2018年度のNPO法人AHEADMAPの総会&ワークショップに参加&発表をしてきました。
ワークショップのテーマは、「薬が飲めない、飲まないへどう向き合うか?」
グループにてこれまでそれぞれが遭遇した事例の共有や模擬症例を元に意見交換を行いました。
原因は色々考えられますね。
用法が複雑な事、薬の数が多いこと、認知機能の低下、コストなどの客観的な情報だったり、慢性疾患の薬(予防薬)は効果を感じにくいこと(≒関心が低い)や病識の不足、副作用、医療者・患者間の認識の違いや信頼関係などが挙げられました。
文献情報もたくさん教えていただけたので、また読んでおきたいです。
アドヒアランスの講義で、「healthy user effect」、「healthy adherer effect」という概念は初めて知ったのですが、アドヒアランスを考えていくうえでは大切な視点だな、と思いました。こちらがそれに関連した文献のようです↓
先日、今年から外来の担当となった医師に、「外来の患者さんって薬しっかり飲んでくれないですね。でも、5分くらいの診察時間じゃ全然時間が足りなくて、なかなかそこまで話ができないんですよ」と言われました。薬剤師がしっかりフォローしないといけないな、と。頑張りましょう!
まあでも、「健康」というのは多くの人の願いで。まるで「病気」になることが負けのような。でも「病気」になっても十分に幸せに生きていけるのではないかと思ったりもするわけですが、やっぱり「病気」になった人からすると「健康」に戻りたいのかなと。であればやはり「健康」であることが大切なのかと。ただ、予防としようとしても当然全てを予防できるわけではなく。難しいです。。。
家に帰ってきてふと思い出しました。私が関わる患者は超高齢者、認知症患者がとても多いです。今回のテーマは「飲まない、飲めない」でしたが、私たちはそういった方たちに「飲ませている」状態であることも多いのではないかと思います。去年医師に、「(こういった患者さんたちには)寿命を延ばす薬は必要ないかもしれない。むしろ必要なのはQOLを改善する薬ではないか?」と言われました。確かにそうかもしれません。残された寿命をいかに苦しむことなく全うしていただくのか。そういったところを目指すべきなのかもしれません。誰のための医療なのか、薬なのか。家族の思いもあるでしょうし。
この問題は薬剤師である限り、いや生きている限り、ずっとつきまってくる問題のようにも思いますし、決して答えの出る問題ではないと思います。
今回学んだことを今後活かせていければと考えております。
一旦この辺で。
ワークショップ後の、私の「EBM実践報告」の発表については後編で(後編はこちらから)