こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第27回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2020.10.20)(お題:ワクチン)

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こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

第27回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。

 

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今回の録音はコチラからどうぞ↓

なぜか私が発表を始めると配信が止まるという事件がって続けに発生し…

私の発表をパスしたら上手く配信できるようになりました。。。

何でやったんやろ??反ワクチン軍団の仕業か…

てことで、2人目のzuratomo先生の発表からとなっております。

 

今回のテーマは「ワクチン」でした。

 

メニューはこちら

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まずは@リンコ

Mapping global trends in vaccine confidence and investigating barriers to vaccine uptake: a large-scale retrospective temporal modelling study

Lancet . 2020 Sep 26;396(10255):898-908.

PMID: 32919524

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上手く配信できなかったので、ブログで十分に説明します。

この論文は本当に得るものが多く、たくさんの人に読んで欲しい論文なんです。

149か国でワクチンへの信頼度を調査した研究で、2015年から2019年までの信頼度の推移についても報告されております。また信頼度の変動の要因も調査されております。

結果として、まずスライドにある2015年におけるワクチンへの信頼度(安全性/重要性/有効性)についてです。残念ながら、安全性と有効性で日本はワースト3位となっております。

また2015年以降の推移に関して、信頼度が低下した国々ではその要因が調査されております。宗教的な理由、反ワクチン運動、ネット上の情報などが障壁となったようです。日本ではHPVワクチンについての情報と厚労省の施策が信頼度を低下させた要因と記載されております。

一つ取り上げたいのが、フィリピン、インドネシアのデングワクチンについてです。デングワクチンはワクチン接種開始後に、デングウイルス未感染者において重症化リスクが高まることが分かり、接種の対象がデング熱の既往が確認されたもののみが接種の対象となったようです。そのような背景があり、ワクチンの信頼度が低下したようです。

以下のスライドに日本での2015年から2019年にかけての安全性/重要性/有効性の経過をまとめました。

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ここでの質問の回答は「strongly agree」「neither」「strongly disagree」の3項目から選択しております。確かに安全性と有効性の「strongly agree」の割合は低いのですが、だからといって「strongly disagree」が多いわけではないので、否定的な意見はそれほど多くないのかなと感じました。また、2018年の後半からはいずれの項目も「strongly agree」が少しずつですが増えてきているのも注目すべきポイントかと思います。

ちょうどCOVID-19のワクチンが現在開発中です。ワクチンに不信感を持つ方が一定数いるのは事実だと思うので、完成する前に少しでもそのような疑念を払拭するような取り組みをしていかなければならないのではないかと感じております。

 

次は@zuratomo4

Shortening intradermal rabies post-exposure prophylaxis regimens to 1 week: Results from a phase III clinical trial in children, adolescents and adults

PLoS Negl Trop Dis . 2018 Jun 6;12(6):e0006340.

PMID: 29874228

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 こちらは暴露後の狂犬病ワクチンのレジメンが短縮できないかどうかを検討した研究です。これまでは2部位で1か月かけて行っていたものを、4部位にして1回あたりの投与量を増やすことで8日で接種できないかどうかを検討したようです。結果は49日目の中和抗体の濃度で評価されており、4部位と2部位では非劣性だったようです。有害事象もさほど問題はないようです。

投与法が煩雑なワクチンは時々ありますし、脱落の原因になりかねません。このようにより効率的な接種方法の検討は非常に重要なことかと思います。

狂犬病については知識がなさ過ぎて…

先日豊橋市での感染者の報告がありましたね。残念ながら患者さんは亡くなられたようです。国内で確認されたのは14年ぶりだったようで。致死率はほぼ100%だとか…怖いですね…

 

 

次は@猫になりたい薬剤師

Efficacy of the Herpes Zoster Subunit Vaccine in Adults 70 Years of Age or Older

N Engl J Med . 2016 Sep 15;375(11):1019-32.

PMID: 27626517

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こちらは不活化ワクチンである帯状疱疹ワクチンの70歳以上の高齢者に対するワクチンの効果を検討した研究の論文です。日本ではシングリックス®が発売されております。

この研究では、ワクチンの2回の接種にて帯状疱疹やPHNの発症率が大幅に減少しました。ただし帯状疱疹の発症率は年間1%程度とかなり低いことは考慮する必要がありそうです。(日本での発症率についてはたけちゃんがコメントで紹介してくれた宮崎studyにて報告されています→Herpes Zoster and Recurrent Herpes Zoster(PMID: 28480280))

あとは値段ですね。1本約2万円であり、2回接種が必要なので約4万円かかります。効果を考えると多くの方に打ってもらいたいですが、値段を考慮するとなかなか難しいでしょう。種々の治療にて免疫が低下している患者等には積極的にすすめてもいいのではないかと思います。

@猫になりたい薬剤師のブログでの解説

私も少し前に帯状疱疹ワクチンのことをまとめてました!

  

次は@にいやん

The protective effect of pneumococcal vaccination on cardiovascular disease in adults: A systematic review and meta-analysis

Int J Infect Dis . 2020 Oct;99:204-213.

PMID: 32735953

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こちらは23価の肺炎球菌ワクチンの心血管イベントへの効果を検討した研究のメタ解析です。日本で発売されているのはニューモバックス®ですね。もう一つ、7価のプレベナー®も発売されています。

結果は全心血管イベント、心筋梗塞、総死亡のいずれもで有意にワクチン群で減少していました。ギリギリですが…

年齢別の解析では65歳以上では有意にイベントが減少しておりましたが、65歳未満では有意差がありませんでした。こういった点からも、公費の助成は妥当なのかもしれません。ただし、65歳以上でも元気な方はたくさんいますので、全員がワクチンを接種する必要はないとも思いますが。

差はギリギリついている感じですし、観察研究のメタ解析なので過大な解釈はできませんが、リスクのある方は積極的に接種してもいいのかなと思います。

 

 

次は@程々な薬剤師

Comparison of dual influenza and pneumococcal polysaccharide vaccination with influenza vaccination alone for preventing pneumonia and reducing mortality among the elderly: A meta-analysis

Hum Vaccin Immunother . 2016 Dec;12(12):3056-3064.

PMID: 27629584

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こちらも23価の肺炎球菌ワクチンに関する論文です。インフルエンザワクチンとの併用とインフルエンザワクチン単独とで、肺炎発症や死亡への影響を検討した論文のメタ解析です。(メタ解析に含まれた論文を見てみると、”同時投与”とは言えないかもしれません。)

結果は両ワクチンの併用にて肺炎発症および全死亡の減少が認められました。相乗効果という感じでしょうかね。

先日ワクチン接種の基準が緩和され、不活化ワクチン同士の1週間の接種間隔が撤廃されました。この季節はインフルエンザワクチンを接種する方が多いので、同時に肺炎球菌ワクチンの接種についても啓発してもいいのではないでしょうか。

また、にいやん先生も程々先生も薬局薬剤師ですので患者さんとワクチンの話はあまりしないとは思いますが、このような情報はなかなか患者さんや一般の方に伝わりにくいと思いますので、今回のことをきっかけにして薬局でもワクチンの話をしてほしいなと思いました。

コメントでは、2日以上入院されている患者には勧めているという病院もあるとお聞きして、すごいな、と。やっぱりこのような情報は誰かが何かのタイミングで伝えていかないといけないですね。

 


 

最後は@たけちゃん

HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer

N Engl J Med . 2020 Oct 1;383(14):1340-1348.

PMID: 32997908

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最後は先日公開された注目度の高い子宮頸がんワクチンに関する論文です。注目された理由は、初めてワクチンによって子宮頸がんを予防することが示唆された報告だからですね。これまでは子宮頸がんの前段階の予防効果のみしか確認されておりませんでした。

結果としては4価HPVワクチン接種群で63%の発生率の減少が認められ、特に17歳までに接種した群では88%の減少が認められました。やはり若い年齢、特に性的接触がある前に接種することが望ましいようです。

キャス中にも議論があったように、観察研究ですし、交絡因子の調整不足は否めないですが、それを割り引いても十分に効果が期待できるのではないでしょうか。

キャス中には「咽頭がん」の話題も出ましたが、ちょうどみんパピ!に関連記事が出ておりましたのでご参考にされてください。

また子宮頸がんワクチンについては先日、「HPVワクチンの積極的な勧奨の差し控えによる将来の子宮頸がんの発生率、死亡率に関する研究」も発表されております。

原著論文→Potential for cervical cancer incidence and death resulting from Japan's current policy of prolonged suspension of its governmental recommendation of the HPV vaccine(PMID: 32994516)

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

 

次回は特別企画!

11/1811/25(水)の22時00分から

1日1論文、30日で、薬剤師としてレベルアップ! 医学論文の活かし方

の発売を記念して、本書で紹介されている30の論文からそれぞれが執筆してない論文を一つを選択し、いつものように発表してもらいます!

 

よろしければご視聴くださいませ!

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みんな買ってね~!!