リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.6)(退院カンファには薬局薬剤師も病院薬剤師も参加して欲しいな)

最近、退院時共同指導(いわゆる退院カンファ)に呼ばれることが増えてきたのですが、参加して感じていることについて書いていきたいと思います。(あっ、はじめましての方のために。私は田舎の中小規模の病院に勤める薬剤師です。意中の球団が7連敗しており心が荒んでおりますが、頑張って書きますのでよろしければお付き合いください。)

保険薬局における薬学管理料としての退院時共同指導料は、「保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、当該患者が入院している保険医療機関に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院保険医療機関の保険医又は看護師等と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1(別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2)に限り算定できる。」(http://tensuhyo.html.xdomain.jp/28/t/15-4.htmlより)となっています。

しかし実際問題、その対象となる患者はかなり少ないと思うのです。当院に関して言えば、現在訪問薬剤管理指導を受けている患者はゼロです(まあこれは、主に訪問看護師が薬剤の管理をしているからであって、そこに問題があるのかもしれないが、今回はそっとしておきますね)。概ねの方は退院後も外来通院ができます。

でもだからといって薬が管理できる患者ばかりではありません。退院後、薬局薬剤師によるフォローをしっかりと行ってほしい患者はたくさんいます。内服の管理ができない人、吸入・注射等の外用剤の手技・コンプライアンスが不安な人、家族は一緒だけどサポートが期待できない人などなど。

退院カンファは、患者さんの生活、考え、周りのフォロー体制等を把握するのに絶好の場である、と参加していて思います。ここでの話の内容は、薬局でのインタビューから聞き取るのは難しい内容も多く含まれていると思います。種々の情報提供書から知ることもできますが、生の声というのはまた別物のようにも感じます。そして、このような方々における薬の管理というのは、周りの方の協力があって成り立つものだとつくづく感じるのです。

また、退院カンファは退院後にその患者に関わる各方面の方々と顔を合わせるいい機会でもあります。まさに顔の見える関係ですね。それと同時に、自分たちの役割を他職種にアピールする場でもあると思っています。未だに保険薬局のことを「調剤所」、薬剤師のことを「調剤師」としか思っていない他職種は多くいるのが現実ですからね。

なので、薬局薬剤師にも退院後のフォローが必要な患者の退院カンファには来てほしいのです。ただ、現状の制度ではそこにフィーは発生しないんですよね。一人薬剤師等、小規模の薬局が多くを占めることも薬剤師の人数がギリギリの薬局が多いことも理解しています。参加したくてもできない方もたくさんいると思います。でも、そこをなんとか!退院後に関わる多職種が集まる中で、保険薬局の薬剤師だけいないというのも嫌なので。それに、退院後、薬局薬剤師がどのように関わることができるか、という話もしてほしいですし(これが知られていないから呼ばれないという可能性も十分にあるのですが…)(まあ、在宅患者の退院カンファで薬局薬剤師は参加するけど、病院薬剤師が参加しないというのも時々聞きますが、それは論外ですね。)

今回は、最近感じていることを感情に任せて書いてみました。もし勘違いしていることがあればご指摘ください。偉そうなことを言っていますが、まだ退院カンファには数回しか参加したことはないですし、薬局薬剤師を退院カンファにお呼びしたことはありません。また機会があればお誘いしてみたいと思います。