さて今回、は、「年末企画!読めよ薬剤師!!~ 2018年に発売された書籍で“薬剤師”にオススメする3冊~」と題しまして、ブログを書いていこうと思います。
例のごとく、この方のツイートから始まりました。
【参加者募集】年末企画!読めよ薬剤師!!
— るるーしゅ (@ph_lelouch) December 21, 2018
今年発売された書籍で“薬剤師”にオススメする3冊をブログで発表しよう(12/28予定)
他の人とオススメ書籍が被ってしまったら、1冊ごとにAHEADMAPに500円の寄付(MAX1500円)!
参加希望者は私、もしくはやくちち先生に参加の意志を伝えて下さい
なぜか罰ゲーム付きw
てことで、私のおススメする3冊を紹介していきます。
以前、抗菌薬適正使用のブログ(→2018年度薬剤耐性(AMR)対策推進月間その③:底辺からの抗菌薬の勉強は苦労しました… - リンコ's diary)でも書きましたが、本書のアップデート前のver.3は、私が抗菌薬の勉強で最も役立ったと感じている1冊です。そのver.3から6年、ようやくver.4が今年発売となりました。
相変わらずの「健太郎節」がさく裂しており、読んでいて楽しかったですし、すらすら読むことができました。ページはやや多めですが、マニアックな薬剤、感染症も含まれておりますので、そこを除けばそれほど多くないかもしれません。
初学者はなかなか理解できない箇所がたくさんあるかもしれません。私がver.3を初めて読んだ時はそうでした。しかし抗菌薬の勉強をし、何度も本書を読み返すことで徐々に理解できるようになりました。だから最初読んで分からなくても諦めてはなりません!私自身、今回本書を購入し、わりとすらすら読めることに当時の自分からの成長を感じています。
抗菌薬のことだけでなく、感染症の診断や種々の感染症についてもとても詳しく記載されており、そちらもとても勉強になると思います。
抗菌薬の初学者にはまず本書をお薦めします。
現在の医療情報の氾濫は本当に困ったものです。放っておいて害がなければいいのですが、実際そうではありません。意図的なものから意図的でないものまで、多くの情報が溢れかえっています。
本書は、いわゆる「WELQ問題」に対して最初に疑問を投げかけた著者がその「WELQ問題」を中心にネットでの医療情報や医療デマについて取り上げられております。
この本を読んで、一般の方への医療情報に提供についてはすごく考えさせられました。ネット上で調べれば情報が得られる時代。だからこそ、対面での情報提供、地域での活動が必要なのではないかと感じています。
こういった情報に騙される人が一人でも減るよう地道な活動をしていきたいと思いましたし、本書を読んでたくさんの薬剤師に現状を把握していただければと思います。
私にとって今年は「健康格差」元年となりました。少し前からソーシャルキャピタルには興味を持っておりました。今年になり何らかのきっかけで「健康格差 あなたの寿命は社会が決める (NHKスペシャル取材班 著)」を読みました。本書では様々な角度から健康格差が取り上げられておりました。貧困については衝撃的な話もありましたし、様々な人口動態学的、疫学的な統計データには全く知らなかったことも多くありました。そして、この問題は放っておけばまだまだ拡大しうる問題ということに気づきましたし、それに立ち向かった活動をしている人がいることも知ることができました。
この本を読んで健康格差に興味を持ち、次に読んだのが「 健康格差社会への処方箋(近藤克則 著)」でした。本書にはこの健康格差問題に対する様々な方策等が書かれておりました。
そして本書を読み、近藤先生のことを知り、JAGESプロジェクトの文献を読むことでさらにこの分野に興味を持ち、秋には近藤先生のご講演を拝聴することもできました。
そして今回紹介する「長生きできる町(近藤 克則 著)」は今年発売になった近藤先生の新書です。こちらは先述した「健康格差社会への処方箋」に出てくる種々のデータがアップデートされており、また内容が一般の方にも読みやすくなっております。特に、JAGESプロジェクトの様々なエビデンスを中心に健康格差の現状や方策、社会環境等について書かれており、大変勉強になりました。
ぜひ本書を読んでいただき、健康格差問題について一緒に議論できる薬剤師が増えれば嬉しい限りです。
てことで、こちらに今回紹介した3冊をまとめておきます。もしご興味を持っていただけましたら、こちらのリンクから買っていただけると私が喜びますw
その他、今年読んだ本は以下のブログをご参照ください。