毎年10月17日から23日は「薬と健康の週間」です。
この週間の目的は、「医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの方に知ってもらうために、ポスターなどを用いて積極的な啓発活動を行う週間」とのことです(厚生労働省のホームページより)
先日、地域住民向けに「薬との付き合い方、サプリと健康食品」の講演をしてきました。ちょうど「薬と健康の週間」ということで趣旨にも合致していると思いますので、その内容を共有したいと思います。
ちなみに去年の同様の機会での記事はこちら↓
「薬との付き合い方」については、今回はこの3つの話をしました。
この3つを選んだのは、薬の(意外な?)リスクを捉える上で重要なテーマであり、一般の方にぜひとも理解しておいてほしいと考えたからです。そのリスクを少しでも低減させることができれば、事故を防止することができればと思い、このテーマで話をさせていただきました。
「お薬手帳」に関しては、以前こちらのブログで書きましたので省略を。
月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2018.8)(当院の広報誌に「おくすり手帳のはなし」を書きました!と広報誌の裏側) - リンコ's diary
「誤飲」に関してはこんな感じで、小児および高齢者についての誤飲について話しました。特に今年は重篤な事例を目の当たりにしましたので、余計に思いは強かったです。できるだけこのような事故はなくなってほしいです。定期的にこういった情報は啓発しないといけないなと感じています。
最近は、一般の方に話をする機会があれば必ず「薬剤耐性菌」の話をするようにしています。今年は中学生にも高校生に話しましたね。抗菌薬の処方機会が見直されて減りつつあることや抗菌薬を欲しがらないで欲しいこと、将来的なリスクなどは一般の方にもしっかり理解してもらっておくべきなのかなと感じております。難しそうなテーマに思えるかもしれませんが、毎回話をすると比較的反応はいいですね。まあ、スピーカーがいいからかもしれませんが。。。そんなことはないですね。すみません。
引き続き「サプリと健康食品」について。
こんな感じの目次です。
「健康食品の分類」について。個人的にはどーでもいいですが一応…
次は、「消費者を欺く」ものたち…
個人的にはこういったのはアウトだと思いますけどね…
左側は、プラセンタやらコラーゲンやらシトルリンやらアルギニンが大々的に宣伝されていますが、「栄養機能食品」の許可を受けているのはその他の成分です。
右側は鉄板ネタですね(笑)
次は「健康食品の安全性」について。
「海外製のものには十分に気を付けてくださいよ!」って話もしました。
続きまして「健康食品は効くのか?」について。
まあ、「効いている」のか「効いている気になっているだけ」のかなんて誰にも分かりませんから…
そしていよいよ「あのトクホはどのくらい効くのか?」について
これは去年の使いまわしですが、12週間特茶を1本/日飲用したところ、対象飲料群と比較して腹部全脂肪面積は有意に減少したけれど、体重、BMI、体脂肪率、ウエスト径、ヒップ径には影響がなかった、という結果です。なかなか表には出ない情報ですが、こういったことを伝えることも必要なのかなと感じました。一応、1日に2本飲めば…、12週間以上飲めば…と、特茶をかばっておきましたけど果たして。。。
今年は…
「R-1」!!
果たして効くのか効かないのか…
英語で論文になっていたことに驚きました。この他にもR-1関連のいくつかの論文がありました。ご興味がありましたら「OLL1073R-1」で検索してみてください。「夏バテ」に関してのものもありました。
この論文についてはデザインに色々と気になるところはありますが、、、
風邪にはそれなりに「効く」かもしれません(読む前は侮ってました…)。ただ、1個150円くらいするので1か月4,500円くらいお金がかかりますね。余裕がある方は使ってみてもいいかもしれません。副作用の可能性は低そうですし。
最後にまとめを。
大事なことだらけですね。伝えたかったことがしっかり集約されていると思います。
もう少しだけ続けます。
トンデモはなかなか無くなりませんね。一つ一つ誠実に対処していくことが大切なのかもしれませんが、個人的にはそれも面倒になりつつあります。
ただそれに対する書籍等も増えつつあり、質のいいものもたくさんあるので、ぜひそちらも読んでほしいなと思います。
健康食品が効くかどうかは極めて不明瞭です。しかし、健康食品が何かの支えになっていることは十分にあるとは思います。そういったことも心に留めておくべきかとは思います。
以上になります。40分間しゃべり倒しました。聴衆の方々が今回のテーマについて少しでも学べ、興味を持っていただければ幸いです。
反省点としては、終わった後に「健康食品が嫌いなんですね(笑)」と言われてしまったことです。少々disりすぎたかもしれないと。来年も同じ機会があれば「お薦めのサプリメント」というスライドを入れてみようかと思いました。