第4回エビデンス展覧会(略して、エビテン!)の報告です。
今回は今までで一番うまくできました。何度か落ちてしまいましたが…通信環境の改善が必要ですね…
録音はこちら↓から。落ちてしまったせいで4回に分かれています。上から順です。
①
②
③
④
てことで、今回のメニューはこちら!
まずはzuratomo先生から。
お題論文:
セルトラリン50mgもしくは100mgで3週間治療後寛解に至らなかった未治療の大うつ病患者を3群(セルトラリン継続、ミルタザピン増強、ミルタザピン変薬)に分けたランダム化・PROBE法での試験です。セルトラリン継続群よりミルタザピン継続・変薬群の方がPHQ-9スコアは低く、寛解率は高くなっておりました。
セルトラリンの投与量は50mgか100mgで統一した方が良かったようにも思いますが、そうもいかなかったようで。
副作用は同じくらいの発現率のようなので、この結果を見る限りではミルタザピンの追加or変更をした方がいいように思います。それでも寛解率は3割くらいなんですね。初回のセルトラリン3週間投与での寛解率はどのくらいなのかも気になりました。
次は私、リンコから。
お題論文:
Effectiveness of a Hand Hygiene Program at Child Care Centers: A Cluster Randomized Trial.
託児所に通う幼児、両親、託児所スタッフを対象に教育的な手指衛生プログラムを導入し、「石鹸と流水群」「手指消毒剤群」「コントロール群」の3群に分けた非盲検化クラスターランダム化試験で、幼児の呼吸器感染症の罹患率をアウトカムとしています。結果としては「手指消毒剤群」にて呼吸器感染症罹患率、抗菌薬処方機会、託児所欠席率が減少しました。
教育プログラムについては本文中の「intervention」に記載されております。かなり面倒そうですし、幼児に可能かどうかというのは気になるところですが。キャス中にも出ましたが、順守率等も気になるところです。
あとは、石鹸&流水>消毒薬の方が効果的ということも示唆されています。一般的には手洗いより手指消毒薬の方が細菌やウイルスが残りにくいとは言われていると思いますが、それが呼吸器感染症の罹患率に直結するかどうかは認識しておりません。また勉強しておきます。
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~2018.11.29追記~
「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
こちらでは、感染症予防策として手洗いが推奨されております。今後手指消毒に変わっていくこともあるのでしょうか。。。
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最後はにいやん先生。
お題論文:
Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes.
先日発表された話題の論文ですね。
ダパグリフロジンの心血管イベントへの影響を検討したRCTです。結果としてはMACEは同等であり、心血管死と心不全入院の複合アウトカムは有意に減少したというものでした。安全性としては、切断は同等だったものの、性器感染症に関しては大幅に増加しておりました。
この複合アウトカムというのがやや怪しいですね。心血管死亡単独であれば同等だったようですし。心不全入院は減少していたようです。
EMPAREGUやCANVASとはまた異なる結果となっているのが注目すべきところなのかなと思います。また詳しく読んでいきたいと思います。
この文献に関してはzuratomo先生がブログを書いてくださいましたので、そちらもご参考に↓
以上になります。
12月の日程は決まり次第お伝えします。