リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第30回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2021.1.20)(テーマ:パーキンソン)

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こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

第30回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

 

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今回の録音はコチラからどうぞ↓

通信環境が良くないのか、ところどころ聞き取りづらくなってますね。 

 

今回のテーマは「パーキンソン」でした。

 

 

今回のメニューはこちら

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まずは@にいやん

Risk factors for pneumonia among patients with Parkinson's disease: a Taiwan nationwide population-based study

Neuropsychiatr Dis Treat . 2016 Apr 27;12:1037-46.

      PMID: 27175081

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こちらはパーキンソン病患者の肺炎による入院のリスク因子を検討したコホート研究です。
結果としては、年齢が高くなるにつれ、また性別としては女性よりも男性でリスクが高まることが示唆されました。

 また、虫歯治療歴があった方で肺炎リスクの低下が示唆され、これは口腔ケアにもつながるのかもしれません。

パーキンソン病自体が嚥下障害にて肺炎リスクが上昇すると思われますので、こういったリスク因子があるとさらにリスクが上昇するかもしれませんので、注意しないといけないかなと思います。

 

 

次は@リンコ

Long-term effectiveness of dopamine agonists and monoamine oxidase B inhibitors compared with levodopa as initial treatment for Parkinson's disease (PD MED): a large, open-label, pragmatic randomised trial

Lancet . 2014 Sep 27;384(9949):1196-205.

      PMID: 24928805
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今回はパーキンソン病の初期治療薬における薬剤の種類別の効果と安全性を検討した論文を紹介します。

初期治療では多くのケースでレボドパが選択されておりますが、それが妥当なのかなという疑問がありましたので、この機会に論文を読んでみました。

エビテンの時はフリーで読めたのですが、今見たらアブストしか読めなくなってますね。。。

結果としてPDQ-39スコアはE群の方が優れていましたが、その差は極めて少なかったです。

実質差はなかったと言ってもいいと思います。

ジスキネジアはE群で多かったですが、有害事象による中止はC群の2剤で圧倒的に多く認められおります。

またレボドパの投与量は、7年後でどの群も同じくらいとなっております。

こういったことを考慮すると、治療開始時のパーキンソン病薬の選択はレボドパでよいのかなと思います。

 

 

次は@程々な薬剤師

Antidiabetic Agents for Treatment of Parkinson's Disease: A Meta-Analysis

Int J Environ Res Public Health . 2020 Jul 3;17(13):4805.

      PMID: 32635358

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こちらは糖尿病薬がパーキンソン病を改善させるかどうかを検討した論文のメタ解析です。

対象薬としてはエキセナチドとピオグリタゾンが取り上げられております。

結果としてはいくつか改善された項目がありましたが、メタ解析に含まれた研究数が少ないこともあり、まだまだ実臨床で使えるかどうかは分からないといった印象です。

今後研究が進んでいきますかね?

開発コストの高騰等によりドラッグリポジショニングは注目されている分野ですし、楽しみにしていきたいです!

それにしてもピオグリタゾンはドラッグリポジショニングの論文でよく見ますね。。。

 

 

次は@たけちゃん

Blink rate is associated with drug-induced parkinsonism in patients with severe mental illness, but does not meet requirements to serve as a clinical test: the Curacao extrapyramidal syndromes study XIII

J Negat Results Biomed . 2017 Aug 25;16(1):15.

      PMID: 28841828

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こちらはまばたきと薬剤性パーキンソニズムとの相関性を検討した論文です。

薬剤性パーキンソニズムの診断を受けた患者とそうでない患者とで1分間のまばたきの回数で相関性を検討したようです。

結果は診断あり群で平均14回/分、診断なし群で19回/分となり、有意に診断あり群で少なかったようです。

またカットオフ値を20回/分とすると、感度は77%、特異度は38%となり、診断には使えないだろうという結果になったようです。

また、尤度比は陽性尤度比1.24、陰性尤度比0.61となり、やはり診断には使えないという結果となりました。

診断あり群でまばたきが少ない傾向がありましたが、実用は難しそうですね。。。

キャス中に思い出せなかったのですが、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)ってのがありますね。(質問項目票→

https://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/14kaitei/yosiki/1by33.pdf)

あと、キャス中に触れた目に指を近づけて…というのは以前私が何かの研修で学んだものでした。ツイートしてましたね。

 エビデンスは知りません!ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください!

 @たけちゃんのブログでの解説↓

 

 

次は@猫になりたい薬剤師

A Randomized Controlled Trial to Reduce Falls in People With Parkinson's Disease

Neurorehabil Neural Repair . 2015 Sep;29(8):777-85.

      PMID: 25567121

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こちらはパーキンソン病患者の転倒に対するリハビリ介入の効果を検討した論文です。

単盲検であることや症例数が少ない事といった制限はありますが、いずれのトレーニングでも対照群と比べて介入群で有意にスコアが改善したようです。(トレーニングの詳細については本文中に記載がありましたが、よく分からず…)

パーキンソン病患者の転倒は時々問題になりがちですが、職業柄すぐに薬を疑ったり薬への介入をしがちです。こういったリハビリに目を向けることも大切なのではないかと感じました。

@猫になりたい薬剤師 のブログでの解説↓

 

 

最後は@zuratomo4

Efficacy of the Nintendo Wii combination with Conventional Exercises in the rehabilitation of individuals with Parkinson's disease: A randomized clinical trial

NeuroRehabilitation . 2019;45(2):255-263.

      PMID: 31498138
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久しぶりのWiiシリーズですね。

パーキンソン病患者のリハビリとしてWiiを組み込んだ研究です。

結果は通常リハと変わりなしということでした。

これは通常リハと同様の効果があったとも取れるかもしれません。(介入なし群がないのでここでは比較できませんが…)

以前もWiiの研究がエビテンで取り上げられましたが、面白いですねー

ただ、そのWii自体が下火になってきているという… 

他のゲーム機でもこういったリハビリができれば面白いなと感じました。

 

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

次回は2/17(水)の22時00分から「フリーテーマ」にて行う予定です。

よろしければご視聴くださいませ!

 

 

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