さて、2019年の「#読めよ薬剤師」企画でございます。
【2019読めよ薬剤師企画】
— るるーしゅ (@ph_lelouch) 2019年12月23日
《目的》2019年に発売された書籍を他の薬剤師にオススメする
《日時》2019年12月30日(月)21時〜
《方法》#読めよ薬剤師2019
のハッシュタグでオススメの書籍(2019年発売されたもの)3冊をツイート(自分のブログリンクでも可)
《罰ゲーム》なし https://t.co/uxZ5tXmUb3
もちろん喜んで参加させていただきます!
この人とは仲良くしておいたほうがいいからなw
昨年はこんな感じでした。
とはいうものの、今年はあまり本を読んでないんですよね。特に薬剤師関連の本を。
なんでかと言われると、、、
みんな本出しすぎや!金ないわ!
今年はほんとにたくさんの薬剤師関連の書籍が、しかも良書が発売されましたね。私みたいな安い給料で働かされている者にはほとんど買えず…厳選しすぎて買えなくなった気もしますが…
そんな中で購入したもので、勉強になり、ぜひみなさんに紹介したい書籍3冊を選びました。
・1冊目
…今年の断トツ1位ですね!モダリティ(医用画像機器;各種画像検査、心電図等の生理検査等)の読み方というのは私の中でブラックボックスでした。特に各種画像については、薬剤師向けに書かれた書籍がほとんどなく。。。医師や看護師が画像の話をしていても、私はちんぷんかんぷんで、何となくわかったふりをしていました。一から教えてくれる人もいないしなぁ、と。ずっとそんなことを考えていたのですが、ついにモダトレが発売され、購入しました。とにかく分かりやすい!!ほんと素晴らしい!これを読んでから、なんとなくですが画像を読めるようになったように思います。数をこなさないとなかなか理解できないとは思いますので、これからも積極的に画像を読んで強くなっていきたいと思います。
…この書籍を買ったきっかけは、院内の感染対策研修会で講師をしなければいけなくなったことでした。その研修の内容は以下のブログに2回に分けてまとめてあります。
〇2019年度薬剤耐性(AMR)対策推進月間その③:研修会のお裾分け「職業感染とワクチン」(後編:麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、インフルエンザの各ワクチン)
正直、ワクチンについては社会人になってから詳しく勉強したことがなく。何か参考になればとこの書籍を買いました。全然読まずに買ったのですが、ワクチンに関するリテラシーに関して書籍の多くの部分で解説されていることが印象的で、大変勉強になりました。またワクチンに関する基礎知識も丁寧にまとめられており、本書を読めばワクチンの必要性については十分に理解できますし、積極的に使用していかないといけない理由が分かるのではないかと思いますし、不安を持っていたり必要性が十分に理解できていない患者・家族にもしっかりとした説明ができるようになるのではないかと思います。(ただ、個別のワクチンの詳細についてはあまり書かれていませんので、各種ガイドラインやサイトを参考にしていただければと思います。)
…コミュニティデザイナー(コミュニティの人たちと一緒にハードのデザインを考える(本書より))の山崎亮さんの著書です。本書は、山崎さんのイメージする地域包括ケアに近い取り組みをしている4つの地域を訪れ、そこでの話が対談形式にて書かれております。私は、医療・介護の視点からまちづくりの取り組みに興味があり参加しているのですが、そんな簡単ではなく…本書には、すぐにでも使えそうなエッセンスがたくさん詰まっておりました。これまでの考え方を改めないといけない部分もいくつかありました。特に、医療・介護の視点からの「まちづくり」に興味のある方にはおすすめです!
山崎亮さんの著書としては、「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」や「縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望」もおススメです!
〇2014年頃から、医療や福祉分野からの問い合わせがすごく多くなってきたんです。それはたぶん、地域包括ケアの流れからでしょうが、施設福祉から在宅へ、地域へといったときに、「地域のなかのコミュニティやまちづくりと、医療や福祉がどう折り合いをつけていったらいいのか」ということに、各地で悩み始めるようになったからだと思います。(中略)そうしたら、都市計画からまちづくりに入ってきた僕たちのようなデザイナーや建築家と。医療や福祉からまちづくりに近づいてきている人たちが、いま、ちょうど同じ地点に来ているようだということが見えてきました。だから両者が一緒に話ができたらいいなということが、この本の始まりにあります。(P15-16)
〇医療者側がたた一方的に手を差し伸べるのでは、相手はただの「支援される人」になってしまう。でも、障害があろうと高齢であろうと、地域での暮らしのなかでは、人は何らかの役割を必ずもっているものです。そういう人たちを、医療が一面的に「支援されるべき人」ととらえ、わざわざ地域から排除し、どこかの施設に入れるとか、地域での役割を奪ってしまうのは違うのではないか。(中略)医療は必要最低限であればいいし、そんなに前にしゃしゃり出て行って指揮するようなものでもないんだろうなということでしょうね。(P58)
〇プロにできることというのはそれなりにあるはずだけれど、それを全部出すばかりではダメで、相手のためにならないときには出すことを差し控えなきゃいけないんじゃないか。それこそがプロフェッショナルとしてのあり方だと思うんです。つまり、「差し控える」ところを見極めるのも、プロとしての大事な力なのではないでしょうか。(P65)
〇本当にそう思います。僕が講演をしたときによく受ける質問に、「自分たちの活動にどうやったら、もっと多くの人を巻き込むことができるでしょう?」というものがあります。でも、そういう考え方だと、僕らのような活動は難しい。(中略)人にとって「巻き込まれる」ってのは、あまりいい気がするものではない。だから僕もそうした質問に対しては、「まず、あなたが巻き込まれにいってみてください」と言うようにしています。(P81)
〇やっぱり診察室で私たちが把握したり充足したりできるのは、本人のニーズのごく一部なのです。万が一、病気が取り除けたとしても、その人のニーズ自体を充足できるわけではないんです。人はまわりの人や物、インフラとか、文化とか、いろいろなものからケアを受けていて、それによって初めて充足できる。病院だけで完結できるわけがありません。だからこそ、暮らしやすい、居心地のよいまちが必要なのです。地域包括ケアというか、最終的には「ケアする社会」のアウトカムというのは、「居心地のよいまち」だと思うのです。そう考えると、まちづくりが全ての基本になってくる。(P112)
〇秋田市も野々市市も、最初に高齢者の健康づくりや地域包括ケアに興味がなさそうな人たちを集めることから始めた。どうすればそういう人たちが集まるのかを考えるなかで、展覧会づくりや雑誌の編集という「わからないけど楽しそう」と思える活動から始めることにした。そうやって集まった人たちが、高齢社会や地域包括ケアについて学んでいくうちに少しずつ意識を変え、行動を起こし、生活や人生が徐々に変化していく。そのプロセスを支援するのがコミュニティデザインの役割である。(P180)