リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第88回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2025.11.19)(フリーテーマ)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

第88回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

 

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録音はこちらからどうぞ↓

 

今回は「フリーテーマ」でした。

 

今回のメニューはこちら

 

 

1人目は@zuratomo4

Subcutaneous Versus Combined Subcutaneous and Intramuscular Botulinum Toxin for Androgenetic Alopecia: A Randomized Clinical Trial

Actas Dermosifiliogr . 2025 Oct;116(9):T959-T966.

PMID: 40701233

こちらは、男性型脱毛症に対するボツリヌストキシンの有効性を比較したRCTです。介入は2種類行われ、ボツリヌストキシンの皮下注+筋注(A群)とボツリヌストキシン皮下注のみ(B群)でした。

結果としては、投与後6ヶ月後における前頭部および頭頂部の初回および追跡調査時の毛髪鏡写真を比較したところ、A群およびB群ともに毛髪密度および軟毛/硬毛比に有意な変化は認められず(p>0.05)、両群の前頭部では毛髪の太さが有意に減少したようです。改善率に関しては、A群50%、B群57%で差はなかったようです。

残念ながら効果はあまりなさそうな感じですね。写真で見ても変わっている感じはほとんどないですし。あまり悪くなっていないだけいいのかもしれませんが。

サンプルサイズが少ない事や投与量が妥当だったのかという事は気になりますが、ちょっと難しそうな印象ですね。

 

 

こちらは、2型糖尿病患者におけるNSAIDsの短期使用が心不全発症リスクと関連するかどうかを評価した症例オーバーデザインを用いた研究です。

NSAIDの投与期間としては、28日がメインで、14日間、42日間も検討されております。アウトカムは初回心不全入院でした。

結果として、NSAIDの使用は28日間にてオッズ比1.41と有意に初回心不全入院が増加しておりました。14日間、42日間も同様の結果でした。薬剤別ではジクロフェナクとイブプロフェンで有意に増加し、セレコキシブやナプロキセンは使用症例が少ないこともあり有意差がありませんでした。

全体として、NSAIDは心不全のリスクとなることが示唆されました。ただ、日本ではジクロフェナクもイブプロフェンもあまり使いませんよね。ロキソプロフェンやセレコキシブでもリスクがあるのかを知りたいところです。

前回のエビテンでセレコキシブとイブプロフェン、ナプロキセンの種々のリスクを検討した論文を紹介しました。こちらでは、セレコキシブの方がイブプロフェンとナプロキセンよりもリスクは少ない傾向でしたが、これも症例数が少なく有意差がありませんでした。NSAIDを使わないといけない場面もありますので、その辺りが気になります。

 

 

3人目は@猫になりたい薬剤師

Effectiveness of Statins for Oxaliplatin-Induced Peripheral Neuropathy: A Multicenter Retrospective Observational Study

Clin Transl Sci . 2025 Oct;18(10):e70318.

PMID: 41021349

こちらは、大腸がん治療におけるオキサリプラチン誘発性末梢神経障害(OIPN)に対するスタチンの有効性を評価した多施設共同後ろ向き研究です。傾向スコアマッチ後、両群361例が解析の対象となっております。

結果として、主要評価項目であるGrade2以上のOIPNの発生率に有意差はありませんでした。しかし、大腸がんに限定した傾向スコアマッチ後の解析(両群255例)では、スタチンなし群で28.3%、スタチンあり群で19.8%となり、スタチンあり群で発生率が有意に低くなっておりました。一方、Grade3以上のOIPNは両群に有意差はありませんでした。

サブ解析でなんとか有意差が出たような感じなので、エビデンスとしては弱そうですね。introductionを読む限りでは、まだまだエビデンスの蓄積が必要そうですね。25%程度発現する副作用のようなので、少しでも有効な薬剤が見つかるといいですが…規模の大きな試験やRCTが期待されます。

@猫になりたい薬剤師のブログでの解説↓

 

                  •  

4人目は@にいやん

Efficacy of Kampo medicine Kakkonto as acute medication to treat tension-type headache among musculoskeletal pain patients using regular analgesics

Rinsho Shinkeigaku . 2023 Feb 25;63(2):73-77.

PMID: 36725011

 

こちらは、緊張型頭痛に対する葛根湯の有効性を評価したシングルアームの前後比較です。10名の患者に対して試験が行われております。

結果としては、葛根湯使用前のNRSスコア4点から、使用2時間後は0点へ改善しております。

前後比較のため、これだけで有効かどうかは定かではありませんが、さらなる研究に期待したいところです。

かなり前になりますが、特茶の根拠となっている論文を読んだことがあり、こちらのブログで紹介しております。

結果は想像通りという形ですが、何がアウトカムとなって宣伝されているのかということは、一般の方でも理解しておく必要があるのかなと思います。

 

                  •  

5人目は@程々な薬剤師

Quercetin with vitamin C and niacin does not affect body mass or composition

Appl Physiol Nutr Metab . 2011 Jun;36(3):331-8.

PMID: 21574787

こちらは、ケルセチンやビタミンC、ナイアシンの摂取が体重や体組成に影響があるかどうかを評価した12週間のRCTです。ビタミンCおよびナイアシンをベースとして使用した上で、ケルセチン500mg/日、1000mg/日群およびプラセボ群の3群に分けられました。

結果として、体重変化および体組成変化においては全ての群において有意差がありませんでした。

これを見る限りでは、なかなか厳しそうですね。一応擁護しておくと、某〇茶に関してはアウトカムが腹部総脂肪面積ですので、そちらにはもしかすると差があったのかもしれませんが…

こちらは某茶の試験ではありませんが、、、、

 

 

6人目は@リンコ

Family Pharmacy and Medication Adherence Among Older Adults in Japan: A Cross-Sectional Study of JAGES 2019

J Gerontol B Psychol Sci Soc Sci. 2023 Dec 6;78(12):2122-2130.

PMID: 37837645

                  • こちらは、高齢者におけるかかりつけ薬局の有無と残薬との関連を評価した横断研究です。約1万8千人近くの高齢者が対象となっておりますが、90%近くの人にかかりつけ薬局があるようですね。

結果としては、かかりつけ薬局あり群が、ない群よりも残薬が少なかったようです。また、10-12年および9年以下の教育歴は、13年以上と比較して残薬リスクが低かったです。

さらに、教育歴9年以下および10‐12年ではかかりつけ薬局があると残薬が少ない傾向となりましたが、13年以上では差がありませんでした。

やはり、かかりつけ薬局があることで薬の管理が十分になされるのかなという印象です。個人的には、しっかり自分で管理できるのであれば、それぞれの門前でもいいとは思いますが、管理が十分にできないのであれば、かかりつけを持つべきだとは思います。特に、教育歴とかかりつけ薬局の有無で残薬リスクが異なるのは興味深く感じました。

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

次回は12/17(水)22時より、「テーマ:筋肉」にて配信予定です。

よろしければご視聴くださいませ!

 

 

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