話題の2冊を読みました。
私以外に丁寧にまとめてくださっている方がたくさんいらっしゃいますので、私はちょっとだけ感想を。
・「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 1 」
20年ぶりに漫画を買いましたw
とりあえず後輩ほしいw
次は…
・「誰も教えてくれなかった実践薬歴」
気付けば、発売から3か月も経ってましたね。遅くなってすみません。
個人的に薬歴は好きですし、すごく大切にしています。
薬局薬剤師時代には1日数十枚書いていましたし、内容にはそれなりに自信を持っていたんですけど、病院に転職してからは患者層も関係して1日数枚へ減少、さらに指導は私しか行っていないので他の人の薬歴を見ることもなく、書く時間は遅くなり、質もかなり低下している気がします…病院では情報量やアセスメントのポイント、指導間隔が薬局時代とは違いますから、それにもかなり戸惑いましたね。
あと、薬歴に関しては薬局時代の電子薬歴の方が圧倒的に書きやすかったですね。病院の薬剤管理指導支援システムは、薬歴を書くツールとしてはイマイチな気がします(私の病院が導入しているメーカーが悪いのかもしれませんが…)
さて、本題へ。気になった部分をいくつかピックアップします。
薬歴は何のためにあるのか?それは「書く」ためにあるのではない。あえていうならば読むためにあるのだ。”振り返る”ためにあるといってもいい。 (中略) さて、今日の薬歴を「つける」のか「書く」のか。それは形式ではなく、仕事に対する姿勢がそう表現させているのかもしれない。(P28,29)
これには「なるほど」と思いましたね。作業としては「書く」のかもしれませんが、後々に引き継いでいくという意味では「つける」の方が適切なのかなと感じました。「書く」になっているときは、いい薬歴が書けていないのかな、事務作業になっているのかなと思いました。
P27に出てくる「プロの仕事は記録される」というのもここに繋がるのかなと。
「患者のケアの良し悪しは、ケアに関与する人々の教育の高さで決定される。その教育を高めるには、良い記録に負うところが大きい」とL.L.Weed博士は言いました。つまり、薬歴は良い教育材料なのです。これを使わない手はありません。(P137)
今思えば、薬局薬剤師時代に薬歴を頑張って書いていたのは、後輩に「教える」ためというのも大きかったのかなと思います。あえて勉強会をしなくても、こういった薬歴で学べるというのは若い薬剤師によってとても重要なことなのかなと思います。
今は病院にいますが、他職種のカルテの記載事項によって勉強することも多いです。なので、それはただの記録ではなく、それぞれのアセスメントポイントを学べる重要な教育教材になっているような気がしています。他職種に教えるという意味でも、また頑張って記載していこうかなと思いました。
アウトカムがQOLなら、僕らは考え方を変えていかなければならないでしょう。患者がどうありたいのか、どのように生きたいのかに応じて、医療者側はチームとしての目標を立てる。そして、その目標に対してそれぞれの専門職が情報を共有しつつ、知識と技術を用いていく。 (中略) 高い専門性を前提に、多職種が「目的」と「情報」を共有する必要があります。「目的」は多くの場合、患者のQOLの最大化です。そして、多職種が「情報」を共有する手段、それがPOSでしょう。(P13,14)
私の現在の悩みの一つが、多職種が情報を共有するために、それぞれがカルテに何を記載すればいいのか?ということです。この文章を読んで、なにかその大きなヒントをいただけた気がします。薬歴の本だと思っていたので、これはとんだ拾い物をしました(笑) 多職種で「『目標(≒プロブレム)』を共有する、共通認識にする」という作業が必要であることがおそらく重要なのだろうと。個人的にこれは強烈なインパクトでした。
そして、最後にもう一つ。
プロの仕事なのですから、記録を残すのは当たり前。そして、それは患者のためになるものでなくてはならないのです。(P27)
また明日から気を引き締めて、「プロ」として患者さんと向き合っていきたいと思います。