
こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第81回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

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今回のテーマは「新人に読ませたい論文」でした。
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1人目は@にいやん
Lancet . 2017 Jun 24;389(10088):2473-2481.
PMID: 28476288

こちらは、盲検化の有無によるスタチンの有害事象の違いを評価した研究です。アトルバスタチンを投与する群と、対照群として盲検化したプラセボ群と非盲検化したプラセボ群に分けられました。盲検化したプラセボ群はスタチンを服用していると思っている可能性がありますが、非盲検化のプラセボ群はプラセボを服用していることを分かっているということですね。
結果としては、盲検化のプラセボ群を評価したグループではアトルバスタチン群と筋肉関連有害事象の発症率が同等でしたが、非盲検化のプラセボ群を評価したグループでは、アトルバスタチン群の方が筋肉関連有害事象は有意に多く報告されました。
おそらく服薬指導時には非盲検化プラセボ群以外では筋肉関連有害事象が説明されていると思われますので、ノセボ効果が影響した可能性が高そうです。ただ、だからといって説明しないわけにはいかないので難しいですし、全てをノセボ効果と捉えるわけにもいきませんし、悩ましいですね、、、
2人目は@リンコ
JAMA Netw Open . 2023 Dec 1;6(12):e2348557.
PMID: 38117495

こちらは、長期(365日以上)ベンゾジアゼピン療法を受けている患者におけるベンゾジアゼピン中止と死亡率との関連を評価した標的試験エミュレーションです。米国のデータベースを使用して行われた試験ということで、ベースラインでのオピオイド暴露の有無で層別化して解析なされております。
結果として、オピオイドなし群、オピオイドあり群のいずれにおいてもベンゾジアゼピン系薬の中止で総死亡が有意に増加しております。リスク比はいずれも1.6と同じ水準になっております。絶対リスク差も2.0%となっております。
「ベンゾジアゼピン系薬=悪」のような言われ方をすることが多くなっておりますが、だからといって中止することが良いのではないかもしれません。12か月の追跡での2%という絶対差はかなり大きな数字のように思います。
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3人目は@zuratomo4
Front Neurosci . 2020 Oct 9:14:531763.
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PMID: 33162877

こちらは、精神疾患におけるアドヒアランス維持の介入についてのシステマテックレビューです。要因を評価した研究、介入を評価した研究が対象となっております。
結果としてはあまり明確な結果が得られなかったようですが、遵守の要因としては病識や家族の支援、家族の理解が重要であり、特に若年者では不順守になりやすい傾向があることが示唆されました。またそれに対する介入としては、家族関係や症状の改善が示唆されました。
いずれにおいても家族の関わりが大きな要因になっているようです。家族と一緒に取り組んでいくことが重要であることがよく理解できました。
4人目は@たけちゃん
Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial
Am J Prev Med . 2005 Nov;29(4):302-7.
PMID: 16242593

こちらは、うがいの種類によって上気道感染症の予防効果が異なるのかどうかを評価したRCTです。水うがい群とヨードうがい群、何もしない群に割り付けられました。うがい群では1回15秒のうがいを1日3回行ったようです。
結果としては、何もしない群と比較して水うがい群で有意に減少しておりますが、ヨードうがい群では何もしない群と比較して有意差がありませんでした。
水うがいに効果があるのか、ヨードうがいに効果がないのか(少なくとも水うがいと同等にはなるはず…)よく分かりませんが、必ずしもうがい液は必要ないかもしれません。
5人目は@程々な薬剤師
Treatment of hypertension in patients 80 years of age or older
N Engl J Med . 2008 May 1;358(18):1887-98.
PMID: 18378519

こちらは、80歳以上の患者における高血圧の治療の有効性を評価したRCTです。介入群にはインダパミドが用いられ、プラセボ群と比較されております。目標血圧150/80mmHgを達成するため、必要な場合にはACEiであるペリンドプリルまたはマッチするプラセボが追加投与されております。
結果として、追跡期間1.8年において主要アウトカムである致死的あるいは非致死的な脳卒中に有意差は認められませんでしたが、介入群で減少する傾向は認められました。
95%信頼区間が広い結果となっておりますので症例数が少なすぎて検出力不足となっている可能性があり、必ずしも差がないとは言い切れない結果のようにも思いますが。あとは、薬剤も利尿剤(+ACEi)という今は積極的にはあまり使わない薬剤であるということも注意が必要かもしれません。
ただ、結果として主要アウトカムに有意差はありませんので、高齢者においては血圧が多少高くても治療をしないということも選択肢の一つではあると感じました。
6人目は@Fizz-DI
Rates of hyperkalemia after publication of the Randomized Aldactone Evaluation Study
N Engl J Med . 2004 Aug 5;351(6):543-51.
PMID: 15295047

- こちらは、スピロノラクトンのRCT発表後の高カリウム血症の発症率を評価した後ろ向き観察研究です。心不全患者におけるスピロノラクトンの有用性を示したRALES試験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10471456/)の報告を受け、スピロノラクトンの使用が多くなったようで、それによる高K血症の発症について評価されております。
- 結果として、ACE 阻害薬による治療を受けている患者にスピロノラクトンが処方された割合は、1994年には34人/1,000人でしたが、2001年の終りには149人/1,000人へ増えておりました。高カリウム血症による入院率は、2.4人/1,000人が11.0人/1,000人に増加し(P<0.001)、関連する死亡率は0.3人/1,000人から 2.0人/1,000人に増加しました(P<0.001)。
- 要因としては、より高齢であったこと、ループ利尿薬を併用していなかったこと、K値のモニタリングが不十分であったことなどが指摘されております。
- 論文の結果を外挿する難しさを理解した教訓とすべき論文ですね。あとは、この論文のように評価することも重要なように感じました。
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
次回は5/14(水)22時より、「フリーテーマ」にて配信予定です。
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