リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

個人的に気になった最新論文約50選の要約(2022.4)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

その月に気になった最新論文50本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!

論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。

日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。

癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。

 

【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。

それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。

 

今回は2022年4月分を。45取り上げております。

 

 

☆抗糖尿病薬

①「GLP-1RAの使用と胆嚢・胆道疾患リスクとの関連を検討したRCTのメタ解析(76試験;n=103,371;平均年齢57.8歳;女性40.5%)。GLP-1RAはプラセボまたは非GLP-1RAと比較して、胆嚢または胆道疾患(RR 1.37;95%CI:1.23-1.52);特に胆石症(RR 1.27;95%CI:1.10-1.47)、胆嚢炎(RR 1.36;95%CI:1.14-1.62) および胆道疾患(RR 1.55;95%CI:1.08-2.22)のリスク上昇と関連していた。GLP-1 RA使用は、胆嚢あるいは胆道の疾患のリスクに関して低用量と比較して高用量で(RR 1.56; 95%;CI:1.36-1.78)高く、短期間と比較して長期間(RR 0.79;95%CI:0.48-1.31)では変わりなかった。」

Association of Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonist Use With Risk of Gallbladder and Biliary Diseases: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Clinical Trials

JAMA Intern Med . 2022 Mar 28;e220338.

PMID: 35344001

【フリー】

 

②「GLP-1RAのメトホルミン有無による心血管イベントへの影響を評価したRCTの事後解析およびメタ解析。セマグルチドによるMACEリスクの減少のHRは、プラセボ群と比較して、メトホルミンサブグループで0.70(95%CI:0.55-0.89)、メトホルミンなしサブグループで0.86(95%CI:0.60-1.22)であり、MACEに対する治療効果とメトホルミンサブグループとの間に有意な相互作用は認められなかった。メタ解析では、CVアウトカムに対する治療効果(GLP-1RA vs プラセボ)は、ベースラインのメトホルミンの有無にかかわらず差がなかった(メトホルミン vs メトホルミン無のハザード比 1.09;95%CI:0.96;1.22)。」

Semaglutide reduces cardiovascular events regardless of metformin use: a post hoc subgroup analysis of SUSTAIN 6 and PIONEER 6

Cardiovasc Diabetol . 2022 Apr 28;21(1):64.

PMID: 35484580

【フリー】

 

③「心血管リスクが高い2型糖尿病患者または慢性腎臓病患者において、SGLT2iが血清K値に与える影響を検討した二重盲検プラセボ対象RCTのメタ解析(4試験;n=49,875)。1754人が重篤な高K血症を発症し、さらに1119人の医師が報告した高カリウム血症イベントが記録された。SGLT2iは、重篤な高K血症(血清K値6.0mmol/L以上)のリスクを減少させ(HR 0.84;95%CI:0.76-0.93)。治験責任医師が報告した高K血症の発生率もSGLT2阻害剤で低かった(HR 0.80;95%CI:0.68-0.93)。SGLT2iは低K血症のリスクを増加させなかった(HR 1.04;95%CI:0.94-1.15)。」

Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors and Risk of Hyperkalemia in People With Type 2 Diabetes: A Meta-Analysis of Individual Participant Data From Randomized, Controlled Trials

Circulation . 2022 Apr 8.

PMID: 35394821

【フリー】

 

④「2型糖尿病の有無にかかわらず、心不全患者におけるSGLT2阻害薬の効果を評価するために行われた、心不全患者をSGLT2阻害薬群または対照群に割り付けたRCTのメタ解析。SGLT2iは、心不全による入院を6ヵ月で37%(95%CI:25%~47%)、1年で32%(95%CI:20%~42%)、2年で26%(95%CI:10%~40%)減らし、心血管死を1年で14%(95%CI:1%~25%)減らした。また、SGLT2阻害剤は性器感染症のリスクを倍増させた(RR 2.69;95%CI:1.61-4.52)。」

Sodium-Glucose Cotransporter-2 Inhibitors in Patients With Heart Failure : A Systematic Review and Meta-analysis

Ann Intern Med . 2022 Apr 12.

PMID: 35404670

【アブストのみ】

 

⑤「妊娠糖尿病女性におけるGlyburideおよび皮下インスリン製剤と周産期合併症の関連を評価したコホート研究(n=11,321人;平均年齢32.9歳)。多変量モデルでは、インスリンと比較してGlyburideに継続的に曝露した場合、新生児の呼吸困難リスクは100出生あたり2.03(95%CI:0.13-3.92)低く、NICU入院リスクは100出生あたり3.32(95%CI:0.20-6.45)低いとされた。新生児低血糖のリスク(100出生あたり0.85;95%CI:-1.17 to 2.86)、黄疸(0.02;95%CI:-1.46 to 1.51)は統計的有意差を認めなかった。」

Association of Glyburide and Subcutaneous Insulin With Perinatal Complications Among Women With Gestational Diabetes

JAMA Netw Open . 2022 Mar 1;5(3):e225026.

PMID: 35357451

【フリー】

 

 

☆抗凝固/抗血小板薬

⑥「75歳以上のAF患者の脳梗塞二次予防へのDOAC(n=80,726)の有効性と安全性をワルファリン(n=20,663)と比較した後ろ向き観察研究。主要アウトカムは、退院後の(a)利益:脳梗塞,(b)害:出血イベントによる365日間の再入院とした。脳梗塞、出血イベント、頭蓋内出血による再入院の調整済みSHRは、ワルファリン群と比較してDOAC群ではそれぞれ0.76(95%CI:0.71-0.81)、0.78(95%CI:0.68-0.90)および0.69(95%CI:0.57-0.82)であった。消化管出血による再入院については、DOAC群とワルファリン群で有意差はなかった(SHR 1.01;95%CI:0.72-1.41)。」

Direct oral anticoagulants versus warfarin for secondary prevention of cerebral infarction and bleeding in older adults with atrial fibrillation

J Am Geriatr Soc . 2022 Apr 9.

PMID: 35397114

【アブストのみ】

 

⑦「高齢者心房細動患者に対するエドキサバン低用量投与試験(ELDERCARE-AF)に参加した心房細動患者を対象に、3つの年齢層(80~84歳(n=181),85~89歳(n=184),90歳以上(n=127))でエドキサバン(15 mg)の対プラセボ効果を検証したRCTのサブ解析(n=984;女性57%)。標準用量OACの候補とみなされなかった80歳以上のAF患者を対象とし、クレアチニンクリアランスが低い(30mL/min未満)、低体重(45kg以下)、重要臓器からの出血歴、非ステロイド抗炎症薬の継続使用、抗血小板薬の併用が挙げられた。プラセボ群では、脳卒中または全身性塞栓症の推定イベント発生率は年齢とともに上昇し、80~84歳群で3.9%/患者年、85~89歳群で7.3%/患者年、90歳以上の群では10.1%/患者年であった。エドキサバン15mg投与により、脳卒中または全身性塞栓症のイベント発生率はそれぞれ以下となった(80~84歳:HR 0.41;95%CI:0.13~1.31、85~89歳:HR 0.42;95%CI:0.17~0.99、≧90歳:HR 0.23;95%CI:0.08~0.68)。大出血および大出血または臨床的に関連性のある非大出血イベントは、エドキサバンで数値的に高くなったが、その差は統計的有意差には至らなかった。」

Effect of 15-mg Edoxaban on Clinical Outcomes in 3 Age Strata in Older Patients With Atrial Fibrillation: A Prespecified Subanalysis of the ELDERCARE-AF Randomized Clinical Trial

JAMA Cardiol . 2022 Apr 13.

PMID: 35416910

【フリー】

 

⑧「Anterior ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者におけるリバーロキサバンの左心室血栓予防効果を検討したRCT。プライマリーPCIを受けたAnterior STEMI患者279例を、低用量リバーロキサバン(2.5mg 1日2回30日間)とDAPTまたはDAPTのみを受けるように割付けた。主要評価項目は、30日以内の左室血栓(LVT)形成とした。DAPTに低用量リバーロキサバンを追加することで、DAPTのみと比較して30日以内のLVT形成が減少した(0.7% vs 8.6%;HR:0.08;95%CI:0.01-0.62)。出血イベントは30日後、180日後ともに両群間に有意差はなかった。」

Prophylactic Rivaroxaban Therapy for Left Ventricular Thrombus After Anterior ST-Segment Elevation Myocardial Infarction

JACC Cardiovasc Interv . 2022 Apr 25;15(8):861-872.

PMID: 35367170

【アブストのみ】

 

⑨「透析を受けているAF患者におけるアピキサバンとワーファリンの有効性と安全性を比較した後ろ向きコホート研究(n=17,156)。アピキサバンの通常用量群、アピキサバンの低用量群、ワルファリン投与群の間で脳卒中/SEリスクに差はなかった。通常用量群(HR 0.67;95%CI:0.55-0.81)および低用量群(HR 0.68;95%CI:0.55-0.84)はいずれもワルファリンと比較して大出血のリスク低下と関連していた。通常用量群と比較して、低用量群は出血リスクの低下と関連しなかった(HR 1.02;95%CI:0.78-1.34)。死亡率は、通常用量群はワルファリンに対して低リスクであった(HR 0.85;95%CI:0.78-0.92)が、低用量群とワルファリンでは死亡率の有意差はなかった(HR 0.97;95%CI:0.89-1.05)。」

Apixaban Dosing Patterns Versus Warfarin in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation Receiving Dialysis: A Retrospective Cohort Study

Am J Kidney Dis . 2022 Apr 22;S0272-6386(22)00621-7.

PMID: 35469965

【アブストのみ】

 

 

☆循環器関連(抗凝固/抗血小板薬以外)

⑩「降圧剤の低用量3剤併用療法が、通常の治療と比較してtime at targetの割合が高いかどうかを評価した非盲検化RCT。1日1回投与の固定用量3剤併用(テルミサルタン20mg、アムロジピン2.5mg、クロルタリドン12.5mg)療法(n=349)と通常ケア(n=351)の比較(n=700;平均年齢56歳;女性57.6%)。3剤併用群に割り付けられた患者は24週間のフォローアップにおいて、通常ケア群に比べて目標値を達成している時間が長かった(64% vs 43%;差 21%;95%CI:16-26;P<0.001)。3剤併用療法を受けた患者のほぼ 2 倍が、追跡期間中に目標到達時間 50% 以上を達成した(64% vs 37%)。」

Association of Low-Dose Triple Combination Therapy vs Usual Care With Time at Target Blood Pressure: A Secondary Analysis of the TRIUMPH Randomized Clinical Trial

JAMA Cardiol . 2022 Apr 13.

PMID: 35416909

【アブストのみ】

 

⑪「ACEiの副作用(ADR)報告の性差を評価するために行われた2つの副作用データベース(VigiBase,Lareb)を用いた研究。VigiBaseには227,482件のACEI関連ADR報告(女性53%)が、Larebには3903件のADR報告(女性52%)が含まれていた。Larebのデータを性差のある処方率で補正した結果、10万人当たりのADR報告率は、女性25報告、男性18報告であり、絶対率の差は10万人当たり6報告(95%CI:4〜7報告)であった。女性は男性に比べて1.31倍高いADR報告率(95%CI:1.27-1.35)であった。女性および男性で最も頻繁に報告されたADRは咳と血管性浮腫であった。ADR27項目中19項目で女性が男性を上回った。」

Sex Differences in Reported Adverse Drug Reactions to Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e228224.

PMID: 35442456

【フリー】

 

⑫「硝酸塩とPDE5阻害薬の併用による心血管系の転帰を評価したケースクロスオーバー試験。2000年から2018年までに、虚血性心疾患の男性患者249,541人が確認され、このうち硝酸薬の処方が継続している患者は42,073人であった。硝酸塩を服用しているIHD患者におけるPDE5阻害薬の処方率は、2000年には年間100人あたり平均0.9処方だったが、2018年には19.5処方へ増加した。硝酸薬とPDE5阻害薬の併用といずれの複合転帰のリスクにも統計的に有意な関連は認められなかった(第1の転帰(心停止、ショック、心筋梗塞、虚血性脳卒中、急性冠動脈造影):OR 0.58(95%CI:0.28~1.13、第2の転帰(失神、狭心症、薬物関連有害事象):OR 0.73(95%CI:0.40~1.32)。」

Adverse Events Associated With Coprescription of Phosphodiesterase Type 5 Inhibitors and Oral Organic Nitrates in Male Patients With Ischemic Heart Disease : A Case-Crossover Study

Ann Intern Med . 2022 Apr 19.

PMID: 35436155

【アブストのみ】

 

⑬「HFrEF患者において、ダパグリフロジン投与開始後のeGFRの早期低下(dip)の発生頻度とその転帰との関連性を評価したDAPA-HF試験の事後解析。0日目から14日目までのeGFRの平均変化量は、プラセボで-1.1ml/min/1.73m²(95%CI:-1.5 to -0.7)、ダパグリフロジンで-4.2ml/min/1.73m²(95%CI:-4.6 to -3.9)、治療間の差は3.1ml/min/1.73m²(95%CI:2.6 to 3.7)であった。また、ダパグリフロジンに無作為に割り付けられた患者のうち、eGFRが10%以上、20%以上、30%以上低下した患者の割合はそれぞれ、38.2%、12.6%、3.4%であり、プラセボ群ではそれぞれ21.0%、6.4%、1.3%であった。ダパグリフロジンのeGFR早期低下率10%超のオッズ比はプラセボと比較して2.36(95%CI:2.07-2.69)であった。eGFRが10%以上低下したプラセボ群の主要転帰(心不全の悪化または心血管死の複合)のハザード比は、eGFRが10%未満低下した場合と比較して1.45(95%CI:1.19-1.78)であった。ダパグリフロジン群における対応するハザード比は0.73(95%CI:0.59-0.91)であった。」

Initial Decline ("dip") in Estimated Glomerular Filtration Rate Following Initiation of Dapagliflozin in Patients with Heart Failure and Reduced Ejection Fraction: Insights from DAPA-HF

Circulation . 2022 Apr 20.

PMID: 35442064

【フリー】

 

⑭「大動脈弁狭窄症(AS)における経口カルシウムおよび/またはビタミンDの長期安全性を評価した後ろ向き横断研究。サプリメントなし(n=1,292)、ビタミンD単独(n=332)、カルシウム±ビタミンD(n=1,033)に層別化(n=2,657;平均年齢74歳;女性42%;追跡期間の中央値69ヶ月)。カルシウム±ビタミンDの補給は、全死亡(絶対率(AR) 43.0/1000人年;HR 1.31;95%CI:1.07〜1.62)、CV死亡率(AR 13.7/1000人年;HR 2.0;95%CI:1.31~3.07)および大動脈弁置換術(AR 88.2/1000人年;HR 1.48;95%CI:1.24~1.78)の有意な高リスクと関連していた。」

Supplemental calcium and vitamin D and long-term mortality in aortic stenosis

Heart . 2022 Apr 25;heartjnl-2021-320215.

PMID: 35470234

【アブストのみ】

 

⑮「PCSK9阻害剤の安全性を検討したRCTのメタ解析(32試験;n=65,861;追跡期間中央値40週)。メタ解析では、投与中止に至る注射部位反応の発生率が示された(5年間で1000人当たりの絶対発生率は15件)。PCSK9阻害剤は、新規発症の糖尿病、神経認知イベント、白内障、または消化管出血のリスクを増加させないことが示された。また、投与中止に至る筋肉痛や筋痛、投与中止に至るいかなる有害事象のリスクも増加させなかった。」

Safety of proprotein convertase subtilisin/kexin 9 inhibitors: a systematic review and meta-analysis

Heart . 2022 May 4;heartjnl-2021-320556.

PMID: 35508401

【アブストのみ】

 

⑯「最大耐容量のスタチン療法を受けている、あるいはスタチン不耐性の成人において,エゼチミブとPCSK9阻害薬の心血管予後への影響を比較したRCTのネットワークメタ解析(14試験;n=83,660)。スタチンにエゼチミブを追加することで、MI(RR 0.87;95%CI:0.80~0.94)と脳卒中(RR 0.82;95%CI:0.71~0.96)は減少したが、全死亡(RR 0.99;95%CI:0.92~1.06)や心血管死亡(RR 0.97;95%CI:0.87~1.09)は減少しないことが示された。同様に、スタチンにPCSK9阻害薬を追加すると、MI(RR 0.81;95%CI:0.76~0.87)と脳卒中(RR 0.74;95%CI:0.64~0.85)は減少したが、全死亡(RR 0.95;95%CI:0.87~1.03)と心血管死亡率(RR 0.95;95%CI:0.87~1.03)は減少しなかった。PCSK9阻害剤とスタチンにエゼチミブを追加すると脳卒中が減る可能性があるが(1000人あたり11人)、MIが減る可能性は(1000人あたり9人)と最小重要差(MID)に達しなかった。スタチンとエゼチミブにPCSK9阻害剤を追加すると、MI(1000人あたり14人)、脳卒中(1000人あたり17人)が減少する可能性がある。PCSK9阻害薬とスタチンにエゼチミブを追加してもMID以上のアウトカムは減少しなかったが,エゼチミブとスタチンにPCSK9阻害薬を追加すると脳卒中が減少する可能性がある(1000人に13人)。これらの効果はスタチン不耐性の患者でも一貫していた。」

PCSK9 inhibitors and ezetimibe with or without statin therapy for cardiovascular risk reduction: a systematic review and network meta-analysis

BMJ . 2022 May 4;377:e069116.

PMID: 35508321

【フリー】

 

⑰「妊娠中の軽度の慢性高血圧(血圧 160/100 mmHg 未満)の治療の有益性と安全性を評価するために行われた非盲検RCT。軽度の慢性高血圧を有する23 週未満の単胎妊娠女性を、妊娠中の使用が推奨されている降圧薬を投与する群(積極的治療群)と、重度の高血圧(収縮期血圧160mmHg以上または拡張期血圧105mmHg以上)をきたさない限りそのような治療を行わない群(対照群)に割り付けた。主要転帰は、重症所見を伴う妊娠高血圧腎症、妊娠35週未満での医学的に適応とされた早産、胎盤早期剝離、胎児・新生児死亡の複合とした。安全性転帰は、出生体重が在胎期間別標準値の10パーセンタイル未満である在胎不当過小(SGA)とした。2,408例を試験に組み入れ、主要転帰イベントの発生率は、積極的治療群のほうが対照群よりも低く(30.2% vs 37.0%)、補正リスク比は 0.82(95%CI:0.74~0.92)であった。SGA の割合は、積極的治療群11.2%、対照群10.4%であった(補正リスク比 1.04;95%CI:0.82~1.31)。重篤な母体合併症の発生率はそれぞれ2.1%、2.8%であり(リスク比 0.75;95%CI:0.45~1.26)、重度の新生児合併症の発生率は2.0%、2.6%であった(リスク比 0.77;95%CI:0.45~1.30)。」

Treatment for Mild Chronic Hypertension during Pregnancy

N Engl J Med . 2022 Apr 2.

PMID: 35363951

【アブストのみ】

 

⑱「虚血性心筋症で症候性心室頻拍(VT)を有する植込み型除細動器(ICD)患者の第一選択治療として、カテーテルアブレーション(n=71)と抗不整脈薬(AAD)(n=73)の有効性と安全性を比較検討したRCT(n=144;年齢の中央値70歳;男性96%)。患者は、カテーテルアブレーションと抗不整脈療法(アミオダロン+β遮断薬、アミオダロン単独、ソタロール±β遮断薬)に割り付けられた。24ヵ月後、主要転帰(心血管死、適切なICDショック、心不全悪化による予定外の入院、治療に関連する重篤な合併症の複合)はアブレーション群28.2%、AAD群46.6%で発生した(HR 0.52;95%CI:0.30-0.90)。この差は、重篤な治療関連合併症の有意な減少によってもたらされた(9.9% vs 28.8%;HR:0.30;95%CI:0.13-0.71)。心不全による入院はアブレーション群で8例、AAD群で13例であった(HR 0.56;95%CI:0.23-1.35)。」

Substrate Ablation vs Antiarrhythmic Drug Therapy for Symptomatic Ventricular Tachycardia

J Am Coll Cardiol . 2022 Apr 19;79(15):1441-1453.

PMID: 35422240

【アブストのみ】

 

 

☆抗菌薬/感染症関連

⑲「複雑性尿路感染症および急性腎盂腎炎患者を対象に、テビペネム経口投与の有効性および安全性をエルタペネム静脈内投与と比較検討したRCT。テビペネム経口投与(600mgを8時間ごと)(n=449)またはエルタペネム静脈内投与(1 gを24時間ごと)(n=419)に7~10日間に割り付け(n=868;うち50.8%が複雑性尿路感染症、49.2%が腎盂腎炎)。主要評価項目は、微生物学的intention-to-treat集団における治癒判定時(19日目±2日以内)の全奏功(臨床的治癒と微生物学的好転の複合)であり、非劣性マージンは12.5%であった。テビペネム群58.8%、エルタペネム群61.6%に全奏功が認められた(加重差 -3.3%ポイント;95%CI:-9.7 to 3.2%)。治癒判定時の臨床的治癒は、テビペネム群93.1%およびエルタペネム群93.6%に認められた(重み付き差 -0.6%ポイント;95%CI:-4.0 to 2.8)。有害事象はテビペネム群25.7%、エルタペネム群25.6%に認められ、主な有害事象は軽度の下痢と頭痛であった。」

Oral Tebipenem Pivoxil Hydrobromide in Complicated Urinary Tract Infection

N Engl J Med . 2022 Apr 7;386(14):1327-1338.

PMID: 35388666

【アブストのみ】

 

⑳「人工呼吸器関連肺炎(VAP)患者において、グラム染色による抗菌薬選択(n=103)とガイドラインに基づく広域抗菌薬療法(n=103)の臨床効果を比較したRCT(n=206;年齢中央値69歳;男性68%)。主要アウトカムは臨床奏効率とし、臨床奏効は14日以内の抗生物質療法の完了、ベースラインのX線所見の改善または無増悪、肺炎の徴候・症状の消失、抗生物質薬剤再投与の欠如と定義し、非劣性マージンは20%とした。臨床的奏効は、グラム染色ガイド群76.7%とガイドラインベース群71.8%に認められた(リスク差 0.05;95%CI:-0.07 to 0.17)。28日間の累積死亡率は、グラム染色ガイド実施群13.6%、ガイドライン準拠群17.5%であった(P=0.39)。」

Effect of Gram Stain-Guided Initial Antibiotic Therapy on Clinical Response in Patients With Ventilator-Associated Pneumonia: The GRACE-VAP Randomized Clinical Trial

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e226136.

PMID: 35394515

【フリー】

 

㉑「市中肺炎治療後のフルオロキノロン系薬またはセファロスポリン+マクロライド系薬とCDIの関連性を評価した後ろ向きコホート研究。セファロスポリン+マクロライド(36,796例)またはフルオロキノロン単独(21,264例)で治療を受けた。セファロスポリン+マクロライドの投与を受けた0.35%およびフルオロキノロンの投与を受けた0.31%がCDIを発症した。因子の調整後、CDI のリスクはフルオロキノロンとセファロスポリン+マクロライドで同等であった(OR 0.98;95%CI:0.70-1.38)。」

Association of fluoroquinolones or cephalosporin plus macrolide with Clostridioides difficile infection (CDI) after treatment for community-acquired pneumonia

Infect Control Hosp Epidemiol . 2022 Apr 20;1-8.

PMID: 35440348

【アブストのみ】

 

㉒「整形外科の清潔手術後の医療関連感染の予防において、術後 24 時間未満の短い抗菌薬予防期間(24群)(n=633)が術後24~48時間以内の長い期間(48群)(n=578)より劣らないかどうかを検討したクラスターランダム化試験(n=1,211;年齢中央値74歳;男性37%)。主要アウトカムは、術後30日以内に抗生物質療法を必要とする医療関連感染症の発生率とした。非劣性マージンは4%とした。医療関連感染は、24群で4.6%、48群で6.6%に発生した(リスク差 -1.99パーセントポイント;95%CI:-5.05 to 1.06)で、非劣性であることが示された。」

Effect of Antimicrobial Prophylaxis Duration on Health Care-Associated Infections After Clean Orthopedic Surgery: A Cluster Randomized Trial

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e226095.

PMID: 35412627

【フリー】

 

㉓「CTRX誘発性脳症の危険因子を明らかにするために行われた、JADERデータベースを用いた研究。2,939人のCTRX使用者、そのうち193人が脳症であったことが確認された。CTRX使用者に不釣り合いな脳症の有病率が認められた(報告オッズ比 1.42;95%CI:1.23~1.65)。CTRX使用者2,057人の多変量ロジスティック回帰分析では、脳症は女性性(OR 1.52;95%CI:1.05-2.19)、CKD(OR 2.32;95%CI:1.47-3.67)、CTRX投与量2g/日以上(OR 2.66;95%CI:1.66-4.26)、および治療期間14日以上(OR 1.94;95%CI:1.21-3.11)に関連していることが示された。」

Analysis of the frequency of ceftriaxone-induced encephalopathy using the Japanese Adverse Drug Event Report database

Int J Clin Pharm . 2022 Apr 21.

PMID: 35449346

【アブストのみ】

 

㉔「ESBL産生エンテロバクター属におけるセフメタゾールおよびフロモキセフの腎機能を考慮した投与量を検討。cefmetazoleの至適投与量は、CCRが30 mL/min未満、31~59 mL/min、60 mL/min以上では、それぞれ1 g q12 h、1 g q8 h、1 g q6 hであることが示唆された。また、CCRが10未満、10~50、50mL/min以上の患者におけるフロモキセフの至適投与量は、それぞれ1g×24時間、1g×8時間または12時間、1g×6時間であることが示された。」

Pharmacokinetic/Pharmacodynamic Analysis and Dose Optimization of Cefmetazole and Flomoxef against Extended-Spectrum β-Lactamase-Producing Enterobacterales in Patients with Invasive Urinary Tract Infection Considering Renal Function

Antibiotics (Basel) . 2022 Mar 28;11(4):456.

PMID: 35453208

【フリー】

 

㉕「13価肺炎球菌ワクチン(PCV13)の接種を受けた米国高齢者における全原因性肺炎および下気道感染症(LTRI)による入院の発生率へのワクチンの効果を検討した後ろ向きコホート研究(n=192,061;女性56%)。肺炎の入院は3,488人・3,766回、LRTIの入院は3,846人・4,173回であった。PCV13 は、肺炎入院に対して 10.0%(95%CI:2.4-17.0)、LRTI入院に対して9.4%(95%CI:2.1-16.1)の調整ワクチン効果(VE)と関連していた。」

Incidence and Estimated Vaccine Effectiveness Against Hospitalizations for All-Cause Pneumonia Among Older US Adults Who Were Vaccinated and Not Vaccinated With 13-Valent Pneumococcal Conjugate Vaccine

JAMA Netw Open . 2022 Mar 1;5(3):e221111.

PMID: 35302634

【フリー】

 

㉖「季節性インフルエンザワクチン接種が致命的および非致死的な心血管イベントのリスク低下と関連するかどうかを評価したRCTのメタ解析(6試験;n=9,001;平均年齢65.5歳;女性42.5%;心疾患歴あり52.3%)。インフルエンザワクチンは、複合心血管系イベントのリスク低下と関連していた(3.6% vs 5.4%;RR 0.66;95%CI:0.53~0.83)。心血管死亡率については、最近のACSを発症した患者(RR 0.44;95%CI:0.23-0.85)と最近のACSを発症していない患者(RR 1.45;95%CI:0.84-2.50)間でも治療相互関係が検出された。一方、ワクチン接種者の1.7%が心血管系の原因で死亡したのに対し、プラセボまたはコントロールの接種者の2.5%が死亡した(RR 0.74;95%CI:0.42-1.30)。」

Association of Influenza Vaccination With Cardiovascular Risk: A Meta-analysis

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e228873.

PMID: 35486404

【フリー】

 

㉗「B型肝炎ウイルスの垂直感染を予防するための薬理学的介入の有効性と安全性を検討したRCTのメタ解析(19試験)。乳児へのB型肝炎ワクチン接種とB型肝炎免疫グロブリンの併用は、ワクチン接種のみと比較して感染リスクを有意に減少させ、リスク比は0.52(95%CI:0.30-0.91)であることが示された。母体のテノホビルの追加のみが、乳児へのB型肝炎ワクチン接種とB型肝炎免疫グロブリンの併用と比較して感染リスクをさらに低減した(RR 0.10;95%CI:0.03-0.35)が、テルビブジン、ラミブジン、母体のB型肝炎免疫グロブリンの追加はリスクを低減しなかった。」

Comparative efficacy and safety of pharmacologic interventions to prevent mother-to-child transmission of hepatitis B virus: a systematic review and network meta-analysis

Am J Obstet Gynecol . 2022 Mar 6;S0002-9378(22)00170-3.

PMID: 35263648

【フリー】

 

㉘「軽症の成人COVID-19におけるファビピラビルの有効性を検討した二重盲検RCT。ファビピラビル1800mgを1日2回、その後800mgを1日2回、計5~7日間経口投与(n=112)またはマッチングプラセボ(n=119)のいずれかに割り付け(年齢中央値37歳;男性67%)。主要評価項目であるRCRによるウイルスクリアランスまでの期間中央値は、ファビピラビル群10日、プラセボ群8日で、ファビピラビル群のハザード比は0.87(95%CI:0.571-1.326)であった。臨床的回復までの期間の中央値は、ファビピラビル群で7日、プラセボ群で7日であった。副次的アウトカムである入院については、両群間に差はなかった。また、薬剤に起因する重篤な有害事象は認められなかった。」

Efficacy of favipiravir in adults with mild COVID-19: a randomized, double-blind, multicentre, placebo-controlled clinical trial

Clin Microbiol Infect . 2022 Apr;28(4):602-608.

PMID: 35026375

【フリー】

 

㉙「軽度から中等度のCOVID-19患者において、カシリビマブおよびイムデビマブの皮下投与(n=969)が非投与(n=1,306)および静脈内投与(n=1,216)と比較して、28日間の入院および死亡の減少と関連するかどうかを検討した前向きコホート研究(平均年齢54歳;女性55%)。2021年7月14日から10月26日に行われた。1:2でマッチングした皮下投与群と非投与群での比較では、皮下投与群(n=653)において28日の入院または死亡の割合は3.4%、非投与群では 7.0%だった(リスク比 0.48;95%CI:0.30-0.80)。皮下投与または静脈内投与のカシリビマブおよびイムデビマブの投与を受けた患者2185人において、入院または死亡の28日率は 2.8% vs 1.7%で、調整リスク差が1.5%(95%CI:-0.6% to 3.5%)であった。」

Association of Subcutaneous or Intravenous Administration of Casirivimab and Imdevimab Monoclonal Antibodies With Clinical Outcomes in Adults With COVID-19

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e226920.

PMID: 35412625

【フリー】

 

㉚「中和抗体であるAZD7442(tixagevimabとcilgavimab)のCOVID-19予防効果を検討したRCT。AZD7442 300 mg群(n=3,460)または生理食塩水プラセボ群(n=1,737)に割り付け、主要解析では最大183日間追跡された。AZD7442群35.3%およびプラセボ群34.2%が、少なくとも1つの有害事象を報告した。症候性Covid-19は、AZD7442群0.2%に、プラセボ群1.0%に発生した(相対リスク減少 76.7%;95%CI:46.0 to 90.0)。6ヵ月中央値の延長追跡調査では、相対リスク減少は82.8%(95% CI:65.8 to 91.4)であった。重度または重症のCovid-19が5例、Covid-19に関連する死亡が2例発生し、いずれもプラセボ群であった。」

Intramuscular AZD7442 (Tixagevimab-Cilgavimab) for Prevention of Covid-19

N Engl J Med . 2022 Apr 20.

PMID: 35443106

【フリー】

 

㉛「軽度および中等度の入院Covid-19患者を対象としたインドメタシン(n=103)とパラセタモール(n=107)の有効性を比較したオープンラベルRCT(n=210)。主要評価項目であるSpO2≦93の低酸素の発現は、インドメタシン群では発現しなかったが、パラセタモール群では107例中20例に発現した。またインドメタシン群では、パラセタモール群と比較して症状の緩和が早く、ほとんどの症状が半分の時間で消失した。さらに、パラセタモール群では107名中56名が7日目に発熱したが、インドメタシン群では発熱した患者はいなかった。」

An open label randomized clinical trial of Indomethacin for mild and moderate hospitalised Covid-19 patients

Sci Rep . 2022 Apr 19;12(1):6413.

PMID: 35440611

【フリー】

 

㉜「COVID-19ワクチン接種後および非COVID-19ワクチン接種後の心筋炎の発生率を検討し、比較したメタ解析(22試験;405,272,721接種)。心筋炎の全発生率は、100万回接種あたり33.3例(95%CI:15.3-72.6)で、COVID-19ワクチン接種者(18.2;95%CI:10.9-30.3;11試験;395,361,933接種)とCOVID-19以外のワクチン接種者(56.0;95%CI:10.7-293.7;11試験;9,910,788接種)との間で有意差は認められなかった。COVID-19ワクチン接種と比較して、心筋炎の発生率は天然痘ワクチン接種後に有意に高かったが(132.1;95%CI:81.3-214.6)、インフルエンザワクチン接種後(1.3;95%CI:0.0-884.1)、または天然痘以外の各種ワクチン接種(57.0;95%CI:1.1-3,036.6)について報告している研究では有意差がなかった。COVID-19ワクチンを接種した人のうち心筋炎の発生率は、男性(vs 女性)、30歳未満(vs 30歳以上)、mRNAワクチン接種後(vs 非RNAワクチン)、ワクチン2回目接種後(vs 1・3回目)で有意に高かった。」

Myopericarditis following COVID-19 vaccination and non-COVID-19 vaccination: a systematic review and meta-analysis

Lancet Respir Med . 2022 Apr 11;S2213-2600(22)00059-5.

PMID: 35421376

【フリー】

 

㉝「Covid-19 関連転帰の予防における BNT162b2 ワクチンの 4 回目接種の早期の有効性を評価するため、イスラエル最大の医療組織で記録された2022年1月3日~2月18日のデータを解析した。60歳以上における4回目接種の相対的な有効性を、4ヵ月以上前に行われた3回目接種の有効性と比較評価するために行われたマッチングコホート研究。主要解析の対象はマッチさせたペア182,122組であった。4回目接種後7~30日の時点での相対的なワクチン有効率は、SARS-CoV-2感染の予防において45%、有症状の Covid-19の予防において55%、Covid-19関連入院の予防において68%、重症Covid-19の予防において62%、Covid-19 関連死の予防において74%と推定された。4 回目接種後14~30日の時点でのそれぞれの推定値は、52%、61%、72%、64%、76%であった。4 回目接種後 7~30 日の時点での絶対リスクの差(3回接種 vs 4回接種)は、Covid-19関連入院については10万人あたり180.1例、重症Covid-19については10万人あたり68.8例であった。」

Fourth Dose of BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Setting

N Engl J Med . 2022 Apr 13.

PMID: 35417631

【フリー】

 

㉞「妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の周産期の転帰を評価した後ろ向きコホート研究(n=97,590;平均年齢31.9歳;23%が妊娠中に少なくとも1回のCOVID-19ワクチン接種(63.6%が第3期中に1回接種;99.8%がmRNAワクチンを接種))。妊娠中と妊娠後のワクチン接種者(n=44 815)を比較してアウトカムのリスクに変わりはなかった。産後出血のリスク(発生率 3.0% vs 3.0%;調整リスク差(aRD) -0.28/100人(95%CI:-0.59 to 0.03);調整リスク比(aRR) 0.91;95%CI:0.82-1.02)、絨毛羊膜炎(0.5% vs 0.5%;aRD -0.04/100人(95% CI -0.17 to 0.09;aRR 0.92;95%CI:0.70-1.21)、帝王切開分娩(30.8% vs 32.2%;aRD -2.73/100人(95%CI:-3.59 to -1.88;aRR 0.92(95%CI:0.89-0.95)、NICU入室(11.0% vs 13.3%;aRD -1.89/100人(95%CI:-2.49 to -1.30);aRR 0.85(95%CI:0.85(95%CI:0.80-0.90)、低アプガースコア(1.8% vs 2.0%;aRD -0.31/100人(95%CI:-0.56 to -0.06;aRR 0.84;95%CI:0.73-0.97)。結果は、どの時点でもCOVID-19のワクチン接種を受けなかった人(n=30,115)と比較しても、定性的には同様であった。」

Association of COVID-19 Vaccination in Pregnancy With Adverse Peripartum Outcomes

JAMA . 2022 Apr 19;327(15):1478-1487.

PMID: 35323842

【フリー】

 

㉟「COVID-19ワクチン接種後のGBSの症例と発生率を記載し、Ad.26.COV2.S(Janssen)およびmRNAワクチン接種後のギランバレー症候群(GBS)のリスクを評価したデータベースを用いた研究(15,120,073回分のCOVID-19ワクチンが7,894,989人(平均年齢46.5歳;女性53.8%、483,053回Ad.26.COV2.S 投与;8,806,595回BNT162b2 投与;5,830,425回 mRNA-1273 投与)。Ad.26.COV2.S投与後にGBSが確認された症例は11例であり、Ad.26.COV2.S投与後1~21日の10万人年当たりのGBSの未調整発生率は32.4(95%CI:14.8-61.5)で、バックグラウンド率より有意に高く、Ad.26.COV2.S投与後1~21日と22~42日における調整済みRRは6.03(95%CI:0.79-147.79)であった。mRNAワクチン後のGBSは36例確認され、mRNAワクチン後1~21日の10万人年当たりの未調整発生率は1.3(95%CI:0.7-2.4)、mRNAワクチン後1~21日 vs 22~42日の調整済みRRは0.56(95%CI:0.21-1.48)であった。Ad.26.COV2.SとmRNAワクチンのhead-to-head比較では、調整済みRRは20.56(95%CI:6.94-64.66)でした。」

Incidence of Guillain-Barré Syndrome After COVID-19 Vaccination in the Vaccine Safety Datalink

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e228879.

PMID: 35471572

【フリー】

 

 

☆その他

㊱「脱毛症重症度ツール(SALT)スコア(範囲:0[頭髪の脱毛なし]~100[頭髪の完全脱毛])が50以上の重症円形脱毛症の成人を対象として、円形脱毛症に対するバリシチニブの有効性を検討した2つのRCT(BRAVE-AA1 試験,BRAVE-AA2 試験)。患者を、バリシチニブ4mg1日1回群、バリシチニブ2mg1日1回群、プラセボ群に3:2:2 の割合で割り付け。主要転帰は、36週の時点でのSALTスコアが20以下であることとした。BRAVE-AA1試験には654例、BRAVE-AA2試験には546例を組み入れた。36週の時点でSALTスコアが20以下であった患者の割合は、BRAVE-AA1試験のバリシチニブ4mg群では 38.8%、バリシチニブ2mg群では22.8%、プラセボ群では6.2%と推定され、BRAVE-AA2試験ではそれぞれ35.9%、19.4%、3.3%と推定された。BRAVE-AA1試験では、バリシチニブ4mg群とプラセボ群との差は 32.6 パーセントポイント(95%CI:25.6~39.5)であり、バリシチニブ2mg群とプラセボ群との差は 16.6 パーセントポイント(95%CI:9.5~23.89であった。BRAVE-AA2 試験では、差はそれぞれ32.6パーセントポイント(95%CI:25.6~39.6)と、16.1パーセントポイント(95%CI:9.1~23.2)であった。バリシチニブ群では、痤瘡、CK上昇、LDL上昇、HDL上昇の頻度がプラセボ群よりも高かった。」

Two Phase 3 Trials of Baricitinib for Alopecia Areata

N Engl J Med . 2022 Mar 26.

PMID: 35334197

【アブストのみ】

 

㊲「非心臓手術を受ける患者を対象に、手術開始時と終了時にトラネキサム酸(1g静注)(n=4,757)またはプラセボを投与する群(n=4,778)に患者を無作為に割り付け、有効性と安全性を検討したRCT(非劣性マージン1.125)。複合出血転帰イベント(30 日目における非心臓手術後の心筋損傷、非出血性脳卒中、末梢動脈血栓症、症候性近位静脈血栓塞栓症)は、トラネキサム酸群9.1%、プラセボ群11.7%に生じた(HR 0.76;95%CI:0.67~0.87)。複合心血管系転帰イベント(30日目における非心臓手術後の心筋損傷、非出血性脳卒中、末梢動脈血栓症、症候性近位静脈血栓塞栓症)は、トラネキサム酸群14.2%、プラセボ群13.9%に発生した(HR 1.02;95%CI;0.92~1.14)。」

Tranexamic Acid in Patients Undergoing Noncardiac Surgery

N Engl J Med . 2022 Apr 2.

PMID: 35363452

【アブストのみ】

 

㊳「プライマリケアにおける膝関節痛の患者に対して、グルココルチコイドIM(筋肉内注射)がIA(関節腔内注射)に比べて非劣性であるかどうかを調査したRCT。腹臀部にIM(n=72)または膝関節にIA(n=66)でトリアムシノロンアセトニド40mgの注射を受けるように無作為に割り付け(女性65%;平均年齢67歳;非劣性マージン -7(IM-IA))。主要アウトカムである4週間後の両群間のKnee Injury and Osteoarthritis Outcome Scoreの推定平均差は-3.4(95%CI:-10.1 to 3.3)であった。8週目(平均差 0.7;95%CI:-6.5 to 7.8)、24週目(平均差 1.6;95%CI:-5.7 to 9.0)で筋肉内注射はIA注射に対して非劣性であった。すべての副次的アウトカムで有意差は認められなかった。」

Effect of Intramuscular vs Intra-articular Glucocorticoid Injection on Pain Among Adults With Knee Osteoarthritis: The KIS Randomized Clinical Trial

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e224852.

PMID: 35380645

【フリー】

 

㊴「潜在的に不適切な薬剤(PIM)の検出基準とデプレスクリプションアルゴリズムを組み合わせた薬剤師の介入が、PIMの是正、薬剤数の減少、再入院の減少に及ぼす効果を評価することを目的とした前向き観察研究。1日1種類以上の薬剤を処方された65歳以上の新入院患者が登録され、薬剤師がPIMを検出し、デプレスクリプションアルゴリズムを用いて変更を検討し、医師に変更を提案した。PIMなし群(n=304)、PIMの変更を提案しなかった患者(提案なし群)(n=115)、PIMの変更を提案した患者(提案あり群)(n=125)で、退院時に投薬数が減少した患者の割合、30日および90日以内の再入院率を比較検討した(n=544;年齢中央値75.0歳;男性54.4%;服薬数中央値6.0/患者)。PIMの総数は432件であり、そのうち43.8%に対して変更が提案され、その91.0%が変更された。投薬数が減少した患者の割合は、PIMなし群および提案なし群に比べ、提案群で有意に高かった(それぞれ56.8% vs 26.6% vs 19.1%; 両比較でP<0.001)。30日以内と90日以内の再入院率には3群間で有意差はなかった。」

Effectiveness of pharmacist intervention for deprescribing potentially inappropriate medications: a prospective observational study

J Pharm Health Care Sci . 2022 Apr 5;8(1):12.

PMID: 35382881

【フリー】

 

㊵「偏頭痛治療薬としてのCGRP拮抗薬の有効性と安全性を検討したRCTのメタ解析(26試験;n=21,736;CGRP拮抗薬群n=13,635、対照群n=8,101)。メタ解析の結果、対照群と比較して、CGRP拮抗薬は以下のアウトカム指標を含む様々な有意な効果と関連していることが示された。(1)平均月間片頭痛日数がベースラインから50%以上減少した患者数(RR 1.50; 95%CI:1.39-1.62)、(2)投与後2時間で痛みがなくなった患者数(RR 1.98;95%CI:1.77-2.20)、(3)投与後2~24時間無痛状態が持続した患者数(RR 2.18;95%CI:1.93-2.46)。何らかの有害事象が発生した患者数は、対照群に比べ拮抗薬群で有意に多かった(RR 1.08;95%CI:1.04-1.12)。」

Efficacy and safety of calcitonin gene-related peptide antagonists in migraine treatment: A meta-analysis

Brain Behav . 2022 Apr;12(4):e2542.

PMID: 35261165

【フリー】

 

㊶「H2RA使用者のIBD(クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)、顕微鏡的大腸炎(MC))のリスクを推定するために行われた観察研究のメタ解析(4試験;n=8,939)。H2RA使用者は非使用者に比べてIBDのリスクが有意に高い(OR: 2.27;95%CI:1.70-3.02)ことが明らかになった。」

Use of histamine-2 receptor antagonists and risk of inflammatory bowel diseases: A systematic review and meta-analysis of observational studies

J Clin Pharm Ther . 2022 Apr 10.

PMID: 35403222

【フリー】

 

㊷「成人および小児における抗けいれん性気分安定薬(カルバマゼピン、ラモトリギン、オクスカルバゼピン、バルプロ酸)の2型糖尿病リスクに対する安全性を評価したコホート研究(抗痙攣性気分安定薬を開始した成人n=274,206名;女性58%、平均年齢39.9歳、子供n=74,005;女性52%;平均年齢15.6歳)。成人ではバルプロ酸の投与開始は、ラモトリギンの投与開始と比較して2型糖尿病発症リスクの上昇と関連していた(5年リスク差(RD) 1.17%;95%CI:0.66%~1.76%)。バルプロ酸を投与された患者1人が5年以内に2型糖尿病を発症するために必要な害の数は、ラモトリギンを投与された患者と比較して87人であった。カルバマゼピンやオクスカルバゼピンとラモトリギンを比較すると、推定された関連性はより小さくより多様であった。小児ではRDはより小さく、より変動が大きかった(オクスカルバゼピン vs ラモトリギンの開始5年RD 0.29%;95%CI:-0.12% to 0.69%、バルプロ酸 vs ラモトリギンの開始5年RD 0.18%;95%CI:-0.09% to 0.49%)。」

Comparison of Rates of Type 2 Diabetes in Adults and Children Treated With Anticonvulsant Mood Stabilizers

JAMA Netw Open . 2022 Apr 1;5(4):e226484.

PMID: 35385086

【フリー】

 

㊸「小児におけるPPIの使用と肺炎のリスクとの関連を評価したself-controlled case series study。PPIによる治療を受け、PPI開始前1年以内と開始後2年以内に肺炎による入院または病院救急受診を経験した18歳未満の小児が対象。主要解析では、リスク期間(PPI治療継続中)、曝露前期間(PPI治療前30日以下)、曝露後期間(PPI中止後1~365日)の肺炎リスクを非曝露期間と比較検討した。2,356例の肺炎が含まれ、非暴露期と比較してPPI投与中は肺炎リスクが有意に上昇し、調整発生率比(IRR)は1.40(95%CI:1.21〜1.62)であった。肺炎のリスクは、曝露前の期間でも上昇したが(調整後IRR 1.80;95%CI:1.51~2.13)、曝露後の期間では上昇しなかった(調整後IRR 0.98:95%CI:0.89~1.08)。リスク期間を治療開始からの時間で割ると、肺炎のリスク増加は最初の30日間で最も高く(調整済みIRR 1.63;95%CI:1.35~1.97)、31~90 日間で持続し(調整済みIRR 1.32;95%CI:1.04~1.69)、91 日以上では減少した(IRR 1.06;95%CI:0.79~1.41)。」

Association between proton pump inhibitor use and risk of pneumonia in children: nationwide self-controlled case series study in Sweden

BMJ Open . 2022 Apr 21;12(4):e060771.

PMID: 35450917

【フリー】

 

㊹「PPIの長期使用と糖尿病発症リスクを評価したコホート内症例対象研究。新たにPPIによる治療を受けた患者777,420人のコホートにおいて、2020年までに糖尿病と診断された合計50,535例をマッチング。PPIを8週間未満使用した患者と比較して、8週間以上6ヶ月未満、6ヶ月以上2年未満、2年以上使用した患者では、それぞれ19%(95%CI:15-24%)、43%(95%CI:38-49%)、56%(95%CI:49-64%)の高い糖尿病発症のオッズが観察された。」

Prolonged use of proton pump inhibitors and risk of type 2 diabetes: results from a large population-based nested case-control study

J Clin Endocrinol Metab . 2022 Apr 16;dgac231.

PMID: 35428888

【フリー】

 

㊺「認知機能改善薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン)の単独または任意の組み合わせと、他の認知機能改善薬またはプラセボとの比較を行ったRCTのネットワークメタ解析。ドネペジル(平均差(MD) 1.41;95%CI:0.51~2.32)およびドネペジル + メマンチン(MD 2.57;95%CI:0.07~5.07)はプラセボと比較してMMSEスコアを改善した(56RCT;n=11,619)。P-scoreによると、経口リバスチグミン(OR 1.26;95%CI:0.82~1.94)とドネペジル(OR 1.08;95%CI:0.87~1.35)が最も好ましくない安全性プロファイルだった(45RCT;n=15,649)。中等度から重度の障害に対しては、ドネペジル、メマンチン、およびそれらの併用療法が最も優れた効果を示し、軽度から中等度の障害に対しては、ドネペジルと経皮的リバスチグミンが最も優れた順位を示しました。」

Comparative safety and efficacy of cognitive enhancers for Alzheimer's dementia: a systematic review with individual patient data network meta-analysis

BMJ Open . 2022 Apr 26;12(4):e053012.

PMID: 35473731

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今回は以上になります!

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