第9弾のテーマは「サルコペニアとフレイル」でした!
まずは理学療法士の発表から。最初にそれぞれの評価基準を説明していただきまして、握力測定!私の握力はまさかの33kg!75歳並みなんだとかwヤバいですwそのあとは片足立ちをしたり、いくつかの簡単な筋トレを教えていただきました。運動は”物足りないくらいがちょうどいい”そうです。
管理栄養士からはサルコペニア予防・治療の食事としてタンパク質、中でも必須アミノ酸の必要性、そして何よりもバランスが大切ということを教えていただきました。高齢になると食事摂取量が低下してきますので、様々な工夫をすることでタンパク質の摂取量をアップする必要がありそうです。
看護師は忙しかったようで、今回は発表なし。
てことで、私の発表についてスライドを用いて紹介します。
薬剤師からの発表…何にしよう…
迷った挙句、とりあえず思いついたポリファーマシーと栄養やリハビリとの関連について話してみました。
なお、今回の発表は「月刊薬事2018年6月号(Vol.60 No.8) なるほど納得!リハ栄養とリハ薬剤」を主に参考にしてスライド作成および文献検索をしております。
こちらは、某医師に教えていただいた柏スタディーのスライドです。
論文になっていない(?)ようなので、詳しいことが分からないのですが、、、
もしかしたらこれにサルコペニアやフレイルが関わっているのかもしれません。あくまで可能性ですが…その一部は調整変数にもなっているようです。
まずはポリファーマシーと栄養の関連から。
「polypharmacy」と「malnutritiom」で検索したのですが、あまり論文は見つからず…
このフィンランドの研究が一番まともなのかなと。栄養失調は10剤以上のポリファーマシーとは関連していたけど、6-9剤とは関連しなかったようです。他の論文もちらっと見ましたが、関連はあまりなさそうに思いました。大いに関連しそうなんですけどね。
その下は「polypharmacy and malnutrition」という総論っぽい論文にあった図です。栄養や食事と薬とは様々な部分で関係してますよね。
この後に、摂食嚥下に関連しそうな薬剤を紹介しました。
次は、ポリファーマシーとサルコペニア、フレイル、さらにリハビリへの影響に関する論文の紹介を。
薬が多いことが直接関係ある、とは個人的には思いませんが、、、
こうやって様々な事柄への影響が示唆されています。交絡因子が調節されているかどうかで捕らえ方は変わるかもしれませんが、調節してもある程度関連が示唆されております。交絡因子の調整が足りないのかもしれませんが…もちろん、薬が多い→副作用が起こりやすいということは念頭に置かないといけませんし、不要なものはできるだけ中止していきたいものです。
リハビリへの影響に関しては「FIM」がそのアウトカムとして使われていたのが大変興味深かったです。というのも、この多職種連携の会を通して「FIM」という言葉を今年になって知ったからです。なんか嬉しかったですし、こういった指標を使うことで、リハと連携ができるのかもしれません。
この後に、疼痛や転倒等リハビリに関連しそうな薬剤を紹介しました。
次のスライドが私的にはすごく重要なのです。
「ポリ=悪」ではないと思いますし、特に薬剤師はそれをしっかり認識しておかないといけないです。ポリを「旗」として利用するのは大いに結構かと思います。
またこれまで紹介してきた論文にあるように、ポリと栄養状態やサルコペニア、フレイル、リハビリへの影響との関連が示唆されていますので、他職種が注意喚起の指標として利用するのはいいのではないかと思います。さらに、それを薬剤師とのコミュニケーションツールとしていただけると嬉しいです。
てことで、悪いイメージのことばかり書いてきましたが、、、
ここからは明るい話題というか、あくまで可能性としての紹介を。
「サルコペニア診療ガイドライン2017」の薬剤に関するCQを抜粋してきました。フリーで公開されていないので、CQとステートメントのみしか確認できておりません。
薬物による治療や予防のエビデンスレベルは低く、推奨レベルは弱いようです…ですよね…
気になったので、これらに関連する論文を検索して読んでみました!(ガイドライン本文を見れておりませんので、ガイドラインの引用とは異なる論文の可能性もあります。)
全然知らない分野だったので、これらの薬剤に期待が持たれているとは全然知りませんでした。おもしろいですね~
アウトカムが適切なのかどうかは全く分からないですが…
これらのうち一つでも、エビデンスの高い研究でその効果が実証されることに期待しています!
リハ目的の入院で薬剤の調整が行われて、アロプリノールやスタチン、ACEIが中止されるのはよく聞くことですが、もしかしたらそれはリハに悪影響を与えているかもしれないですね。。。可能性の話ですが。。。そういったことを頭の片隅に置いていてもいいのかもしれません。
今回の発表は以上になります。
こんな機会でもなければ出会わないたくさんの論文に出会えてよかったですし、少しでも他職種の皆様の参考になればうれしい限りです。