さて、12/8(日)に京都にて開かれました「#SNS医療のカタチ」のイベント「インターネットの医療情報は信じていいの?」に参加してきました。
このイベントは、「ネット上の膨大な医療情報の中には根拠がなかったり不正確であったりするものも多く、患者や家族をさらに困らせる事態となることも少なくないことを危惧した医師たちが、そんな現状を変え、ひとりでも多くの人が適切な医療情報を手に入れられる社会にしたい!」という思いのもと開催されているイベントで、ご登壇された方々はみな、インターネット上での医療情報の発信を積極的に行っておられます。
ご登壇されたのは、山本先生(@keiyou30)、大塚先生(@otsukaman)、ほむほむ先生(@ped_allergy)の3名の医師、司会は朝日新聞社の記者である朽木誠一郎さん(@amanojerk)でした。
※ちなみに、前回札幌で開催された模様は、先日、おはよう日本にて紹介されておりました↓
今回は『皮膚科の病気編』ということで、「アトピー性皮膚炎」「乾癬」「掌蹠膿疱症 (しょうせきのうほうしょう)」のそれぞれの疾患の解説や治療の紹介がありましたが、それにはもともとあまり興味はなく…
最後の「トークセッション」でお聞きしたことがとても印象的でしたので、それについてまとめておきます。
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Q.司会からの質問-1
「ネットを見て「困ったな」と思ったことは?」
A.本人に悪気はなく、善意で(n=1のエビデンスに乏しい)体験談をネットに載せ、大量に拡散されているものがある。
A.フェイクニュースが拡散された後、そのファクトチェックの情報の方が拡散力が弱い。
Q.司会からの質問-2
「どうして忙しいのに情報発信をしているのか?」(質問違ったかも)
A.仕事で自分の代わりをしてくれる医者はたくさんいるが、医療情報を発信しているのはまだまだ少ない。
A.情報が誤って先に伝わってしまうと、診察がマイナスから始まってしまう。病院に来れたらいい方だが、そうじゃないことも多い。自分も同じ土俵で情報発信をしないといけない。診察室に来る前の患者にアプローチしないといけない。
Q.会場からの質問-1
「子供のアトピーに対して、以前はステロイドを使わないこともあったが、今では標準治療を受けるようになっている。しかし、自然派の商品、オーガニックの商品を続けていきたいとは考えているが、それについてどう思うのか?」
A.相性が合うのであれば続けてOK。ステロイドを使わないこと、自然食品を使わないことが最終的な目標ではない。その子の疾患が治癒することが目標。
Q.会場からの質問-2
「特別なお金をかけたり、標準以外のすることをした方がよい治療を受けられると思っていた。しかしそうではないことが分かり、お金をかけても、何をしても治療ができない疾患があることが不安。」
A.保険診療で最高水準の治療は誰でも受けられる。ただ、治らない疾患があるのは事実。短期間で病気から自由になることは難しいが、慢性疾患として(治療をしながら)一緒に付き合っていくことは可能なことが多い。
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【全体を通しての感想】
今回最も参加して良かったと思ったのは、トークセッションで会場の一般の方からの質問とそれに対するご登壇された方々のご意見を伺うことができたことです。質問されたお二方はいずれも、現在は標準療法を受けておられますが、それまでに標準治療を受けていない時期があり、その辺りの心境をお聞きすることができ、大変勉強になりました。また、それに対する皆さんの回答が親切だったことも印象的でした。
私自身は、インターネットを介して一般の方向けに医療情報を提供するのは不得手ですのであまり積極的には行いませんが、患者さんや一般の方にお話をする際には今回学んだことを活かしていきたいと思います。また、医療情報の扱い方に関する情報発信もできればと考えております。
次回は薬剤師や他の医療者のご登壇も期待しております!
最後に、今回ご登壇された皆様の著書とブログのご紹介を。
山本先生(@keiyou30)
大塚先生(@otsukaman)
〇ブログ(ありませんが、AERAでコラムを書かれています):大塚篤司〈コラムニストプロフィール〉 - 朝日新聞出版|AERA dot. (アエラドット)
ほむほむ先生(@ped_allergy)
〇書籍:まだ本を出されてないようですが、そろそろ出されるんでしょうね、きっと…
〇ブログ:ほむほむ@アレルギー専門医|note
朽木誠一郎さん(@amanojerk)
〇書籍:健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方(去年読みました!その時書いたレビュー→https://www.rincos-diary.com/entry/2018/12/30/210000)
〇ブログ:なし
余談ですが、この2日後の12/10(火)にインフルエンザA型を発症しました。きっとこの日の京都で感染したものと思われます。この会場かどうかは不明ですが…油断してましたね…2,3日かなり辛い思いをしました…どうか皆さんもお気をつけて…