
こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第96回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

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今回は「フリーテーマ」でした。
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1人目は@程々な薬剤師
Pregabalin Efficacy in Treatment of Chronic Neurogenic Cough
Laryngoscope . 2026 Jun 25.
PMID: 42348173

こちらは、慢性神経原性咳嗽(CNC)の治療におけるプレガバリンの有効性を評価した前後比較試験です。CNCとは、末梢および中枢神経系の感作メカニズムに起因する慢性咳嗽のことで、神経障害性疼痛のメカニズムと類似しているようです。ガバペンチンやプレガバリンなどの神経調節薬の役割が期待されております。
CNCに対してプレガバリンで治療された95例の患者報告アウトカムとして、有効性が評価されております。平均治療期間は6.5週間でした。
結果として、HARQ(Hull Airway Reflux Questionnaire:ハル気道反射質問票)は32→22に有意に低下し、RSI(Reflux Symptom Index:逆流症状指数)も21→14.4に有意に低下、これはいずれも中等度の改善と評価されております。全体として78%に改善が報告されており、4%が副作用で脱落したようです。
前後比較試験なので評価は難しいところではありますが、一定の効果は認められている印象です。今後の研究の発展を期待したいです。
2人目は@リンコ
Association between vaccinations and risk of dementia: a systematic review and meta-analysis
Age Ageing . 2025 Oct 30;54(11):afaf331.
PMID: 41269248

こちらは、ワクチン接種と認知症リスクとの関連を評価した観察研究のメタ解析です。ワクチンとしては、帯状疱疹、インフルエンザ、肺炎球菌、COVID-19などが評価されており、認知症の病態についても評価されておりましたが、メタ解析された試験数の兼ね合いから、選別してスライドを作成しております。
結果としては、帯状疱疹ワクチンでは、全認知症およびアルツハイマー型認知症において認知症リスクの有意な低下が認められました。なお、帯状疱疹ワクチンとしては、生ワクチンおよび不活化ワクチンが混合して解析されております。また、インフルエンザワクチンでは全認知症が、肺炎球菌ワクチンではアルツハイマー型認知症のリスクの有意な低下が認められました。異質性がやや高めであることに注意は必要ですが、有意差がつかなかったアウトカムも含めて、概ね一定のリスク低下が認められております。
一方、COVID-19に関してはリスク低下が認められませんでしたが、これはCOVID-19ワクチンが開発されたばかりであり、追跡期間の問題があるのではないかと推測しております。
本文を読んでいくと、ワクチンそのものの効果ではなく、ワクチン接種にて感染症に罹患しないことが大きな要因と考えられているようです。ただやはり、ワクチンを接種する人は健康への意識が高い「healthy vaccine bias」の影響は考慮しないといけません。
認知症の予防や治療にはなかなか有効な手立てが少ないわけですが、感染症を予防するという観点からワクチン接種を推進して、それが認知症リスクの低減に繋がることに期待したいです。
3人目は@猫になりたい薬剤師
JACC Asia . 2026 Jun 10:S2772-3747(26)00276-0.
PMID: 42283668

こちらは、PCI後患者において、DAPT後のクロピドグレル単剤療法とアスピリン単剤療法の有効性および安全性を比較した韓国のコホート研究です。主要心血管有害事象(心血管死、心筋梗塞、または虚血性脳卒中の複合;MACE)および大出血が、2つの共同主要評価項目となっております。DAPTの期間は両群とも中央値で1年であり、3か月未満および2年以上の症例は除外されております。また、SAPT期間は3.3年となっております。
結果として、MACEおよび大出血においてアスピリン群と比較してクロピドグレル群で有意な減少を示しております。MACEは個別のアウトカムでもそれぞれれ有意な減少を示しております。
CYP2C19のPMは人種差が報告されており、日本人では20%前後と言われておりますし、韓国人もその程度でないかと思います。今回の試験の結果は日本人にもある程度外挿できると思いますが、CYPの影響を考慮してもクロピドグレルの方が優位なようです。
プラスグレルにもジェネリックが発売されましたし、クロピドグレルとプラスグレルではどちらが優位なのかというのも気になります。
4人目は@zuratomo4
Medicine (Baltimore) . 2026 Jul 3;105(27):e49588.
PMID: 42410839

こちらは、睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対してゾルピデムが睡眠効率および重症度に及ぼす影響を評価した試験のメタ解析です。5試験(ランダム化比較試験4件、非ランダム化試験1件)が対象となっております。
結果として、ゾルピデム投与は、プラセボまたは無治療と比較して総睡眠時間を有意に延長しました。一方、無呼吸低呼吸指数(AHI)には系統的な変化は認められず、OSAの重症度は変化しませんでした。副作用としての翌日の眠気は4件の研究で評価され、統計学的な有意差は認められなかったようです。
本文中には、「ゾルピデムは呼吸覚醒閾値を上昇させる一方で、気道狭窄時の舌筋の反応性も高めるという逆説的な作用を持つことが示されています。」と記載されており、OSA患者への逆効果も懸念されていたようです。
ただ、試験が小規模であり、1日のみの試験も多かったようなので、解釈には十分な注意が必要かと思いますし、副作用のリスクには十分に注意する必要がありそうです。
5人目は@たけちゃん
PCN Rep . 2025 Aug 29;4(3):e70181.
PMID: 40895374

こちらは、OTCの過量服薬により日本の4施設の救急外来へ搬送された患者における依存・乱用および心理社会的特徴を明らかにすることを目的とした研究です。52例(男性20例、女性32例)が対象となり、平均年齢は23.6歳と若年の傾向がありました。症例数が少なめなので、全体的な偏りには注意が必要です。
結果として、薬物乱用スクリーニングテスト(DAST-20スコア)は32.7%が中等度または重度の薬物乱用に該当しました。MINI(精神疾患簡易構造化面接法)による自殺リスクの平均スコアは23.7でした。
また、DAST-20スコアとしてのOTC医薬品の乱用・依存の重症度は、過量服薬歴、使用したOTC医薬品の種類(鎮咳去痰薬)、OTC医薬品乱用歴、過量服薬の目的、および過量服薬の目的(自殺)と有意に相関していた。自殺はマイナスの逆相関でした。
目的が自殺目的よりは苦痛緩和がメインというのは勉強になりました。自殺目的かと思いがちですけど、実際は現実逃避みたいな感じで、楽になりたいという気持ちがそうさせているのかなと。悩ましいですがこれが実態ということで、今後にどうやってつなげていくかが重要ですね。
その他にも、過量服薬したOTCの種類やOTCの情報収集方法についても報告されており、参考になりそうです。
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は8/19(水)22時より、「テーマ:漢方薬」にて配信予定です。
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