リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第34回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2021.5.26)(小児領域)

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こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

第34回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

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今回の録音はこちらからどうぞ↓

 

 

今回のテーマは「小児領域」でした。

 

 メニューはこちら↓

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まずは@リンコ

Effects of the number of drugs used on the prevalence of adverse drug reactions in children

Sci Rep . 2020 Dec 7;10(1):21341.

              PMID: 33288793

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こちらは小児の使用薬剤数による有害事象の有病率に関する報告です。薬剤数が増えるほど有害事象の発現率が高まることが見てとれます。

腫瘍や精神/行動障害、循環器疾患といった疾患とも関連しているようですが、こちらはそれに処方される薬剤も関連しているのかもしれません。

また、有害事象の原因薬剤としては全身性抗菌薬が圧倒的に多くなっております。

近年、小児への風邪等での抗菌薬投与は減少傾向にあるようですが、改めて無駄な抗菌薬は慎んでいく必要があると感じました。

 

次は@猫になりたい薬剤師

Short-Course Antimicrobial Therapy for Pediatric Community-Acquired Pneumonia: The SAFER Randomized Clinical Trial

JAMA Pediatr . 2021 May 1;175(5):475-482.

              PMID: 33683325

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こちらは小児の市中肺炎に対するアモキシシリンの投与期間を比較検討した研究の論文です。

5日間投与と10日間投与を比較したところ、14日目から21日目の全体的な臨床的治癒率に差はありませんでした。

基本的には5日間投与で十分かなという印象ですし、まずは5日間で様子をみて、それでも改善が見られなかった場合は治療の変更や抗菌薬の継続を検討すればよいのではないかと感じました。

 

 

次は@zuratomo4

No Effect of Glucomannan on Body Weight Reduction in Children and Adolescents with Overweight and Obesity: A Randomized Controlled Trial

J Pediatr . 2019 Aug;211:85-91.e1.

                PMID: 31036412

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こちらはグルコマンナンの肥満児への有効性を検討するために行われた、プラセボ群としてのマルトデキストリンと比較したRCTです。

12週間経過後、両群にはBMI-for-ageに差が認められませんでした。

てことでダイエット効果は期待できなさそうです。。。

まあそんなもんですよね。。。

おいしくいただきましょう!! 

 

 

次は@程々な薬剤師

幼小児嘔吐に対する五苓散坐薬の有効性について (第 2 報) 補中益気湯坐薬との二重盲検法

和漢医薬学会誌 1991; 7: 506-7.

医中誌 Web ID: 1993089053

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こちらは小児の嘔吐への五苓散坐剤の効果を検討した研究です。

補中益気湯坐剤と比較して、吐き気や嘔吐の改善率が有意に高かったようです。

このような方法があることを初めて知りました。十分に有効性を期待できそうな結果となっていると思います。 

院内製剤で坐薬を作ったことがないので、一度作ってみたいなと。 

 

次は@にいやん

Phase 2 clinical study of delgocitinib ointment in pediatric patients with atopic dermatitis

J Allergy Clin Immunol . 2019 Dec;144(6):1575-1583.

                PMID: 31425780

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小児のアトピー性皮膚炎へのデルゴシチニブ(コレクチム®)軟膏の有効性をプラセボと比較したRCT(第Ⅱ相試験)です。

濃度は0.25%と0.5%で試験がなされていますが、いずれもプラセボと比較するとEASIスコアで大幅な改善が認められております。

今回の配信を通じて教えていただきましたが、デルゴシチニブはJAK阻害薬であり免疫抑制作用があるため、「デルゴシチニブ軟膏(コレクチム® 軟膏 0.5%) 安全使用マニュアル」にて注意事項がまとめられております。

しっかり知識として覚えておく必要があると思います。

またこれまで日本で発売されていたのは0.5%のみでしたが、6/21に0.25%が発売となったようです。

より小児に使用しやすく使用しやすくなるのではないかと思います。

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最後は@たけちゃん

Erectile Dysfunction in Male Survivors of Childhood Cancer-A Report From the Childhood Cancer Survivor Study

J Sex Med . 2016 Jun;13(6):945-54.

                PMID: 27117527

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今回はまさかのたけちゃんが不在となってしまったため、zuratomo先生が代わりに紹介!直前だったにもかかわらず、十分に解説できてましたね!

こちらは小児がんとEDとの関連を調査した論文ですが、小児がんを経験することで彼らの兄弟と比較してED罹患率が高まることが示唆されました。致し方ないことかもしれませんが、必要に応じて適切な治療を受けてほしいと思いました。

個人的には、対照群が「兄弟」ということに興味を持ちました。これまで論文として見かけたことがありませんので。ということはEDは遺伝的な素因があるということなんですかね。

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

次回は6/23(水)22時より、「フリーテーマ」にて配信する予定です。

よろしければご視聴くださいませ!

 

 

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