こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第32回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
今回の録音はこちらからどうぞ↓
今回のテーマは「花粉症」でした。
ちなみに私は花粉症です。
フェキソフェナジン内服とモメタゾン点鼻にて治療をしております。
参考になる論文がたくさんありました!
今回のメニューはこちら↓
まずは@程々な薬剤師
Am J Epidemiol . 2009 Mar 1;169(5):562-71.
- PMID: 19126587
花粉症に針治療は効くのか?という研究の論文です。
えっ?針治療??って感じでしたが…
結果は、針治療を行った群でQOLスコアの改善が認められ、調整後のICERは17,377ユーロ(現在は1ユーロ=130円くらいですね)でした。
ということで、費用対効果に優れていることが示唆されました。
特に男性よりも女性で効果が高かったようです。
正直なところ針治療の効果は全然期待していなかったので驚きました。
PROBE法なので多少割引が必要だとは思いますが、試してみる価値はあるのかなと感じました。
次は@zuratomo4
Functional Foods in Health and Disease 2019; 9(1): 52-78
- PMID: なし
整腸剤・ヨーグルト関連は盛んにCMが流れていて、いかにも「効きそう」な雰囲気ですが…
こちらは雪印メグミルクより発売されている「ヘルベ」の有効性を検討した論文です。
ヘルベ群とプラセボヨーグルト群を比較しておりますが、結果としてはかなり微妙…
目と鼻の不快感のスコアが8週後でのみ有意に減少しております。
この結果について、ホームページでは以下のように紹介されています。
「乳酸菌ヘルベ」を含む発酵乳の継続摂取により、ハウスダストやダニによる目や鼻の不快感が、プラセボ食の摂取と比較して有意に緩和された。
そうですか…
そこまで言い切って大丈夫ですかね?
たまたま有意差がついた気もしますし、差はわずかですからね。
zuratomo夫人がおっしゃってたように、「気持ちの問題」かもしれないです。
他のヨーグルトはどうなんでしょうね?似たようなものかな?
次は@にいやん
Int J Pediatr Otorhinolaryngol . 2012 Apr;76(4):583-8.
- PMID: 22326210
アレルギー性鼻炎における鼻洗浄の食塩水の濃度の違いによる効果を検討した論文です。
鼻洗浄は興味があるのですが、まだやったことがないんですよね。。。
高張液は1.25%の食塩水、低張液は0.9%の生理食塩水を用い、1日2回の鼻うがいをしたようです。
結果は、高張食塩水群で10分後のTNSSの変化率が有意に高くなっております。また、2週間後のTNSSやQOLは有意に改善しておりましたが、4週後は改善傾向ではあるものの有意ではなくなっております。
やや微妙な差のようにも思えますが、特に副作用がないのであればより効果が期待できる高張食塩水を使用したいなと感じました。
ただどちらかというと、食塩水による鼻洗浄自体に効果が期待できそうな印象もあるので、まずは鼻洗浄にチャレンジしてみたいなと。
次は@たけちゃん
BMC Pharmacol Toxicol . 2019 Nov 29;20(1):72.
- PMID: 31783781
こちらはフェキソフェナジンの安全性と有効性を検討した研究のメタ解析です。
安全性として鎮静の有害事象の頻度は、第一世代の抗ヒスタミン薬または第二世代の抗ヒスタミン薬と比較してフェキソフェナジンにて大幅に少なくなっております。
たけちゃんがコメントしているように、異質性が高く、n数の多い論文に引っ張られている印象があります。
有効性は両群で変わらなかったようですが、含まれている論文が少なくてアウトカムが微妙…
全体としてややフェキソフェナジン寄りな解析になっている印象です。
私自身が特に有害事象を感じることなく服用できているというバイアスもありますが、安全性に関しては申し分ないのかなと感じました。
@たけちゃんのブログでの解説
次は@リンコ
Association Between Fexofenadine Use During Pregnancy and Fetal Outcomes
JAMA Pediatr . 2020 Aug 1;174(8):e201316.
- PMID: 32478810
先日、病院スタッフから「フェキソフェナジンって妊婦が飲んでも大丈夫ですか?」と質問されまして。
この論文が出ていたのを知っていたので読んでみることにしました。
本コホート研究はデンマークの全妊婦を対象としたコホートを用いて行われておりました。
結果としてはセチリジン群と比較して、フェキソフェナジン群で有意に増加したアウトカムはありませんでした。
対象群がセチリジンであることに疑問があったのですが、キャス中に根本先生に解説していただきました。
セチリジンやロラタジンは一般的に妊婦にとっては安全と考えられているようですね。
同様のコホートを用いて、「PMID:32142963」ではデスロラタジンとロラタジンが比較されておりました。(それ調べる必要あるの?と少し思いましたが…)
このようなコホートがあれば妊婦への薬剤の安全性を検討するには非常に有用なのではないかと思いました。
新型コロナウイルスワクチンの妊婦への安全性の検討にも使えるのかな。
最後は@猫になりたい薬剤師
Am J Rhinol Allergy . 2020 Sep;34(5):703-714.
- PMID: 32564683
こちらはイヌやネコとの生活が喘息やアレルギー性鼻炎リスクと関連するかどうかを検討した観察研究のメタ解析です。
個人的にこれはすごく気になっていたテーマでした。「ネコを飼っている&喘息持ち」って方が時々いらっしゃるので、関連があるのかなと思っていましたが、、、
結果としては、喘息リスクに対しては症例対象研究では有意差なし、コホート研究ではリスク減少、アレルギー性鼻炎に対してはコホート研究でリスク減少という結果になりました。
異質性の高さは少し気になりますが、少なくともリスクを高める可能性は低そうな印象です。
意外な結果でした。どうやら私の先入観が強かったようです。
@猫になりたい薬剤師のブログでの解説↓
エビテンの報告は以上で終わりですが…
鼻洗浄をやってみました!!
数年前の展示会でいただいた「NeilMed サイナス・リンス」が自宅にあったので使ってみました!
使用法はコチラ↓
見た目はあまりよろしくないですが…
やってみたところ、なかなか気持ちいいですね!
鼻に入った瞬間は「うっ…」ってなりましたけど、終わった後は鼻が通って爽快感がありました。
薬を使ってもここまで鼻が通ることはなかなか無いですし、1日1,2回するのはさほど苦ではない気がします。
α刺激薬を使えば通りますけど、あまり使いたくないので…
このサイナス・リンスは生理食塩水とのことでしたので0.9%ですね。
にいやんの紹介してくれた論文を参考に、濃度を濃くして使ってもいいのかも(良い子は真似しちゃダメです)。
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は3/17(水)22時より、「フリーテーマ」にて配信する予定です。
よろしければご視聴くださいませ!