2018年6月16日、17日に開催されました「第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会」に参加してきました。
覚えている範囲でまとめておきます。
〇1日目
シンポジウム4
この中では特にPTの渡部氏、歯科医の児玉氏のご講演が心に残りました。
渡部氏
・ケアマネ連絡会への参加、介護事業所への訪問等をしている→自職種の職能を発揮しようと躍起にならず、困り事を引き出す事がポイント。
・出来る事を具体的に伝え、知ってもらう→あら、そんな事もできるんですね!と、知ってもらえる。
・地域のリソースを具体的に知る。
・それぞれの職種が実際に業務をしている場を見る。
児玉氏
・自職種が担っている業務のエビデンスの紹介(→これを様々な職種でやりたいですね~)
☆歯がある方が医療費が少ない
☆口腔ケアによる誤嚥性肺炎予防効果
・歯科医師の役割=歯科疾患予防➕誤嚥性肺炎予防➕食の支援
・終末期における口腔内乾燥への対応が不十分!
教育講演4
まずは、「人の命に価格は付けられるか?」、「予防医療の普及は医療費削減につながるのか?」について周りの方々とディスカッション。
〇人の命に価格は付けられるか?
・倫理的には難しいが、生命保険、損害賠償では付いているのが現状。
・裁判でも、被害者の年収等が考慮されることがある。
・子供は一生懸命治療するけど、超高齢者はそうではない場面もあるのでは?
〇予防医療の普及は医療費削減につながるのか?
・医療費を減らす事が目的ではないのでは?
・寿命が延びるから、結局は医療費削減には繋がらない。でも、生産性向上に繋がるかも。
・健康教室は医療費削減につながるのか?
・検診→無駄な検査、治療に繋がる事がある。
難しい問題です。。。
その後、費用効果分析の説明があり、演者の先生が共著の
Osteoporos Int. 2017 Jun;28(6):1939-1950.
を使ってさらにその実際の説明。
初めて聞く人には難しかったと思いますが、私は以前聞いたことがあったので、費用効果分析についての理解をさらに深められたように思います。
講演中にもあった話ですが、費用効果分析はcherry pickingをしやすい解析であり、できるだけCOIのない研究者によってなされないといけないと感じました。
教育講演6
最初の方だけしか聞いてませんが…
この文献が紹介されたようです。(スライドの撮影&シェアは自由な講演でした!例年ですねが。)。ご参考まで…
教育講演 総合診療・家庭医療コアシリーズ3
中でも藤沼先生のお話がとても勉強になりまして。
特に「社会的処方」については今後重要なテーマとなってくるように思います。
「社会的処方」とは、医師が薬を処方することで患者さんの問題を解決するのではなく、「地域とのつながり」を処方することで問題を解決するというもの。例えば、認知症が進み家に引きこもっている方は、もともと自動車整備の仕事をしていた方なので、そういった作業のボランティアを求めていたグループとつなげてみる、いうこと。(「社会的処方研究所 - プラスケア元住吉・武蔵新城・新丸子・武蔵小杉」より引用)
「社会的処方」には今後少しでも関わっていくことができればいいなぁと思っております。
シンポジウム18
最近いくつかの書籍を読んで興味を持っていた分野でしたので、とても興味深く拝聴させていただきました。
読んだ本↓
(3つ目の「健康格差」は絶賛積読中)
発表された行動指針がこちら。
「健康格差の現状分析とその生成プロセス」にはたくさんの参考文献がでてきますので、少しずつ読んでいければなぁ、と。
それにしても難しい単語がいっぱい。
ソーシャル・キャピタル、アドボカシー、SDH、パートナーシップ、ジェンダー、ライフコース etc
まずはこれらを覚えないと…
〇2日目
教育講演9
「こどもとおとなのワクチンサイト」オープン!!
ちらっと見てみましたが、かなり充実してますね~
こんなのもありました↓
(子供バージョン、大人バージョンもホームページ上にあります)
いい感じですね♪
帯状疱疹ワクチン、インフルワクチン、HPVワクチン、髄膜炎ワクチンなどなど、たくさんのことが勉強になりましたが、ただの自分の知識不足な気がするのでここでの共有は止めておきますw
2日目はこのあとの記憶があまりありませんwセッションの選択をミスりました。もったいない…
全体を通して
もっとこの学会でしか聞けないようなセッションを中心に選択すべきだったな、と後悔をしております。特に2日目。興味を引かれるのが少なかったこともありますが。。。
来年は5/17-19に京都で開催されます!参加できるかな。