1.08)および全死亡(HR 0.86;95%CI:0.70-1.07)と有意差はなかった。」
Diabetes Obes Metab . 2021 Jan 4.
PMID: 33394543
【フリー】
☆抗凝固/抗血小板薬
⑥「主要な整形外科手術(MOS)、非弁膜症性心房細動(NVAF)、静脈血栓塞栓症(VTE)、および急性冠症候群(ACS)へのDOACの1日1回投与(QD)と1日2回投与(BID)における主要血栓症と大出血の発生状況を検討したDOACの12件の第Ⅱ相試験のメタ解析。BIDレジメンとQDレジメンの間には主要血栓イベント(RR(BID/QD):1.06;95%CI:0.86~1.30)や大出血(RR(BID/QD):1.02;95%CI:0.84~1.23)に異質性はなく(I2=0%)、差はなかった。」
Twice- or Once-Daily Dosing of Direct Oral Anticoagulants, a systematic review and meta-analysis
Thromb Res . 2021 Jan;197:24-32.
PMID: 33161284
【フリー】
⑦「AF患者におけるDOACとWFとの脳卒中または全身性塞栓症(SSE)、大出血、頭蓋内出血(ICH)のリスクをTTR別で評価した研究のメタ解析。低TTR(60%>)、中間TTR(60~66%)、高TTR(66%<)で分類。すべてのTTR層において、DOAC治療を受けた患者はワーファリンと比較してSSEのリスクが低く、低TTRではHR 0.73(95%CI:0.61~0.88)、中間TTRではHR 0.76(95%CI:0.59~0.98)、高TTRではHR 0.78(95%CI:0.63~0.96)であった。ワーファリンと比較して、DOAC治療を受けた患者では低および中間TTR層で大出血のリスクが低く、高TTRでは同様のリスクがあった(HR 1.00;95%CI:0.80~1.26)。DOAC投与群はワーファリン投与群と比較してICHのリスクが低かった(HR 0.55;95%CI:0.40~0.74)が、これはすべてのcTTR層で観察された。」
Am J Cardiol . 2021 Feb 1;140:62-68.
PMID: 33189659
【アブストのみ】
⑧「患者の自己負担の割合(高額 vs 中等度 vs 低額)によるDOACのアドヒアランスを比較したコホート研究(平均年齢:62歳;女性:29%;アピキサバン:43%、リバロキサバン:38%)。自己負担額が高いほどアドヒアランスは低く(P < 0.001)、自己負担額が高い患者ではPDC(処方日数の割合)は0.82、自己負担額が中程度の患者では0.85、自己負担額が低い患者では0.88となった。自己負担額が低い患者と比較して、自己負担額が高い患者では、中断率が高かった(HR 1.13;95%CI:1.08-1.19)。」
Am Heart J . 2021 Jan 14;233:109-121.
PMID: 33358690
【アブストのみ】
⑨「非弁膜性心房細動(NVAF)患者へのDOAC使用におけるP-gpまたはCYP3A4により相互作用の影響を受ける薬剤との併用の割合とアウトカムへの影響を検討(n=36,566)。合計642,255回のDOACの調剤が行われ、11.2%にP-gpまたはCYP3A4の相互作用薬が同時に処方されていた。薬物観相互作用は2.5%で禁忌、2.3%で回避・注意、6.7%では用量調整が必要と定義された。薬物間相互作用では死亡リスク(HR 1.58;95%CI:1.47~1.70)が有意に高かったが、脳卒中(p=0.89)や大出血リスク(p=0.13)は認められなかった。」
Eur Heart J Qual Care Clin Outcomes . 2021 Jan 22;qcab002.
PMID: 33480405
【アブストのみ】
⑩「CKDステージ3-5のAF患者を対象に、ワルファリンとアピキサバンのCKDの進行リスクを比較した後ろ向きコホート研究(n=12,816;アピキサバン50.3%、ワルファリン49.7%;平均年齢:80歳;女性:51%;ステージ3:84%、ステージ4:15%、ステージ5:1%のCKDであった。ITT解析では、ワルファリンと比較してアピキサバンの腎不全発症のHRは0.98(95%CI:0.79-1.22)、CKDの進行のHRは0.90(95%CI:0.82-0.99)であった。」
Am J Kidney Dis . 2021 Jan 6;S0272-6386(20)31203-8.
PMID: 33421454
【アブストのみ】
⑪「AF患者へのDOAC(アピキサバン、リバロキサバン、ダビガトラン、エドキサバン)の過少投与の頻度と複合エンドポイント(全死亡、脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞、急性冠症候群、冠動脈血行再建術、大出血の複合)を評価した観察研究(n=8,125;平均追跡期間:2.2年)。21.2%の患者が不適切な投与を受けていた。適切に投与された患者と不適切に投与された患者の間で複合エンドポイントの発生率は変わりなかった。サブ解析では、不適切な過少投与で全死亡の発生率が増加したのはアピキサバンのみであった(HR 1.24;95%CI:1.03~1.49)。」
Am J Med . 2021 Jan 12;S0002-9343(21)00020-6.
PMID: 33444586
【アブストのみ】
☆循環器関連(抗凝固/抗血小板薬以外)
⑫「STEMI(ST上昇型心筋梗塞)にてPCIを受けた患者を対象に、サクビトリル/バルサルタンとラミプリルの有効性と安全性を比較したRCT(n=200;平均年齢:54.5歳;男性:87%)。主要評価項目であるMACEは30日時点で両群間に差がなかった(p=0.18)が、6ヵ月時点ではサクビトリル/バルサルタン群でMACEの有意な減少(p=0.005)を示し、主にHF入院の減少(18% vs 36%;OR 0.40;95%:0.22~0.75)に牽引されていた。6ヵ月後の左室駆出率はサクビトリル/バルサルタン投与群がラミプリル投与群に比べて高かった(46.8% vs 42.09%、p=0.012)。」
Am J Cardiol . 2021 Jan 6;S0002-9149(20)31365-5.
PMID: 33417876
【アブストのみ】
⑬「安定したHFrEF患者を対象に、サクビトリル-バルサルタンまたはエナラプリルを入院中に開始した場合の費用対効果および、サクビトリル-バルサルタンを入院中に開始しなかった場合と入院後に開始した場合を比較した費用効果分析(平均年齢63.8歳)。サクビトリル-バルサルタンによる入院治療(年間5628ドル)は、外来治療を開始した場合と比較して、1000人当たりのHF関連入院数が62件減少し、エナラプリル治療を継続した場合と比較してHF関連入院数が116件減少した。入院中にサクビトリル-バルサルタンの投与を開始することで、エナラプリルの継続投与と比較して452ドル/年、入院後2ヶ月での投与と比較して811ドル/年の節約が可能であり、生涯にわたってエナラプリルの治療を継続した場合と比較して、質調整後の生涯年あたり21,532ドルの費用対効果の増加がみられました。」
JAMA Cardiol . 2020 Nov 1;5(11):1236-1244.
PMID: 32785628
【アブストのみ】
⑭「高齢の心房細動患者におけるリズムコントロールとレートコントロールの有効性を比較した観察研究のメタ解析(5研究;n=86,926)。全死亡率(OR 1.11;95%CI:0.78-1.59;I2=79.6%;n=28,526;4研究)と心血管系死亡率(OR 1.09;95%CI:0.81-1.47;I2=0%;n=2,292;2研究)は、リズムコントロールとレートコントロールの間に差は認められなかった。」
Drugs Aging . 2020 Jan;37(1):19-26.
PMID: 31745834
【アブストのみ】
⑮「降圧薬アドヒアランスの心血管疾患(CVD)への影響を検討した横断的研究(n=16,896;追跡期間の中央値:3.5年。4,735件のCVDイベントが発生し、ベースラインの高アドヒアランスと低アドヒアランスでは、1000人年あたりのCVDの粗発症率はそれぞれ80.8(95%CI:78.1~83.4)、112.6(95%CI:107.2~118.0)であった。高アドヒアランスと比較して、低アドヒアランスとCVDとの関連性の修正HRは、MSM-Coxモデルに基づくと1.75(95%CI:1.62~1.89)、Coxモデルに基づくと1.34(95%CI:1.26~1.42)であった。」
Antihypertensive medication adherence and cardiovascular disease risk: A longitudinal cohort study
Atherosclerosis . 2021 Jan 12;320:24-30.
PMID: 33516044
【アブストのみ】
⑯「厳格な降圧治療の起立性低血圧(OH:座位から立位に体位を変えた後の収縮期血圧が20mmHg以上または拡張期血圧が10mmHg以上低下したと定義)リスクを検討したRCTのメタ解析(5試験;n=18,466)。厳格な降圧治療はOHリスクを低下させた(OR 0.93;95%CI:0.86~0.99)。」
Ann Intern Med . 2021 Jan;174(1):58-68.
PMID: 32909814
【アブストのみ】
☆抗菌薬/感染症
⑰「CDI治療における経口VCM(n=54)とフィダキソマイシン(n=38)の効果を比較した後ろ向きコホート研究(n=92;平均年齢:74.6歳;男性:97.8%)。複合転帰(30日死亡と60日再発率)は、フィダキソマイシン群とVCM群で有意に異なっていた(26.3% vs 51.9%;OR 0.33;95%CI:0.14-0.81)。」
Pharmacotherapy . 2021 Jan 17.
PMID: 33455007
【フリー】
⑱「PPI使用のCDI再発リスクへの影響を検討した研究のメタ解析(16試験;n=57,477;12%にPPI投与)。CDIの再発率は、PPI群24%、非PPI群18%であった。未調整オッズ比をプールしたメタ解析では、PPI群ではCDI再発のオッズが高かった(OR 1.69;95%CI:1.46-1.96)。」
Clin Microbiol Infect . 2021 Jan 16;S1198-743X(21)00035-5.
PMID: 33465501
【フリー】
⑲「オセルタミビルの死亡や再入院への影響を検討した後ろ向きコホート研究。入院後48時間以内にオセルタミビルの投与を受けた患者(即時治療群)と、治療を受けなかった患者または治療が48時間以上遅れた患者(遅発/無治療群)を比較(各群n=245にてマッチング;平均年齢66.4歳;女性52.9%)。即時治療群では、遅発/無治療群と比較して、30日間の再入院は5.7%(P=0.03)、30日の死亡と30日の再入院の複合アウトカムは、6.5%(P=0.02)減少した。」
Int J Infect Dis . 2021 Jan 9;104:232-238.
PMID: 33434667
【フリー】
⑳「フルオロキノロン使用後の米国人における大動脈瘤および解離のリスクを評価した後ろ向きコホート研究。対象抗菌薬はCVA/AMPC,AZM,CEX,CLDM,ST合剤だった。47,596,545処方のうち、19%がフルオロキノロン系薬剤(年齢の中央値:47歳;女性61.3%)、38,542,584(81%)が対象抗生物質(年齢の中央値:43歳;女性:59.5%)であった。90日間の新規動脈瘤発生率は、フルオロキノロン群:7.5例/10000例、対象抗生物質群では4.6例/10000例であった。重み付け後、フルオロキノロン群は動脈瘤形成の発生率の増加と関連していた(HR 1.20;95%CI:1.17-1.24)。より具体的には、腹部大動脈瘤(HR 1.31;95%CI:1.25~1.37)、腸骨動脈瘤(HR 1.60;95%CI:1.33~1.91)、その他の腹部動脈瘤(HR 1.58;95%CI:1.39~1.79)であった。」
Association of Fluoroquinolone Use With Short-term Risk of Development of Aortic Aneurysm
JAMA Surg . 2021 Jan 6;e206165.
PMID: 33404647
【アブストのみ】
㉑「CAP入院患者を3群に層別化(1.ACAP(誤嚥性肺炎)、2.CAP/AspRF+(市中肺炎+誤嚥リスク因子あり)、3.CAP/AspRF-(市中肺炎+誤嚥リスク因子なし))し、嫌気性菌の関与を検討。嫌気性菌を含む微生物学的パターンは、CAP/AspRF-、CAP/AspRF+、ACAP間で類似していた(0.0% vs 1.03% vs 1.64%)。重度のACAP患者は、重度のCAP/AspRF+患者および重度のCAP/AspRF-患者と比較して、それぞれグラム陰性菌率が高く(64.3% vs 44.3% vs 33.3%;p=0.021)、グラム陽性菌率が低かった(7.1% vs 38.1% vs 50.0%;P < 0.001)。」
Chest . 2021 Jan;159(1):58-72.
PMID: 32687909
【アブストのみ】
㉒「MRSA肺炎へのVCMとLZDの有効性と安全性を検討した研究のメタ解析(RCT:7試験;n=1,239、後ろ向きコホート研究および症例対象研究(CS):8試験;n=6,125)。臨床治癒率と微生物学的除菌率は、RCT(臨床治癒:RR 0.81;95%CI:0.71~0.92;微生物学的除菌率:RR 0.71;95%CI:0.62~0.81)、 CSs(臨床的治癒:OR 0.35;95%CI:0.18-0.69)であり、LZD投与患者で有意に増加した。であった。しかし、死亡率はRCT(RR 1.08;95%CI:0.88-1.32)、CSs(OR 1.20;95%CI:0.94-1.53)と同等であった。CSにおいてはVCMとLZDの間で有害事象に有意差は認められなかった(血小板減少症:OR 0.95;95%CI:0.50~1.82;腎毒性:OR 1.72;95%CI:0.85-3.45)。」
J Glob Antimicrob Resist . 2021 Jan 2;24:98-105.
PMID: 33401013
【フリー】
㉓「敗血症における長期的な感染症関連有害事象の発生率をプロカルシトニン(PCT)指導により減少させることができるかどうかを検討したRCT。下気道感染症、急性腎盂腎炎、一次血流感染症を有する敗血症患者(n=266)を、PCT指導による抗菌薬の中止(中止基準:5日目以降のPCT値の80%以上の低下またはPCT≦0.5μg/Lのいずれか)と標準治療のいずれかに無作為に割り付け(1:1)。主要アウトカム(180日目における感染関連有害事象の発生率:C. difficileまたは多剤耐性菌による新規感染の発生率、またはC. difficileまたは多剤耐性菌感染に起因する死亡の発生率の複合)の発生率は、7.2% vs 15.3%であった(HR 0.45;95%CI:0.20~0.98)。28日死亡率:15.2% vs 28.2%(HR 0.51;95%CI:0.29~0.89)、抗生物質治療期間の中央値:5日 vs 10日(P < 0.001)が、PCT群でおよび標準ケア群と比較してそれぞれ減少した。入院費用もPCT群で減少した。」
Procalcitonin to Reduce Long-Term Infection-associated Adverse Events in Sepsis. A Randomized Trial
Am J Respir Crit Care Med . 2021 Jan 15;203(2):202-210.
PMID: 32757963
【フリー】
㉔「合併症を伴わない急性虫垂炎の管理において、抗生物質の経口投与(n=295;MFLX(400 mg/d)×7day)と静脈内投与後の抗生物質の併用(n=288;エルタペネム(1 g/d)×2day静注後、LVFX(500 mg/d)とメトロニダゾール(1500mg/d)×5day経口投与)を比較したRCT(n=583;平均年齢36歳;女性44%)。1年後の治療成功率(手術なし)は、経口抗生物質投与群で70.2%(片側95%CI:65.8%~∞)、静脈内投与群で73.8%(片側95%CI:69.5%~∞)であった。その差は-3.6%(片側95%CI:-9.7%~∞)であり、信頼限界は非劣性マージン6%を超えており非劣性は示されなかった。」
JAMA . 2021 Jan 26;325(4):353-362.
PMID: 33427870
【フリー】
㉕「TAZ/PIPC、CFPM、MEPMのVCM併用有無におけるAKIとCDIリスクを検討した後ろ向きコホート研究。抗菌薬を投与されていない患者におけるAKIの基準率(4.6%)に対して、TAZ/PIPC、CFPM、MEPMの修正ハザード比は、それぞれ1.50(95%CI:1.43~1.54)、1.00(95%CI:0.95~1.05)、0.92(95%CI:0.83~1.01)であり、VCMの併用はAKI率を増加させた。同様に、CDIの基準率(0.7%)に対してはそれぞれ1.21(95%CI:1.07-1.36)、1.89(95%CI:1.62-2.20)、および1.99(95%CI:1.55-2.56)であった。」
Clin Infect Dis . 2020 Dec 31;ciaa1902.
PMID: 33382398
【フリー】
㉖「K.pneumoniae菌血症患者を対象に、CEZ静注(n=143)とCTRX静注(n=141)との治療成績を比較した後ろ向きコホート研究(n=284)。主要アウトカムである28日間の全死亡率は、CEZ群とCTRX群で有意差はなかった(10.5% vs 7.1%;P=0.403)。多変量ロジスティック回帰モデルを用いた場合、CEZ投与はCTRX投与と比較して28日死亡リスクの増加とは関連していなかった(OR 1.51;95%CI:0.67-3.53;調整後OR 1.55;95%CI:0.33-7.40)。」
J Antimicrob Chemother . 2021 Jan 27;dkab009.
PMID: 33501978
【アブストのみ】
㉗「COVID-19パンデミック時の異なるタイプのマスク使用に伴う皮膚の有害反応のアンケート調査(n=1,231;女性73.8%;30歳以上:72.1%)。マスクの使用時間は、1日4時間未満(53.8%)が最も多かった。マスクの種類は、布製マスクが52.3%であったのに対し、サージカルマスクは44.8%、N95マスクは2.8%であった。全体では62.3%の参加者がマスク使用後に皮膚有害事象を訴えていた。ニキビの再燃が最も多く(32.2%)、次いで掻痒症(22.1%)、脂性肌(14.7%)の順だった。異なる種類のマスク間の皮膚有害反応を比較すると、サージカルマスク使用による皮膚有害反応の発生率は、すべての種類の皮膚有害反応において布製マスクよりも高く、にきび、そう痒症、脂性肌で統計学的に有意な差があった。N95マスクの使用は、擦過傷、マスク境界部の痛み、既往の皮膚病の悪化の3種類の皮膚反応のみで最も高い発生率を示した。」
Adverse skin reactions following different types of mask usage during the COVID-19 pandemic
J Eur Acad Dermatol Venereol . 2020 Nov 21;10.1111/jdv.17039.
PMID: 33220083
【フリー】
㉘「COVID-19 肺炎で入院した患者を対象としたトシリズマブ投与群(n=60)(ランダム化から8時間以内にトシリズマブを静脈内投与(8mg/kg、最大800mg)し、12時間後に2回目の投与)と標準治療群(n=63)に割り付けたランダム化非盲検RCT(n=123;年齢の中央値:60歳;男性:61.1%)。トシリズマブ群28.3%)、標準治療群27.0%で、ランダム化後14日以内に臨床症状の悪化(人工呼吸器を伴うICU入室、全死亡、またはPao2/Fio2比が150mmHg未満のいずれか)が認められた(RR 1.05;95%CI:0.59~1.86)。ランダム化から30日以内にトシリズマブ群2例、標準治療群1例が死亡し、それぞれ6例、5例が挿管された。」
JAMA Intern Med . 2021 Jan 1;181(1):24-31.
PMID: 33080005
【フリー】
㉙「重症COVID-19関連サイトカインストーム症候群(CSS)患者を対象に、トシリズマブの有無にかかわらずグルココルチコイドの集中投与(n=86)をプラセボ群(n=86)と比較して有効性を検討したRCT。グルココルチコイド群では高用量メチルプレドニゾロンを5日間連続で静脈内投与(1日目に250mg、2~5日目に80mg)。呼吸器症状が十分に改善しない場合(43%)には、2日目以降にトシリズマブ(8mg/kg、単回点滴)を追加。グルココルチコイド群は、主要転帰(重症インフルエンザ肺炎患者を対象とした試験の7項目のWHO承認スケールで2ステージ以上の改善、または退院)に到達する可能性が79%高く(HR 1.8;95%CI:1.2~2.7)(7日早い)、死亡率が65%低く(HR 0.35;95%CI:0.19~0.65)、人工呼吸器使用が71%少なかった(HR 0.29;95%CI:0.14~0.65)。」
Ann Rheum Dis . 2020 Sep;79(9):1143-1151.
PMID: 32719045
【フリー】
㉚「軽度のCOVID-19症状発症後72時間以内の高齢成人患者を対象に、SARS-CoV-2に対するIgG値の高い回復期血漿を投与するプラセボ対象2重盲検RCT(n=160;両群n=80)。主要エンドポイント(呼吸数:毎分30回以上、Spo2:93%未満、またはその両方)は血漿群16%、プラセボ群31%に発生した(RR 0.52;95%CI:0.29~0.94)。」
Early High-Titer Plasma Therapy to Prevent Severe Covid-19 in Older Adults
N Engl J Med . 2021 Jan 6;NEJMoa2033700.
PMID: 33406353
【フリー】
㉛「COVID-19の嗅覚障害の治療におけるモメタゾン点鼻の効果を検討したRCT(n=100;Ⅰ群(モメタゾン点鼻1日1回2噴霧(100μg)および嗅覚訓練):n=50;Ⅱ群(嗅覚訓練のみ):n=50)。嗅覚の評価はVisual Analog Scale(0~10)を使用。両群とも3週目の終わりまでに嗅覚スコアは有意に改善した(P<0.001)。投与1週間後、2週間後、3週間後の嗅覚スコアを比較したところ、両群間に統計学的に有意な差は認められなかった。I群では、治療3週間後に嗅覚が完全に回復した患者はⅠ群62%、II群52%だった(P=0.31)。」
Am J Otolaryngol . 2021 Jan 4;42(2):102884.
PMID: 33429174
【フリー】
㉜「COVID-19感染症患者におけるACEIまたはARBの継続(n=334)と中止(n=325)とを比較して、30日までの生存日数と退院日数の影響を検討したRCT(n=659;年齢中央値:55.1歳;70歳以上:14.7%;女性:40.4%;症状発症から入院までの期間の中央値は6日;入院時に軽度とされた患者:57.1%、中等度:42.9)。投与中止群と継続群では、生存日数と退院日数に有意差はなく、平均比率は0.95(95%CI:0.90~1.01)であった。また、死亡(2.7% vs 2.8%;OR 0.97;95%CI:0.38-2.52)、心血管死(0.6% vs 0.3%;OR 1.95;95%CI:0.19-42.12)、またはCOVID-19の進行(38.3% vs 32.3%;OR 1.30;95%CI:0.95-1.80)には統計学的に有意な差はなかった。」
JAMA . 2021 Jan 19;325(3):254-264.
PMID: 33464336
【フリー】
☆その他
㉝「反復性群発頭痛の短期予防におけるプレドニゾン群(n=53)(プレドニゾロン100mgの経口投与を5日間、その後3日ごとに20mgを漸減)とプラセボ群(n=56)の安全性と有効性を検討した2重盲検RCT(n=109;総投与日数17日間;すべての患者は長期予防のためにベラパミルの経口投与を受け、最初は40mgを1日3回投与し、19日目までに120mgを1日3回投与)。発作は、プレドニゾン群では1週間以内に平均7.1回、プラセボ群では9.5回発生(差:-2.4回;95%CI:-4.8 to -0.03)。有害事象はプレドニゾン群71%、プラセボ群71%で報告された。」
Lancet Neurol . 2021 Jan;20(1):29-37.
PMID: 33245858
【アブストのみ】
㉞「高齢女性におけるビスホスホネート薬の5年以上の効果を検討した研究。試験開始時(服用開始後5年)のビスホスホネート薬の中止群、2年後の中止群、さらに5年間の継続群にて検討(n=29,685;年齢の中央値:71歳)。507件の大腿骨骨折が確認された。試験開始時にビスホスホネート製剤を中止した場合と比較して、女性がさらに2年間治療を継続した場合(5年リスク差(RD) -2.2人/1000人;95%CI:-20.3~15.9人/1000人)、女性がさらに5年間治療を継続した場合(5年RD -3.8人/1000人;95%CI:-7.4~15.0人/1000人)であり、股関節骨折の累積発生率に差は認められなかった。追加5年間の治療継続と2年間の治療中止を比較しても統計学的に有意ではなかった(5年RD 6.0人/1000人;95%CI:-9.9~22.0人/1000人)」
Bisphosphonate Treatment Beyond 5 Years and Hip Fracture Risk in Older Women
JAMA Netw Open . 2020 Dec 1;3(12):e2025190.
PMID: 33284336
【フリー】
㉟「強力および非常に強力な外用コルチコステロイド(TCSs)への累積曝露と骨粗鬆症および主要な骨粗鬆症性骨折(MOF)のリスクとの関連を検討した後ろ向きコホート研究(n=723,251;女性:52.8%;平均年齢;52.8歳)。ステロイドはモメタゾン用量に換算され、累積200~499gを基準群として、少なくとも累積500gのモメタゾンに相当する量の曝露を対象とした。強いまたは非常に強いTCSの使用量の増加と骨粗鬆症およびMOFのリスクとの間に用量反応関連が認められた。MOFのHRは、500~999gまでの曝露で1.01(95%CI:0.99~1.03)、1000~1999gまでの曝露で1.05(95%CI:1.02~1.08)、2000~9999gまでの曝露で1.10(95%CI:1.07~1.13)、少なくとも10,000gまでの曝露で1.27(95%CI:1.19~1.35)であった。骨粗鬆症およびMOFの相対リスクは、TCSの累積用量が2倍になるごとに3%増加した(HR 1.03(95%CI:1.02-1.04)。」
JAMA Dermatol . 2021 Jan 20.
PMID: 33471030
【フリー】
㊱「あらゆる悪性新生物による転移性骨疾患(MBD)に対してゾレドロン酸を投与された患者における3年間の顎骨壊死(ONJ)の累積発生率を検討した前向き観察研究(n=3,491;女性:51.7%;年齢中央値:63.1歳)。90人の患者でONJが確認され、1年目の累積発生率は0.8%(95%CI:0.5%-1.1%)、2年目2.0%(95%CI:1.5%-2.5%)、3年目2.8%(95%CI:2.3%-3.5%)であった。3年目の累積発生率は骨髄腫患者で最も高かった(4.3%;95%CI:2.8%-6.4%)。ゾレドロン酸投与間隔が5週間未満の患者は、5週間以上の患者よりもONJを経験する可能性が高かった(HR 4.65;95%CI:1.46~14.81)。ONJの発生率が高いことは、総歯数の少なさ(HR 0.51;95%CI:0.31~0.83)、入れ歯の存在(HR 1.83;95%CI:1.10~3.03)、および現在の喫煙(HR 2.12;95%CI:1.12~4.02)と関連していた。」
JAMA Oncol . 2020 Dec 17;e206353.
PMID: 33331905
【アブストのみ】
㊲「ベンゾジアゼピンとオピオイドの使用の有無とSSRIの使用との相対的な全死因死亡率との関連を評価した後ろ向きコホート研究(n=5,212;男性:338%;平均年齢54.8歳;追跡期間の中央値6.7年)。オピオイドとベンゾジアゼピン薬との併用療法での死亡率は33.0人/1000人年、ベンゾジアゼピン単独では26.5人/1000人年、SSRIのみでは20.2人1000人年だった。プロペンシティスコアの重み付け後、全死亡の有意な増加はベンゾジアゼピンとオピオイドの併用療法(HR 2.04;95%CI:1.65-2.52)、オピオイドなしのベンゾジアゼピン(HR 1.60;95%CI:1.33-1.92)と関連していた。」
JAMA Netw Open . 2020 Dec 1;3(12):e2028557.
PMID: 33295972
【フリー】
㊳「抗うつ薬とベンゾジアゼピンの併用療法の死亡への影響を検討したコホート研究。プロペンシティスコアをマッチさせたコホートは519,780例、各群259,890例。抗うつ薬単剤療法と比較して、ベンゾジアゼピン系薬併用療法は全死亡リスクの増加と関連していた(調整後HR 1.04;95%CI:1.02~1.06)。」
BMC Med . 2020 Dec 9;18(1):387.
PMID: 33292197
【フリー】
㊴「手術当日からオピオイドとガバペンチノイド(ガバペンチンまたはプレガバリン)の併用とオピオイド単剤での入院中のオピオイド関連有害事象との関連を評価したコホート研究(n=5,547,667;併用群:n=892,484(16.1%;平均年齢63.5歳;男性:39.6%、単剤群:n=4,655,183;平均年齢:63.7歳;男性:41.1%)。全体では441件の過量投与が確認され、併用群では1.4件/1万人、単剤群では0.7件/1万人であった。プロペンシティスコアマッチング後、調整ハザード比は1.95(95%CI:1.49-2.55)であり、追加の過量投与が発生するために治療に必要な患者数は16,914人(95%CI:11,556-31,537人)であった。副次的転帰の調整後ハザード比は、呼吸器合併症が1.68(95%CI:1.59~1.78)、オピオイドの特定できない副作用が1.77(95%CI:1.61~1.93)であった。」
JAMA Netw Open . 2020 Dec 1;3(12):e2031647.
PMID: 33372975
【フリー】
㊵「持続する咽頭症状に対する16週間のランソプラゾール30mgを1日2回群(n=172)とプラセボ群(n=174)とを比較した2重盲検RCT(n=346;平均年齢52歳;女性:57%)。16週目のRSI(逆流症状総合指数)スコア改善(スコアの低下)はランソプラゾール17.4、プラセボ15.6であり、投与群間に統計学的に有意な差は認められなかった(調整推定差:1.9ポイント(95%CI:-0.3~4.2ポイント)。ランソプラゾールは12ヵ月後のRSIスコアを含むすべての副次的転帰指標において、プラセボを上回る効果を示さなかった(ランソプラゾール:16.0、プラセボ:13.6;推定差2.4ポイント(95%CI:-0.6~5.4ポイント)。」
BMJ . 2021 Jan 7;372:m4903.
PMID: 33414239
【フリー】
㊶「院外心停止の救急隊員による蘇生中の亜硝酸ナトリウムの非経口投与が入院までの生存率を改善するかどうかを検討したRCT(亜硝酸Na45mg(n=500) vs 亜硝酸Na60mg(n=498) vs プラセボ(n=499)。入院までの生存率は亜硝酸Na45mg投与群41%、亜硝酸ナトリウム60mg投与群43%およびプラセボ投与群44%であり、プラセボと比較して各群に有意差はなかった(45mg投与群 vs プラセボ群:平均差 -2.9%(片側95%CI:-8.0%~∞;P=0.82、60mg投与群 vs プラセボ群:平均差 -1.3%(片側95%CI:-6.5%~∞;P=0.66)。」
JAMA . 2021 Jan 12;325(2):138-145.
PMID: 33433575
【アブストのみ】
㊷「維持血液透析患者における新規のゾルピデムとトラゾドンの転倒関連骨折リスクを比較した後ろ向きコホート研究(n=31,055;ゾルピデム:61%、トラゾドン:39%)。30日間の追跡期間にて、ゾルピデムの投与開始は、トラゾドンの投与開始よりも転倒に関連した骨折の入院リスクが高かった(加重ハザード比 1.71;95%CI:1.11~2.63;加重リスク差 0.17%:95%CI:0.07~0.29%)。この関連は、高用量のゾルピデムを処方された患者でより顕著であった(高用量ゾルピデム vs トラゾドン-HR 1.85;95%CI:1.10~3.01;リスク差 0.20%;95%CI:0.04~0.38%、低用量ゾルピデム vs トラゾドン-HR 1.60;95%CI:1.01~2.55;リスク差 0.14%;95%CI:0.03~0.27%)。」
Clin J Am Soc Nephrol . 2020 Dec 31;16(1):88-97.
PMID: 33355192
【フリー】
㊸「小児(1~14歳)のポリファーマシーによる副作用(ADR)の発現率を評価した後ろ向きコホート研究。1330人の患者のうち、3.5%がADRにて受診した。ADRとの因果関係は「可能性がある」と評価されることが最も多く、消化器系ADRが最も一般的でした。グレード1のADRが最も多く、ADRの原因と疑われる薬剤は抗生物質が最も多かった。多重ロジスティック回帰分析では、2または4以上の薬剤の使用がADRを有意に増加させることが示された。」
Effects of the number of drugs used on the prevalence of adverse drug reactions in children
Sci Rep . 2020 Dec 7;10(1):21341.
PMID: 33288793
【フリー】
㊹「少なくとも1剤以上薬を処方されており、1年以内に入院歴のない65歳以上の高齢者3,007,620人を対象とした、ポリファーマシーと入院および死亡率のリスクとの関連を検討したコホート研究(年齢の中央値:72歳;男性:39.5%;46.6%がポリファーマシー)。1日に処方される薬の数(1-2、3-4、5-6、7-8、9-10、11以上)(比較対象は1-2剤)とポリファーマシーの有無(1日あたり5剤以上の処方薬)が暴露因子であった。追跡期間中央値5.0年で、67.4%の入院と15.3%の死亡が観察された。1日に処方される薬の数が増えれば増えるほど、入院と死亡のリスクは高くなることが明らかになった。調整後のHRは、全体では1.18(95%CI:1.18-1.19)および1.25(1.24-1.25)であり、一致したコホートではそれぞれ1.16(1.16-1.17)および1.25(1.24-1.25)であった。」
Polypharmacy, hospitalization, and mortality risk: a nationwide cohort study
Sci Rep . 2020 Nov 3;10(1):18964.
PMID: 33144598
【フリー】
㊺「禁煙薬物治療における黒人と白人の有効性の差を検討したRCT。参加者(黒人:n=1,065;女性:57.7%;平均年齢:47.2歳、白人:n=3,044;女性:58.7%;平均年齢:46.5歳)は、バレニクリン(それぞれn=255,n=778)とブプロピオン(n=259,n=769)、ニコチンパッチ(n=286,n=738)、プラセボ(n=265,n=759)に無作為に割り付けられ、12週間、24週目までの追跡調査が行われた。治療と人種は9~24週目の継続的な禁煙率(CAR)と関連しており、CARは黒人で白人より4.9%低く(OR 0.53;95%CI:0.41-0.69)、すべての治療法で差が認められた。」
JAMA Netw Open . 2021 Jan 4;4(1):e2032053.
PMID: 33464316
【フリー】
㊻「入院患者への栄養サポートの効果を評価したコホート研究。栄養不良の入院患者を、栄養サポートを受けていない院内の栄養不良患者と1:1で傾向スコアマッチング(ぞれぞれn=34,967;平均年齢:73.8歳;女性:52.6%)。栄養サポートを受けた患者は、受けていない患者と比較して、院内死亡率が低かった(7.2% vs 8.8%;発生比率(IRR) 0.79;95%CI:0.75-0.84)とともに、30日間の再入院率が低下した(IRR 0.95;95%CI:0.91-0.98)。」
Evaluation of Nutritional Support and In-Hospital Mortality in Patients With Malnutrition
JAMA Netw Open . 2021 Jan 4;4(1):e2033433.
PMID: 33471118
【フリー】
㊼「胃瘻造設術(GS)、経鼻胃管栄養(NGT)、経腸栄養(PN)を実施した75歳以上の患者の長期予後を検討したコホート研究。入院期間中にGS(n=770)、NGT(n=2,370)、PN(n=408)の経腸栄養を受けた75歳以上の患者3,548人を登録。GS群はさらに、365日以内にNGTまたはPNが先行している二次GS群(n=400)と、NGTまたはPNが先行していない一次GS群(n=370)に分類された。二次GS群では96%の患者がNGTを受けた。67%がGS、NGTおよびPNの開始後730日以内に死亡した。二次GS群、一次GS群、NGT群、PN群の2年死亡率は、悪性腫瘍のない患者ではそれぞれ58%、66%、68%、83%、悪性腫瘍のある患者ではそれぞれ67%、71%、74%、87%であった。非悪性腫瘍群では、Cox回帰分析により、二次GS(HR 0.43;95%CI:0.34~0.54)、一次GS(HR 0.51;95%CI:0.40~0.64)、NGT(HR 0.71;95%CI:0.58~0.87)は、PN群と比較して死亡率が低いことが統計学的に有意に示された。」
BMC Geriatr . 2021 Jan 28;21(1):80.
PMID: 33509118
【フリー】
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!