リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

多職種連携の会 第2弾;大腿骨骨折への各職種の関わり

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「多職種連携の会」第2弾のテーマは『大腿骨骨折への各職種の関わり』でした。

私の発表はグダグダでしたが、他の職種の皆さんの発表は素晴らしいもので。特にリハのプロフェッショナル感がすごかったです。自分は、他職種の業務内容とか考え方とかを全然理解できていなかったな、と思いながら、それぞれの職種が様々な面から患者さんのことを考えて仕事をしてるんだなと感心していました。

それにしても、自分が普段当たり前のようにやっている業務を多職種の方々に伝えるのは難しいですね。

 

てことで、私の発表スライドをおすそ分けしておきます。

 

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うちの病院の大腿骨骨折の入院で使うのはざっとこのくらいですね。

中止する抗凝固薬は、抗血小板薬とかその他の薬剤も含みます。

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多少差はありますが、イメージはこんな感じで。

 

まずは鎮痛剤に関して

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久々にこんな図作りました(笑)

これを薬剤師以外の職種に伝えるのは難しい…

 

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1つの薬剤を1つのスライドにまとめてみましたが、どうですかね?まだ伝えた方がいいこととかありますかね?

NSAIDは気づけば漫然投与されているケースがあるので要注意です。大腿骨骨折患者はほとんどが超高齢者ですので、副作用には十分注意しながら。

カロナールは効いてるのか効いてないのかよく分からないこともしばしば…

アセリオは15分で!これ重要!

 

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せっかくなので、アセリオのこの文献も紹介しておきました。

解熱効果はさほどないけど、血圧はかなり下げるのではないかという疑惑。

この文献だけでは分からないことも多いですが、1つの参考にはなりそうです。

 

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アセトアミノフェンの静注と経口ではAUCにそれほど大きな差はないみたいですね。

 

続きまして、手術部位感染(Surgical site infection;SSI)予防に関して。

 

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それぞれのリンクを貼っておきます。

術後感染予防抗菌薬適正使用のための実践ガイドライン(summary)

骨・関節術後感染予防ガイドライン 2015 

大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン (改訂第2版)

ルーチンになっている事柄が多いので、ガイドラインとか根拠になっている論文とかをあまり読んだことがなく、この機会にサッと読んでみましたがすごく勉強になりました。

 

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うちの病院は手術件数が少ないので、良くも悪くも実感がないですね。

 

ここからは、骨・関節術後感染予防ガイドライン 2015 のCQを少し紹介。

まずは血糖コントロールから。

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2つ目の文献はこのガイドラインの参考文献ではありませんが、この分野では有名らしい「重症患者における低血糖と死亡リスク」に関するいわゆるNICE-SUGAR試験です。NEJMの日本語訳のページはこちら

こうやって見るとやはり血糖コントロールは重要ですが、下げ過ぎは禁物ですね。強化インスリン療法にて、140-200(180)くらいでコントロールするのが一般的なのかなと。

 

次は抗生剤について。

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私の恣意的なものが入っていますので、一般的ではないかもしれませんw

 

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全体的に大腿骨骨折のみの文献というのは少ないようです。このCQも大腿骨骨折以外の文献がいくつか紹介されていましたが、おおむね抗生剤の使用にてSSIを1/2-1/5に減少させるというものでした。

 

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やはり術直前の投与が必要なようです。

 

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ざっくりまとめました。

 

次は術前の中止薬について。

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院内での基準はありますが、一応極秘資料ということで…

公開されている他の施設と特に変わりはありませんが。

サプリメントについては、月刊薬局2017.11を参考にしております。

 

最後にDVT予防の抗凝固薬について。

うちではエドキサバンくらいしかほとんど使われてないので。。。

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この表を作るのに2時間かかりましたw

せっかくの機会なのでワーファリンのことも伝えてみました。

 

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高齢者が多いので、腎機能には要注意です。CCr30-50はざらですし、CCr30以下もしばしば。術後で貧血が進むこともありますので、色々と気を使います。まあでも、Afの時とは用量が概ね半分ですので、そのへんはざっくりと考えています。

 

こんな感じでした~

 

次回のテーマは『糖尿病』

1か月で資料作れるかな。。。