最近、近くでショッキングな出来事が立て続けに起こりました。
一つは、夜間に横断歩道のない道路を横断しようとしたお年寄りの死亡事故。
もう一つは、老夫婦宅での火事。
私の住んでいる町は高齢化が進む、いわゆるへき地です。
平成25年末での65歳以上の高齢化率は27.8%。
全国では平成24年10月で24.1%だったので、今は25%くらいでしょう。
全国よりも3%ほど高齢化が進んでいます。
以前はある程度都会の調剤薬局に勤めていましたが、
その時の患者さんに、ドネペジルやメマンチンを服用しているのに、
1人暮らしをしたり、一人で病院・薬局にやってくる患者さんがいました。
服用はしていなくても、認知機能が衰えた方はたくさんいらっしゃいました。
正直、ゾッとすることがありました。
家のことはしっかりできるのだろうか?
食事は取れているのだろうか?
火事は起こさないだろうか?
道に迷うことはないだろうか?
交通事故を起こすことはないだろうか?
何よりも、病院で自分の症状をしっかり伝えられているのだろうか?
そう思った段階で介入しなければならなかったのかもしれませんが。
それは反省点です。
冒頭の事故の高齢者たちの認知機能が低下していた可能性も充分にあります。
さて、少し視点を変えてみます。
こういった事故には巻き込まれる人たちがでてきます。
もちろん当事者たちにとってはとても気の毒なことです。
ただ、事故の加害者や火災で巻き込まれた住民たちはどうでしょうか?
それもとても気の毒だと思います。
昨年、一つのニュースが注目を浴びました。
家族の責任、どこまで 徘徊中、線路に…遺族に賠償命令へ
ちょっと信じられないような判決です。聞いたときは本当にびっくりしました。
ただ、鉄道会社の言い分も充分理解できます。
実害を被っているわけですので。
こんな記事もあります。
衝撃的な数字ですね。
ただ、これは鉄道事故死だけです。
火災や車等での交通事故も含めるとかなりの数になるでしょう。
車と言えば高齢者の運転も怖いですよね。
以前、高速道路を逆走している高齢者の映像を見ましたが、ゾッとしました。
今の自主返納の制度を止めて、
どこかの段階で運転免許を取り上げるようにしないといけないのかなと思います。
少し話が横道に逸れましたが、
このまま高齢化が進んでいけば、こういった事例がどんどん増えると思います。
いずれ社会問題化することも充分に考えられます。
私は薬剤師である前にいち町民です。
このような出来事が起こるのは本当い辛いです。
どちらかが加害者、どちらかが被害者になってしまうのですから。
そして、いち医療従事者です。
医療従事者として考えなければならないのは、
どうやって高齢者を見守っていくかだと思います。
選挙の公約なんかで、
「高齢者が安心して住める町づくり」
なんてのを聞いたことがあります。
本来は、
「高齢化が進んでもみんなが安心して過ごせる町づくり」
なのかなと思います。
こういった不運な事故やそこに巻き込まれる人を少なくすることも、
これからの医療従事者にとって大きな役割ではないのだろうかと感じました。