こんにちは!リンコ(@manabunoda)です!
第25回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。
第25回ということで、エビテンを初めて丸2年となりました!
いつも一緒に配信している仲間と聴いていただいている皆さんのおかげです!
ありがとうございます!!
今回の録音はコチラからどうぞ↓
なぜか私の音声が上手く配信させず…月からの配信っぽくなってしまいました(泣)
てことで、代理でにいやんが司会をしてくれました!
今回のテーマは「痛み止め」でした。
メニューはコチラ↓
今回は以上の6名で配信を行いました。
それでは、それぞれの論文を紹介していきます。
まずは@zuratomo
Action of neurotropin on cold-induced pain in normal volunteers: a double-blind placebo study
Fundam Clin Pharmacol . 1990;4(2):141-6.
- PMID: 2351364
この論文は、右手を氷冷水に浸けた時の疼痛閾値と疼痛耐性の出現を評価することでノイロトロピンの効果を検討した、なんとも過酷な試験です。(試験デザインはキャスでzuratomo先生が詳しく説明してくれています。なかなかのデザインで…)
結果としては、疼痛閾値はプラセボ群で減少(痛みに敏感になった?有意差はなし)、疼痛耐性は介入群で増加(痛みに耐えやすくなった)したようです。ということで、ノイロトロピンの疼痛改善効果が示唆されました。ただし、この試験デザインでの話ですがw
侮ってはいけませんね。ただしあまり質の高い大規模な研究はなく、今後研究が進むとは思えませんが、、、
次は@程々な薬剤師
J Rheumatol . 2004 Oct;31(10):2002-12.
- PMID: 15468367
スライドのドラクエ感がすごい!
こちらはジクロフェナクの外用液と内服(50mg×3回/日)の効果を比較した論文です。
ITT解析における評価項目として、「WOMAC pain」では両群で有意差なし、「WOMAC physical function」では経口群で有意に低下していたようです。
一方で、有害事象はいくつかの項目で経口群の方が多かったようです。
次のにいやんも同様の論文を紹介されているので、合わせてコメントしたいと思います。
次は@にいやん
Clin Rheumatol . 2016 Jan;35(1):165-73.
- PMID: 24924603
こちらはロキソプロフェンの貼付剤と経口(60mg×3回/日)の効果を比較した論文です。
結果として、種々の評価項目で両群に有意差はなかったようです。
キャス中には「評価項目が外用に有利な項目じゃね?」というご指摘もありましたが、確かにそんな気がしなくはないですね。
NSAID外用の論文はあまり読んだことがなかったので、意外と効果が得られることに驚きました。どうしても副作用の懸念で内服が使用しにくいケースはありますし、また局所の痛みのみであれば外用で対応してもいいのではないかと思いました。
キャスのコメントで上がった論文を紹介しておきます。
・外用NSAIDsのネットワークメタ解析(36件のRCT、7件の観察研究)
・成人の急性筋骨格系疼痛に対するNSAIDs外用薬のコクランレビュー
(各薬剤のNNTが解析されてます)
Topical NSAIDs for acute musculoskeletal pain in adults
・サロンパスの効果に対するプラセボ比較試験
・エスフルルビプロフェンの第3相試験
・メントール vs メントールの香りがするだけのゲルでは、メントール群で有意に痛みが改善
次は@リンコ
BMJ . 2016 Sep 28;354:i4857.
- PMID: 27682515
今回は、NSAIDの心不全への影響を検討したコホート内症例対象研究の紹介です。NSAIDは塩分・体液貯留を引き起こし、心不全の増悪に繋がること言われておりますが、実際処方されていることも多く…どの程度リスクがあるのかが気になっておりました。
本論文では、直近14日以内にNSAIDを服用(処方)した患者は、183日以内にNSAIDを服用していない(処方されていない)患者と比較して、心不全による入院リスクが高くなりました。
NSAIDの種類による差もありそうですが、この論文のみでは説得力が欠けるように思います。その他の解析では、心不全の既往の有無、性別では差がありませんでした。また、用量による差が見られた薬剤もありましたが、参考程度にした方がよさそに思います。
やはりNSAIDは心不全に対してリスクがありそうですので、NSAIDの使用を最小限にしたり、他の鎮痛薬に変更するなどする必要があると思いました。
詳しくはこちらのブログをご覧ください↓
次は@猫になりたい薬剤師
JAMA . 2018 Mar 6;319(9):872-882.
PMID: 29509867
こちらは、慢性腰痛、股関節、膝関節痛患者の各種疼痛関連機能に対するオピオイドと非オピオイドの効果の差を検討した論文です。オピオイドには「モルヒネ、オキシコドン、フェンタニル」が、非オピオイドには「アセトアミノフェン、NSAID、ノイロトロピン、ガバペンチン、プレガバリン、トラマドール等」が含まれ、それぞれのステップに沿って処方されたようです。
結果としては、疼痛関連のアウトカムには両群にほとんど差がなく、どちらかというと非オピオイド群が有利な結果となりました。また、有害事象はオピオイド群の方が多く観察されました。
キャス中に議論がありましたが、「退役軍人」のコホートですので、一般の方とは少し異なるコホートなのかもしれません。
海外を中心にオピオイドが多く処方されておりますが、何でもオピオイドを使えばいいというわけではなさそうです。適応を見極めることが重要かと思います。
@猫になりたい薬剤師のブログでの解説↓
次は@たけちゃん
Prescription of Long-Acting Opioids and Mortality in Patients With Chronic Noncancer Pain
JAMA . 2016 Jun 14;315(22):2415-23.
PMID: 27299617
たけちゃんもオピオイドの論文ですね。こちらはオピオイド服用患者と鎮痛性抗けいれん薬・低用量抗うつ薬服用患者との死亡率を比較したものです。
結果としてはオピオイド群で有意に死亡率が高く、中でも非過剰服用や心血管イベントでの死亡率がオピオイド群で有意に高くなっておりました。
オピオイド=過剰服用による副作用というイメージもありますが、過剰服用以外での死亡も多くなっておりました。また、絶対差で見ると数字は小さいのですが、「死亡」というアウトカムは重大なものですし、HRも考慮すると十分にインパクトのある数字のように感じました。
オピオイドを処方する際は、こういったリスクを十分に把握しておく必要があると感じました。
@たけちゃんのブログでの解説↓
最後に一つお願いがありまして…
エビテンはおかげさまで2周年を迎えたわけですが、そこでちょっとお願いがありまして。
— リンコ (@manabunoda) 2020年8月26日
このいつも使っている「えび天」ですが、フリーサイトからの頂き物でして。どなたか「エビテン」の「えび天」を書いていただけないかと。 pic.twitter.com/8qCVBW7K5m
何か特別な報酬を差し上げることは難しいですが、せっかくなので採用された方には「エビテンメンバーと行く焼肉券」でも差し上げましょうかね!(おっさんだらけですが、うれしい??)
— リンコ (@manabunoda) 2020年8月26日
絶賛募集中です!!
みんなで焼肉行きましょう!
今回は以上になります。
何かの参考になれば嬉しいです!
次回は9/26(水)の22時00分から、「フリーテーマ」にて行う予定です。
よろしければご視聴くださいませ!
引き続き参加者は募集中ですので、ご希望がございましたらご連絡ください!