リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2020.9)(「薬剤師体験会&職場見学」で高校生に伝えたこと)

こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!

 

私の所属しております福井県薬剤師会では数年前より高校生を対象とした「薬剤師体験会&職場見学」を実施しております。

当院は今年初めて参加させていただき、近隣の薬局と一緒に受け入れを行いました。

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スケジュールとしては半日のみで、病院→薬局の順で2時間ずつを過ごしてもらいました。薬局では「体験会」をメインに行うということでしたので、病院ではまず薬剤師の職業紹介を行い、病院内の見学、そして最後に大学受験、奨学金等の話をさせていただきました。

本当は前半部分が大切なんでしょうけど、気づけば後半部分にかなり力が入ってましたね。どうしても伝えておきたかったんですよね。

 

それでは、高校生に話した内容をスライドを用いて紹介していきます。

 

ちょうどアンサングシンデレラが放映されていることもあり、全力で乗っからせていただきました!(ちなみに高校生は4人来てくれましたが、そのうち3人がドラマを見てくれていました!)

このドラマはいい教材になりそうですね。しばらくは使わせていただこうと思います。

 

 

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アンサングシンデレラの第1話のシーンを用いて職業の紹介をしました。

簡単にいえば、「称賛されず、患者さんからは感謝されないけど、見落としや失敗は絶対に許されない」職業です(汗)どんな仕事よ(笑)

あながち間違ってはないですけど、患者さんに感謝されることは時々ありますし、特に病院薬剤師であれば他職種に感謝されることもあるのではないかと思います。もちろん失敗をしてはいけない職業ですし、そういった気持ちで仕事をしていますが、時々失敗しますよね…人間だもの…

 

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薬剤師というと薬局や病院で働いているイメージなのかなと思いますが(病院薬剤師は今まで認識されていなかったかもしれませんが、アンサングシンデレラのおかげで少し認知度が上がった気がします)、他にも活躍できる場はたくさんあります。

企業における研究開発やMR(薬剤師の資格は不要かも)、行政であればコロナ禍で話題の保健所にも薬剤師はいますし、麻薬取締官も薬剤師ですね。

その他、薬局や病院で勤務しながら学校薬剤師やアンチドーピング、在宅といったフィールドで活躍されている薬剤師も多くなってきている印象です。

 

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ここからは、日本病院薬剤師会のホームページ上にある「病院薬剤師への招待」スライドを参考にして、病院薬剤師の業務の紹介をさせていただきました。

 

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うちの病院の調剤室が戦争状態になることはないですけど、規模が大きな病院や院内調剤をしている病院ではそんな状態のこともよくありますよね。以前勤めてた保険薬局は常に戦争状態だったな…

 

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疑義照会は薬剤師法に書かれるくらい薬剤師にとっては非常に重要な位置づけの業務です。アンサングシンデレラのあのシーンは高校生には刺激が強そうで使用せず、、、

 

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薬を使う際は利益である効果が不利益である副作用や医療費等を上回るようにしないといけませんし、そうでなければ疑義照会したり、処方提案したり、またリスクは高いけど処方が必要な場合は服薬後のフォローを十分にしていかなければなりません。

右のスライドにあるように、薬の副作用と思われることが原因となって事故が起こったりするのは薬剤師として辛いですし、そういったことがないように十分に注意喚起をしないといけません。

 

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病院にはたくさんの職種がいますので、他職種との連携も大切です。医師や看護師との連携はもちろんですが、栄養士やリハビリ、臨床検査技師など、様々な職種との接点があり、お互いに協力し合っています。また、多職種連携チームがいくつも院内にはあり、そこでも薬剤師は活躍しています。

 

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その他、耐性菌や医薬品のリスク管理についてもお話をさせていただきました。

 

 

ここまで話をして院内の見学へ向かいました。

コロナ対策に気をつけながら、病棟、外来、リハ、放射線科などを見学させていただきました。

 薬剤部の見学では、薬剤の管理、調剤、問い合わせへの対応等々を見てもらいました。

 

 

そして、見学の後のもう少し話をしました。

まずは受験の話から。私の体験記なんてもう20年近く前の話ですから、どこまで参考になるかは分かりませんが…もうすぐ「センター試験って何?」ってなるんでしょうね。

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薬学部を志したといっても、親に「薬剤師になれば?」って言われて何となく決めただけですので。別に夢も何もなく…

あまり褒められた受験ではなく…私の場合は運よく受かっただけですね…最終的に決まったのが3月下旬でしたから…1校ずつ受験するたびにお金がかかり、親には迷惑を掛けてしまいました…すみません…

今回来てくれた高校生は2年生でしたので、できるだけ早めに目標を定めて勉強を始めた方がいい事、自分の力を過信しないこと(私は過信してましたね。。。スベリ止めもすべったし…)、最後まであきらめないことを伝えました。

 

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次は学費、奨学金についてです。私立の薬学部は年間200万円というかなり大きな費用がかかります。でも200万円といってもなかなかイメージできないので、「私が1年間節約して生活してようやく貯まる程度」と言ったのですが、そんなもんですかね。なんとなく、大きな金額と言うことは伝わった気はしましたが。「200万円」を高校生に伝えるのって難しい…

奨学金に関しては1種、2種について簡単に説明しました(私もまだまだ返済の真っ只中!)。当院では独自の奨学金を今年になって始めました。近隣の病院でも始めていますね。win-winの制度だと思いますので、ぜひ知っておいてもらって、よろしければ活用していただければと思います。私も使いたかったよ…

そして、福井県には独自の奨学金返還の支援制度もあります。実はこれ、私の時もあったようなのですが存在を知らなくて…100万損しましたよ…トホホ…

お金は大切ですからこういった制度は積極的に活用してほしいですね。まず知っておかないといけないので、この機会に話をさせていただきました。特に私が失敗したので全力で伝えておきたかったのです。

 

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これはいつも言ってることですが、福井県は薬剤師が少ないんですよね。対人口当たりの薬剤師数は沖縄に次ぎワースト2位。医薬分業率は圧倒的な最下位です。福井県には薬剤師がすべき仕事が山のようにありますし、今はそれを他の職種の方に手伝っていただいている状況かと思います。そういった現状を打開したいという思いもありますし、できれば薬剤師になれば福井に帰ってきてほしいですね。

高校生なので田舎である地元に帰ってきたいと思う人は少ないのかもしれません。私も実際そうでしたし、都会に出て一人暮らしを始めたらその気持ちが余計に強くなってきました。

私は色々と悩んだ末に10数年ぶりに地元に帰ってきたのですが、結果としては帰ってきてよかったですね。10年経つと、自分が子供のころにお世話になった人が、医療や介護の対象になっていることも多いです。近所の人や学校の先生、同級生の家族などなど。そういった方々に仕事を通じて恩返しができる(気がしているだけかもしれませんが…)ことは、私にとってとても嬉しい事です。

また高校卒業と同時に1人暮らしを始めましたから、家族との距離は遠いままでした。高校生の時なんかは、家族なんて全然好きではなかったですしね。まあでもそれから10年以上経って帰ってきましたけど、不思議と家族に対しての感情は変わるもので。それなりに親も年老いましたからね。自分が今後背負っていかなければならない責任を感じますし。兄弟や親戚とも距離が近くなった気がします。大切にしないといけないなと。勤務先で、ワケありな家族関係の方を時々見かけることもそう思う要因の1つかもしれません。できるのであれば家族は仲良くありたいなと。祖父母を私の勤務先および付属の老健施設で看取れたことも良かったのかなと。

あとは祭りに出られたことですね。これはほんとによかったです!この気持ちは、この祭りに出ないと分からない!でもほんとうによかった!

 

最後に余った時間で「アンサングシンデレラクイズ」をしました!

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そしてこれが最後のスライドです。

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第1話の最後のシーンですね。

病院には薬剤師以外でもたくさんの見えないところで活躍している職種の方がいらっしゃいますし、今回の見学会でそれを少しでも知ってもらえればうれしいです。もちろん病院だけじゃなく、自分たちが生活する上ではたくさんの方々が支えてくれていることを忘れてはいけません。

それと、たくさんの病気と闘っている方もいますので、一緒に覚えておいてもらえれば嬉しいです。

 

【まとめ】

参加してくれたのは高校2年生でしたので、こうやって参加できるだけでも素晴らしいことだと思います。

全体的にしゃべり倒しましたけど(これはいつものこと)、何か少しでも伝わって、覚えておいてくれたら嬉しいなと思います。

願わくば将来的に薬剤師になって、地元に帰ってきて、同じ地域で働くことができればと思っております。

 

 

 

今回は以上になります!

参考になれば嬉しいです!

 

 

 

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