こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第33回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
今回の録音はこちらからどうぞ↓
今回は「フリーテーマ」でした。
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まずは@程々な薬剤師
Xylitol in preventing dental caries: A systematic review and meta-analyses
J Nat Sci Biol Med . Jan-Jun 2017;8(1):16-21.
- PMID: 28250669
こちらはキシリトールの虫歯への効果を検討した研究のメタ解析です。
結果としては、キシリトールを接種することでDMF(未処置齲歯、齲歯による処置、抜歯の数)が1本程度有意に減少したようです。
正直なところあまり期待はしてなかっただけにビックリしました。
1本というのは比較的大きな差のように思います。
程々先生もお子さんに食べさせていたようですが、それなりに効果が期待できそうなので良かったですね!
次は@zuratomo4
Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan: an ecological study
Nutr J . 2019 Sep 4;18(1):53.
- PMID: 31484549
こちらは4種類の飲食店(ラーメン、ファストフード、フレンチ/イタリアン、うどん/そば)と脳卒中および心筋梗塞による死亡との関連を調査した報告です。
2年前に論文が出た際に話題になったのでよく覚えてました。
結果としては、ラーメン屋と脳卒中死亡との関係では相関係数(r)が0.5を超えており相関が認められました。一方、その他の3種類の飲食店と脳卒中死亡との関連や心筋梗塞死亡との関連は認められませんでした。
これは何とも評価が難しい論文だなと。
偶然な気もしますし、ラーメンだけしっかり差がついているのでラーメンだけは別格な気もしますし。
私が住んでいるのは田舎でラーメン屋に行く機会は現在ほとんどないのですが、ラーメン屋が近くにあったら頻繁に通う気がしています。
何よりラーメンは人を幸せにしますからね~
次は@腰痛持ちのにいやん
Can Fam Physician . 2021 Jan;67(1):e20-e30.
- PMID: 33483410
さて次は日々腰痛に苦しんでいるにいやんでございますが。
慢性腰痛症の治療に関するメタ解析です。
薬物治療だけでなく運動や鍼治療の有効性も検討されております。
結果としてはNNTが一桁の治療が5種類となっております。
どうしても職業柄薬物治療に目がいきがちですが、その他の治療法も十分に有効である可能性があることを理解しておく必要があると思います。
次は@たけちゃん
JAMA Netw Open . 2021 Mar 1;4(3):e212713.
- PMID: 33755168
こちらはCVA/AMPCの標準用量と高用量での副鼻腔炎への効果を比較したものです。
日本ではオグサワ(オーグメンチン+サワシリン)として知られていますね。
海外で発売されるCVA/AMPCはそれぞれ125mgおよび875mgが含まれており、日本とは用量が異なっています。
さて結果は、16項目で評価されたアウトカムの合計が両群で差がなかったということになりました。むしろ低用量群の方が改善している傾向があるようです(有意差はないですが)。
この結果を見る限りでは標準用量で十分ではないかと思いました。
てことは、オーグメンチン単独とオグサワでは差があるのかなと疑問になりました。
すでに報告があるのかな?
次は@リンコ
Clin Kidney J . 2021 Jan 4;14(3):983-990.
- PMID: 33779636
先日とある勉強会でビソプロロールとカルベジロールの使い分けの話が出てきまして。
ビソプロは腎機能が悪いと使いにくいな、という話をしていました。
今回の論文は透析患者におけるビソプロとカルベジの有効性の比較です。
結果としてはビソプロ群の方がカルベジ群よりも総死亡やMACEが少ない傾向にありました。
NNTはいずれも調整前にて30程度でした。
対象患者の年齢が比較的若く、発生率も高いことを考慮するとこの差は大きな差のように感じます。
ビソプロロールの方が腎排泄の寄与は高いので意外な結果でした。
最後は@猫になりたい薬剤師
Statin treatment and muscle symptoms: series of randomised, placebo controlled n-of-1 trials
BMJ . 2021 Feb 24;372:n135.
- PMID: 33627334
こちらはスタチンの有害事象として有名な筋肉症状の発生リスクを評価した研究の論文です。
このN-of-1試験という手法は最近よく見かける気がします。
さてこの研究では、アトルバスタチン服用群とプラセボ群で非重篤な筋肉症状の発生リスクは発生しなかったという結果となりました。
単一の試験の結果から決めるのはよくないかもしれませんが、薬剤師としてスタチン服用時の横紋筋融解症の初期症状として筋肉痛の注意喚起はしますし、時々筋肉痛を訴える方もいらっしゃいますが、ノセボ効果の側面が大きいのかなという印象です。
類似の論文も読んでみたいと思いました。
@猫になりたい薬剤師のブログでの解説↓
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今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は5/19(水)22時より、「小児科」をテーマにて配信する予定です。
よろしければご視聴くださいませ!