リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

私が大手調剤薬局を退職し、ド田舎の地元の病院に転職した理由 転職後半年編

大手調剤薬局からド田舎の地元の病院に転職して半年がたちました。
転職時の心境をつづった「私が大手調剤薬局を退職し、ド田舎の地元の病院に転職した理由」を書くときに決めていたのですが、半年・1年単位くらいで経過をつづらなければいけないと考えていました。この度半年がたちましたので、経過を綴っておきたいと思います。

その前に、この転職ブログはかなり多くの方に見ていただいたようです。ありがとうございます。いろんなご意見もいただき、大変励みになりました。

半年がたち、書いたブログを読み返してみました。自分でいうのもなんですが、正直な気持ちが書いてあり、なかなか面白かったです()そういえばいろんなことを考え、悩んでいたなと思いだしました。でも、じっくり考えてよかったと思いました。
そして、そのとき思い描いていた自分の姿になれているかな?と考えてみました。少しずつ近づきつつあるけれども、まだまだ遠いかなというのが印象です。
半年たてばもう少し近づけると最初は思っていましたが、そう簡単にはいきませんよね。なかなかハードルは高いです。

地元に帰ってきて一番変わったのは、いち薬剤師としての責任感です。以前は会社の何百人の中の一人の薬剤師で、簡単に代えがきくと考えていましたが、今は町にいる数人の薬剤師の一人、病院にいる二人の薬剤師のうちの一人、ということで必要不可欠な存在であると、勝手に考えています。そのため無駄に責任感を感じて仕事をしております。
そのように感じているので、敢えて行動はやや控えめにしておりました。やりたいことはいっぱいあるのですが、焦って空回り気味になるのも嫌ですので。しっかり地に足をつけてやっていこうと思っています。そういった意味でも、最初思い描いていた姿よりは遅れているのかなと感じています。

地元に帰ってきて思うことは色々ありますが、一番感じるのは仕事がやりやすいことです。山口にいたときは、周りは知らない人だらけでしたから、何をするにも他人行儀だったりとか、手間がかかったりとか、周りとコミュニケーションを取ったり連携するのが難しかったように思います。今は同級生や後輩もいますし、両親や祖父の顔が広いこともあって、私を知っている人はたくさんいます。自分の意識の問題なのかもしれませんが、だいぶハードルは下がったように感じています。
でも連携にはまだまだ課題がたくさんあります。しっかり自分や自分のできることをアピールしていかなければならないと感じています。特に薬薬連携は、今までほとんどできていなかったようなのでこれから作り上げていかなければなりません。でもこれに関しても、私が実習をさせていただいた薬局だったり、学校の先輩がいたりで私にとっては非常にやりやすい環境にあります。何度か薬局を訪問させていただきましたが、特に印象の悪い薬局はなかったので、うまくやっていけるのではないかと感じています。今後の流れを考えると薬薬連携はは非常に重要だと思いますので、病院がイニシアチブを取って積極的に進めていきたいと考えています。

さて、私が転職を考えたきっかけにもなった二つの課題がありました。一つは「すべての患者さんを家族のように愛する」ことが、見ず知らずの土地だったためできていなかったのではないかということ、二つ目は「医療=町づくり」と考えたときに、地元なら積極的に関与できるのではないかということです。これを検証していきたいと思います。
まず、「すべての患者さんを家族のように愛する」ということについてですが、残念ながらまだそれは実現していません。薬剤師が不足しており、ほとんど調剤室にいることが大きな原因です。正直、このマインドについては転職前よりも下がっているかもしれません。ただ、この病院に入院、通院しているだけで親近感が湧いているのも事実ですので、そういった意味では、少しくらいはそういったマインドも感じながら仕事ができているのではないかと思います。これは今後の大きな課題ですね。やはり医療者たるもの患者さんを見て仕事をしないといけません。
もう一つの「町づくり」に関してですが、こちらにもまだあまり関与できていません。たくさんの人の協力がいりますので、半年ではあまり進んでなくても仕方ないかなと感じています。うちの町に関しては、薬剤師があまり外へ出られていないので、そういった意味でもなかなか難しいです。まずは多職種の方に名前を覚えてもらい、様々な連携を通じて、目標に近づけていければいいかなと考えています。長い月日がかかりそうです。
現状ではこの二つの課題はクリアできていません。ただ、とても重要なことに間違いはありませんので、しっかり課題ととらえて少しでも近づいていきたいと思っています。

最後に、薬剤師不足について書いていきたいと思います。現状、町全体にも病院にも薬剤師が不足しています。今後の在宅医療の展望を考えると、薬剤師が足りないのは致命的です。土日になると、薬剤師が町から姿を消してしまうことも大きな問題です。また病院内は、最低限の業務を行うのが精一杯です。服薬指導も病棟業務も地域連携もやっていきたいですけどね…。せめてあと一人いれば…もし、田舎の地域医療に興味のある方は、お気軽にご連絡ください!
そして、こういった薬剤師に恵まれていない田舎にこそ、大手調剤薬局が進出してくる必要があるのではないかと最近感じています。田舎は薬剤師不足。ですが、都会では飽和しつつあると聞いています。採用力のある大手調剤薬局がたくさんの薬剤師を採用し、田舎に薬局を作りそこへ薬剤師を送り込む。こういったことも大手調剤薬局の役割なのではないかとかんじています。いかがでしょうか?特に福井県は分業率がダントツに低いです。まだまだ分業の余地はありますし、分業していかなければなりません。ぜひ積極的に進出してきてほしいと思います。田舎の方が密な連携ができ、今後のモデルとなるような店舗ができるかもしれませんよ!なんて言ってみたりして…

そんなこんなで、長かったのか短かったのか分からない半年が経過しました。もう少し先に進んでおきたかったですが、ぎりぎり合格点といったところでしょうか。まだまだ道半ばではございますので、しっかりと目標を見据えながら日々精進し、「田舎の地域医療を志す薬剤師」として努力していきたいと思います。
また半年後、経過を報告したいと思います。ではまた。

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