リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

第14回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)(2019.9.18)(お題:フリーテーマ)

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第14回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の開催報告です。 

録音はコチラから↓

今回は「フリーテーマ」でした。 

 

メニューはコチラ↓

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では、論文の紹介を。

 

 

まずは@程々な薬剤師

Aspirin versus Placebo in Pregnancies at High Risk for Preterm Preeclampsia.

N Engl J Med. 2017 Aug 17;377(7):613-622.

PMID: 28657417

NEJM日本語版→早期妊娠高血圧腎症リスクの高い妊娠女性におけるアスピリンとプラセボとの比較 

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私は全然知らなかったのですが、この分野では有名なようで。。。

キャス中に教えていただいた論文(PMID:7906809)を始めとして多くの報告があるようです。

今回の論文では、妊娠11週からのアスピリン150mg/日の服用にて37週未満での出産が大幅に減っております。出血傾向の有害事象が気になったのですが、36週までの投与ということもあり両群で差はなかったようです。死産や新生児の影響については差がなかったようですが、十分に投与をする意義はあるように思います。

妊娠高血圧腎症については以下にまとまっております。アスピリンの記載はありませんでしたが、、、

妊娠高血圧症候群|公益社団法人 日本産科婦人科学会

妊娠高血圧腎症および子癇 - 18. 婦人科および産科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

 

 

次は@リンコ

Factors associated with long-term prescription of benzodiazepine: a retrospective cohort study using a health insurance database in Japan.

BMJ Open. 2019 Jul 26;9(7):e029641.

PMID: 31350250

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ちょっとスライドの盛り込みすぎましたが…
本研究は、コホート研究を用いてBZD系薬の長期処方の要因を検討したものです。スライドに示したものが全てではないですが、いくつかの要因が示唆されました。こうやって示されると、なんとなくそんな気がします。男性の方がリスクが高かったのは意外でしたが。催眠薬、初回の定期処方にリスクがあるようですので、不用意な眠前での継続服用は避けていきたいものです。
 
 
次は@zuratomo4

RoB 2: a revised tool for assessing risk of bias in randomised trials.

BMJ. 2019 Aug 28;366:l4898. doi: 10.1136/bmj.l4898.

PMID: 31462531

 

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この論文は、RCTバイアスのリスクの検討に関する論文で、以前のもの(PMID: 22008217)のバージョンアップのようです。変更があった項目については、ベースラインの群間の同等性を考慮すること、ランダム化が保持できたかを確認すること、オープンラベルはハイリスクとして扱われていたが必ずしもそうしなくてもいいこと、脱落についての評価を適切に行うこと、アウトカム評価者がブラインドされているかどうか等があるようです(イマイチ読んでも分からなかったので、zuratomo先生のキャスでの解説のままに書きました。解釈が間違っていたらすみません。。。)

 

 

次は@にいやん

Effect of Intensive vs Standard Blood Pressure Control on Probable Dementia: A Randomized Clinical Trial.

JAMA. 2019 Feb 12;321(6):553-561.

PMID: 30688979

 

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SPRINT試験のサブ解析ですね。

厳格な血圧コントロールの方が標準コントロールに比べて、認知症では有意差がつかなかったものの、MCIでは有意に減少したようです。平均年齢67.9歳、追跡期間の中央値が5.1年、発症率は1000人年あたり10人未満ということで、発症率がかなり低く、解釈が難しいです。少しは関連があるかもしれないが気にするほどでもない、というところでしょうか。

SPRINT試験のサブ解析はたくさんなされていて、興味深いものも多いです。こちらをご参考に→SPRINT_循環器トライアルデータベース

ちなみに、高血圧と認知症の関連ってあるのかな?と思って少し調べてみたら、関連を示唆する研究がいくつか見つかりましたのでシェアしておきます。日本の久山町研究もあったようで。

Blood pressure and risk of dementia and its subtypes: a historical cohort study with long-term follow-up in 2.6 million people.【ケアネット→血圧と認知症サブタイプ別リスク~260万人を長期観察

Association of Midlife to Late-Life Blood Pressure Patterns With Incident Dementia.【日経メディカル→中年期の高血圧が後の認知症リスクに関連

Midlife and late-life blood pressure and dementia in Japanese elderly: the Hisayama study.【久山町研究】

 

 

最後は@たけちゃん

Association between erectile dysfunction and coronary artery disease. Role of coronary clinical presentation and extent of coronary vessels involvement: the COBRA trial.

Eur Heart J. 2006 Nov;27(22):2632-9.

PMID: 16854949

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 たけちゃんの専門分野ですね。

結果としてグループ2,3は、EDとCAD発症リスクは関連がみられたようです。オッズ比はかなり大きな数字になっているので、比較的強い関連があるのかもしれません。

全然知らないことだったので驚きましたし、大変興味深かったです。

キャスはこのあとおっさんの卑猥な話が続くのでありました。すみませんでした。。。

たけちゃんのブログでの解説↓

 

 

今回は以上になります。

次回は10/16の22時より、テーマは「耳鼻科関連薬」です!

またよろしければご視聴くださいませ♪