リンコ's diary

田舎の地域医療を志す薬剤師

勉強会まとめ:在宅で活用する栄養管理と簡易懸濁法の知識(考察編-2)

今回は前回の続きで、簡易懸濁法の実習について。

まずはグラマリール細粒、ポンタールカプセルの脱カプを水に溶解させました。
見事に溶けず。
グラマリールは、成分は水溶性のため錠剤では溶けるようですが、細粒にすることで溶けなくなりました。
ポンタールは疎水性のため、全く溶けず。

次に、種々の薬剤を簡易懸濁法のに準じて、実際に溶かし、チューブを通過するかどうか実験しました。
使った薬剤はラシックス錠、セルベックスカプセル、パナルジン錠・細粒です。
チューブを通過したのは、ラシックス錠、セルベックスカプセル、パナルジン錠(予め錠剤に亀裂を入れたもの)。
一方、パナルジン細粒は水に溶けず、無理にチューブを通そうとするも、チューブが閉塞。

細粒という剤型は、錠剤が服用できない患者さんのために作られたものです。
そのため、水に溶けるかどうかはあまり関係ないみたいです。
もちろん簡易懸濁を念頭に置いて作られたものでもありません。
そのため、錠剤やカプセルよりも細粒の方が溶けにくいということが良くあるようです。
そして簡易懸濁や胃瘻でこれを使うとなると、チューブが閉塞してしまいます。
以前は、粉砕指示の患者さんで、錠剤やカプセルを細粒に変えてもらったことがよくありました。
その際に投与経路や投与法の確認はしていなかったです。
何も考えてなかったし、何も知らなかったですね。。。
今後は投与経路、投与法の確認を必ずしていこうと思いました。

次はタケプロンOD錠を水と熱湯で溶かす実習。
水はうまく拡散しましたが、熱湯はうまく拡散せず固まりになってしまいました。
これのチューブ通過試験もしましたが、熱湯の方はうまく通過せず、残渣ができてしまいました。

これは知らないとどうしようもないですし、
知ったからには実際に指導する際は注意しなければならないですね。
ランソプラゾールに関しては、日医工のOD錠はシングルユニットになっていることで、
お湯でも固まらないようです。(タケプロンはマルチプルユニット)
どうやらタケプロンの顆粒に含まれるマグロゴール6000が影響しているようです。
マクロゴール6000は56~61度で凝固するとのことです。
タケプロンはカプセルにもマクロゴール6000が含まれるので、同じ現象が起きると思われます。

続きまして、マグミットとメネシットの配合変化について。
どちらもを一緒に入れたものは、黒色の沈殿ができました。
これはどうしてか?
メネシットの成分であるL-dopaがアルカリ性下において、酸化分解し、メラニンを生じ黒色化するようです。
こうなるとメネシット中のL-dopaの含量が大幅に低下し、薬効が減少してしまいますね。
同時投与しなければ問題なく、撹拌しなければさほど低下しないようです。
参考資料↓
http://www.kyujinkai-mc.or.jp/pdf/yakuzai/h17_iryouyakugaku.pdf#search='%E3%83%89%E3%83%91%E3%83%9F%E3%83%B3+%E9%85%B8%E5%8C%96%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8D%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0'

この現象は数か月前に知り、錠剤のままの内服でも口が黒くなるという例を聞いたことがあります。
患者さんで同時に服用されている方もいらっしゃいましたが、特に黒くなることなく飲めていました。
簡易懸濁や粉砕で処方される際は、十分に注意しましょう!

そして、次が衝撃の実習でした。
エパデールがポリスチレンの容器を溶かしてしまいました。
なんでも、介護施設でエパデールを溶解させるために容器の中に水を入れ、エパデールを入れ、
マドラーで攪拌し放置していたら、マドラーが溶けていたとのことで、この現象に気づかれたようです。
詳細は以下の論文を参考にされてください。
セルベックスでも同様の現象が起こるようです。
ポリスチレンには有害物質も含まれているので、簡易懸濁等の際には十分な注意が必要です。

最後に、アルロイドGのチューブ通過試験。
粘着性が強く、見事に通過しませんでした。
もしこの現象が現場で起こったらどうでしょう?
おそらく水を入れて、粘稠度を下げようとするのではないでしょうか。
でもそれをしてしまうと、アルロイドの薬効が得られなくなってしまいますね。
薬を渡すだけでなく、その後に何が起こるのか。
そういったことにも気を使いながら薬剤師をしていく必要があると強く感じました。

このソルミランは、エパデールを服用した時に感じる青臭さの戻り臭を抑えるために開発された薬剤で、
仁丹で有名な森下仁丹が製造をしています。
剤型は小さくなり、戻り臭が少なくなったようですが、逆に歯に詰まってしまうことが不評のようです。

先日カンブリア宮殿森下仁丹が紹介され、カプセルの技術が取り上げられていましたが、
ソルミランにもそういった技術が応用されているのではないかと思います。

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