第7回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
録画はこちらから↓(今回は発表者が多かったので前半と後半の2部に分かれております)
さて、今回のメニューです。
今回は今までで最多の5名の発表者でした!
それでは順番に紹介していきます。
まずは@zuratomo
ARB users exhibit a lower fracture incidence than ACE inhibitor users among older hypertensive men.
Age Ageing. 2017 Jan 10;46(1):57-64.
PMID: 28181652
ARBやACEIが骨折を減らすことが示唆されました。サイアザイド系が骨折を減らすことは知っていましたが、ARBやACEIも減らす可能性があるとは驚きです。対象群は主にβブロッカーを服用していたようです。
ARBに関してはかなり減っており衝撃的ではありますが、同様の研究をまだ見たことがありません。今後注目していきたいと思います。
次は私@リンコ
Romosozumab or Alendronate for Fracture Prevention in Women with Osteoporosis.
N Engl J Med. 2017 Oct 12;377(15):1417-1427.
PMID: 28892457
先日発売になったロモソズマブ(イベニティ®皮下注)の第3相試験です。
アレンドロン酸70mg(注:日本の倍量)と比較して、いずれの評価項目でも優位に改善していたよう。
心血管イベントの件でFDAと揉めているようですが、他の試験を見るとさほど気にしなくてもいいのかもしれません。今後の研究を待ちたいと思います。
1回2シリンジ使用するので、1回の薬価は約5万円。高いですよね。。。
ちなみに、vs プラセボ、vs テリパラチド(フォルテオ®)の試験も行われております。
vs プラセボ
Romosozumab Treatment in Postmenopausal Women with Osteoporosis.
vs テリパラチド(フォルテオ®)
次は@にいやん
BMJ Open. 2015 Nov 24;5(11):e008554.
PMID: 26603243
ステロイドの吸入と骨折は関連しなかったとの報告。
リスクは上昇するかと思っていたので、意外でした。小児のデータも含まれているのがいいですね。
年齢や使用薬剤、使用量、使用年数などで差が出てくるかもしれないので、そういったところも知りたいと思いました。
ちなみにですが、COPDへのICSによる骨折については、以前こちらのブログで取り上げておりました。ややリスクの上昇はみられましたが、それほど大きな差ではなかったようです。
次は@程々な薬剤師
Osteoporos Int. 2019 Feb 7.
PMID: 30734066
なぜか今頃出てきたメナテトレノンのメタ分析。
フリーで読めないのが残念です。
結果は、一番重要と思われる骨折リスクが減らず…
あえてメナテトレノンを選択する意義があるのかどうか…適応される患者群があるのでしょうか?ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
最後は@たけちゃん
J Clin Oncol. 2005 May 20;23(15):3314-21.
PMID: 15738536
こうやって見ると、すごく効果的なように思います。使い方は4週に1回の静注です。
今は「ランマーク®(デノスマブ)皮下注120mg」の方が主流となっているようです。
ゾレドロン酸といえば、骨粗鬆症治療薬として年1回投与の「リクラスト®静注用5mg」が発売されております。これと比べると4mgというのは投与量が多いですね。
デノスマブも、骨粗鬆症治療薬として「プラリア®皮下注60mg」が発売されております。
あと、キャス中に顎骨壊死のことが話題になっておりました。それに関する資料を提示しておきます。最近あまり関わってなかったので、うまく議論を進めることができなかったのがお恥ずかしい話で、、、
また、これも話題になったのですが、ゾレドロン酸は4週に1回ではなく12週に1回でもいいかもしれないという論文です。おもしろいですね~
今回は以上になります。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
次回は3/27(水)22時からの予定としております。
フリーテーマとし、各自が気になった論文を取り上げたいと思います。
参加希望の方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
参加要項はこちら↓