先日公開した前編では、「予防接種全般」と「B型肝炎ワクチン」を取り上げました。
今回は後編です。麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、インフルエンザの各ワクチンについて取り上げます。
まずは「麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘ワクチンの総論」から
この指標はあまり知られてませんが、重要なことかと思います。特に空気感染のリスクのある「麻疹」「水痘」はR0が高く、感染しやすいことを理解しておく必要があります。
次は「麻疹」について
今年多くなっていることは一目瞭然…
先ほどのグラフと照らし合わせると、ワクチンを1回しか打っていない年代での感染が多いことが分かります。
次は「風疹」
先天性風疹症候群は今回の研修で最も重要なポイントの一つでしたので、重点的に話をしました。これ以上発生しませんように…
2019年のCRSの発生はこの研修をした時点では3例でしたが、先日4例目が出てしまいました。
去年の秋ごろから急増し、今年もその流れを引きづっています。ようやく落ち着いてきたようですが。
圧倒的に男性の方が多いですね。
今年から「風疹抗体検査・風疹第5期抗体接種」が始まりました。このスライドの赤枠の部分の方が対象ですが、抗体保有率が80%と、女性や他の年代と比べると10%以上低くなっております。
7月末時点でのクーポンの使用率、ワクチンの接種率ですが、まだまだ低い状態です。クーポンが届いた方には、まずは積極的に抗体検査に行ってほしいものです。
麻疹および風疹のワクチンについては現在単独のワクチンは入手困難であり、2つが合わさった「MRワクチン」が主に出回っているので、そちらを説明しました。
次は「水痘」(みずぼうそう)
次は「おたふくかぜ」(流行性耳下腺炎)(ムンプス)
最後は「インフルエンザ」
副反応が減るので筋注がおすすめですよーって話をしたら反響が多くてビックリしました。あまり知られてないんですね。
このあと、今までのアウトブレイクを振り返りながら、ワクチンも大事だけど標準予防策やアウトブレイクが起こった際の初期対応が大切ですよ、って話をさせてもらいました。
以上のような内容を60分で話しました。ポイントを絞るのが難しく、資料が多くなりすぎたのは反省事項です。アンケートの結果では量が多い、という意見もちらほらみられましたが概ね満足していただけたようでした。
少しでも皆さんにワクチンの重要性を理解していただけると幸いです。
ちなみに、今後の感染対策研修会で取り上げてほしいテーマをアンケートしたのですが、まさかの「抗菌薬適正使用」が1位。2位は「ノロウイルス」と並んで「薬剤耐性菌」。「薬剤耐性菌」は去年研修をしましたし、その内容をブログにもアップしています。
この結果にはかなり驚きました。私が講義をしたことによるバイアスがありそうですが、そんなニーズのある分野なんですね。。。それか私のファンが多いのか。。。(そんなわけない)
さすがにアンケートで1位になったらやらないといけないなぁ。