リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

勉強会まとめ:プライマリケア研修会(「PIPC」+「ポリファーマシー」)(ほぼポリファーマシーの内容で、、、)

2015/7/12に開催されたプライマリケア認定薬剤師研修会(午前PIPC(Psychiatry In Primary Care)、午後ポリファーマシー)に参加して参りました。PIPCに関しても大変勉強にはなったのですが、今回はポリファーマシーの研修にて学んだこと、感じたことを書いていきたいと思います。

まずは、事例発表。
矢吹先生からポリファーマシー外来の経過発表。なんでも、院内で「Team Polypharmacy」を結成して取り組んでいるんだとか。まだ取り組みが始まって日は浅いようですが、確実に効果は出ている様子。(いつも勉強させていただいている矢吹先生のブログ→http://tyabu7973.hatenablog.com/
また、北海道の薬局薬剤師の方からは、お薬手帳を利用した残薬確認のツールの紹介。お薬手帳の表紙に残薬確認シールを貼付し、患者さんに書いてきてもらっているのだとか。あとはその残薬が発生した理由を調べたり、医療機関に情報共有をしているとのこと。素晴らしい取り組みだとは思いますが、まだまだ残薬の段階で、ポリファーマシーの改善には少し遠い気がします。まずは第一歩という感じですね。

これらを聞いて思ったのですが、ポリファーマシーを改善させるのにどこでも使える体系だった方法を構築するのは難しそうです。それぞれの施設で事情が異なると思いますので、それぞれが考えて取り組んでいかないといけないように思います。そうなるとなかなか進まなくなってしまうのですが、、、

あとは、矢吹先生の事例もそうなのですが、入院患者のポリファーマシーの改善なんですよね。入院患者は外来患者に比べれば処方を見直す時間が多く取れますし、処方変更後の体調変化の有無も確認することができます。うちの病院でも入院後に処方薬が少なくなるケースは多いです。積極的に見直しをしている医師もいますし、何せうるさい薬剤師が一人いますからね(笑)
問題は外来患者のポリファーマシーだと思います。入院してからでは遅いんですよね。それが原因で入院することも往々にしてありますから。だから、いかに外来でポリファーマシーを防げるか、ここが今後は重要になってくると思います。そうなるとキーパーソンは保険薬局の薬剤師です。これは間違いないと思います。何とか知恵を絞って介入して欲しいですね。いずれは外来でのポリファーマシーへの介入で、入院が減らせたとかいう研究が出てきたらいいんですけどね。
ポリファーマシーへの介入ができれば、将来的にはもっと細かくそれぞれの薬剤の適正使用への介入も期待できるんじゃないかと思います。
そうなってくると、薬剤師各々のレベルアップが必須ですね。どういった視点で、何を根拠に処方提案していくか。難しいですが、ここまでできるようにならなければならないと個人的には思います。

それと、グループワーク(私のグループは医師2名、病院薬剤師2名、薬局薬剤師1名でした)で話し合った中では、ポリファーマシーを生み出さないためにはお薬手帳が重要という意見が出て、皆賛同しました。あとはどうやって持参していただくかですね。永遠の課題になりつつありますが… 
お薬手帳の啓発といえばこの動画→https://www.youtube.com/watch?t=16&v=LSOeqCdo4wM
こちらのホームページも→http://medicinenote.wix.com/okusuritecholaboお薬手帳ラボ)

それと、前半のPIPC。その中にもポリファーマシー改善のヒントがありまして。
ブラインドフォークというのをしました。詳しくはこちら→http://atsuhino.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html?m=1
何のためにブラインドウォークをこの場で行ったのかというと、目隠しされた方は患者、誘導した方は医療者に見立てることができるからです。患者は前が見えない中、医療者を信じてその誘導に従って行動していくということです。目隠しをされたときはかなり不安でした。どこに向かっているのか、これからどうなるのかが全く分かりませんでしたし。誘導しているときは、頑張って目標に向かって誘導しようとしましたが、なかなか思い通りに動いてくれなかったり、指示がうまく伝わらなかったことがありました。目隠しされた側からしたら不安だっただろうな、と思います。目標を持たずにただ誘導していた人も大勢いたみたいです。
で、若干強引にポリファーマシーに結び付けると、薬剤が処方されるとき、それには目的や目標があるはずです。それを決めずに処方するのは論外ですが、いつの間にか目的や目標を見失っているような処方を見ることがあります。これがポリファーマシーを導く大きな要因のように思います。臨時処方がいつの間にか無意味に定期処方になっていたり、前医からの処方を引き継いでいたら処方意図が分からなくなったり…
ブラインドウォークを経験して、これには注意しないといけないと思いました。

まとめ
ポリファーマシーという言葉自体は広まってきていますが、まだまだ何をすればいいのか分からないというのが現状のようです。ただ、この問題に対して薬剤師ができること、やらなければいけないことはとても多いように思います。
方法論については様々出てきていますが、どれが正解というのはおそらくありません。アイデアをたくさん出して共有するために、今回のようなワークショップは貴重な機会だと感じましたし、たくさんの薬剤師に参加してほしく思いました。

P.S 初見でしたけど、ゴリラは見えました。どうやら集中力が欠如しているようですw

付録:最初の事例検討では、腎機能低下及び低K血症によるジギタリス中毒の事例が紹介されました。その際グループワークを行ったのですが、ジギタリス血中濃度は測定されていませんでしたが、示されていた心電図を見て隣の医師が、「この心電図はジギ中ですね。」と仰りました。私はハッとしました。TDMしなくても心電図でジギタリス中毒が見抜けるのか…、と。なんとも情けないお話ですが。ジギタリスに関しては、血中濃度が治療域でも中毒になっている例があったり、治療域より血中濃度が低くても効果が出ているという例を聞いたことがあります。そういった意味では、ジギタリス中毒の心電図は薬剤師も見れるようになるべきだと思いました。
ということで、少し勉強しました。トーアエイヨーの医療従事者向けサイトが心電図の説明としては分かりやすかったです。→http://med.toaeiyo.co.jp/contents/ecg/index.html
ジギタリス中毒の心電図についてはこちらで分かりやすく説明があります。→http://nurse-senka.jp/contents/press/1876/(2ページ目以降も見たいところですが。ちなみに、ジギトキシンは現在発売中止となっておりますので。)
そういえば先日、ひのくにの薬剤師さんがジギタリス中毒関連の事をブログに書かれていましたので、こちらもご参考に(ジゴキシンクラリスロマイシン併用によるジギタリス中毒
http://kumamoto-pharmacist.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-cae6.html)。相互作用には十分な注意が必要ですね。

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