こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
その月に気になった最新論文30本ほどのアブストラクトの要約し、論文を紹介していきます!
論文情報はSNSや各医学雑誌のメーリングリスト等を通じて入手しており、そこから個人的に気になった30件を選択します。
日本語訳は「DeepL翻訳」を参考(というかほぼコピペ…)にしております。
癌にはほとんど興味がないので、癌以外の分野の薬物治療の論文が中心になります。
【フリー】はフリーで全文が読める論文、【アブストのみ】はアブストラクトのみしか読めない論文となっております。
それぞれの論文にはpubmedのリンクを貼っております。
今回は2020年10月分を。61件取り上げております。
毎月増えるんですけど…30選だったはず…
☆血圧・脂質・糖尿病
①「厳格な血圧コントロールで見られる心血管イベントの減少が、他の入院原因の割合の増加と関連しているかどうかを検討した、SPRINT試験の事後解析(n=9,361)。参加者は、収縮期血圧の目標値(それぞれ120mmHg未満または140mmHg未満)を厳格に設定する群と標準群に無作為に割り付けられた。主要アウトカムであるSPRINTの主要イベントに関連しない100人年当たりの入院率は、19.70 vs 19.65であった(P=0.37)。入院回数が1回を超える入院は、集中治療群では38.8%、標準治療群では41.9%であった(P=0.08)。」
Effects of Intensive Systolic Blood Pressure Control on All-Cause Hospitalizations
Hypertension . 2020 Dec;76(6):1717-1724.
PMID: 33100049
【アブストのみ】
②「アルブミン尿が、eGFR低下、心血管イベント、または死亡率のリスクに対する厳格収縮期血圧コントロールの影響を検討した、SPRINT試験の事後解析(追跡期間中央値3.1年)。ベースラインのアルブミン尿のある1723人のうち69人、アルブミン尿のない7162人のうち61人が40%以上のeGFR低下を示し、アルブミン尿のある人(厳格コントロール群 1.74/100人年、標準コントロール群 1.17/100人年)の方が、アルブミン尿のない人(厳格コントロール群 0.48/100人年、標準コントロール群 0.11/100人年)よりも発生率が高かった。40%以上のeGFR低下に対する集中的なBP低下の効果は、相対尺度ではアルブミン尿の有無によって異なったが(アルブミン-クレアチニン比≧30mg/gの場合:HR 1.48;95%CI:0.91~2.39、アルブミン-クレアチニン比<30mg/gの場合:HR 4.55;95%CI:2.37~8.75、相互作用のP値<0.001)、40%以上のeGFR低下の絶対的増加はベースラインのアルブミン尿による差はなかった(発生率差 アルブミン-クレアチニン比≧30mg/gでは100人年あたり0.38イベント、アルブミン-クレアチニン比<30mg/gでは100人年あたり0.58イベント、相互作用のP値=0.60)。」
Clin J Am Soc Nephrol . 2020 Aug 7;15(8):1121-1128.
PMID: 32669306
【アブストのみ】
③「メタボリックシンドローム(MetS)の有無によるエボロクマブの心血管転帰を検討した、FOURIER試験(スタチン投与を受けている安定した動脈硬化性心血管系疾患を有する患者をevolocumab vs プラセボに無作為に割り付け、中央値2.2年の追跡調査を行った)のサブ解析。患者27,342人(平均年齢63歳、男性75.4%)のうち、ベースラインでMetSを有する59.8%は、MetSを有しない患者と比較して心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、または冠動脈再灌流の複合)のリスク(aHR 1.31;95%CI:1.18-1.46)および主要な副次的エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、または脳卒中)のリスク(aHR 1.38;95%CI:1.20-1.57)は高かった。エボロクマブは、MetS患者とMetS非患者において、LDLを同様に低下させた。主要エンドポイントについて、エボロクマブとプラセボのハザード比(95%CI)は、MetSのある患者とない患者で0.83(0.76-0.91)および0.89(0.79-1.01)であった(相互作用のP=0.39)であり、主要な副次的エンドポイントについてはそれぞれ0.76(0.68-0.86)および0.86(0.74-1.01)であった(相互作用のP=0.23)。」
JAMA Cardiol . 2020 Aug 12.
PMID: 32785614
【アブストのみ】
④「スタチンのアドヒアランスを促進するためのさまざまな金銭的インセンティブを含む6ヵ月間の介入により、ベースラインから12ヵ月間のLDL-C値が低下するかどうかを明らかにするために行われた4群(コントロール群(n=201)、懸賞群(n=199)、締め切り付き懸賞群(締め切りが過ぎれば懸賞の金額が半減)(n=204)、預り金付き懸賞群(n=201))の無作為化臨床試験(平均年齢58.5歳)。介入は6か月間続いた。それぞれの6か月間のアドヒアランスは、コントロール群(0.69;95%CI:0.66-0.72)よりも懸賞群(0.84; 95%CI:0.81-0.87)、締め切り付き懸賞群(締め切りが過ぎれば懸賞の金額が半減)(0.86;95%CI:0.83-0.89)、預り金付き懸賞群(0.87;95%CI:0.84-0.90)で有意に高かった(それぞれp<0.001)。12か月間の平均LDL-Cに群間差はなかった。」
JAMA Netw Open . 2020 Oct 1;3(10):e2019429.
PMID: 33034639
【フリー】
⑤「スタチンによる集中的な治療を受けているにもかかわらず最近ACSを発症し脂質異常症を発症した患者を対象に、腎機能別(eGFR<20mL/min/1.73m2は除外)で、アリロクマブの有効性をプラセボとを比較したRCT(n=18,918)。36ヵ月後、アリロクマブはプラセボと比較してLDL-Cを48.5%減少させたが、eGFRには影響を与えなかった(P=0.65)。全体として、アリロクマブは主要転帰(冠動脈疾患死亡、非致死的心筋梗塞、虚血性脳卒中、または入院を必要とする不安定狭心症)のリスクを減少させ、死亡数を減少させた。主要転帰または死亡に対する継続的eGFRと治療との間には相互作用はなかった。アリロクマブは、eGFR≧90mL/min/1.73m2(n=7,470;HR 0.784;95%CI:0.670-0.919)および60~90未満(n=9,326;HR 0.833;95%CI:0.731-0.949)の患者では主要転帰を減少させたが、60未満の患者(n=2,122;HR 0.974;95%CI:0.805-1.178)では減少させなかった。」
Eur Heart J . 2020 Aug 21;ehaa498.
PMID: 32820320
【アブストのみ】
⑥「VERIFY試験に登録された40歳前(若年発症[YOD])および40歳後(後期発症[LOD])に診断された2型糖尿病患者を対象に,早期併用療法(メトホルミン+ビルダグリプチン)とメトホルミン単剤療法の持続的な血糖値コントロールを解析(n=2,001)。9.3%がYOD、90.7%がLODで、平均年齢差は20.4歳であった。主要評価項目である、無作為化後の2回の連続予定訪問時にHbA1cが7.0%以上であることと定義した初期治療失敗(TF)までの時間は、メトホルミン単剤療法と比較して、早期併用療法でYOD(48%、P<0.0006)とLOD(46%、P<0.0001)の両方において、初回TFまでの期間のリスクを低下させた。早期併用により、二次TFまでの期間のリスクは、YODで48%(P<0.0035)、LODで24%(P<0.0009)減少した。」
Diabetes Obes Metab . 2020 Sep 7.
PMID: 32894637
【アブストのみ】
⑦「2型糖尿病および末梢動脈疾患を併発している患者において、DPP4iとSGLT2iとの心血管イベントおよび下肢有害イベントリスクを検討したコホート研究。SGLT2i、DPP4iを服用しているPAD患者11,431人と93,972に1:1のプロペンシティスコアマッチングをおこなった。SGLT2iの使用はDPP4iと比較して虚血性脳卒中と急性心筋梗塞のリスクが同等であり、うっ血性心不全(HR 0.66;95%CI:0.49~0.89)、再灌流を必要とする下肢虚血(HR 0.73;95%CI:0.54~0.98)、切断(HR 0.43;95%CI:0.30~0.62)、および心血管死(HR 0.67;95%CI:0.49~0.90)のリスクの低下と関連していた。」
Cardiovasc Diabetol . 2020 Sep 30;19(1):160.
PMID: 32998736
【フリー】
⑧「SGLT2阻害薬の心血管(CV)および腎臓の転帰を評価するために行われたプラセボ対象RCTのメタ解析(6試験;2型糖尿病患者n=46,969(平均年齢63.7歳;男性65.9%)、そのうち66.2%が動脈硬化性CV疾患あり)。SGLT2阻害薬は主要なCVイベント(HR 0.90;95%CI:0.85~0.95;Q統計量;P=0.27)、心不全入院(HHF)/CV死(HR 0.78;95%CI:0.73~0.84;Q統計量;P=0.09)、腎アウトカム(HR 0.62;95%CI;0.56~0.70;Q統計量;P=0.09)のリスク低減と関連していたが、アウトカムとの関連には有意な異質性は認められなかった。HHFのリスク低減は各試験で一貫していた(HR 0.68;95%CI:0.61-0.76;I2=0.0%)が、心房細動死については転帰との関連に有意な不均一性が認められた(HR 0.85;95%CI:0.78-0.93;Q統計量;P=0.02;I2=64.3%)。アテローム硬化性CV疾患の有無は、主要な心筋梗塞有害事象の転帰との関連を修飾せず(HR 0.89;95%CI:0.84-0.95およびHR 0.94;95%CI:0.83-1.07;相互作用はP=0.63)、HHF/CV死亡(相互作用はP=0.62)、HHF(相互作用はP=0.26)、腎臓転帰(相互作用はP=0.73)についても、同様にアテローム硬化性CV疾患の有病率による転帰修飾との関連は認められなかった。」
JAMA Cardiol . 2020 Oct 7;e204511.
PMID: 33031522
【フリー】
⑨「SGLT2阻害薬に対する、ベースラインでのメトホルミン使用による心血管、腎臓、または死亡への影響を検討したRCTのメタ解析(6試験;n=51,743)。SGLT2阻害薬は、メトホルミンの併用の有無にかかわらず、MACEのリスクを低下させた(それぞれ、HR 0.93;95%CI 0.87-1.00、HR 0.82;95%CI:0.71-0.86;P-不均一性=0.14)。また、SGLT2阻害薬の使用によりメトホルミンの使用にかかわらず、HHFまたは心血管死の減少が明確かつ個別に認められ(それぞれHR 0.79;95%CI:0.73-0.86、HR 0.74;95%CI:0.63-0.87;P-異質性=0.48)、主要な腎臓の転帰および全死因死亡も同様だった(すべてのP-異質性>0.40)。」
Diabetes Obes Metab . 2020 Oct 11.
PMID: 33043620
【アブストのみ】
⑩「CANVAS試験におけるインスリンやその他の糖尿病薬の開始を比較。1年後、カナグリフロジン投与群とプラセボ投与群では、いずれかの糖尿病薬(7% vs 16%)、インスリン(3% vs 9%)、非インスリンAHA(5% vs 12%)を開始した参加者は少なかった(すべてにおいてP<0.001)。試験期間中、カナグリフロジンを投与された参加者では、プラセボと比較してインスリンを開始する可能性が2.7倍低かった(HR 0.37;95%CI:0.31~0.43)。カナグリフロジン群とプラセボ群の10%の患者が試験開始時からインスリン投与を開始するまでの時間差は約2年であった。」
Diabetes Obes Metab . 2020 Jul 20.
PMID: 32691499
【アブストのみ】
⑪「経口糖尿病薬(OAD)で十分にコントロールされていない日本人2型糖尿病患者を対象に,グラルギン/リキシセナチド合剤(iGlarLixi)(n=260)をグラルギンU100(iGlar)(n=261)と比較して26週間投与した場合の有効性と安全性を検討したRCT(平均年齢59.7歳、平均BMI 26.04 kg/m2、平均HbA1c 8.04%)。HbA1cの減少はiGlarLixi(-1.40%)の方がiGlar(-0.76%)よりも有意に大きかった。26週目にHbA1c<7%に達した患者はiGlarLixi群で有意に多く(71.5% vs 38.5%、P<0.0001)、体重増加は有意に少なかった(LS平均差 -1.06kg、P<0.0001)。症候性低血糖(血糖値≦70mg/dL)は、iGlarLixi投与群で14.2%、iGlar投与群で12.3%に認められた。いずれの群においても重度の低血糖は報告されていない。」
Diabetes Obes Metab . 2020 Apr 14.
PMID: 32291880
【アブストのみ】
⑫「投与開始から 12 週間の間のグラルギン/リキシセナチド(iGlarLixi)とGLP-1RAの消化管有害事象(AE)発生率を比較したネットワークメタ解析(17試験、n=9,030)。iGlarLixiと比較して、エクセナチド10μgの1日2回投与(率比 0.32;95%CI:0.15-0.66)、リキセナチド20μgの1日1回投与(RR 0.35;95%CI:0.24-0.50)、リラグルチド1.8mgの1日1回投与(RR 0.48;95%CI:0.23-0.98)と比較して、吐き気の発生率は有意に低かった。また、セマグルチド1mgの1週間に1回投与(RR 0.60;95%CI:0.30-1.23)およびデュラグルチド1.5mgの1日1回投与(RR 0.60;95%CI:0.29-1.26)、エクセナチドの1週間に1回投与(RR 1.91;95%CI:0.91-4.03)と比較して有意ではなかった。」
Diabetes Obes Metab . 2020 Sep 29.
PMID: 32991041
【アブストのみ】
⑬「糖尿病性末梢神経障害性疼痛(DPNP)患者におけるミロガバリンの有効性と安全性を検討したメタ解析(3RCT、n=1,732)。ミロガバリン治療は、プラセボと比較して、7週間の平均一日疼痛スコア(ADPS)の有意な低下と関連していた。ミロガバリンはプレガバリンと比較して、3、4、5週後にのみADPSの低下が有意に認められた。ADPSが30%以上、50%以上低下した患者の割合は、ミロガバリン群の方がプラセボ群やプレガバリン群と比べて優位に多かった。プラセボ群と比較して、ミロガバリンは、めまい、体重増加、末梢性浮腫、傾眠などの有害事象と有意に関連していた。」
Int J Clin Pract . 2020 Sep 29;e13744.
PMID: 32991782
【アブストのみ】
☆抗凝固/抗血小板、心不全
⑭「原因不明の塞栓性脳卒中(ESUS)患者の脳卒中再発抑制に対するダビガトランのアスピリンに対する優位性を検討したRE-SPECT ESUS試験の日本人を対象としたサブ解析。ダビガトラン(150または110mgを1日2回投与)(n=294)とアスピリン(100mgを1日1回投与)(n=300)のいずれかに無作為に割り付けられた。19.4ヵ月の追跡期間中央値で、主要転帰として脳卒中の再発がダビガトラン群で4.3%/年、アスピリン群で8.3%/年にみられた(HR 0.55;95%信CI:0.32-0.9)。大出血はそれぞれ2.5%/年、3.5%/年に発生した(HR 0.72;95%CI:0.34~1.52)。対照的に、日本人以外のコホートでは、脳卒中の再発はそれぞれ4.1%/年、4.3%/年であり、ダビガトランとアスピリンでは脳卒中の再発に明らかな差はなかった(HR 0.91;95%CI:0.74-1.14)。」
Circ J . 2020 Oct 30.
PMID: 33132228
【フリー】
⑮「PCIを受けたACS患者におけるチカグレロルとクロピドグレルの有効性と安全性を検討した後ろ向きコホート研究。傾向スコアマッチングを行った31,290組(年齢中央値60~64歳、女性29.3%)のうち、95.5%の患者がアスピリンとチカグレロルまたはクロピドグレルを併用していた。net adverse clinical events (NACE)の1年リスクはチカクレロルとクロピドグレルで有意差はなかった(15.1% vs 14.6%;HR 1.05;95%CI:1.00~1.10)。また、全死因死亡(チカグレロル2.0% vs クロピドグレル2.1%;HR 0.97;95%CI:0.81~1.16)または虚血性イベント(チカグレロル13.5% vs クロピドグレル13.4%;HR 1.03;95%CI:0.98~1.08)のリスクにも有意差は認められなかった。出血性イベント(チカグレロル2.1% vs クロピドグレル1.6%;HR 1.35;95%CI:1.13-1.61)のリスクはチカグレロル群で有意に高かった。」
Association of Ticagrelor vs Clopidogrel With Net Adverse Clinical Events in Patients With Acute Coronary Syndrome Undergoing Percutaneous Coronary Intervention
JAMA . 2020 Oct 27;324(16):1640-1650.
PMID: 33107944
【アブストのみ】
⑯「急性冠症候群(ACS)または慢性冠症候群(CCS)を呈するAF患者のPCI後の患者を対象に、エドキサバン60mg+P2Y12阻害薬(n=388)を12か月vsワーファリン+P2Y12阻害薬+アスピリン(n=389)を1~12か月の有効性と安全性を評価したRCT。12ヵ月目の主要エンドポイントである出血は、ACS患者15.2% vs 20.3%(HR 0.73;95%CI:0.59~1.02)、CCS患者19.0% vs 19.9%(HR 0.94;95%CI:0.68~1.31)で発生した。ACS患者の主要副次評価項目(CV死亡、心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓性イベント、またはステント血栓症の複合)は、ACS患者8.5% vs 7.2%(HR 1.16;95%CI:0.70~1.92)、CCS患者4.4% vs 4.9%(HR 0.91:95%CI:0.47~1.78)であった。」
Eur Heart J . 2020 Aug 29;ehaa617.
PMID: 32860041
【アブストのみ】
⑰「心房細動におけるアブレーション後のリバロキサバン(n=823)またはワルファリン(n=152)投与を受けた患者の臨床転帰を評価した前向き観察研究。平均年齢63.7歳、男性72.8%、平均CHA2DS2-VAScスコア1.9、平均追跡期間28.7ヶ月。フォローアップ期間中50.9%で抗凝固薬が継続された。血栓塞栓症は0.13%/人年、出血性脳卒中は0.22%/人年、大出血イベントは0.4%/人年。大出血の複合イベント発生率は、リバロキサバンとワルファリンで差はなかった(それぞれ患者年当たり年率0.53%、0.55%)。」
J Cardiol . 2020 Sep 30;S0914-5087(20)30299-9.
PMID: 33011056
【アブストのみ】
⑱「AFにおける抗凝固薬の継続or中止による影響を検討した研究のメタ解析(n=22,71542試験)大出血の発生は、非中断DOAC治療に割り付けられた患者では非中断VKA群と比較して有意に低かった(OR 0.71;95%CI:0.51-0.99)。また、無中断群と最小限に中断したDOAC群のプール解析では、大出血イベントの有意な減少が認められた(OR 0.70;95%CI:0.53~0.93)。血栓塞栓性イベントの発生率は低く、群間に有意差はなかった。」
J Clin Med . 2020 Sep 24;9(10):3073.
PMID: 32987707
【フリー】
⑲「DOACを服用しているAF患者における相互作用薬との併用時の出血リスクを検討した観察研究。DOACのみの投与と比較して、出血に薬力学的効果を有する薬剤を併用した場合には、重篤な出血のリスクが増加した。これらの併用によるリスクの増加は,アピキサバン(HR 1.47;95%CI:1.33~1.63),リバーロキサバン(HR 1.7;95%CI:1.49~1.92),ダビガトラン(HR 1.26;95%CI:1.05~1.52)で明らかであった。アピキサバンについては、CYP3A4および/またはP-糖タンパク質(P-gp)阻害薬と併用すると、重篤な出血のリスクが増加した(HR 1.23;95%CI:1.01-1.5)。」
Eur J Clin Pharmacol . 2020 Oct 7.
PMID: 33029651
【アブストのみ】
⑳「一次予防のためにアスピリンと対象薬を比較し、ASCVD(心筋梗塞と虚血性脳卒中の複合)および大出血を評価したRCTのメタ解析(12RCT;963,829人年)。アスピリンはASCVDの減少と関連していた(4.7件/100人年 vs 5.3/1000人年;RR 0.86;95%CI:0.79-0.92)。アスピリン使用者では大出血の増加がみられた(2.5/1000人年 vs 1.8件/1000人年;RR 1.41;95%CI:1.29-1.54)。」
Am J Med . 2020 Sep;133(9):1056-1064.
PMID: 32445718
【アブストのみ】
㉑「DAPA-HF試験の事後解析。HFrEF患者へのダパグリフロジンの投与による腎機能への影響、または腎機能による効果への影響を検討したRCT。ベースラインのeGFRが低下していた4742例のうち、eGFRが60ml/min/1.73m2未満の患者は41%であった。1次エンドポイントであるCV死亡またはHFの悪化は腎機能による影響を受けなかった(CKD患者(eGFR<60ml/min/1.73m2):HR 0.71;95%CI:0.59-0.86)、eGFRが60ml/min/1.73m2以上:HR 0.77;95%CI:0.64-0.93)であった(相互作用p=0.54)。複合腎転帰(50%以上のeGFR低下、末期腎疾患(ESRD)または腎死)は低下しなかった(HR 0.71;95%CI:0.44-1.16;p=0.17)が、14日目から720日目までのeGFRの低下率は、ダパグリフロジンで-1.09(95%CI:-1.41 to -0.78) vs プラセボで-2.87(95%CI:-3.19 to -2.55)ml/min/1.73m2/年と少なかった(p<0.001)。 」
Circulation . 2020 Oct 12.
PMID: 33040613
【アブストのみ】
㉒「CKD(eGFR<30mL/min)/1.73mを有する心不全患者(n=3,775)へのβ遮断薬の有用性を検討した観察研究。追跡期間中央値1.3年の間に、2012人はHFにて入院し、2849人が死亡し、そのうち2016人が心血管系の原因で死亡した。HFrEF患者のうちβ遮断薬の使用は、非使用に比べて死亡リスク(aHR 0.85;95%CI:0.75~0.96)および心血管死亡/HF入院(aHR 0.87;95%CI:0.77~0.98)が低かった。HFpEFを有するCKDのβ遮断薬使用者(死亡:aHR 0.88;95%CI:0.77-1.02、心血管死亡/HF入院:aHR 1.05;95%CI:0.90-1.23)およびHFmrEFを有するCKDのβ遮断薬使用者(死亡:aHR 0.95;95%CI:0.79-1.14、心血管死亡率/HF入院:aHR 1.09;95%CI:0.90-1.31)では、有意な関連は観察されなかった」
Circ Heart Fail . 2020 Nov;13(11):e007180.
PMID: 33070637
【アブストのみ】
㉓「駆出率が40%以下のクラスII~IVの心不全患者(n=3,730)を、心不全に対する推奨治療に加えてプラセボまたはエンパグリフロジン(10mgを1日1回)に割り付けた二重盲検RCT(中央値16ヵ月)。エンパグリフロジンは、死亡、心不全のための入院、または静脈内治療が必要な心不全の救急受診の複合リスクを減少させ(HR 0.76;95%CI:0.67-0.87)、この有益性は、無作為化後12日目に統計的に有意になった。エンパグリフロジンは、集中治療を必要とした心不全入院の総件数を減少させ(HR 0.67;95%CI 0.50~0.90)、血管拡張薬や強心薬、機械的または外科的介入を必要とした心不全入院の総件数を減少させた(HR 0.64;95%CI:0.47~0.87)。プラセボと比較して、エンパグリフロジン群では利尿薬の増量を報告した患者が少なかった(HR 0.67;95%CI:0.56~0.78)。さらに、エンパグリフロジンに割り付けられた患者は、NYHAクラスの改善の可能性が20~40%高く、NYHAクラスの悪化の可能性が20~40%低かった。統計学的に有意な効果は無作為化から28日後に明らかになり、長期追跡中も維持された。プラセボ群における入院または外来での心不全イベントのいずれかの悪化リスクは高かった(追跡期間100患者年あたり48.1)が、エンパグリフロジンにより減少した(HR 0.70;95%CI:0.63~0.78)。」
Circulation . 2020 Oct 21.
PMID: 33081531
【アブストのみ】
㉔「持続性心房細動を有するHEpEF患者(n=250)に対するスピロノラクトン(25mg/日)の効果を検討したプラセボ対象RCT。患者は2年間追跡調査され、主要評価項目は2年後の心肺運動試験におけるピーク酸素消費量であった。スピロノラクトン療法はプラセボと比較して2年後のピーク酸素消費量を改善しなかった(14.0mL/min/kg vs 14.5mL/min/kg;調整後治療効果 -0.28;95%CI:-1.27~0.71)。6分歩行距離(調整後治療効果 -8.47m;95%CI:-31.9~14.9)、E/e'比(調整後治療効果 -0.68;95%CI:-1.52~0.17)、QOLには差がなかった。少なくとも1回の入院はスピロノラクトン群で15%、プラセボ群で23%の患者で発生し(P=0.15)、推定糸球体濾過率は、スピロノラクトン群で6mL/min減少し、対照群では1単位未満減少した(P<0.001)。」
Spironolactone in Atrial Fibrillation With Preserved Cardiac Fraction: The IMPRESS-AF Trial
J Am Heart Assoc . 2020 Sep 15;9(18):e016239.
PMID: 32909497
【フリー】
㉕「HEFpEF患者4822人を対象とし、サクビトリル/バルサルタン群(n=2419)またはバルサルタン群(n=2403)に割り付け、腎複合アウトカム(推定糸球体濾過率(eGFR)の50%以上の低下、末期腎疾患、または腎原因による死亡のいずれかが最初に発生するまでの時間)をアウトカムとしたRCT。ベースラインのeGFRは63mL/min/1.73m2であった。複合腎転帰は、サクビトリル/バルサルタン群1.4%、バルサルタン群2.7%であった(ハザード比 0.50;95%CI:0.33-0.77)。複合腎エンドポイントに対する治療効果は,ベースラインの eGFR<60 vs ≥60では差がなかった。eGFRの低下は、サクビトリル/バルサルタンの方がバルサルタンよりも少なかった(-2.0 vs -2.7mL/min/1.73 m2/年)。」
Circulation . 2020 Sep 29;142(13):1236-1245.
PMID: 32845715
【アブストのみ】
☆抗菌薬/感染症
㉖「KPCとNDM産生性Enterobacterales感染者の臨床成績を比較した後ろ向き観察研究。試験期間中に859例の患者が確認され,55%がKPC,45%がNDMであった。30日死亡率はKPC群がNDM群に比べて有意に高かった(17% vs 9%、P<0.001)。KPC群はNDM群と比較して、初回分離後30日以内に感染症を発症した頻度が高かった(8% vs 3%; P=0.02)。」
Clin Microbiol Infect . 2020 Sep 30;S1198-743X(20)30597-8.
PMID: 33010443
【アブストのみ】
㉗「4価HPVワクチンの有効性を検討した観察研究。 10~30 歳の女児および女性 1,672,983 人が対象。4 価 HPV ワクチンを接種した女性 19 名と接種していない女性 538 名で子宮頸がんと診断。子宮頸がんの累積発生率は、ワクチン接種を受けた女性では47例/10万人、ワクチンを受けていない女性では94例/10万人であった。追跡調査時の年齢を調整した後、ワクチン接種集団とワクチン未接種集団を比較した場合の発生率比は0.51(95%CI:0.32~0.82)であった。他の共変量の追加調整後の発症率比は0.37(95%CI:0.21~0.57)、すべての共変量で調整した後、発症率比は17歳以前にワクチンを接種した女性では0.12(95%CI:0.00~0.34)、17~30歳でワクチンを接種した女性では0.47(95%CI:0.27~0.75)であった。」
HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer
N Engl J Med . 2020 Oct 1;383(14):1340-1348.
PMID: 32997908
【アブストのみ】
㉘「重症細菌感染症患者における適切な抗菌薬治療の遅れが臨床転帰に与える影響を検討した37研究のメタ解析。死亡率は、遅延のない適切な治療を受けた患者の方が遅延を経験した患者に比べて有意に低く(OR 0.57;95%CI:0.45-0.72)、20~30日後の死亡率(OR 0.57;95%CI:0.43-0.76)、ICU滞在中死亡率(OR 0.47;95%CI:0.27-0.80)、または菌血症患者の死亡率(OR 0.54;95%CI:0.40-0.75)も同様であった。」
Chest . 2020 Sep;158(3):929-938.
PMID: 32446623
【フリー】
㉙「2013-2016年の日本の女性の単純性膀胱炎の抗菌薬使用状況を調査した観察研究。最も処方された抗生物質の種類はフルオロキノロン系(52.67%)で、次いでセファロスポリン系/ペネム系(40.63%)(そのうち3世代セフェムが90.91%)。抗生物質の処方期間は、第1世代セファロスポリン、ペネム(7日)、スルファメトキサゾール/トリメトプリム(3日)を除き、5日が最も多かった。」
Epidemiology of antibiotic treatment for uncomplicated cystitis in adults in Japan
J Infect Chemother . 2020 Sep 30;S1341-321X(20)30321-4.
PMID: 33011067
【フリー】
㉚「虫垂炎に対する10日間の抗菌薬療法(n=776)と虫垂切除術(n=776)とを比較したRCT。30日の時点での健康状態を示すEQ-5D スコアでは,抗菌薬は虫垂切除術に対して非劣性を示した(差の平均 0.01pt;95%CI:-0.001~0.0)。90日の時点までに抗菌薬群の29%が虫垂切除術を受けた。合併症発症率は抗菌薬群のほうが虫垂切除術群よりも高く(100例あたり8.1件 vs 3.5件;率比 2.28;95%CI:1.30~3.98),このことは虫垂結石保有者に起因し(100例あたり抗菌薬群20.2件 vs 虫垂切除術群3.6件;率比 5.69;95%CI:2.11~15.38)、非保有者には起因しないと考えられた(100例あたり3.7件 vs 3.5件;率比 1.05;95%CI:0.45~2.43)。重篤な有害事象の発現率に有意差はなかった(100例あたり4.0件 vs 3.0件;率比 1.29;95%CI:0.67~2.50)。」
A Randomized Trial Comparing Antibiotics with Appendectomy for Appendicitis
N Engl J Med . 2020 Nov 12;383(20):1907-1919.
PMID: 33017106
【アブストのみ】
㉛「成人の敗血症または敗血症性ショック患者を対象に、βラクタム系薬の長時間点滴と間欠点滴の死亡率を比較したRCTのメタ解析(13研究)。長時間投与群では入院死亡率は低下しなかった(RR 0.69;95%CI:0.47~1.02)。目標血漿中濃度の達成率(RR 0.40;95%CI:0.21-0.75)および臨床的治癒率(RR 0.84;95%CI:0.73-0.97)は長時間投与群で有意に改善した。有害事象(RR 1.01;95%CI:0.95-1.06)及び耐性菌の発現量(RR 0.53;95%CI:0.10-2.83)には群間で有意差は認められなかった。」
J Intensive Care . 2020 Oct 6;8:77.
PMID: 33042550
【フリー】
㉜「アジスロマイシン使用者とアモキシシリン使用者との間での心臓イベントのオッズを比較した後ろ向きコホート研究。マッチング後の最終コホートには、各群2,141,285エピソード(n=4,282,570)が含まれた(平均年齢35.7歳;女性52.6%)。主要転帰は、指標日から5日、10日、30日後の入院を主診断とした失神、動悸、心室性不整脈、心停止、または死亡を含む心臓イベントであった。治療開始後5日以内に1474件(0.03%)の心臓イベントが発生した(アモキシシリンコホートで708件、アジスロマイシンコホートで766件)。最も頻度の高かったのは失神(70.0%)と動悸(22.5%)の2つであった。アモキシシリンと比較したアジスロマイシンによる心臓イベントのオッズは、5日目(OR 1.08;95%CI:0.98~1.20)、10日目(OR 1.05;95%CI:0.97~1.15)、30日目(OR 0.98;95%CI:0.92~1.04)であった。いずれかのQT延長薬を併用している患者では、アジスロマイシンによる心イベントのオッズはアモキシシリンと比較して高かった(OR 1.40;95%CI:1.04~1.87)。」
Comparison of Cardiac Events Associated With Azithromycin vs Amoxicillin
JAMA Netw Open . 2020 Sep 1;3(9):e2016864.
PMID: 32930780
【フリー】
㉝「免疫チェックポイント阻害薬(ICI)治療を受けている患者へのインフルエンザワクチン投与の安全性を検討した研究。370人の患者がICIとワクチン接種の基準を満たし、約2カ月(65日)以内に接種された。コホート全体では、20%が免疫関連有害事象(IRAE;任意のグレード)を経験した;グレード3または4の有害事象の発生率は8%であり、グレード5は発生しなかった。新規に抗PD-1薬による治療を受けた患者170人のサブセットでは、全体のIRAE発生率は18%であり、グレード3/4のイベントは7.6%に発生していた。インフルエンザと診断されたのは2例だった。」
Safety of Inactivated Influenza Vaccine in Cancer Patients Receiving Immune Checkpoint Inhibitors
Clin Infect Dis . 2020 Jan 2;70(2):193-199.
PMID: 30874791
【フリー】
㉞「成人MRSA菌血症患者におけるバンコマイシンとβラクタム系抗菌薬の併用療法の有効性を検討したメタ解析(6試験;n=806)。微生物学的失敗リスクを有意に低下(OR 0.54;95%CI:0.35~0.83;I2=40%)させるとともに、菌血症の持続期間を短縮した(MD -1.06;95%CI:-1.53~-0.60;I2=0%)が、腎毒性の発現率は増加させなかった(OR 1.17;95%CI:0.64~2.13;I2=0%)。28/30日死亡率、MRSA関連死亡率、菌血症再発率、入院期間については、群間で有意差は認められなかった。」
J Glob Antimicrob Resist . 2020 Oct 9;23:303-310.
PMID: 33045437
【フリー】
㉟「重症の細菌感染症患者の臨床転帰に及ぼす適切な初期抗菌薬治療と不適切な初期抗菌薬治療の影響を調査したメタ解析。適切な治療は死亡率で有意だった(OR 0.44;95%CI:0.38-0.50)。8件の研究において、適切な治療では不適切な治療と比較して入院期間が短かった(平均差(MD) -2.54日;95%CI:-5.30~0.23)が、有意差は認められなかった。治療失敗の発生率は、適切な治療を受けた患者の方が有意に低く(6件の研究:OR 0.33;95%CI:0.16-0.66)、平均病院費用も有意に低かった(4件の研究:MD -7.38千米ドルまたはユーロ;95%CI:-14.14 to 0.62)。」
Int J Antimicrob Agents . 2020 Oct 9;106184.
PMID: 33045353
【アブストのみ】
㊱「抗生物質アレルギーのラベルが抗生物質の使用と曝露、臨床転帰、医療関連コストの3つの領域にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的としたシステマテックレビュー。抗生物質曝露を調査した34件の研究のうち、32件(94%)では、抗生物質アレルギーラベルのある患者の方が、より広範な抗生物質の投与を受けていた。さらに31件の研究では、入院期間、ICU入院、再入院、多剤耐性または日和見感染、死亡率などの臨床転帰が検討され、27件(87%)の研究では、アレルギー表示のある患者では、少なくとも1件のネガティブな転帰があったことがわかった。医療費を調査した9件の研究のうち、7件(78%)の研究では、アレルギーのラベルを使用した患者の方が、薬剤費や病院関連の費用が有意に高いことが明らかになった。」
Infect Control Hosp Epidemiol . 2020 Oct 16;1-19.
PMID: 33059777
【アブストのみ】
㊲「不完全に回復したCOPD増悪(GOLDⅡ~Ⅳ、COPD増悪の14日後(±3 日後)に症状が持続し、CRPが8mg/L以上の患者を対象)に対してシプロフロキサシンをさらに投与することで、次のイベントまでの時間が延長されるかどうかを検討した二重盲検RCT。シプロフロキサシン500mg(n=72)またはプラセボ(n=72)を1日2回、7日間経口投与することで再治療を検討した。無作為化から90日以内に、シプロフロキサシン群では57%、プラセボ群では53%の患者が1回以上の増悪を経験し、次の増悪までの期間の中央値はプラセボ群で32.5日、シプロフロキサシン群で34日だった(aHR1.07;95%CI:0.68~1.68)。治療群間ではQOLスコアや肺機能に有意差は認められなかった。」
Am J Respir Crit Care Med . 2020 Aug 15;202(4):549-557.
PMID: 32267724
【アブストのみ】
☆Covid-19
㊳「レムデシビル10日投与(n=197)、レムデシビル5日投与(n=199)、標準治療(n=200)のRCT。レムデシビルは1日目に200mgを静脈内投与し、その後100mg/日を投与。主要評価項目は11日目の臨床状態で,死亡(カテゴリー1)から退院(カテゴリー7)までの7段階の縦割りスケールで評価した。584人が試験を開始し(年齢中央値57歳、女性39%)、533人(91%)が試験を終了した。11日目の臨床状態の分布は、5日間のレムデシビル群の患者の方が標準治療群よりも統計学的に有意に高かった(OR 1.65;95%CI:1.09-2.48)が、10日間のレムデシビル群と標準ケア群の11日目の臨床状態分布には有意差はなかった(P=0.18)。28日目までに9例が死亡した:5日目レムデシビル群1%、10日目レムデシビル群2%、スタンダードケア群2%。吐き気(10% vs 3%),低カリウム血症(6% vs 2%),頭痛(5% vs 3%)はレムデシビル投与群で標準治療群と比較して高頻度であった。」
JAMA . 2020 Sep 15;324(11):1048-1057.
PMID: 32821939
【フリー】
㊴「COVID-19患者におけるコルチコステロイドの有効性と安全性を検討したメタ解析。11件のコホート研究(vsプラセボ)、2件の後ろ向きコホート研究(対照群なし)、7件の症例研究が同定され、合計2840人の患者が含まれた。対照群と比較して、コルチコステロイド療法は臨床的回復(RR 1.30;95%CI:0.98~1.72)およびICU入院期間の有意な短縮(RR -6.50;95%CI:-7.63~-5.37)と関連していたが、死亡率(RR 1.59;95%CI:0.69~3.66;I2=93.5%)、人工呼吸器の利用率(RR 0.35;95%CI:0.10~1.18)、症状の持続時間(WMD 1.69;95%CI:-0.24~3.62)、またはウイルス排出時間(RR 1.01;95%CI:-0.91~2.92、I2=57%)には影響を与えなかった。コルチコステロイドによる治療は、軽度の有害転帰を引き起こす可能性がある」
Front Pharmacol . 2020 Sep 9;11:571156.
PMID: 33013412
【フリー】
㊵「SARS-CoV-2とインフルエンザAウイルス(IAV)を培養液や上気道粘液と混合した場合のヒト皮膚表面での安定性、および80%(w/w)エタノールによるSARS-CoV-2およびIAVに対する皮膚消毒効果を評価した研究。SARS-CoV-2およびIAVは他の表面(ステンレス/ガラス/プラスチック)よりも皮膚表面の方が迅速に不活化された;ヒト皮膚表面での生存時間はSARS-CoV-2の方がIAVよりも有意に長かった(9.04h(95%CI:7.96~10.2) vs 1.82h(95%CI:1.65~2.00))。他の表面上のIAVは、粘液と培地の条件ではより速く不活化されたが、SARS-CoV-2は粘液と培地で同様の安定性を示した;生存時間はSARS-CoV-2の方がIAVよりも有意に長かった(11.09h(95%CI:10.22-12.00) vs 1.69h(1.57-1.81))。さらに,ヒト皮膚粘液中のSARS-CoV-2およびIAVは,エタノール処理により15秒以内に完全に不活化された.」
Survival of SARS-CoV-2 and influenza virus on the human skin: Importance of hand hygiene in COVID-19
Clin Infect Dis . 2020 Oct 3;ciaa1517.
PMID: 33009907
【フリー】
㊶「COVID-19へのICSの効果を検討した観察研究。COPDコホートではICS vs LABA/LAMA、喘息コホートでは低用量、中用量、高用量のICS vs SABAのみを処方された人のCOVID-19関連死の転帰を比較した。指標日の4ヵ月前に関連する呼吸器薬を処方されたCOPD患者148,557人と喘息患者818,490人を同定した。ICSを処方されたCOPD患者は、LABA/LAMAを処方された患者と比較してCOVID-19関連死のリスクが高かった(aHR 1.39;95%CI:1.10-1.76)。SABAのみを処方された人と比較して、高用量のICSを処方された喘息患者は死亡リスクが高かった(aHR 1.55;95%CI:1.10-2.18)が、低用量または中用量を処方された人はそうではなかった(aHR 1.14;95%CI:0.85-1.54)」
Lancet Respir Med . 2020 Nov;8(11):1106-1120.
PMID: 32979987
【フリー】
㊷「Covid-19で入院し、下気道感染の所見を認める成人(n=1,062)を対象としたレムデシビル静脈内投与の二重盲検RCT。レムデシビル投与群(n=541)(1日目に負荷用量200mg、その後 100mg1日1回を最長9日間)とプラセボ群(n=521)に割り付けた。主要アウトカムである回復までの期間の中央値はレムデシビル群で10日(95%CI:9~11),プラセボ群で15日(95%CI:13~18)であった(回復の率比 1.29;95%CI:1.12~1.49)。レムデシビル群は,8段階の順序尺度に基づく15 日目の時点で臨床的改善を認める確率がプラセボ群よりも高かった(実際の重症度で補正後のオッズ比 1.5;95%CI:1.2~1.9)。死亡率の Kaplan–Meier 推定値は,15 日目の時点でレムデシビル群6.7%,プラセボ群11.9%であり,29日目の時点ではレムデシビル群11.4%,プラセボ群15.2%であった(HR 0.73;95%CI:0.52~1.03)。重篤な有害事象はレムデシビル群24.6%、プラセボ群31.6%で報告された。」
Remdesivir for the Treatment of Covid-19 - Final Report
N Engl J Med . 2020 Oct 8;NEJMoa2007764.
PMID: 32445440
【フリー】
☆その他
㊸「外傷(tBI)後2時間以内の院外でのトラネキサム酸治療を開始が中等度または重度の外傷性脳損傷患者の神経学的転帰を改善するかどうかを検討した2重盲検RCT。対象者(N=966;平均年齢42歳;男性74%)が3つの介入(院外:トラネキサム酸(1g)ボーラス+院内:トラネキサム酸(1g)を8時間かけて点滴(n=312)、院外:トラネキサム酸(2g)ボーラス+院内:プラセボ8時間かけて点滴(n=345)、および院外:プラセボボーラス+院内:プラセボ8時間かけて点滴(n=309))に割り付けられ、TBI後2時間以内に治療が開始された。これらの参加者のうち、(84.8%)が6ヵ月追跡時の主要アウトカム解析に利用可能であった。主要アウトカムである6ヵ月時点での良好な神経学的機能(Glasgow Outcome Scale-Extendedスコア>4(中等度の障害または良好な回復))は、トラネキサム酸群で65%、プラセボ群で62%の患者に発現した(差3.5%、有益性の90%片側信頼限界-0.9%、P=0.16、有害性の97.5%片側信頼限界10.2%、P=0.84)。28日死亡率(14% vs 17%;差-2.9%;95%CI:-7.9% to 2.1%)、6ヵ月Disability Rating Scaleスコア(6.8 vs 7.6;差-0.9;95%CI:-2.5 to 0.7)、頭蓋内出血の進行(16% vs 20%;差-5.4%;95%CI:-12.8% to 2.1%)に統計学的に有意な差は認められなかった。」
JAMA . 2020 Sep 8;324(10):961-974.
PMID: 32897344
【アブストのみ】
㊹「消化管出血に対するトラネキサム酸の効果を検討したメタ解析(13RCT;n=2,271)。メタ解析の結果、トラネキサム酸はプラセボと比較して、継続的な出血(RR 0.60;95%CI:0.43~0.84)、緊急内視鏡介入(RR 0.35;95%CI:0.24~0.50)、死亡率(RR 0.60;95%CI:0.45~0.80)を有意に減少させた。」
Am J Emerg Med . 2020 Aug 29;S0735-6757(20)30755-5.
PMID: 33041136
【アブストのみ】
㊺「急性片頭痛発作の治療において、チモロールマレイン酸塩点眼液0.5%をプラセボ点眼液と比較して短期的な有効性と安全性を評価したクロスオーバー試験。主要アウトカム指標は治療による疼痛スコアの低下であり、点眼薬の投与20分後に疼痛スコアが4ポイント減少したこと、またはゼロになったことであった。50人の患者のうち84%が女性で、平均年齢は27.3歳であった。チモロールで治療された片頭痛発作284例のうち82%、プラセボで治療された発作271例の14%は、20分後の疼痛スコアが4ポイント減少、またはゼロになることと関連しており、その差は68%(95%CI:62~74%)であった。一般化推定式分析の結果、20分後の疼痛スコアの低下は、プラセボ群と比較してチモロール群の方が平均4.63ポイント(P<0.001)で大きかった。」
JAMA Ophthalmol . 2020 Oct 1;138(11):1160-1166.
PMID: 33001159
【アブストのみ】
㊻「慢性特発性便秘症に対し、刺激性下剤(センナ 1.0g)、浸透圧剤(酸化マグネシウム(MgO) 1.5g)、プラセボのいずれかを28日間連続投与して有効性を検討したRCT(n=90;平均年齢42歳、女性93%、症状の平均持続期間9.9年)。全般的な改善の奏効率はプラセボ群で11.7%、センナ群で69.2%、MgO群で68.3%であった(P<0.0001)。自然排便(SBM)の変化は、センナ群とMgO群の方がプラセボ群よりも有意に大きく(P<0.001)、完全SBMの変化も、センナ群とMgO群の方がプラセボ群よりも有意に大きかった(P<0.01)。便秘QOLの患者評価では、センナ群とMgO群でプラセボ群に比べて有意な改善が見られた(センナ:P<0.05、MgO:P<0.001)。」
Am J Gastroenterol . 2020 Sep 22.
PMID: 32969946
【アブストのみ】
㊼「医薬品の賦形剤であるステアリン酸マグネシウム(MgSt)はアスピリンを加水分解するためアスピリン製剤では避けるべきであり、その影響を検討した後ろ向き観察研究。虚血性脳卒中(IS)後に退院し、MgSt-ASA製剤(n=2,064)のみまたは非MgSt-ASA製剤(n=17,436)を投与された患者が対象(計n=19,500;平均年齢67歳;男性60%)。複合イベント(全死亡、虚血性脳卒中入院、心筋梗塞関連入院)の粗発生率は、MgSt-ASA製剤を受けた患者では13.90人年、非MgSt-ASA治療を受けた患者では11.45人年となり、調整後HRは有意に高かった(aHR 1.23;95%CI:1.02~1.47)。」
Pharmacoepidemiol Drug Saf . 2020 Sep 21.
PMID: 32954579
【アブストのみ】
㊽「メトトレキサート(MTX)の8mg/wkにてコントロールが不十分な患者(n=89;)の単回投与レジメン(n=39)と3回分割投与レジメン(n=39)の有害事象の発生率を比較したRCT。全患者のMTX投与量は16mg/wkに漸増した。主要エンドポイントは観察期間(20週)における肝機能障害の発生とした。ベースラインデータおよび20週目のMTX投与量には群間で差はなかった。肝機能障害の発生率には群間で有意差はなかった(単回投与7.7% vs 3回投与13.2%;P=0.455)。有害事象の発現率は3回投与群で増加した(単回投与群 30.8% vs 3回投与群51.3%)が、その差は有意ではなかった(P=0.066)。」
Int J Rheum Dis . 2020 Sep 8.
PMID: 32896992
【アブストのみ】
㊾「肺炎にて入院した65歳以上の患者において、経鼻胃管栄養を受けている患者(n=123)とTPNを受けている患(n=336)者の院内転帰を比較することを目的とした観察研究。経鼻胃管栄養を受けた患者では、院内死亡率(13.8% vs 27.1%;p=0.003)および合併症の数が少なく(平均 0.71 vs 1.44;p<0.001)、入院期間が短く(平均 27.6 vs 48.9;p<0.001)、在宅退院が多く(72.4% vs 35.1%;p<0.001)、経口摂取なしの退院が多く(65.9% vs 45.8%;p<0.001)なった。」
J Nutr Health Aging . 2020;24(8):883-887.
PMID: 33009540
【アブストのみ】
㊿「フェブキソスタットの使用と心血管イベントとの関連を評価したRCTのメタ解析(15試験;n=16,070;平均年齢58歳)(vs アロプリノールまたはプラセボ)。追跡期間中央値6.4ヵ月の時点で、フェブキソスタットの使用は、心血管系死亡(RD 0.12%;95%CI:-0.25%~0.49%;I2=48%)、全死因死亡(RD 0.20%;95%CI:-0.28%~0.68%;I2=60%)、主要有害心血管イベント(RD 0.40%;95%CI:-0.34%~1.13%;I2=26%)、心筋梗塞(RD -0.06%;95%CI:-0.29%~0.17%;I2=0%)、脳卒中(RD 0.10%;95%CI:-0.15%~0.35%;I2=0%)、または新規発症高血圧(RD 1.58%;95%CI:-0.63%~3.78%;I2=58%)と、いずれも対照群と有意差はなかった。」
Mayo Clin Proc Innov Qual Outcomes . 2020 Aug 5;4(4):434-442.
PMID: 32793871
【フリー】
51「RA治療薬のRCTにおけるプラセボ注射の効果の程度を評価するために行われたメタ解析(5試験;n=788;平均年齢51歳;女性82%)。VASで評価される疼痛の痛みの強さは有意に減少した(12週目:-14mm;95%CI:-12~-16mm、24週目:-20mm;95%CI:-16~-22mm)。同様に、CRP値(12週目:-0.51mg/dL;95%CI:-0.47~-0.56mg/dL、24週目:-1.16mg/dL;95%CI:-1.03~-1.30mg/dL)とESR(12週目:-11mm/h;95%CI:-10~12mm/h、24週目:-25mm/h;95%CI:-12~-26mm/h)にも有意な低下が認められた(いずれもP<0.001)。」
JAMA Netw Open . 2020 Sep 1;3(9):e2013196.
PMID: 32936297
【フリー】
52「心不全で入院した高齢者のポリファ―マシーの米国における現状調査。参加者の大多数(入院時84%、退院時95%)が5種類以上の薬を服用しており、入院時42%、退院時55%が10種類以上の薬を服用していた。総薬剤数の増加に伴い、非心血管系薬剤の数は、HF関連薬剤または非HF心血管系薬剤の数よりも急速に増加した。」
Polypharmacy in Older Adults Hospitalized for Heart Failure
Circ Heart Fail . 2020 Nov;13(11):e006977.
PMID: 33045844
【アブストのみ】
53「サルコペニアの歩行速度および骨格筋基準を満たす70歳以上の地域居住の男女を対象に行われた、bimagrumabのサルコペニア治療への有効性を検討したRCT。113名がビマグラマブ700mg群、67名がプラセボに割り付けられ、159名(88.3%;平均年齢79.1歳;女性60.6%)が試験を終了した。Short Physical Performance Batteryスコアの平均値はビマグラマブ群で平均1.34(95%CI:0.90-1.77)、プラセボ群で平均1.03(95%CI:0.53-1.52)増加した(P=0.13);6分歩行距離はビマグラマブ群で平均24.60m(95%CI:7.65-41.56)、プラセボ群で14.30m(95%CI:-4.64~33.23)増加し(P=0.16)、歩行速度はビマグラマブで0.14m/s(95%CI:0.09-0.18)、プラセボで0.11m/s(95%CI:0.05-0.16)増加した(P=0.16)。ビマグラマブは安全で忍容性が高く、除脂肪体重をプラセボと比較して7%(95%CI:6~8%)、プラセボと比較して1%(95%CI:0~2%)増加させ、その差は6%(95%CI:4~7%)であった(P<0.001)。」
JAMA Netw Open . 2020 Oct 1;3(10):e2020836.
PMID: 33074327
【フリー】
54「「全国健康保険請求・特定健診データベース」を用いた、合成グルココルチコイドを服用している外来患者における向精神薬の処方の調査研究。合成グルココルチコイドの経口投与を受けている外来患者と年齢・性別をマッチさせて対照群とした。合成グルココルチコイドは、581,990人の患者のうち 3.1%(n=18,122)に処方され、向精神薬の処方率は、合成グルココルチコイドを処方された患者の方が非処方患者よりも有意に高かった:抗精神病薬 1.8% vs 1.1%(P=1.4×10-7);抗うつ薬 4.0% vs 2.0%(P=8.7×10-30);抗不安薬・催眠薬 16.7% vs 10.2%(P 2.7×10-75);気分安定薬 1.3% vs 0.7%(P=3.6×10-10)。」
Prescription patterns of psychotropics in patients receiving synthetic glucocorticoids
Acta Psychiatr Scand . 2020 Jul 16.
PMID: 32677065
【アブストのみ】
55「喘息における吸入(ICS)および経口ステロイド(OCS)による骨粗鬆症や脆弱性骨折(FF)のリスクを検討したコホート内症例対象研究。過去1年以内の累積投与量とOCS/ICSの処方回数の両方と、骨粗鬆症またはFFのリスクとの間に用量反応関係があった。交絡因子を調整した後、より多くのOCS処方を受けている人(≧9 vs 0)では、骨粗鬆症およびFFのリスクがそれぞれ4.50(95%CI:3.21~6.11)および2.16(95%CI:1.56~3.32)増加した。ICS(≧11対0)の場合、OR 1.60(95%CI:1.22~2.10)および1.31(95%CI:1.02~1.68)であった。≧9のOCSと少なくとも1つのビスフォスフォネート処方を受けている患者の有病率は、骨粗鬆症とFFでそれぞれわずか50.6%と48.4%であった。」
Thorax . 2020 Oct 21;thoraxjnl-2020-215664.
PMID: 33087546
【アブストのみ】
56「血清Na濃度125mmol/L以下の症候性低ナトリウム血症患者(n=178;平均年齢73.1歳、男性44.9%、平均Na濃度118.2mmol/L)における急速間欠ボーラス療法(RIB)(n=87)および緩徐持続点滴(SCI)(=91)の高張性生理食塩水3%の過矯正のリスクを比較したRCT。24時間以内に血清Na値が12mmol/L以上、48時間以内に18mmol/L以上上昇したと定義された任意の期間における過矯正は、RIB群17.2%とSCI群24.2%で発生した(絶対リスク差 -6.9%;95%CI:-18.8%~4.9%)。RIB群はSCI群よりも再治療の発生率が低かった(41.4% vs 57.1%;絶対リスク差 -15.8%;95%CI:-30.3%~-1.3%;NNT=6.3人)。血清Na濃度の上昇や症状の改善効果には群間で差はなかったが,SCIと比較してRIBの方が1時間以内の目標補正率達成に有効であった(ITT解析:32.2% vs 17.6%;絶対リスク差 14.6%;95%CI:2%~27.2%;NNT6.8;per-protocol解析:29.2% vs 16.4%;絶対リスク差 12.7%;95%CI:-0.8%~26.2%)であった。」
JAMA Intern Med . 2020 Oct 26;e205519.
PMID: 33104189
【フリー】
57「アセトアミノフェン1000mg錠のスイス市場への追加と利用率および中毒との関連を評価した横断的研究。アセトアミノフェン中毒の記録15,790件が評価された。2000年から2018年の間に15,790件(平均年齢25.2歳、女性67.3%)のアセトアミノフェン関連の中毒通報が確認された。1000mg発売前の期間では15.3%が10,000mg以上の投与量の中毒であったが、発売後の期間では30.6%が10,000mg以上の投与量の中毒であった(P<0.001)。アセトアミノフェン1000mgの売上は急速に増加したが,500mg錠の売上はわずかに減少した。」
JAMA Netw Open . 2020 Oct 1;3(10):e2022897.
PMID: 33112400
【フリー】
58「2歳未満の小児の発熱または疼痛の短期治療におけるアセトアミノフェンとイブプロフェンとを比較したメタ解析(19試験;n=241,138)。アセトアミノフェンと比較して、イブプロフェンは4時間以内の体温低下(4研究;n=435;標準化平均差(SMD) 0.38;95%CI:0.08-0.67;I2=49%)、4~24時間後の体温低下(5研究;n=879;SMD 0.24;95%CI:0.03~0.45;I2=57%)、4~24時間後の痛みの低下(2研究;n=535;SMD 0.20;95%CI:0.03~0.37;I2=25%)が認められた。重篤な有害事象は類似していた(7研究;n=27,932;OR 1.08;95%CI:0.87-1.33;I2=0%)。」
JAMA Netw Open . 2020 Oct 1;3(10):e2022398.
PMID: 33125495
【フリー】
59「急性軟部組織損傷(研究に組み入れられてから48時間以内に発生した関節、靭帯、腱、筋肉の捻挫、緊張、挫傷)を有する患者を対象とし、NSAIDsの経口投与とアセトアミノフェン、オピオイドの有効性や副作用を比較したメタ解析。NSAIDsとアセトアミノフェンの比較では、1~2時間後の痛み(1178人、6試験)、1~3日目の痛み(1232人、6試験)、7日目以降の痛み(467人、4試験)に両群間に差は見られなかったが、NSAIDはわずかに有害事象を増加させた(1504人、10試験)。1時間後の痛みについては両群間に差はなく(1058人、4試験)、4日目と7日目の痛みも差はなかった(706人、1研究)が、NSAIDs群は、7~10日後に機能が回復する可能性が高かった(542人、2研究)。NSAIDsはオピオイドと比較して消化管または神経学的有害事象を引き起こす可能性が低かった(1143人、5件の研究)」
Cochrane Database Syst Rev . 2020 Aug 12;8(8):CD007789.
PMID: 32797734
【アブストのみ】
60「変形性膝関節症(KOA)患者におけるセレコキシブとジクロフェナクの有効性と安全性を比較した試験のメタ解析12研究(n=2,350)。セレコキシブはジクロフェナクよりも効果的にVASスコアで評価された疼痛を軽減した。さらにセレコキシブは,より優れた治療効果と,ESR,CRP値,合併症率の低下が大きかった。」
Meta-analysis Comparing Celecoxib with Diclofenac Sodium in Patients with Knee Osteoarthritis
Pain Med . 2020 Aug 14;pnaa230.
PMID: 32797224
【アブストのみ】
61「ミフェプリストンとミソプロストールの併用(n=357)がミソプロストール単独投与(n=354)と比べての流産の有効性を検討したRCT。ミフェプリストン200mgの経口投与とプラセボ錠の経口投与に割り付けられ、その後、2日後に経膣、経口、または舌下ミソプロストール800μgの単回投与が行われた。ミフェプリストン+ミソプロストール群17%が7日以内に自然に胎嚢を通過しなかったのに対し、プラセボ+ミソプロストール群24%であった(RR 0.73;95%CI:0.54-0.99)。ミフェプリストン+ミソプロストール群17%が流産を完了させるために外科的介入を必要としたのに対し、プラセボ+ミソプロストール群では25%だった(HR 0.71;95%CI:0.53-0.95)。有害事象の発生率は両群間で差がなかった。」
Lancet . 2020 Sep 12;396(10253):770-778.
PMID: 32853559
【フリー】
今回は以上になります!
参考になれば嬉しいです!
論文読むのは楽しいよ!