1月の多職種連携の会のテーマは「排泄関連」でした。
(ちなみにブログにはしていませんが、11月の第7弾は「地域包括ケア病床について」というテーマで行いました。12月は忘年会をしました。)
薬剤師的には便秘だけでも話すことは十分にあったのですが、多職種でとなると便秘だけでは関連が少ない部署もあるようで、「排泄関連」という薬剤師としてはやや大きめのテーマとなりました。各職種が関連のあるテーマを選定しないといけないので、毎回頭を悩ませています。
まずは他職種の発表内容のシェアを少しだけ。
- 看護:排便のケアや観察のポイントについて。この分野は専門性の高い分野だと思いますし、いつもさすがだなと感心しています。悩みながらケアをされている様子が伝わりました。
- リハ:排泄の訓練について。入院したり、種々の疾患にて一時的にADLが低下したり、あるいは認知症で排泄方法が分からなくなってしまったりといった時に訓練をするようです。排泄そのものというよりは、着衣の着脱等の排泄の準備や片付けに困難なことが多いことがわかり、重要性を認識しました。
- 栄養:腸内環境とプロバイオティクス、プレバイオティクスについて。最近この分野は意味があるのかないのかの論争がなされているかと思います。飲料や食品のプロモーションも多いですし。どこまで期待できるのか、難しいところですね。
てことで、私の発表をスライドを使ってシェアしていきます。
まだまだ関連する薬剤はあるんですけど、これ以上手を広げると資料を作るのが大変なので。これでも多くて、ほとんど話せないところもありましたが。
まずは治療薬について。
「慢性便秘症診療ガイドライン2017」を参考に、当院で使われているものを中心にざっとまとめました。
以下で副作用関連の情報をまとめておきます。
この辺は特に看護師に十分理解しておいてほしいところです。
特に高Mgは注意しておきたいです。他の職種からはないがしろにされがちですので。
浣腸も安易に使ってしまうと怖いですね。十分理解されているとは思いますが、、、
昨年、ランナップが一新されました。古くからの薬よりは重篤な副作用の懸念が少なくなっていますので、今後徐々に広がっていくのかなと思います。リンゼス、モビコールには個人的に期待しています。いずれも薬価が高いのが引っ掛かるところですね。薬価のこともあり、ほとんどの薬剤の添付文書には既存の薬剤で効果不十分な時に使用するよう記載されております。
これらの治療薬はどこまで効果があるかと言われれば難しいですが…
先日NEJMに小児の胃腸炎への整腸剤投与の論文が2本出ましたね。効果は期待できなさそうです。。。
過活動膀胱の抗コリン薬では、最近の薬剤は副作用が少なく、使いやすくなってきた印象です。β3はまだよくわからない気もしています。
尿閉に使用されるコリン作動薬では、コリン作動性クリーゼに十分な注意が必要です。重篤な転帰をたどることもあるので、常に頭には入れておいてほしいです。
次は、副作用が排泄関連に影響を与える薬剤について。
よく出る薬剤だけでもいいので、一つでも多く、他職種の方には覚えておいてもらえたらと思います。
最後に排泄関連ならではの話題を。
いくつかのインターネット上の記事を参考にさせていただきました。
尿や便の着色に関しては、当該薬剤を服用していても実際にはあまり影響が出ていないことが多いようにも思います。当院でほとんど処方されない薬もありますので、そういったあたりの影響はよく分かりませんが…クエン酸第一鉄の便への影響は中でもよく聞きますね。
ゴーストピルに関しては、年に何回か看護師から問い合わせがありますね。毎年言ってるのに…と思いながら答えていますが。。。まあでも、そこに違和感を覚えるのはさすがだなと思います。バルプロ酸、オキシコドン等はよく聞きますので、頭に入れておいてもらいたいです。
今回は以上になります。
この内容を15分で話したので、理解してもらえたかどうかは不安ですが。。。(理解出来たらすごいですよね。また気になったことがあった時に見直してほしいなと。)
実際に勉強会をやってみて、このテーマは自分が思っていた以上にそれぞれの職種での役割が大きいように思いましたし、積極的に連携していきたいと感じました。