リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

個人的に気になった最新論文約30選の要約(2022.1)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

その月に気になった最新論文30本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!

論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。

日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。

癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。

 

【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。

それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。

 

今回は2022年1月分を。50取り上げております。

 

 

☆抗糖尿病薬

①「2型糖尿病およびその他の心血管疾患の危険因子を有する患者におけるSGLT2iと心血管アウトカムの関連性を検討するために行われたプラセボ対象RCTのメタ解析(10試験;n=71,553;平均年齢65.2歳;平均追跡期間2.3年)。SGLT2i使用の6つの有効性アウトカム(主要アウトカムとして心血管死および心不全による入院(HHF)、副次アウトカムとして主要有害事象、HHF、心血管死、急性心筋梗塞、全死因死亡)を評価対象とした。SGLT2i群は主要転帰が有意に低下した(8.10% vs 11.56%;OR 0.67;95%CI:0.55-0.80)。急性心筋梗塞の発生率はプラセボ群と差がなかった(4.66% vs 4.70%;OR 0.95;95%CI:0.87-1.03)。」

Association of Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors With Cardiovascular Outcomes in Patients With Type 2 Diabetes and Other Risk Factors for Cardiovascular Disease: A Meta-analysis

JAMA Netw Open . 2022 Jan 4;5(1):e2142078.

PMID: 34985519

【フリー】

 

②「GLP1-RAまたはDPP4iを開始した人の腎臓および心血管アウトカムを比較したコホート研究。主要評価項目は、クレアチニン値の持続的な2倍化、腎不全、腎臓死の複合とした。合計19,766人が組み入れられ、そのうち5,699人がGLP1-RAを開始し、平均年齢は63歳、中央値で2.9年間追跡調査された。GLP1-RAとDPP4iの調整後ハザード比は、複合腎臓アウトカムで0.72(95%CI:0.53-0.98)、MACEで0.85(95%CI:0.73-0.99)で、5年リスクの絶対減少率はそれぞれ0.8%と1.6%であった。ハザード比は、心血管死が0.79(95%CI:0.60-1.05)、心筋梗塞が0.86(95%CI:0.68-1.09)、脳卒中が0.74(95%CI:0.59-0.93)であった。」

GLP-1 receptor agonist versus DPP-4 inhibitor and kidney and cardiovascular outcomes in clinical practice in type-2 diabetes

Kidney Int . 2022 Feb;101(2):360-368.

PMID: 34826514

【アブストのみ】

 

 

☆抗凝固/抗血小板薬

③「心房細動患者における5年間のDOACの服薬アドヒアランスを調査したカナダのコホート研究(n=19,749;平均年齢70.6;男性56%;平均CHA2DS2-VAScスコア2.8)。4段階にアドヒアランスを分類したところ、「一貫したアドヒアランス」(74%)、「急速な低下と中止」(12%)、「急速な低下と一部回復」(10%)、「ゆっくりと低下と中止」(4%)となった。」

Longitudinal Oral Anticoagulant Adherence Trajectories in Patients With Atrial Fibrillation

J Am Coll Cardiol . 2021 Dec 14;78(24):2395-2404.

PMID: 34886959

【アブストのみ】

 

④「ワルファリンまたはDOACを服用している65歳以上の患者において、抗凝固薬を服用していない患者と比較して頭部外傷による救急部受診後の頭蓋内出血(ICH)のリスクを評価した後ろ向きコホート研究。傾向スコアで患者をマッチングし、抗凝固状態(ワルファリン vs DOAC、ワルファリン vs 抗凝固剤なし、DOAC vs 抗凝固剤なし)に基づく3対のマッチングコホートを作成した。頭部外傷患者77,834例を同定し、その内訳は非抗凝固療法群83.4%、DOAC群11.8%、ワルファリン群4.8%であった。このうち、救急外来の指標となる受診時にICHを発症していた患者は5.9%だった。ワルファリン投与患者は、マッチしたDOAC群(RR 1.43;95%CI:1.20-1.69)および非抗凝固療法群(RR 1.36;95%CI:1.15-1.61)と比較してICHリスクが増加した。DOAC群と非抗凝固療法群との間で、ICHの差は認められなかった。ICHを発症した患者において、30日死亡率は抗凝固療法の状況や種類による差は認められなかった。」

Intracranial hemorrhage after head injury among older patients on anticoagulation seen in the emergency department: a population-based cohort study

CMAJ . 2021 Oct 12;193(40):E1561-E1567.

PMID: 35040805

【フリー】

 

⑤「AF患者におけるVKAとDOACの間で頭蓋内出血(ICH)のリスクを比較したRCTのネットワークメタ解析(n=82,404)。DOACは累積順位曲線下面(SUCRA)の計算によりランク付けされた。DOACはVKAと比較してICHリスクをほぼ半減させた(OR 0.47;95%CI:0.40-0.54)。VKAはすべての経口抗凝固薬の中で最も安全性が低かった(SUCRA 1.7)。ダビガトラン110mgは、ICHリスクに対して最も安全なDOAC(SUCRA 87.3)であり、リバーロキサバン20mgは比較的安全でないDOAC(SUCRA 27.5)であった。ダビガトラン110mgは、リバーロキサバン20mgと比較して、ICHの相対リスクが53%(OR 0.47;95%CI:0.27〜0.829)低下した」

Risk of Intracranial Hemorrhage Caused by Direct Oral Anticoagulants for Stroke Prevention in Patients With Atrial Fibrillation (from a Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials)

Am J Cardiol . 2022 Jan 1;162:92-99.

PMID: 34756593

【アブストのみ】

 

⑥「心房細動患者における直接経口抗凝固薬とワルファリンとの比較したRCTのメタ解析(n=71,683;標準用量DOAC:n=29,362、低用量DOAC:n=13,049、ワルファリン:n=29,272)。ワルファリンと比較して、標準用量DOACは脳卒中または全身性塞栓症(3.01% vs 3.69%;HR 0.81;95% CI:0.74-0.89)、死亡(7.76% vs 8.42%;HR 0.92;95%CI:0.87-0.97)、頭蓋内出血(0.63% vs 1.40%;HR 0.45;95%CI:0.37-0.56)のハザードが有意に低かった。一方、低用量DOACは、脳卒中または全身性塞栓症のハザードに統計的な違いはなかった(3.96% vs 3.69%;HR 1.06;95%CI:0.95-1.19)が、頭蓋内出血(0.42% vs 1.40%;HR 0.28;95%CI:0.21-0.37)、死亡(8.29% vs 8.42%;HR 0.90;95%CI:0.83-0.97)、 および大出血(4.34% vs 5.94%;HR 0.63;95%CI:0.45-0.88)は低率であった。脳卒中または全身性塞栓症および死亡に対する標準用量および低用量DOACのワルファリンに対する治療効果は年齢や性別にかかわらず一貫していたが、クレアチニンクリアランスが低い患者では標準用量DOACが有利であった(P=0.09)。大出血については、体重の少ない患者では標準用量のDOACが有利であった(P=0.02)。」

Direct Oral Anticoagulants Versus Warfarin in Patients With Atrial Fibrillation: Patient-Level Network Meta-Analyses of Randomized Clinical Trials With Interaction Testing by Age and Sex

Circulation . 2022 Jan 25;145(4):242-255.

PMID: 34985309

【アブストのみ】

 

⑦「静脈血栓塞栓症のリスクが高いCOVID-19入院患者に、退院時に35日間リバーロキサバン10 mg/日投与群(n=160)または抗凝固剤を全く行わない群(n=160)に無作為に割り付け、有効性を検討した非盲検化RCT。主要評価項目は、35 日目における症候性または致死性の静脈血栓塞栓症、両下肢静脈超音波検査および CT 肺動脈造影による無症候性静脈血栓塞栓症、症候性動脈血栓塞栓症および心血管死の複合であった。すべての患者は、入院中に標準量のヘパリンによる血栓予防を受けた。52%の患者は入院中に集中治療室にいた。主要評価項目は、リバーロキサバン群3%、抗凝固療法なし群 9%で発生した(相対リスク 0.33;95%CI:0.12-0.90)。いずれの試験群でも大出血は発生しなかった。」

Rivaroxaban versus no anticoagulation for post-discharge thromboprophylaxis after hospitalisation for COVID-19 (MICHELLE): an open-label, multicentre, randomised, controlled trial

Lancet . 2022 Jan 1;399(10319):50-59.

PMID: 34921756

【フリー】

 

⑧「AF患者におけるDOAC投与とワルファリン投与の骨折リスクの違いを評価した観察研究のメタ解析。351,208人の患者と9,424人の骨折からなる6つの研究がこのメタ分析に含まれた。全体として、DOACで治療された心房細動患者は、ワルファリンで治療された患者と比較してあらゆる骨折のリスクが低い傾向にあることがわかった(相対比 0.82;95%CI:0.74-0.91)。個々のDOACのサブ解析では、アピキサバンおよびリバーロキサンは、ワルファリンと比較してあらゆる骨折のリスクが低いことが示された(それぞれ、HR 0.75;95%CI:0.60-0.92、HR 0.79;95%CI:0.71-0.88)。」

Fracture risks in patients with atrial fibrillation treated with different oral anticoagulants: a meta-analysis and systematic review

Age Ageing . 2022 Jan 6;51(1):afab264.

PMID: 35077554

【フリー】

 

☆循環器関連(抗凝固/抗血小板薬以外)

⑨「RASiを開始し、高K血症(>5.0mmol/L)の初回エピソードで生存した患者を対象に、高K血症後6ヵ月以内にRASiを中止する場合と継続する場合を比較した観察研究。アウトカムは、死亡、主要有害心血管イベント(MACE、心血管死、心筋梗塞、脳卒中入院の複合)、高K血症再発の3年リスクとした。高カリウム血症を発症したRASiの新規使用者5669人(年齢中央値72歳;女性44%)のうち、25%が6ヵ月以内にRASi治療を中止した。RASiを継続した場合と比較して、治療中止は3年間の死亡リスク(絶対リスク差10.8%;HR 1.49;95%CI:1.34-1.64)およびMACE(リスク差 4.7%;HR 1.29;95%CI:1.14-1.45)に対して高いが、高カリウム血症の再発リスク(リスク差 -9.5%;HR 0.76;95%CI:0.69-0.84)は低いことが示された。」

Stopping renin-angiotensin system inhibitors after hyperkalemia and risk of adverse outcomes

Am Heart J . 2022 Jan;243:177-186.

PMID: 34610282

【フリー】

 

⑩「EPAおよびDHAを含む天然由来のオキアミ油(ω-3-PL/FFA[CaPre])の有効性および安全性を、空腹時TG値およびその他の脂質パラメータによって測定して検討した第3相二重盲検RCT。ω-3-PL/FFA(4g/日)とプラセボ(コーンスターチ)を2.5:1.0で26週間無作為に割り付け。平均年齢54.9歳(男性65.2%;平均BMI31.5;ベースラインの平均TG値701mg/dL;n=520)。ITT解析では、12週目にTG値はω-3-PL/FFA群で26.0%(95%CI:20.5%~31.5%)、プラセボ群で15.1%(95%CI:6.6%~23.5%)減少し(平均治療差 -10.9%;95%CI:-20.4 to 1.5%)、26週目に減少は継続した(平均治療差 -12.7%;95%CI:-23.1 to 2.4%)。その他のパラメータに関しては、12週間では平均治療差がそれぞれ、non-HDL-C(-3.2%;95%CI:-8.0% to 1.6%)、VLDL-C(-3.8%;95%CI:-12.2% to 4.7%)、HDL-C(0.7%;95%CI:-3.7% to 5.1%)、LDL-C(4.5%;95%CI:-5.9% to 14.8%)となり、有意な効果を示さなかった。」

Effectiveness of a Novel ω-3 Krill Oil Agent in Patients With Severe Hypertriglyceridemia: A Randomized Clinical Trial

JAMA Netw Open . 2022 Jan 4;5(1):e2141898.

PMID: 34989797

【フリー】

 

⑪「アミオダロン慢性使用者における甲状腺機能低下症(AIH)の頻度を評価(n=14,143;29試験;男性58.2歳)。AIHの有病率は14%(95%CI:12-17%)であることが判明した。さらに性別に層別したところ、男性に対して女性では有意に高いAIH頻度を示した(17% vs 14%)。」

Prevalence of amiodarone-induced hypothyroidism; A systematic review and meta-analysis

Trends Cardiovasc Med . 2022 Jan 10;S1050-1738(22)00003-2.

PMID: 35026394

【アブストのみ】

 

⑫「CKD患者において、高カリウム血症発症(血清K5.5mmol/L以上)後のRASiの投与中止と臨床転帰の関連を評価することを目的とした2つの州(カナダ・マニトバ州n=7,200、オンタリオ州n=71,290)での後ろ向きコホート研究。平均カリウム値と平均eGFRは、マニトバ州では5.8mEq/Lと41ml/min/1.73m2、オンタリオ州では5.7mEq/Lと41ml/min/1.73m2であった。RASiの中止は、全死亡(HR 1.32;95%CI:1.22-1.41(マニトバ州)、HR 1.47;95%CI:1.41-1.52(オンタリオ州)および心血管死亡(それぞれ、HR 1.28;95%CI:1.13-1.44、HR 1.32;95%CI:1.25-1.39)のリスク増加と関連していた。透析開始のリスクは結果が一致しなかった(それぞれ、HR 1.26;95%CI:0.89-1.78、HR 1.11;95%CI:1.08-1.16)。」

Hyperkalemia-Related Discontinuation of Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors and Clinical Outcomes in CKD: A Population-Based Cohort Study

Am J Kidney Dis . 2022 Jan 24;S0272-6386(22)00034-8.

PMID: 35085685

【アブストのみ】

 

⑬「血圧へのCa補給の影響を検討するために行われた、正常血圧の患者をサプリメントまたは食品強化などの食事性カルシウム介入とプラセボまたは対照に割り付けたRCTのメタ解析(18試験;n=3,140)。収縮期および拡張期血圧に対する効果は、それぞれ平均差(MD)-1.37mmHg(95%CI:-2.08 to -0.66;n=3,140;18試験;I2=0%およびMD -1.45(95%CI:-2.23 to -0.67;n=3,039;17試験;I2=45%)。35歳未満の収縮期および拡張期血圧に対する効果は以下の通りであった。MD -1.86(95%CI:-3.45 to -0.27;n=452;8試験;I2=19%)およびMD -2.50(95%CI:-4.22 to -0.79;n=351;7試験;I2=54%)。35歳以上の収縮期および拡張期血圧に対する効果は以下の通りであった。MD -0.97(95%CI:-1.83 to -0.10;n=2,688;10試験;I2=0%)およびMD -0.59(95%CI:-1.13 to -0.06;n=2,688;10試験;I2=0%)。女性の収縮期および拡張期血圧に対する効果はそれぞれ、MD -1.25(95%CI:-2.53 to 0.03;n=1,915;8試験;I2=0%)およびMD -1.04(95%CI:-1.86 to -0.22;n=1,915;8試験;I2=4%)であった。男性の収縮期および拡張期血圧に対する効果は、それぞれMD -2.14(95%CI:-3.71 to -0.59;n=507;5試験;I2=8%)およびMD -1.99(95%CI:-3.25 to -0.74;n=507;5試験;I2=41%)であった。」

Calcium supplementation for prevention of primary hypertension

Cochrane Database Syst Rev . 2022 Jan 11;1(1):CD010037.

PMID: 35014026

【アブストのみ】

 

⑭「高血圧の第一選択薬として使用されるCCBが、他のクラスの降圧薬と比較して、主要な有害心血管イベントの発生を抑制する効果が異なるかどうかを明らかにするために行われたRCTのメタ解析(23試験;n=153,849)。全死亡率は、第一選択薬のCCBと他の降圧クラスとの間に差はなかった。利尿薬と比較して、CCBはおそらく主要な心血管イベントを増加させ(RR 1.05;95%CI:1.00~1.09)、鬱血性心不全イベントを増加させた(RR 1.37;95%CI:1.25~1.51)。β遮断薬と比較して、CCB は次の転帰を減少させた。主要心血管系イベント(RR 0.84;95%CI:0.77~0.92)、脳卒中(RR 0.77;95%CI:0.67~0.88)、心血管死亡率(RR 0.90;95%CI:0.81~0.99)。ACEIと比較すると、CCBは脳卒中を減少させ(RR 0.90;95%CI:0.81~0.99)、鬱血性心不全の増加させた(RR 1.16;95%CI:1.06~1.28)。ARBと比較すると、CCBは心筋梗塞を減少させ(RR 0.82;95%CI:0.72~0.94)、鬱血性心不全を増加させる(RR 1.20;95%CI:1.06~1.36)ことが示された。」

Calcium channel blockers versus other classes of drugs for hypertension

Cochrane Database Syst Rev . 2022 Jan 9;1(1):CD003654.

PMID: 35000192

【アブストのみ】

 

☆抗菌薬/感染症関連

⑮「多剤耐性(MDR)大腸菌による菌血性尿路感染症(bUTI)の標的治療において、FOMがCTRXまたはMEPMに対して非劣性であるかどうかを検討したRCT。対象はMDR E coliによる菌血性尿路感染症の成人患者であり、161例を無作為化し、60日間フォローアップした。ホスホマイシン二ナトリウム4gを6時間ごとに静脈内投与(n=70)または比較薬(CTRXまたは耐性の場合はMEPM;n=73)を行い、4日後にFOM群にはホスホマイシントロメタモール、比較群には活性経口薬または非経口のエルタペネムに変更する選択肢を設定した。主要評価項目は治療終了5~7日後の臨床的・微生物学的治癒(CMC)とした。mITT解析の患者143例(年齢中央値72歳;女性51.0%)において、FOM群68.6%および比較薬群78.1%でCMCに達した(リスク差 -9.4%ポイント;片側95%CI:-21.5 to ∞ポイント)。臨床的または微生物学的失敗は、FOM投与群14.3%および比較薬群19.7%で発生したが(リスク差:-5.4%ポイント;片側95%CI:-∞ to 4.9%ポイント)、有害事象関連の中止率はFOM群で増加した(8.5% vs 0%)。」

Effectiveness of Fosfomycin for the Treatment of Multidrug-Resistant Escherichia coli Bacteremic Urinary Tract Infections: A Randomized Clinical Trial

JAMA Netw Open . 2022 Jan 4;5(1):e2137277.

PMID: 35024838

【フリー】

 

⑯「細菌性市中肺炎の原因としての大腸菌のリスクを他のグラム陰性肺炎および肺炎球菌肺炎と比較した、肺炎で入院した成人患者を対象に大規模な後方視的コホート研究。血液または呼吸器培養が陽性であった肺炎患者8,680人のうち、7.7%が大腸菌性肺炎であった。大腸菌性肺炎患者は、肺炎球菌性肺炎患者よりも症例致死率が有意に高かったが(調整オッズ比 1.55;95%CI:1.23-1.97)、他のグラム陰性肺炎(調整オッズ比 1.06;95%CI:0.85-1.32)と有意差はなかった。」

Epidemiology and Outcomes of Community-Acquired Escherichia coli Pneumonia

Open Forum Infect Dis . 2021 Dec 17;9(1):ofab597.

PMID: 34988258

【フリー】

 

⑰「小児市中肺炎(CAP)に対する抗生剤治療の短期化(5日間)と標準的治療(10日間)を比較検討するために行われたRCT (平均年齢35.7か月;n=380;短期コースn=189、標準コースn=191)。当初処方された治療の6日目に、参加者はプラセボを5日間投与するか、同じ抗生物質をさらに5日間投与するかに割り付けられた。主要評価項目は、各子供の臨床反応、症状の消失、および抗生物質関連副作用を順序的望ましい結果順位(DOOR)でランク付けした複合評価項目である、抗生物質リスク期間調整後治療終了時反応(RADAR)であった。いずれの戦略においても、臨床的反応が不十分であった子どもは10%未満であった。短期コース戦略は、標準コース戦略と比較して、より望ましいRADARの結果をもたらす確率が69%であった。」

Short- vs Standard-Course Outpatient Antibiotic Therapy for Community-Acquired Pneumonia in Children: The SCOUT-CAP Randomized Clinical Trial

JAMA Pediatr . 2022 Jan 18.

PMID: 35040920

【フリー】

 

⑱「感染症が疑われる患者において、救急搬送から抗菌薬投与までの時間は敗血症性ショックへの移行と関連するかを評価した後ろ向きコホート研究。研究に含まれた74,141人の患者のうち7.4%が敗血症性ショックに進行した。敗血症性ショックに移行した患者のうち、88%がトリアージから最初の5時間以内に抗菌薬を投与されていた。多変量ロジスティックモデルでは、最初の抗菌薬投与までの時間(時間単位)は敗血症性ショックへの進行に対して1.03(95%CI:1.02-1.04)、院内死亡に対して 1.02(95%CI:0.99-1.04)のORが示された。重症度で調整すると、初回抗菌薬投与まで1時間遅れるごとに、トリアージから24時間まで1時間ごとに敗血症性ショックへの進行が4.0%増加することが示された。」

Antibiotic Timing and Progression to Septic Shock Among Patients in the ED With Suspected Infection

Chest . 2022 Jan;161(1):112-120.

PMID: 34186038

【アブストのみ】

 

⑲「ブドウ球菌性人工関節周囲炎患者におけるフルオロキノロン系抗菌薬の安全性と忍容性を検討したコホート研究。ブドウ球菌性人工関節周囲感染症に対してデブリードメント、抗生物質、インプラント保持の治療を受けた18歳以上の患者156例を対象とし、64名が人工股関節全置換術(THA)、92名が人工膝関節全置換術(TKA)感染症であった。主要アウトカムは、計画外の薬剤中止率であった。結果として、計画外の薬剤中止はFQ群では35.6%、非FQ群では3%にみられた。FQレジメンの予定外の中止率は、非FQレジメンと比較して、THA感染症では27.5%対4.2%(P=0.021)、TKA感染症では42% vs 2.4%(P<0.001)であった。THA感染症およびTKA感染症のいずれにおいても、FQレジメンと非FQレジメンの間で重篤なADEに有意差はなかった。非FQレジメンと比較したFQレジメンの非重症ADE全体の割合は43.3%対6.1%であった(P<0.001)。FQは腱鞘炎、筋肉痛、関節痛、吐き気と関連していた。」

Safety and Tolerability of Fluoroquinolones in Patients with Staphylococcal Periprosthetic Joint Infections

Clin Infect Dis . 2021 Sep 7;73(5):850-856.

PMID: 33606003

【アブストのみ】

 

⑳「2019年の204の国と地域における23の病原体と88の病原体と薬剤の組み合わせについて、細菌性AMRに起因し関連する死亡と障害調整生存年(DALY)を推定。予測統計モデルに基づくと、2019年の細菌性AMRに関連する死亡は推定495万人であり、細菌性AMRに起因する死亡127万人が含まれた。下気道感染症は、2019年の抵抗力に関連する死亡者数が150万人以上を占め、最も負担の大きい感染症候群となっていた。耐性に関連する死亡の主要な6つの病原体(大腸菌、次いで黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、肺炎球菌、アシネトバクター・バウマニ、緑膿菌)は、AMRに起因する死亡が92万9000人、AMRに関連する死亡が357万であった。2019年のAMRに起因する死亡は、MRSAが10万人を超え、さらに超多剤耐性結核を除く多剤耐性結核、第3世代セファロスポリン耐性大腸菌、カルバペネム耐性A.baumannii、フルオロキノロン耐性大腸菌、カルバペネム耐性K.pneumoniae、第3世代セファロスポリン耐性K.pneumoniaeの6つがそれぞれ5万人から10万人を超える死を引き起こした。」

Global burden of bacterial antimicrobial resistance in 2019: a systematic analysis

Lancet . 2022 Jan 18;S0140-6736(21)02724-0.

PMID: 35065702

【フリー】

 

㉑「ノースカロライナ州住民約1060万人の9か月間(2020年12月11日から2021年9月8日)のCovid-19ワクチンの有効性を検討したコホート研究。mRNAワクチンであるBNT162b2およびmRNA-1273の2回投与レジメンでは、Covid-19感染に対するワクチン効果は、最初の投与から2カ月後に、それぞれ94.5%および95.9%、7ヵ月後にはそれぞれ66.6%および80.3%に減少した。BNT162b2およびmRNA-1273の初期投与者では、δ型が優勢になる6月中旬から7月中旬にかけて有効性がそれぞれ約15%、10%ポイント減少した。」

Effectiveness of Covid-19 Vaccines over a 9-Month Period in North Carolina

N Engl J Med . 2022 Jan 12;NEJMoa2117128.

PMID: 35020982

【フリー】

 

㉒「BNT162b2の3回目(ブースター)投与の有効性を検討したコホート研究。イスラエル保健省のデータベースから、少なくとも5カ月前にBNT162b2を2回接種した16歳以上の4,696,865人に関する2021年7月30日から10月10日の期間のデータを抽出。一次解析では、少なくとも12日前にブースター投与を受けた群のCovid-19感染、重症化、死亡の確認率を、非ブースター群と比較した。感染確定率は、ブースター群で非ブースター群より約10倍低く(5つの年齢層における範囲;9.0~17.2)、調整後の感染率の差は10万人日あたり57.0~89.5人であった。重症化率は、60 歳以上ではブースター群で17.9(95%CI:15.1~21.2)、40~59 歳では 21.7(95%CI:10.6~44.2)、調整済み率の差は、10万人日あたり60歳以上では5.4、40歳から59歳では0.6であった。死亡率は60歳以上で14.7(95%CI:10.0~21.4)倍低くなっており、調整済み死亡率差は、10万人日あたり2.1人であった。」

Protection against Covid-19 by BNT162b2 Booster across Age Groups

N Engl J Med . 2021 Dec 23;385(26):2421-2430.

PMID: 34879188

【フリー】

 

㉓「12~18歳におけるBNT162b2ワクチンのデルタ株への有効性を検討したコホート研究。Covid-19様の症状があるがSARS-CoV-2の検査で陰性となった患者(検査陰性)およびCovid-19様の症状がない患者(症状陰性)の2つの病院ベースの対照群と比較し、ケース患者の先行完全接種(BNT162b2の2回接種)の確率を比較して、ワクチン効果を推定した。合計445人の症例患者と777人の対照者が登録された。症例患者4%と対照者36%が完全なワクチン接種を受けていた。症例患者のうち40%がICUに入院し、29%が生命維持を必要としたが、ICUの患者のうち、ワクチンを接種していたのは2名のみであった。Covid-19による入院に対するBNT162b2ワクチンの全体的な有効性は94%(95%CICI:90~96)であり,有効性は検査陰性対照群では95%(95%CI:91~97)、症状陰性対照群では94%(95%CI:89~96)であった。有効性は、ICU 入室に対して98%、Covid-19の結果生命維持装置を受けることに対しては98%であった。死亡例7例はすべてワクチン未接種の患者であった。」

Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Critical Covid-19 in Adolescents

N Engl J Med . 2022 Jan 12;NEJMoa2117995.

PMID: 35021004

【フリー】

 

㉔「イングランドにおける症候性Covid-19および関連する入院と死亡に対するワクチン効果を推定するために行われた、検定陰性ケースコントロールデザインを使用した調査。ChAdOx1-SおよびBNT162b2ワクチンの有効性は2回目のワクチン接種からの時間経過による効果の衰えについて調査した。デルタ変異型の症候性Covid-19に対するワクチン効果は、2回目接種後数週間でピークに達し、その後20週間までにChAdOx1-Sワクチンでは44.3%、BNT162b2ワクチンでは66.3%に減少していた。ワクチン効果の減退は、40~64歳よりも65歳以上で大きかった。接種後20週以降では、入院に対する効果はChAdOx1-Sワクチンで80.0%、BNT162b2ワクチンで91.7%、 死亡に対しては84.8%、91.9%と減少幅は少なかった。」

Duration of Protection against Mild and Severe Disease by Covid-19 Vaccines

N Engl J Med . 2022 Jan 27;386(4):340-350.

PMID: 35021002

【フリー】

 

㉕「ニューヨーク州における、2021年5月1日から9月3日までのCovid-19に対するワクチン効果、および2021年5月1日から8月31日までのCovid-19による入院に対するワクチン効果を評価。Covid-19の発症は150,865例、Covid-19による入院は14,477例であった。デルタ株が1.8%を占めた2021年5月1日の週に、Covid-19に対するワクチン効果の中央値は、BNT162b2が91.3%、mRNA-1273が96.9%、Ad26.COV2.Sは86.6%であった。その後、有効性はすべてのコホートで同時期に低下し、5月1日の週の中央値93.4%から、デルタ変異体の陽性率が85.3%となった7月10日頃に73.5%に至った。デルタ変異型の有病率が99.6%となった8月28日の週には、有効率は74.2%となっている。18歳から64歳の成人におけるCovid-19による入院に対する有効率はほぼ86%以上で推移しており、明らかな時間的傾向は認められなかった。」

Covid-19 Vaccine Effectiveness in New York State

N Engl J Med . 2022 Jan 13;386(2):116-127.

PMID: 34942067

【フリー】

 

㉖「COVID-19ワクチンであるBNT162b2 または mRNA-1273 ワクチンの3回接種と症候性 SARS-CoV-2 感染の関連を、変種(Omicron および Delta)ごとに層別化して推定した18歳以上の成人における検査陰性ケースコントロール解析。mRNA COVID-19ワクチン3回接種(3回目は検査の14日以上前、2回目から6カ月以上後)vs未接種、vs検査の6カ月以上前に2回接種(つまりブースター投与対象者)に分類した。全体として、23,391例(オミクロン13,098例、デルタ10,293例)とコントロール群46,764例が含まれた(平均年齢40.3歳;女性60.1%)。mRNAワクチン3回接種の経験があるのは、オミクロン症例の18.6%、デルタ症例の6.6%、コントロールの39.7%、mRNAワクチン2回接種の経験があるのはそれぞれ55.3%、44.4%、41.6%であると報告された。ワクチン未接種は、それぞれ26.0%、49.0%、18.6%であった。3回接種と未接種の調整オッズ比は、オミクロンで0.33(95%CI:0.31-0.35)、デルタで0.065(95%CI:0.059-0.071)、3回接種と2回接種の調整オッズ比はオミクロンで0.34(95%CI:0.32-0.36)、デルタで0.16(95%CI:0.14-0.17)であった。」

Association Between 3 Doses of mRNA COVID-19 Vaccine and Symptomatic Infection Caused by the SARS-CoV-2 Omicron and Delta Variants

JAMA . 2022 Jan 21.

PMID: 35060999

【フリー】

 

㉗「デルタ株流行期間中のSARS-CoV-2のブレイクスルー感染、入院、死亡に関するmRNA-1273とBNT162b2ワクチンの比較をしたコホート研究。ブースター注射を受けず、SARS-CoV-2感染の既往がない、mRNAワクチンを2回接種した完全接種者において、デルタ変異株が優勢である2021年7月から11月の間に発生したブレイクスルー感染を対象とした。ブレイクスルー感染症は、完全ワクチン接種後14日目以降に発生したものを対象とし、mRNA-1273とBNT162b2の接種者について、月別のブレイクスルー感染の発生率(1000人日あたりの症例数)を比較した。ブレイクスルー感染症の月間発生率は、両コホートとも2021年7月から11月にかけて上昇し、BNT162b2コホートではmRNA-1273コホートよりも高く、11月には1000人日あたりそれぞれ2.8件と1.6件に達した(P<0.001)。マッチング後(62,584組)、mRNA-1273コホートは、マッチングしたBNT162b2コホートと比較して、ブレイクスルー感染のハザードが有意に低かった(HR 0.85;95%CI:0.80-0.89)。60日入院リスクは、mRNA-1273投与群で12.7%、BNT162b2投与群で13.3%であった。60日死亡率は、mRNA-1273投与群で1.14%、BNT162b2投与群で1.10%であった。マッチドコホートのうち、mRNA-1273接種群はBNT162b2接種群よりも60日入院のリスクが低かった(HR 0.80;95%CI:0.70-0.91)。死亡率については、有意差は認められなかった(HR 0.79;95%CI:0.50-1.23)。」

Comparison of mRNA-1273 and BNT162b2 Vaccines on Breakthrough SARS-CoV-2 Infections, Hospitalizations, and Death During the Delta-Predominant Period

JAMA . 2022 Jan 20.

PMID: 35050314

【フリー】

 

㉘「ワクチンインセンティブ宝くじプログラムの実施のCOVID-19ワクチン接種への有効性を検討した横断研究。家計調査(HPS)で「COVID-19ワクチンを接種しましたか」という質問に答えた成人403,714人(平均年齢52.7歳;女性51.6%)のデータと、ワクチン抽選プログラムを実施している11州(すなわち治療州)とそのようなプログラムを実施していない28州(すなわち対照州)の州レベルの1日接種率を用いた。28.1%がワクチン未接種であった。プール分析の結果、抽選プログラムはワクチン接種の増加と関連することが示された。ASC(Augmented Synthetic Control)の解析では、抽選プログラムは0.208対数ポイント(95%CI:0.004-0.412 対数ポイント)の増加と関連しており、これは1日の新規接種率が平均23.12%増加することを意味する。」

Implementation of State Vaccine Incentive Lottery Programs and Uptake of COVID-19 Vaccinations in the United States

JAMA Netw Open . 2021 Dec 1;4(12):e2138238.

PMID: 34882179

【フリー】

 

㉙「12歳以上の4,931,775人を対象に、SARS-CoV-2ワクチン接種と心筋炎または心筋症との関連性を検討したデンマークの人口ベースのコホート研究。主要アウトカムである心筋炎または心筋炎は、病院での心筋炎または心膜炎の診断、トロポニン値の上昇、24時間以上の入院を組み合わせたものと定義。追跡期間中に269人が心筋炎または心筋症になり、そのうち40%が12~39歳、73%が男性であった。BNT162b2を接種した3,482,295人のうち、48人が接種日から28日以内に心筋炎または心筋症になった。未接種者と比較して(aHR 1.34;95%CI:0.90~2.00;絶対率 1.4(95%CI:1.0~1.8)/10 万接種者である。女性のaHRは3.73(95%CI:1.82~7.65)、男性のaHRは0.82(95%CI:0.50~1.34)であり、それぞれ、接種後28日以内の接種者10万人当たりの絶対率は1.3(95%CI:0.8~1.9)および1.5(95%CI:1.0~2.2)であった。12~39歳のaHRは1.48(95%CI:0.74~2.98)、絶対率は接種後28日以内の接種者10万人あたり1.6(95%CI:1.0~2.6)であった。mRNA-1273を接種した498,814人のうち、接種日から28日以内に心筋炎または心筋炎を発症したのは21人(aHR 3.92;95%CI:2.30~6.68;絶対率 4.2(95%CI:2.6~6.4)/10 万接種者)であった。女性のaHRは6.33(95%CI:2.11~18.96)、男性のaHRは3.22(95%CI:1.75~5.93)であり、それぞれ、接種後28日以内の絶対率は10万人当たり2.0(95%CI:0.7~4.8)および6.3(95%CI:3.6~10.2)であった。12~39歳のaHRは5.24(95%CI:2.47~11.12)、絶対率は接種後28日以内の接種者10万人当たり5.7(95%CI:3.3~9.3)であった。」

SARS-CoV-2 vaccination and myocarditis or myopericarditis: population based cohort study

BMJ . 2021 Dec 16;375:e068665.

PMID: 34916207

【フリー】

 

㉚「米国の12歳以上の192,405,448人を対象に、2020年12月から2021年8月の間にmBNT162b2または mRNA-1273のCOVID-19ワクチン投与後に発生したワクチン有害事象報告システム(VAERS)への心筋炎の報告の記述的研究。調査期間中にmRNAベースのCOVID-19ワクチンを合計354,100,845本接種した192,405,448人のうち、VAERSへの心筋炎の報告は1991件で、このうち1626件は心筋炎の症例定義に適合していた。心筋炎患者のうち、年齢中央値は21歳、症状発現までの時間中央値は2日であり、82%は男性であった。心筋炎の発生率は2回目の方が高く、12~15歳の思春期男性(BNT162b2ワクチン:100万回接種あたり70.7人)、16~17歳の思春期男性(BNT162b2ワクチン:100万回接種あたり105.9人)、18~24歳の青年(BNT162b2ワクチンおよびmRNA-1273ワクチン:それぞれ100万回接種あたり52.4人と56.3人)であった。詳細な臨床情報が得られた30歳未満の心筋炎患者は826例で、このうち809例中792例(98%)がトロポニン値の上昇、794例中569例(72%)が心電図結果の異常、312例中223例(72%)がMRIの異常であった。96%が入院し、そのうち87%は退院までに症状が消失していた。」

Myocarditis Cases Reported After mRNA-Based COVID-19 Vaccination in the US From December 2020 to August 2021

JAMA . 2022 Jan 25;327(4):331-340.

PMID: 35076665

【フリー】

 

㉛「mRNAワクチン(BNT162b2)および不活化(CoronaVac)SARS-CoV-2ワクチン接種後のベル麻痺の発生率を評価したケースシリーズ。51,939人がCoronaVacの初回投与を受け、537,205人がBNT162b2の初回投与を受けた。CoronaVac後に28例、BNT162b2後に16例のベル麻痺の臨床確定例が報告された。年齢標準化発生率は、CoronaVac接種では10万人年当たり66.9例(95%CI:37.2~96.6)、BNT162b2接種では10万人年当たり42.8例(95%CI:19.4~66.1)であった。背景集団と比較した発生率の年齢標準化差は、CoronaVac で 41.5(95%CI:11.7~71.4)、BNT162b2 で 17.0(95%CI:-6.6~40.6) であり、これは CoronaVac の接種者 10 万人あたり 4.8 例、BNT162b2 の接種者 10 万人あたり 2.0 例の増加に相当する。」

Bell's palsy following vaccination with mRNA (BNT162b2) and inactivated (CoronaVac) SARS-CoV-2 vaccines: a case series and nested case-control study

Lancet Infect Dis . 2022 Jan;22(1):64-72.

PMID: 34411532

【フリー】

 

㉜「月経周期の長さとCOVID-19ワクチン接種の関連性を検討したコホート研究。アプリケーション "Natural Cycles" を用いて後ろ向きに追跡した月経周期データを分析した。18-45歳の米国在住者で、最初のワクチン接種前に連続3サイクル、その後ワクチン接種サイクル(4-6サイクル)、ワクチン未接種の場合は同様の期間に6サイクルの正常な周期長(24-38日)の人を対象とした。周期と月経の長さの平均的な個人内変化を算出した(ワクチン接種コホートではワクチン投与前の3周期と初回および2回目の投与周期、ワクチン未接種コホートでは最初の3周期と4、5周期)。3,959人(ワクチン接種者2,403人、非接種者1,556人)を対象とした。ワクチンの種類は、Pfizer-BioNTechワクチン55%、Moderna35%、Johnson & Johnson/Janssen7%だった。全体として、COVID-19ワクチンはワクチン接種前のサイクルと比較して、1日未満の変化をもたらした(初回投与0.71日増;98.75%CI:0.47~0.94、2回目投与 0.91;98.75%CI:0.63~1.19、未接種者はベースライン3サイクルと比較して有意差なし(第4サイクル 0.07; 98.75%CI:-0.22 to 0.35;第5サイクル 0.12;98.75%CI:-0.15 to 0.39))。調整モデルにおいて、ワクチン接種群と非接種群の周期の長さの変化の差は、両投与群で1日未満であった(変化の差:1回目 0.64日;98.75%CI:0.27-1.01、2回目 0.79日;98.75%CI:0.40-1.18)。」

Association Between Menstrual Cycle Length and Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Vaccination: A U.S. Cohort

Obstet Gynecol . 2022 Jan 5.

PMID: 34991109

【フリー】

 

㉝「COVID-19ワクチンの臨床試験におけるプラセボ群とワクチン群で報告された有害事象の頻度を比較した研究のメタ解析。主要評価項目として、プラセボ投与群における全体、全身、局所(注射部位)AEを報告した割合と、群間差を評価するための対数オッズ比(OR)を評価。45,380人(プラセボ群n=22,578、ワクチン群n=22,802)のAE報告がある12の論文が分析された。初回投与後、プラセボ投与者の35.2%が全身性のAEを経験し、頭痛19.3%および倦怠感16.7%が最も一般的であった。2回目の投与後、プラセボ投与者の31.8%が全身性のAEを報告した。プラセボ群とワクチン群の比率では、COVID-19ワクチン初回投与後の全身性AEはノセボ反応が76.0%、2回目投与後は51.8%を占めた。有意に多くのワクチン接種者がAEを報告したが、全身性AEの群間差は初回投与後で小さく(OR -0.47;95%CI:-0.54 to -0.40;標準化平均差 -0.26;95%CI:-0.30 to -0.22)、2 回目以降は大きく(OR -1.36;95%CI:-1.86 to -0.86;標準化平均差 -0.75;95%CI:-1.03 to -0.47)なった。」

Frequency of Adverse Events in the Placebo Arms of COVID-19 Vaccine Trials: A Systematic Review and Meta-analysis

JAMA Netw Open . 2022 Jan 4;5(1):e2143955.

PMID: 35040967

【フリー】

 

 

☆その他

㉞「痛風とCKDの両方を有する患者において、アロプリノール開始、アロプリノール増量後の血清尿酸値目標達成と全死亡との関係を検討したコホート研究。アロプリノール開始者とPSマッチング非開始者(各n=5,277)の5年間のフォローアップにおける死亡率は、それぞれ100人年当たり4.9と5.8だった(HR 0.85;95%CI:0.77~0.93)。エミュレーション解析では、目標尿酸値(<0.36mmol/L)達成群と目標尿酸値非達成群との比較における死亡率のHRは0.87(95%CI:0.75~1.01); アロプリノール用量漸増群と用量漸増なし群との比較における死亡率のHRは0.88(95%CI:0.73~1.07)であった。」

Allopurinol Initiation and All-Cause Mortality Among Patients With Gout and Concurrent Chronic Kidney Disease : A Population-Based Cohort Study

Ann Intern Med . 2022 Jan 25. doi: 10.7326/M21-2347.

PMID: 35073156

【アブストのみ】

 

㉟「BMI30以上または27以上で1つ以上の体重関連の併存疾患があり、糖尿病を持たない成人(n=338;平均年齢49歳;女性78.4%;平均体重104.5kg;平均BMI37.5)を対象に行われた、週1回皮下投与のセマグルチド 2.4mgと1日1回皮下投与のリラグルチド 3.0mgの有効性および有害事象を比較した68週のRCT(いずれも食事療法および身体活動を伴う)。ベースラインからの平均体重変化は、セマグルチドで-15.8%、リラグルチドで-6.4%(差 -9.4%ポイント;95%CI:-12.0 to -6.8)、プラセボでの体重変化は-1.9%であった。セマグルチドはリラグルチドと比較して、10%以上、15%以上、20%以上の体重減少を達成する確率が有意に高かった(70.9% vs 25. 6%;OR 6.3;95%CI:3.5~11.2、55.6% vs 12.0%;OR 7.9;95%CI:4.1~15.4、38.5% vs 6.0%;OR 8.2;95%CI:3.5~19.1)。 何らかの理由で治療を中止した参加者の割合は、セマグルチドで13.5%、リラグルチドで27.6%であった。消化器系の有害事象は、セマグルチドで84.1%、リラグルチドで82.7%が報告された。」

Effect of Weekly Subcutaneous Semaglutide vs Daily Liraglutide on Body Weight in Adults With Overweight or Obesity Without Diabetes: The STEP 8 Randomized Clinical Trial

JAMA . 2022 Jan 11;327(2):138-150.

PMID: 35015037

【フリー】

 

㊱「β遮断薬が新規発症のうつ病のリスク上昇と関連しているかどうかを調べることを目的としたイギリスの症例対象研究。うつ病を発症した患者118,705名と同数のマッチさせた対照者を対象とした。うつ病発症のオッズは、現在いずれかのβ遮断薬を短期間使用している場合に上昇した(aOR 1.91;95%CI:1.72-2.12)が、現在の長期使用は、使用しない場合に比べてうつ病リスクと関連していなかった。短期使用者におけるうつ病のリスク上昇は、ほとんどが精神神経疾患を有するプロプラノロール使用者に限られていた(aOR 6.33;95%CI:5.16-7.76)。一方で、心血管適応のプロプラノロール使用者はうつ病のリスクがわずかに上昇していただけだった(aOR 1.44, 95%CI:1.14-1.82)。」

β-Blockers and the Risk of Depression: A Matched Case-Control Study

Drug Saf . 2022 Jan 19.

PMID: 35044637

【フリー】

 

㊲「広場恐怖を伴う、または伴わないパニック障害の治療において、寛解率が高く、有害事象のリスクが低い薬物クラスおよび個々の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を同定するために行われたRCTのネットワークメタ解析(n=12,800;87試験;12の薬物クラス)。一貫した結果を示した寛解のネットワークメタ分析では、三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害薬、SSRI、SNRIがプラセボに比べて有意に高い寛解率と関連することが示された(リスク比はそれぞれ、1.39(95%CI:1.26~1.54)、1.47(95%CI:1.36~1.60)、1.30(95%CI:1.00~1.69)、1.38(95%CI:1.26~1.50)、1.27(95%CI:1.12~1.45)、1.27(95%CI:1.36)だった。累積順位曲線下面(SUCRA)では、ベンゾジアゼピン(84.5%;平均順位=2.4)、三環系抗うつ薬(68.7%;3.8)、SSRI(66.4%;4.0)が寛解に最も適した治療の上位3位とされた。しかし、三環系抗うつ薬、ベンゾジアゼピン系、SSRIは、プラセボと比較して有害事象のリスク増加とも有意に関連し、リスク比はそれぞれ1.79(95%CI:1.47〜2.19)、1.76(95%CI:1.50〜2.06)、1.19(95%CI:1.01〜1.41)であった。個々のSSRIの中では、セルトラリンとエスシタロプラムが高い寛解をもたらし、有害事象のリスクは許容範囲内であった。」

Drug treatment for panic disorder with or without agoraphobia: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials

BMJ . 2022 Jan 19;376:e066084.

PMID: 35045991

【フリー】

 

㊳「最近の自殺関連イベントを生き延びた双極性障害またはうつ病の退役軍人における自殺関連の転帰を繰り返すことの予防におけるリチウム治療の有効性を検討するために、炭酸リチウム徐放剤を600 mg/日から投与する群(n=255)と、プラセボを投与する群(n=264)に割り付けたRCT(平均年齢42.8歳;男性84.2歳)。主要アウトカムは自殺未遂、中断された未遂、自殺予防のための特別な入院、自殺による死亡を含む自殺関連イベントが最初に繰り返されるまでの時間であった。自殺に関連する繰り返し起こる事象の治療法間の全体的な差は認められなかった(HR 1.10;95%CI:0.77-1.55)。」

Lithium Treatment in the Prevention of Repeat Suicide-Related Outcomes in Veterans With Major Depression or Bipolar Disorder: A Randomized Clinical Trial

JAMA Psychiatry . 2022 Jan 1;79(1):24-32.

PMID: 34787653

【アブストのみ】

 

㊴「抗うつ薬の使用と院外心停止(OHCA)リスクとの関連を調査したコホート内症例対象研究。調査期間中に10,987例のOHCAを観察し、SSRI(基準薬セルトラリン)のうち高用量のシタロプラム(>20mg)および高用量のエスシタロプラム(>10mg)(それぞれHR 1.46;95%CI:1.27-1.69、HR 1.43;95%CI:1.16-1.75)、およびSNRIまたはNaSSA(基準薬デュロキセチン)のうち高用量のミルタザピン(>30mg)(HR 1.59;95%CI:1.18-2.14)に対してOHCA率の上昇を見いだした。三環系抗うつ薬(基準薬アミトリプチリン)では、OHCA発生率の有意な上昇と関連する薬剤はなかった。OHCA率の増加は、カリウムチャネル遮断作用が知られている抗うつ薬で認められたが(HR 1.14;95%CI:1.05-1.23)、ナトリウムチャネル遮断作用のある抗うつ薬では認められていなかった。」

Risk of out-of-hospital cardiac arrest in antidepressant drug users

Br J Clin Pharmacol . 2022 Jan 9.

PMID: 35001414

【フリー】

 

㊵「機能性ディスペプシアに対するHelicobacter pylori除菌療法の有効性を検討したRCTのメタ解析(n=6,781;29試験)。症状の治癒(RR 0.91;95%CI:0.88~0.94;NNT=14)および改善(RR 0.84;95%CI:0.78~0.91;NNT=9)については、除菌療法は対照療法より優位であった。除菌率とFDが改善または治癒するRRの間に有意な相関は認められなかったが、H. pyloriの除菌が成功した患者では、失敗した患者よりも効果が大きかった(RR 0.65;95%CI:0.52~0.82; NNT=4)。有害事象(RR 2.19;95%CI:1.10~4.37)、治療中止に至る有害事象(RR 2.60;95%CI:1.47~4.58)は除菌療法でより多くみられた.」

Efficacy of Helicobacter pylori eradication therapy for functional dyspepsia: updated systematic review and meta-analysis

Gut . 2022 Jan 12;gutjnl-2021-326583.

PMID: 35022266

【アブストのみ】

 

㊶「抗ムスカリン系過活動膀胱(OAB)薬(曝露)と認知症およびアルツハイマー病発症との関連性を、β-3作動薬(ミラベグロン)と比較して推定したコホート内症例対象研究。2010年から2017年の間に新たに認知症と診断された66歳以上の患者11,392例と、年齢と性別をマッチさせた認知症のない対照者29,881例が研究に含まれた。過去6ヶ月間にソリフェナシン(OR 1.24;95%CI:1.08-1.43)およびダリフェナシン(OR 1.30;95%CI:1.08-1.56)の投与を受けた患者は、ミラベグロン投与患者と比較して認知症の発生確率が上昇した。診断前の6カ月から1年の間に、ソリフェナシン(OR 1.34;95%CI:1.11-1.60)、ダリフェナシン(OR 1.49;95%CI:1.19-1.86)、トルテロジン(OR 1.21;95%CI:1.02-1.45)、フェソテロジン(OR 1.39;95%CI:1.14-1.71)の投与は、ミラベグロンと比較して認知症の発生を高めることが示されたが、オキシブチニンやトロスピウムではみられなかった。」

Receipt of Overactive Bladder Drugs and Incident Dementia: A Population-based Case-control Study

Eur Urol Focus . 2021 Nov 3;S2405-4569(21)00288-1.

PMID: 34742663

【アブストのみ】

 

㊷「ストレス性潰瘍に対するPPIとH2RAの有効性を検討したコホート研究のメタ解析(13試験;n=145,149)。調整効果推定値のメタアナリシスでは、PPIはH2RAと比較して、GI出血のリスクが有意に高いことが示された(8試験;OR 1.98;95%CI:1.30-3.01)。また、ポストホック解析では、PPIはH2RAと比較して死亡リスクがやや高いことが示唆された(7試験;OR 1.27;95%CI:1.13-1.42)。」

Are Proton Pump Inhibitors More Effective Than Histamine-2-Receptor Antagonists for Stress Ulcer Prophylaxis in Critically Ill Patients? A Systematic Review and Meta-Analysis of Cohort Studies

Ann Pharmacother . 2021 Dec 31;10600280211059040.

PMID: 34971320

【アブストのみ】

 

㊸「GERD患者を対象に、PPIのオンデマンド療法と持続療法を比較したRCTのメタ解析(11試験)。主要アウトカムは維持療法の治療失敗とした。継続的なPPI療法と比較して、オンデマンド療法は治療失敗のアウトカム(リスク比 1.26;95%CI:0.76-2.07)、特に非びらん性食道逆流症および軽度びらん性逆流症群(リスク比 1.48;95%CI:0.39-5.63)で類似した結果を示していることがわかった。重度の食道炎患者を含む研究では、PPI維持療法の継続がより有効であった(β 0.127;95%CI:0.066-0.188)。」

On-demand Versus Continuous Maintenance Treatment of Gastroesophageal Reflux Disease With Proton Pump Inhibitors: A Systematic Review and Meta-analysis

J Neurogastroenterol Motil . 2022 Jan 30;28(1):5-14.

PMID: 34980685

【フリー】

 

㊹「ガバペンチノイドの慢性腎臓病(CKD)の高齢者に安全に処方するために、処方された開始用量に応じた30日間の重篤な有害事象のリスクを検討したコホート研究。新たにガバペンチノイドを処方されたCKD(eGFR<60mL/min/1.73m2と定義)高齢者74,084人(女性64%;年齢中央値79歳が対象となり、暴露量は、高用量ガバペンチノイド(ガバペンチン>300mg/日またはプレガバリン>75mg/日) vs 低用量ガバペンチノイド(ガバペンチン≦300mg/日またはプレガバリン≦75mg/日)にて、主要複合アウトカムは、脳症による入院、転倒、骨折、呼吸抑制による入院の30日リスクとした。ガバペンチンまたはプレガバリンの新規処方を受けた患者の41%が、それぞれ300 mg/日以上、75 mg/日以上で服用を開始した。高用量で開始した患者は、低用量で開始した患者よりも主要転帰の30日リスクが高かった。重み付けされた母集団において、高用量と低用量のイベント数は、それぞれ1.9% vs 1.5%であり、加重RRは1.27(95%CI:1.13-1.42)、加重RDは0.40%(95%CI:0.21%-0.60%)であった。」

Higher-Dose Gabapentinoids and the Risk of Adverse Events in Older Adults With CKD: A Population-Based Cohort Study

Am J Kidney Dis . 2021 Dec 31;S0272-6386(21)01048-9.

PMID: 34979160

【アブストのみ】

 

㊺「リセドロネートとアレンドロネートの長期(3年以上)治療後の休薬期間について、そのリスクを比較検討したマッチドコホート研究。66歳以上で長期リセドロネート治療と薬物休暇を経験した人を、長期アレンドロネート治療と薬物休暇を経験した人と傾向スコアで1:1にマッチングさせた。主要アウトカムは、3年以内の股関節骨折であった。副次的解析として、追跡期間の短縮と性差の推定を行った。傾向スコアをマッチさせた25,077組が対象となった(平均年齢81歳、女性81%)。股関節骨折の発生率は、リセドロネートの方がアレンドロネートよりも高かった(1000患者年当たり、それぞれ12.4と10.6イベント;HR 1.18;95%CI:1.04~1.34;股関節骨折総数915件)。骨折を転帰に含めると(HR 1.07;95%CI:1.00~1.16)、休薬期間が短くなると(1年;HR 1.03(95%CI:0.85~1.24、2年;HR 1.14(95%CI:0.96~1.32)関連性は弱まることが示された。」

Comparative Fracture Risk During Osteoporosis Drug Holidays After Long-Term Risedronate Versus Alendronate Therapy : A Propensity Score-Matched Cohort Study

Ann Intern Med . 2022 Jan 11.

PMID: 35007149

【アブストのみ】

 

㊻「集中治療室(ICU)での90日間の輸液療法として、重症患者を調整多電解質溶液(BMES)または生理食塩水の投与に割り付け、主要評価項目として無作為化後 90 日以内の総死亡を評価した二重盲検RCT(n=5,037:BMES群n=2,515、生理食塩水群n=2,522)。無作為化後90日以内の死亡は、BMES群21.8%、生理食塩水群22.0%で、その差は-0.15%ポイント(95%CI:-3.60 to 3.30)であった。腎代替療法の新規開始は、BMES群12.7%、生理食塩水群12.9%で、その差は-0.20%ポイント(95%CI:-2.96 to 2.56)であった。」

Balanced Multielectrolyte Solution versus Saline in Critically Ill Adults

N Engl J Med . 2022 Jan 18.

PMID: 35041780

【アブストのみ】

 

㊼「入院時にポリファーマシー(5剤以上)を有する高齢者の退院後の薬物有害事象(ADE)に対する電子脱処方決定支援ツールの効果を評価したクラスターランダム化試験(n=5,698;対照n=3,204、介入n=2,494;年齢中央値78歳;女性50.2%)。退院後、87.6%の参加者がADE面接に応じた。退院後30日以内のADEに有意差はなかった(対照群5.0% vs 介入群4.9%;調整リスク差(aRD) -0.8%;95%CI:-2.9% to 1.3%)。脱処方は、対照29.8%から介入55.4%へと増加した(aRD 22.2%;95%CI:16.9%~27.4%)。」

The MedSafer Study-Electronic Decision Support for Deprescribing in Hospitalized Older Adults: A Cluster Randomized Clinical Trial

JAMA Intern Med . 2022 Jan 18.

PMID: 35040926

【フリー】

 

㊽「鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状を有するブタクサ花粉に対する過敏症が確認された患者を対象に、ロラタジン/プソイドエフェドリン錠(LP)およびフルチカゾンプロピオン酸塩点鼻液(FP)の単回投与による鼻気流の変化を、数値的に評価したクロスオーバー試験。環境暴露装置で花粉暴露後4時間のピーク鼻吸気流量(PNIF)が測定された。PNIFの平均変化はLPで31%であり、プラセボやFP(それぞれ12%、15%;P < 0.001)よりも有意に大きかった。しかし、FPはプラセボと比較して有意な変化をもたらさなかった。投与後1時間で、LPはPNIFを臨床的に有意に31%増加させたが、FPは8.6%の増加にとどまった(P < 0.001)。」

Comparative nasal airflow with loratadine-pseudoephedrine and fluticasone nasal spray for allergic rhinitis

Ann Allergy Asthma Immunol . 2021 Sep;127(3):342-348.e2.

PMID: 34000435

【フリー】

 

㊾「妊娠中の母親のスタチン使用と関連する子の周産期アウトカムを検討するために行われた台湾の後ろ向きコホート研究。妊娠中にスタチンを使用した女性469人(平均年齢32.6歳;平均妊娠年齢38.4週)および妊娠中にスタチン曝露のない年齢をマッチさせた対照4,690人(平均年齢32.0歳;平均妊娠年齢37.3週)が登録された。母親の併存疾患と年齢をコントロールした後、低出生体重はスタチン曝露群の子供でより一般的であり(RR 1.51;95%CI:1.05-2.16)、早産の可能性も高く(RR 1.99;95%CI:1.46-2.71)、1分間アプガー指数が低値(RR 1.83;95%CI:1.04-3.20)であった。先天性異常は、妊娠中のスタチン曝露とは関連しなかった。」

Perinatal Outcomes After Statin Exposure During Pregnancy

JAMA Netw Open . 2021 Dec 1;4(12):e2141321.

PMID: 34967881

【フリー】

 

㊿「COPD患者におけるプロピオン酸フルチカゾンとブデソニドの肺炎発生リスクを比較した韓国の後ろ向きコホート研究(1:1の傾向スコアマッチングにより14,518組)。フルチカゾンプロピオン酸エステル使用者はブデソニド使用者よりも肺炎を発症しやすかった(14.22% vs 10.66%;HR 1.34;95%CI:1.26-1.43)。10万人年当たりの発症率は、フルチカゾンプロピオン酸エステル使用者が2,914.77、ブデソニド使用者が2,102.90であった。ブデソニドと比較したフルチカゾンプロピオン酸の肺炎リスクは、ICS累積投与量が多いほど増加した(最低四分位から最高四分位までそれぞれ、1.06(95%CI:0.93-1.21)、1.41(95%CI:1.19-1.66)、1.41(95%CI:1.23-1.63)、1.49(95%CI:1.33-1.66)。」

Comparison of Risk of Pneumonia Caused by Fluticasone Propionate versus Budesonide in Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Nationwide Retrospective Cohort Study

Int J Chron Obstruct Pulmon Dis . 2021 Nov 25;16:3229-3237.

PMID: 34858023

【フリー】

 

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

 

 

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