リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2015.8)(いつの間にか病棟には薬剤師がいるのが当たり前に… 注)ただの長めの愚痴です)

注)ただの愚痴です。

病院薬剤師になって1年半ほどになりますが、その間にいくつかの学会に参加してきました。未だ発表はしてないので、そろそろしていかないといけないなとは参加するたびに思っておりますが、なかなか難しいですね。
それはまあ置いておいて。

病棟薬剤業務に関する発表の流れが変わってきているように感じています。
以前は、「病棟薬剤業務実施加算」算定のためにこういったことをしました、とか病棟でこんなことをしています、という発表が多かったのですが、最近は、いわゆる病棟常駐が当たり前、それが前提となって話が進んで行っているケースが多いように思います。

うちの病院は病棟常駐なんてとてもできる人員状況ではありません。
先日他の病院から当院に移ってきた看護師さんに、「病棟には薬剤師がいるのが当たり前だと思ってました。こんなことまで看護師がやるんですね。」と言われてしまいました。
平謝りですよね。。。

逆に先日インスリンの導入の指導に行こうとしたら、「そんなこともやってくれるの?忙しいのに。」と言われてしまいました。
それぐらいさせてください。たまには調剤から解放されないと…
まだまだ調剤中心の業務から抜け出せそうにありませんし、他職種のイメージもそうなんだと思います。

こんな状態ではありますが病棟に薬剤師が必要だと感じることはよくあります。一番感じるのは薬剤に関するインシデントが発生したときです。薬剤師がいれば絶対に防げたであろうインシデントも多いです。その他、薬品の管理やDI業務などでも必要性を感じます。

インシデントに関連しては、最近気になる2件の医療事故が報道されました。
http://www.asahi.com/articles/ASH7G5S0SH7GUTIL04B.html
(造影剤誤注入で患者死亡、医師に有罪判決「初歩的なミス」)
http://apital.asahi.com/article/news/2015072400026.html
(19種類の薬処方の90代女性死亡、過剰摂取原因か 宮崎県内の有料老人ホーム)

どちらの件も現場での薬剤師の関与はなかったようで、「造影剤を払い出す際に薬剤師は関与しなくていいのか?」とか、「老人ホームに薬剤師を常駐させるべきでは?」なんて声もちらっと聞こえてきたりしました。

色んな学会で発表を聞いていると、透析室や手術室に薬剤師を常駐させている病院や薬剤師外来を行っている病院が出てきているようです。それも概ね好評で、それを今後検討している病院も多いようです。(薬剤師が発表しているので、多少の過大評価はあるかもしれませんが…)

未だに保険薬局の薬剤師の業務については叩かれ続けていますが(来年の診療報酬改定をめぐる攻防の一部かもしれませんし、それも含めた医師会の一部の人の暴走のようにも見受けられますが…)、病院での薬剤師の必要性は日に日に高まってきているようです。
薬局薬剤師より病院薬剤師の方がアピールが上手ということもあるのではないかと思いますが。

一方、無資格調剤に関するニュースもありました。
そして、それに対する厚労省通知が出ました。
これに関しては熊谷先生が日記DIにまとめられていましたので、それを引用させていただきます。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201505/542124.html
(そろそろ白黒つけてほしい無資格調剤)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/kumagai/201507/542939.html
(無資格調剤に関する厚労省通知は前時代的だ)

無資格調剤に関しては色々言いたいことがありますが、ここではあまり触れずにおきますが、一つだけ。
こういう薬剤師の多様性が求められ、活躍が期待され、しかも薬剤師が足りていない状況なのに調剤にこだわる必要があるのか?と思うのです。
私がいる病院でも薬剤師が足りない状況ですので、調剤を誰かにやってもらいたい、と思うこともよくあります。
言い方は悪いですが、個人的には薬剤師でなくてもできる調剤もあると思いますし。
それに、調剤よりも大切な薬剤師がすべき業務はたくさんあると思うのです。

そういえば6年生が始まる頃には、薬剤師はあと10年くらいで飽和する、と聞いていたような気がします。ですが、どうやらあと10年は大丈夫そうですね。(飽和する=当院の薬剤師が4,5人になることだとは思いますし、それはだいぶ遠そうですから、、、)
ただ薬剤師の活躍が期待されるのはいいのですが、それによって大病院が薬剤師の採用数を増やしてしまうと、中小病院まで回ってこないんですよね。。。(病棟薬剤師の配置でかなりの大病院が増員していますので。30人→50人になったところもあるようです。そりゃあうちまで回ってきませんよ。。。)
介護施設への常駐とかまで求められるようになれば、ほんと大変です。でもいずれはそれに近い状態になるのではないかと思います。
期待は嬉しいですが、人員のことを考えると複雑な気持ちになってしまいます。
大病院と中小病院、都会と田舎の格差はどこまで広がり続けるのでしょうか…
(うちの病院や地域に魅力がないというのは重々承知しておりますが…それは何とか改善しようと努力しているところでございます。)

とりとめのない文章で、愚痴っぽくなってしまいました
最後まで読んでいただきありがとうございました。
いつまでも暑い日が続きますが、みなさまご自愛くださいませ。

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