リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

最近読んだ本;「シェアライフ 新しい社会の新しい生き方」

 

 

さて、今回読んだ本は「シェアライフ 新しい社会の新しい生き方」です。

長い間、私の楽天koboの買い物カートの入りっぱなしだったのですが、ようやく購入しました(ただ、Kindle nlimitedだったら無料で読めたんですね。知らなかった…)
 
 
私は「シェア」という概念に大変興味を持っているのですが、それは「シェア ―<共有>からビジネスを生みだす新戦略」を読んだことがきっかけかと思います。 
こちらは、よりビジネスライクな書籍で、もう発売されて10年経ちます。
ただ、「Airbnb」「Uber」が大々的に取り上げられているんですよね、10年前に。当時はアメリカで流行りだしていたようで、今ようやく日本でブームになってきた感じです。これを信じてビジネスか、投資をしていたら私は今頃…と思ってしまいます。
ついでに久しぶりに読み返してみたのですが、圧巻でした。まだまだこのシェアは拡大していくビジネスなのかなという印象を受けました。
 
 
さて、今回紹介するシェアライフに話を戻します。

こちらではシェアの意味を以下のように捉えられています。

シェアにはさまざまな意味がありますが、この本では「シェア」=「分かち合うこと」と定義します。

それは、私的所有や経済的な利益を追求する社会(資本主義社会)が限界を迎え、お金の価値や社会的ステータスなど、これまでの豊かさの物差しが揺らぐ時代になってきた中で、「個人と個人が共感や信頼を物差しとして、あらゆるものをシェアしながら〝つながり〟を前提に生きていく」という新しい生き方です。

ただの「モノ」や「コト」だけでなく、本文中では「公助」や「ソーシャルキャピタル」というところまで踏み込んでらっしゃるのが特徴だと思います。このような社会的なつながりや助け合いというのも今後のシェアの概念としてはとても重要なことかと思います。

少しずつ進んでいた「シェア」ですが、新型コロナウイルス感染症にてやや不透明になっている分野もあります。ただ、全体としては今後も拡大していくのではないでしょうか。

 

 

以下に、いくつか引用していきながら紹介していきます。

 

これまではお金とキャリア、社会的なステータスやブランドが、社会的な価値に換算できる個人の資産と考えられてきました。しかし、お金の価値そのものが揺らぎ始めている今の時代において、「豊かな人」のロールモデルは、「内面的にも満足し、他社とのつながりをもって信頼を得ている人」になっていきます。

 →私も今までのような「豊かな人」への憧れはあまりありません(もちろん、裕福であるのは羨ましいですが…)。それよりもたくさんの繋がりがあって、その中で信頼されて生活している人に憧れます。田舎ということもありますが、どこでも名前の出てくる人はいますし。そういった存在は憧れますね。自分がそういった存在になりたいかと言われれば、そこまでは望みませんが。

 

 

つながりを資産だと捉える考え方は、「社会関係資本=ソーシャルキャピタル」ともいわれています。アメリカの政治学者ロバート・パットナムは、人々が他人に対して抱く「信頼」、それに「お互いさま」「持ちつ持たれつ」といった言葉に象徴されるような「互酬性の規範」、人や組織のあいだの「ネットワーク(絆)」を「ソーシャルキャピタル」と呼び、個人にも社会にも利益をもたらすものであると提唱しています。

 →ソーシャルキャピタルは医療のいわゆる「プライマリケア」の領域で大変注目されております。私も興味を持っているのですが、今後重要な概念となっていくのだと思います。

 

 

シェアすることで生まれる最も大きな価値は「つながり」です。つながりが、お金や社会的ステータスのような、これまで個人の資産とされてきた資本と同じ価値をもつ時代が来たのです。私はこれを「つながり資本」と呼んでいます。(中略)そして、その「つながりをどれだけ貯められるか」が、これからの新たな豊かさの指標になるのではないかと思っています。
→一般の市民としては、田舎の地元に帰ってきてからこれはほんとに強く思いますね。社会人になってしばらくは全く縁もゆかりもないところで働いて、近所付き合いはゼロ。それでいいかな、と思っていましたけど、帰ってきたらやっぱり違いましたね。何か困ったことがあればたぶん助けてくれるだろうという安心感があります。
また、SNSでもその傾向は強いように思います。特に医療者の中では有益で確かな情報を発信し続けることが、つながりや信頼を大きくすることを強く感じておりますし、そこにはお金とは全く別の価値があると感じています。
  
 

シェアによって新たに生まれる「CtoC(Consumer to Consumer)」モデルにおいては、個人と個人の間で貸し借りや売買、シェアが行われるので、「やりとりする相手や提供されるサービスが信頼できるかどうか?」は、個人間での信頼によって成り立ちます。つまり、信頼を担保するのは企業ではなく、個人です。

全国で講演をしていると、シェアハウスに住むことや、他人に車を貸したり、部屋を貸したりするシェア的な消費やライフスタイルに対し、「他人を信頼できないから、自分には無理だね」という方が必ずいます。それは決して良いとか悪いとかの話ではないのですが、もし、シェアによる新しい生き方を得たいのであれば、信頼の幅を自ら拡張していくことは欠かせません。

→全然知らない個人との信頼は難しくて、正直私はあまり信頼していないのですが…。でも、今の若い世代を見ているとその抵抗はかなり少ないように思います。ここに書いてあるように、自ら拡張していく必要があるのかなと思います。
 
 

市場経済が根付いた社会では、「同じ価値を対等に交換しなくてはいけない」という価値観が根付いている気がします。自分があげたもの、貸したもの、使った時間まで、「自分が与えたものと同じ価値が返ってくるだろうか?」ということを常に考えてしまいがちです。

現代において、「お金を払って何かを解決する」のが当たり前、という価値観にある私たちは、人の手を借りたいときも、「失礼ではないだろうか?」「忙しいのに迷惑ではないか?」「お金を渡さないといけないのではないか?」、あるいは、「その後が面倒だから遠慮しておこう」といった具合に、気軽に頼ることができなくなっている。子どもの送り迎えから網戸の取り替えまで、すべてお金で解決しなければいけない、と思い込んでしまっているのではないでしょうか。

 →私は人にお願いするのが苦手で。つい「そんなことしてもらっていいんですか?」と思ってしまうことがあります。でもそれをやってもらった人にはいつか恩を返そうと思いますし、その逆もあり得るのかなと。「お互いさま」ですね。でも、なんでもかんでもタダというのは嫌なんですよね。その辺はうまく考えていかないといけません。

 

 

しかし、今、この「共助」の機能が失われつつあります。無縁社会や孤独死の問題など取り上げられているように、地方の人口流出と地域コミュニティの高齢化、都心を中心とした単身世帯の増加などを背景に、かつてあった地域のコミュニティやつながりが希薄化しました。

シェアを地域のインフラとして浸透させることで、町に眠る公共資源、人、モノといった遊休資産を活用していきます。それによって、町全体の経済効果の向上を図りながら、人口や観光客の減少、交通手段の不足、子育て・介護などの課題を解決します。「公助」から「共助」へ移行することで、持続可能な町づくりの実現を目指すモデルです。インターネットやプラットフォームを通じて、あらゆるものがつながり、シェアできるようになれば、これまでは閉じられた地域でしか助け合いのしくみができなかったものが、広く開かれていくようになります。

 →古き良き時代の「共助」を取り戻すことが、この少子高齢化の時代に非常に重要かと思います。また、昔の「共助」ではなく、インターネット等を通じた「共助」とすることで幅の広い「共助」となりそうです。

 

 

以上になります。

さて、これをどのように自分の仕事に活かしていくかということですが、それを書いていたらかなり長くなりそうなので、別記事で書きたいと思います。

本書を読んで、私自身の考え方を変えないといけないと感じた箇所がいくつかありました。この「シェア」の概念が広がり、より住みやすい世の中になっていけばと考えております。